三俣山
2007年8月29日
 先週末、土曜日は職場の特別業務のため出勤、日曜日は家庭の所用のため山行できなかった。おまけに今度の土日の天気があやしい。そこで、やっと晴れマークになったこの日、急遽登ることにした。
 前回に続き夜明けの撮影、ただし今回は三俣山。大曲を3時25分に出発。空には雲もあるが星空が広がり、昨日皆既月食だった満月が煌々と輝いている。今日は雲があり黎明の撮影はあきらめているので、日の出に間に合えばよいくらいの気持ちで登る。ゆっくり歩いても間に合うはずなのだが、どうしても気持ちが焦り、急いでしまう。あえぎながら硫黄山道路へ合流。
 すがもり越へ向かう岩場を登っていくうち、だんだんと心細くなってきた。前後には誰もいない(当然だが)。それどころか、平日のこんな時間に九重連山に一体どれだけの人が歩いているか。自分で決めたことだからしかたないが、とぼとぼという感じで登り続けた。すがもり越に着いたものの休憩する気にならず、一息ついただけですぐ三俣山に取り付く。これまたあえぎつつ、途中何度か息を継ぎ、久住山方面を眺める。誰かが登っていればヘッドライトの明かりが見えるはずだが、残念ながら見つけることはできなかった。
 西峰を通過し、W峰へ向かう。予定ではここで朝を迎えるつもりだった。しかしここからだと南峰がじゃまになりそうなうえ、南峰に向かっても間に合いそうなので、南峰へと向かう。結局5時10分に南峰到着。大曲より1時間45分。牧ノ戸から天狗が城までとほぼ同じタイムだった。
 東の空は赤く染まり始めていた。しかし西風が強く吹き、寒い。上着と雨具を着込んでもまだ寒い。そのうち西からガスもやってきた。日の出まで待ってくれと思うものの、ガスは断続的にやってくる。なんとか日の出はガスの晴れ間に見ることができた。が、山々が赤く染まることはなく、あっさり終わってしまった。
 坊がつるを見下ろすいつもの場所で、風を避けながら朝食。ゆっくりコーヒーを飲んで、花を撮影した。そのうち完全にホワイトアウト状態になってしまい、どう下山しようか迷ったが、下にはガスはないはずなので予定通り雨が池に向かった。
 雨が池の上の池のほとりにはサワギキョウの群落があったが、雨が池のヤマラッキョウはまだ全部つぼみで残念。それでもマツムシソウがきれいに咲き乱れていた。昼食を終え下山準備をしていると、十数人の方々がやってきて木道の修理を始めた。尋ねてみると「くじゅう地区高山植物保護対策協議会」の方々であった。次にやってきたのは「ハイホー!ハイホー!」のかけ声とともに登場した6人組の大学生。民宿に合宿中で、これから久住山に登るとのことだが、装備はほとんどなし。それでも協議会の方々はやさしく助言していた。
 下山ルートは今回初めて歩く「指山自然観察路」。ほどよく整備されていて歩きやすい道だ。途中長者原へ向かう道に入ってしまい10分ロスしたが、気持ちよく木陰を歩くことができた。指山への分岐で登ろうかと少し迷ったが、時間と体力を考えやめておいた。後で考えると指山に登らなかったのは大正解だった。自然観察路を出てから硫黄山道路まで登り返すのは精神的にも肉体的にもひどく堪えた。
3:25大曲出発→4:10すがもり越通過→4:40三俣山西峰通過→5:10〜7:15三俣山南峰→9:10〜10:35雨が池→10:55指山自然観察路に入る→(ルートを間違え10分ロスを含む)→11:50観察路から出る→12:20硫黄山道路に合流→12:35大曲
ここまで来る途中、遙か遠く北の空の雲が稲光で時折明るく光る。いくら遠いとは言え、山で見るのはあまり気持ちのよいものではない。
南峰に着くと東の空は雲があるもののわずかに赤く色づいていた。
今日の朝焼けはここまでだった。右は大船山。
久住山方面の上空の雲が赤く染まった。
西から大量の雲が近づいてきた。星生山はすでに飲み込まれたようだ。このガスがほどなく三俣山にもやってきた。
遠く由布岳にもガスがまとわりついているようだ。
西風と寒さをこらえながら待ち、ようやく日の出を迎えた。しかしほぼ同時にガスも迎えてしまった。
朝日を受けたススキ。山はもう秋だ。
坊がつるを見下ろすテラスに移動する。平日の今日、テント4張り。
いつもここで昼食を食べているが、今日はここで朝食を食べる。きのこご飯と大盛りとん汁。寒いので暖かい汁物がうれしい。
朝食を終え、花の撮影。フクオウソウ。
ママコナ。
クサレダマ。
花の撮影を終え、ホワイトアウト状態の南峰を後にして雨が池へと下った。
右に「雨が池」と彫ってある。
15分ほど下ると雨が池への標識がある。見落としてしまいそうな小さい標識だ。
当初の予定では北峰に行くつもりだったが、ガスの中。これではあきらめざるを得ない。
小鍋を見下ろす。
とてもわかりやすい標識だ。
やがて、雨が池ルートと北峰へ向かうお鉢巡りルートとの分岐にたどり着く。
ここからの下りは急ですべりやすい。木の枝を支えにしながら、注意を払いつつ下る。何しろ今日は平日、しかもここは比較的マイナーなルートだ。万が一ケガをして立ち往生でもしようものなら、発見される可能性も低くたちまち遭難だ。
急な下りが終わると草原となり、赤テープさえほとんどなく、踏み跡をたどるのみとなる。ルートもいくつかにわかれているため、慎重に下る。
下山中、緑鮮やかなスギゴケを見つけた。
ようやく雨が池のすぐ上にある池に着いた。
サワギキョウが乱れ咲いていた。
サワギキョウ(408KB)
上の池から少し下るとこんな標識がある。もうすぐ雨が池だ。
雨が池ではマツムシソウが揺れていた。つぼみもまだ多く、これからが見頃だろう。
マツムシソウ(491KB)
マツムシソウ(453KB)
サイヨウシャジン
ホソバシュロソウ
ノギラン
イヨフウロ
雨が池にはヤマラッキョウの大群落がある。今日はそれを撮影したくてやってきたのだが、残念ながらまだ咲いていなかった。色づいているものもあるので、もう数日で開花しそうである。
2006年9月25日撮影のヤマラッキョウ
今日はこのあと下山するのみなので、少し早いが昼食とした。「ラーメン発見伝」というカップ麺をコッヘルで煮てみた。こうすると卵やキャベツを入れることができる。刻みネギも投入。けっこう豪華(?)
なおこの「ラーメン発見伝」は今回初めて食べたのだが、魚系の香りが強いうえにチャーシューではなく柔らかい鰹節を入れていて、魚系が好きな私はけっこうおいしく感じた。
昼食を終え下山準備をしていると、十数人の方々がやってきて木道の修理を始めた。尋ねてみると「くじゅう地区高山植物保護対策協議会」の方々で、盗採を防ぐために巡回し、こうして登山道の保守管理もされているとのこと。このような方々のおかげで九重連山を快適に歩けるのだと改めて感謝した。
木道の補修の様子を見ていると、長者原方面から「ハイホー!ハイホー!」と白雪姫に出てくる「7人の小人」の歌を元気よく歌いながら6人の大学生らしき若者が走りながら登場してきた。見ると装備らしき装備を持っていないが、上の写真の「協議会」の方々との会話を聞くともなしに聞いていると、これから久住山に登るらしい。ルートも怪しそうだったが、大丈夫だっただろうか?「協議会」の方々は「法華院には自動販売機もあるから水を補給して行きなさいよ」と優しく指導されていた。
下山は初めて「指山自然観察路」を歩いてみることにした。雨が池から長者原へと向かい、大土石流を越えて少し歩くと分岐がある。立派な標識が整備されている。右が長者原へと向かうメインルートで、左が指山自然観察路だ。
道はほどよく整備されていて歩きやすい。ずっと木陰を歩くので心地よい。
5分ほど歩くとまた標識がある。指山自然観察路は直進し先ほどとは別の土石流跡を横切る。右に行くと長者原へ向かうメインルートに合流するのだが、私は何を勘違いしたのか右に進んでしまい、長者原へのルートと合流して初めて気がつき引き返すはめに。これで10分ロスしてしまった。車を大曲に置いているので、長者原へ下山するわけにはいかない。
自然観察路入り口から30分ほど歩くと(ロスした10分は差し引いている)、指山へ登る分岐に着く。登ろうかとかなり迷ったが、時間と体力を考え、今回は自重することにした。紅葉のの季節に登ってみたい。
自然観察路終点。長者原からすがもり越に向かうルートと合流した。ここから大曲まで行くには、この道を登らなければならない。今回のルートは自分で考えたのだが、これはかなり後悔した。この登りはたいしたことはないのだが、下山するのに登っていくというのは精神的にかなりきついものがある。
ようやく登りが終わった。あとは大曲に下るのみだ。
大曲に下山。平日にもかかわらず、5台の車がとまっていた。すべて県外ナンバーで、一番遠かったのは栃木だった。
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