三俣山・大船山
2007年9月25日〜26日
 3連休が雨だったり、職場の休日出勤のため土日がつぶれたりしたため、ずいぶん久しぶりの山行となった。その間山行できないストレスがたまってしまった。そこで、今回は満を持して2回目の坊がつるテント泊である。
 吉部から入山。かなりガスっているが、前日の予報では午前中に晴れるはずなので気にせず登る。坊がつるに近づいた9時過ぎ、三俣山にかかっていたガスが急激になくなり、上空には青空が広がってきた。気分良く歩く。ところがテントを設置して、「さて」と周囲を見渡すと、なんと完全にガスっている。これでは登れない。そのうち小雨まで降り始めた。しかたなくテントの中で昼食。
 草むらに入ってなにやら作業をしている人が2人いて気になったので、その人たちのごみ袋を覗いてみた。中には坊がつるにはないはずの草があり、なるほどと理解。話を聞くと「アクティブレンジャー」のひろえさんだった。暇なので1時間ほど草取り作業を手伝った。
 三俣山のガスが切れ始めたので、ひろえさんに挨拶して登る。南峰に直登。以前よりきつく、長く、そして危険に感じた。このコースをちょっと甘く見ていたのかもしれない。山頂直前、振り返ると雲の上に大船山の山頂だけがぽっかりと浮いていた。三俣山山頂ではあちこちに咲くリンドウの撮影。
 夕暮れを撮影するため、西峰に移動。最南端のすがもり越に下るところで暮れゆく九重連山を撮影した。折しも今日は中秋の名月。大船山の上に登った明月を愛でることとなった。ガスかかる中岳も絶景。しかし日の入り直前にガスが広がり、撃沈。ただちに下山し、なんとかヘッドライトを使わずにすむ時間に法華院山荘に到着。一風呂浴びてテントに戻った。
 2日目はできれば2時半に起床し大船山頂で日の出を迎えようと思っていたが、さすがに疲れていて断念。澄み切った青空の広がる中、朝食を食べて6時半に大船に取り付いた。5合目で振り返ると、なんと坊がつるがすっぽりとガスに覆われている!これを写真に撮りたくて山頂へと急いだ。
 山頂には坊がつるを見下ろす絶好のポイントに一人の男性が座っている。「何時からここにいるのかをぜひ聞いてみよう」と思いつつ近づいてみると、なんと「九重連山の光と影」のオアシスさん!オアシスさんなら夜明け前からここにいたのは聞くまでもない。ガスが坊がつるに広がってくるのを見ていたそうだ。
 辺りはすばらしい雲海が広がり、2人で話をしながらの楽しい撮影会となった。そのうちガスが徐々に上に上がってきて、ブロッケンが見えてきた。私にとって始めてのブロッケンを撮影でき、最高の山行となった。
25日
4:00自宅出発→7:10吉部出発→8:10暮雨の滝→9:00大船林道合流→9:30〜14:25坊がつる→14:30三俣山取り付き→16:20〜16:35三俣山南峰→16:55三俣山本峰(通過)→17:15〜17:55三俣山西峰→18:05すがもり越→18:30法華院→坊がつる
26日
6:30大船山取り付き→7:45段原→8:00〜9:15大船山→9:25段原→10:30坊がつる→12:00下山開始→13:15吉部
吉部より入山。最初の急登をクリアし、ゆっくり歩く。
マルバテンニンソウ
マムシグサの実
トリカブト。猛毒というが、花にはそんな気配はない。
同じくトリカブト
秋を感じながら歩く。
まるで落ち葉が胴上げされているようだ。
落ち葉の胴上げ(437KB)
三俣山が見えてくると一気にガスが晴れた。
やや遅れて久住山方面のガスも晴れた。(手前は輪地切り)
鳴子川沿いに真新しいテーブルとベンチができていた。ここで休憩すると気持ちいいだろう。
坊がつるに到着。さすがに平日とあってテントは1張りだけ。
テントを設営し、辺りを見るとガスっている。そのうち小雨まで降り始めた。しかたなくテントの中で昼食。まずはボイルしたウインナーをつまみにビール。
今日の昼食はこれ(下の写真)。カップだとかさばるので中身だけビニール袋に入れて持ってきた。
テントのそばの草むらで作業をしている2人が気になった。どうも草を抜いているようだ。まさか盗採ではあるまいが・・・(失礼!)。
2人がいないすきにごみ袋をみて、坊がつるにあってはならない草を抜いていたのだと納得。話を聞くと、黄色い雨具の方は「アクティブレンジャー」のひろえさんだった(青い雨具の方も同じ事務所の方)。アメリカ原産の草が登山者に付着して種子が落ちて生えてしまったため、駆除しているそうだ。
よく見るとあちこちに生えている。暇なので手伝うことにした。けっこう群落を形成しているところもあり、これは必要な作業だと感じた。帰化植物は繁殖力が旺盛なので、広がってからでは手遅れになりかねない。
すぐそばにはノハナショウブの群落もある。貴重な坊がつるの植生が守られているのも、こうした方々の努力のおかげだ。
小1時間ほど草を抜き、ふと見ると三俣山のガスが切れかかっている。これは登らねば!ということで、ひろえさんにあいさつし、取り付く。
今年始めて出会ったリンドウ。
山頂直下にて。
振り返ると雲の上にぽっかりと大船の山頂が浮かんでいた。(左下には坊がつる)
雲の上の別世界。
テント場を見下ろす。さすがに平日、テントはわずかに4張り(その後2張り増え6張りになった)。
私のテントは中央下に見える黄色のテントだ。
南峰山頂ではさっそくリンドウが迎えてくれた。
リンドウ1(468KB)
リンドウ2(477KB)
リンドウ3
イワカガミが1株咲いていた。暑さで季節を間違えたのだろうか。
西峰の最南端で夕暮れを待つことにした。ふと、大船の上に月が昇っているのに気づいた。そう言えば今日は中秋の名月。期せずしてお月見となった。大船山と名月のコラボレーションを愛でているのはきっと私だけだろう。・・・職場の先輩の「そんな物好きはおまえだけだ」との声が聞こえてきそうである。
ガスがまとう中岳方面。これも絶景だ。
今日は硫黄山の噴煙も迫力満点だ。
夕暮れが近づき、ガスがうっすらと染まり始めた。しかし、このあとガスが一気に押し寄せ、あえなく撃沈となった。
急いで下り、なんとかライトをつけずに法華院山荘にたどり着いた。一風呂浴びてすっきりする。
テントに戻り夕食。まずはサンマの味噌煮で乾杯!
今日のメニューはアルファ米に親子丼。まあまあか。
明けて26日。できれば大船山頂で夜明けを迎えたいと思ったのだが、さすがにそれはムリだった。5時半に朝食を食べる。「佐藤のごはん」に「ちょっと雑炊」と「キムチスープの素」とウインナーを入れたキムチ雑炊。これはなかなかいける。
三俣山頂に朝日が差してきた。
炊事棟で水を補給し、大船山に向かう。青空がうれしい。
5合目のテラスで見下ろして驚いた。坊がつるを底霧が覆っている!これを山頂でカメラに収めたいという思いにかられ、急ぐことにした。
山頂に着く直前に見上げると、坊がつるを見下ろす絶好の岩場に一人の男性が座っている。「何時に登ってきたのか聞いてみよう」と思いつつ登った。ところが近づいてみると「九重連山の光と影」のオアシスさんだ。オアシスさんなら朝駆け登山に間違いない。
オアシスさんとは今年の4月7日に三俣山南峰で始めてお会いして以来だ。山行のことや写真のことなどを話ながらの楽しい撮影となった。
雲海に浮かぶ九重連山(466KB)
今日はすごい雲海だ。阿蘇も由布岳も沈み、わずかに祖母傾連山が頭を覗かせている。
そのうちブロッケンが出現。私には始めてのブロッケンだ。
そのうち私の影もはっきり見えるようになってきた。左上に中岳がかすかに見える。
私(左)とオアシスさん(右)、2人のブロッケン。
ついにはブロッケンの外側に白い虹まで現れた。
この後、山頂もガスに覆われてしまった。仕方なく下山する。
下山時の5合目。ガスがすっかり上に上がってしまった。これならテントも乾いているだろう。
ところが坊がつるに降りてみるとこの通り。まったく不安定な天気だ。
下山に備えラーメンをすする。
ススキ越しに大船を振り返り、坊がつるを後にした。
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