大船山
2007年6月23日
 梅雨まっただ中の土曜日なのに降水確率10%。先週は所用のため登ることができなかったので、「雨さえ降らなければ」という思いで、前回断念した大船に登ることにした。
 男池駐車場を6時40分に出発。今日は風穴から大船に上がり、大戸越経由で男池にもどる周回コースである。
 米窪に上がったときには予想以上にガスっており全く展望がきかない。今日はこんなものだろうと思いながら段原へ向かった。山頂はあきらめ段原で昼食を食べようと準備していると、急に視界が開け山頂が見えてきた。ミヤマキリシマと大船山頂を眺めながらの昼食。至福の時間だ。
 ミヤマキリシマはすでにピークを過ぎていてしおれた花が多かったが、ツクシドウダンがまだきれいに咲いていた。大戸越への下山途中、初めてオオヤマレンゲと出会うことができた。
6:40男池→7:00かくし水→7:20ソババッケ→8:20風穴→9:25米窪→10:35〜11:25段原→12:40大戸越→13:35ソババッケ→14:25男池
男池に向かう途中、黒岳を見上げる。完全にガスの中。
男池駐車場にはほかに2台のみ。2週間前の喧噪がウソのようだ。
もう一度黒岳を見上げると青空が見えている!これは期待できるかも?
清掃協力金100円を入れ、入山。
ヤブレガサの花が開き始めていた。
かくし水を通過し、ソババッケへ。ぬかるみを通過して歩いていると、上から何匹もの毛虫が垂れ下がっている!気持ち悪くてその辺に落ちている枯れ枝で払いながら歩いた。まあ、蜘蛛でないだけましだ(私は蜘蛛が全くダメである)。
奥セリを通過。ここから大戸越に行けるようだが私はまだ歩いたことがない。
雨に濡れた葉が実にみずみずしい。
風穴で小休憩し、いよいよ今日のメインディッシュである、米窪への登りに向かう。風穴からわずか数分今水方面に歩いていくと分岐の看板がある。ここから米窪壁まで約1時間の急登だ。
途中、黒岳と対峙する。右の天狗岩はかすかに見えるが、左の高塚山は完全にガスの中だ。
黒岳の万緑の中に、1本だけ赤い木がある。一体何の木だろう?
ベニバナニシキウツギ。きびしい登りの続く中、ほっと一息。
やっとの思いで米窪壁に上がってきた。が、やはり辺りはガスのため、全く見えない。休憩を兼ね、上下とも雨具を着る。ここからは灌木の中を歩くため、こんな日は雨具を着ていないとえらいことになる。
ミヤマキリシマはピークを過ぎていた。
それでも部分的にはきれいな花が見られた。
今日はこれを目当てに登ってきた。朝日を受けて輝くツクシドウダン。
ツクシドウダン(478KB)
水滴に包まれたツクシドウダン。まるで透明な卵の中にいるようだ。
水滴の中のツクシドウダン(492KB)
地面を覆い尽くすほどのツクシドウダンの花びら。
ピークを過ぎているとは言え、まだ十分きれいだ。
ようやく灌木帯を抜けた。しかし周りはこの状態。苦労してここまで来たのに・・・。
段原到着。男池より約4時間。
このガスの向こうには大船山頂があるのだが・・・。あきらめてここで昼食とし、準備していると、1人の男性登山者が降りてきて声を掛けてくれた。平治岳北コースから大戸越を経由して大船に登ってきたそうだが、山頂は真っ白で何も見えなかったとのこと。「今日はずっとこんな天気でしょうね」と言いつつ坊がつるへと下っていった。
ところが昼食のできるのを待っているうち、薄日が差し始め、なんとガスが切れてきた!夢中でシャッターを切る。
わずかの時間ではあったが、大船山頂がすっきりと姿を現してくれた。
北大船もすっきりと晴れていた。
北大船のミヤマキリシマ。
写真を撮っているうちにごはんもできた。今日はただお湯を沸かして注ぐだけ。
今日、こんな風景を見ながら食べられるとは思っていなかった。至福の時間。山頂で食べるのもいいが、こうして山頂を眺めながら食べるのもいいものだ。
時間の関係で大船山頂をあきらめ(私は日が暮れるまでに家にもどることにしている)、大戸越へと下っていく。今日のもう一つのお目当て、オオヤマレンゲへと向かうと、ご夫婦が撮影中だった。奥さんが「どうぞ」というので割り込ませてもらった。
初めて出会うことができた、オオヤマレンゲ。この季節、咲いていることは知っていても、天候に邪魔されなかなか会いに来ることができなかった。ようやく会えた。
オオヤマレンゲ(477KB)
撮影を終え下ろうとする私に、奥さんが「下にも咲いてましたよ」と教えてくれた。注意深く見回しながら降りていくと、見つけることができた。
つぼみも可憐だ。
足場は不安定だったが、こちらに向いているこの花に出会えてうれしかった。本当に優雅な花だ。
オオヤマレンゲ(498KB)
大戸越より平治岳を見上げる。あの喧噪は何だったのだろう。私が休憩中、2人組の登山者が、律儀に「登り専用道」を登っていった。
男池付近の緑がまた一段と濃くなったことを感じつつ、下山した。
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