扇ケ鼻
2008年1月26日
 数日前から強い寒気がやってきたが九重連山にも雪はまだ降っていないようだ。天気予報ではくもりの予報でちょっと迷ったが、雲は高層の雲のようだと判断し、登ることにした。ただし今回はお手軽に牧ノ戸から扇ケ鼻までの往復である。
 7時前に牧ノ戸到着。またもタイヤチェーンは使わなかった。準備をして7時半に入山。沓掛山の霧氷は前回よりも多いようだ。それだけ冷え込んだということだろう。しかし風がないため寒さはあまり感じない。ゆっくり登り始める。そのうち1人の男性に追い抜かれた。続いて2人組にも。それでもマイペースでゆっくり登っていく。単独登山なので気楽だ。
 結局のんびり写真を撮りながら扇ケ鼻分岐まで1時間45分もかかってしまった。この辺りで少しずつガスが広がり始めた。青空が広がるようであれば星生山まで行くことも考えていたのだが、どうも雲は切れそうにない。そこで予定通り扇ケ鼻へ向かった。
 山頂へ向かう途中、肥前が城の絶壁が見える場所に行ってみて、その景色のすごさに息を呑んだ。カメラを構えるのを忘れるほどだ。
 山頂に到着しうどんを食べる。ガスがやってきて展望はきかないため、食べた後はすぐに下山。牧ノ戸から登ってくる登山者の方々とすれ違いながら早々と下山した。
7:30牧ノ戸出発→7:55沓掛展望台→9:15扇ケ鼻分岐→9:50〜10:35扇ケ鼻→12:00牧ノ戸
7時半の牧ノ戸駐車場。雪はほとんどない。
沓掛山の霧氷が登山口からもよく見える。
のんびり登っていると、一人の男性が私を追い越し、見る見るうちに遠ざかっていった。
この男性が速いのか、それとも私が遅いのか(もちろん後者である)。
三俣山も今日は霧氷に覆われていて真っ白だ。
残念ながら由布岳は雲に隠れていた。
振り返ると湧蓋山も山頂が白くなっていた。
写真を撮っているうちにまた追い越された。
この調子では一体何組に追い越されることか。
マイペースで歩き、汗をかくことなく沓掛展望台に到着し、霧氷越しに阿蘇五岳を撮影。
涅槃像が白い帽子をかぶっているようだ。それとも横になっているから枕と言うべきか。
温度計は−7℃を指していたが風がなくそんなに寒さは感じない。
もちろんしっかり防寒対策していることは言うまでもない。
霧氷のトンネルの下を歩いていく。
登路はしっかり凍っているが下山時はどうなっていることやら・・・。
一面真っ白な山々を眺める。いい気分だ。
左に見える星生山にかかっているのは硫黄山の噴煙だろう。
雲は雨を降らせるようなものではなく、ガスが広がる様子もない。
登路の向こうに三俣山を見る。今日は三俣山に登ろうかとも考えた。
もし登っていればすばらしい霧氷に囲まれながらの山歩きとなったことだろう。
だがこちらの霧氷も負けてはいない。すばらしい霧氷にたびたび足が止まってしまう。
そしてアセビ
動物の小さな足跡を見つけた。
だが何の動物のものだろう?
星生山が見えてきた。西面の霧氷がみごとだ。
霧氷をアップでとらえてみた。枝についているのはほんのわずかな氷なのだということがわかる。
なるほどどうりでもろく落ちてしまうはずだ。
扇ケ鼻分岐直前。霧氷に囲まれた登路を歩く。
扇ケ鼻分岐に到着。少しガスが広がってきた。
星生山はあきらめ、予定通り扇ケ鼻へ向かう。
りっぱな霧氷を横に見ながら登っていく。
登路には雪が薄く積もっているが登るのに支障はない。
分岐から10分程度で扇ケ鼻の山頂が見えてきた。
ガスのかかる久住山や天狗が城、中岳が見えてきた。今日はこの風景を見たくてここまで歩いてきた。
ガスのかかる久住山山頂。
さらに久住山方面に向かって細い枝道を歩いていくと、扇ケ鼻のへりに着いた。そしてそこには想像を超えた絶景が広がっていた。
カメラを手に持っているにもかかわらず、完全に撮影することを忘れ、しばらく立ちつくした。
今日、こんなすごい風景を見ることができるなんて、予想もしなかった。
「来てよかった」と思いつつカメラを構えた。
肥前が城の絶壁(475KB)
まるで滝が流れ落ちていくようだ。ガスはまるでその水煙のようにも見える。
肥前が城の絶壁2(495KB)
10分ほど立ちつくしていただろうか。立ち去り難い思いをひきずりながら、扇ケ鼻の山頂へと向かった。
扇ケ鼻山頂到着。ほかに誰もいない。
山頂より久住山・中岳・星生山を見る。しかし右端に見えるはずの久住山はガスに覆われてしまった。
霧氷越しに見る星生山。
久住高原と阿蘇五岳。ガスと雲海のために高度感がすごい。
祖母傾方面は一面の雲海が広がっていた。
今日はここで昼食。たっぷりの長ネギと卵を入れた鍋焼きうどん。みそ味でとてもおいしい。残念ながらガスが広がってきて展望は今ひとつだったが、雪見うどんをゆっくり味わった。
ガスのために展望がきかず、コーヒーもやめて早々に下山する。
まだ10時半だが、今日は絶景を見ることができたので十分満足だ。
下山途中、星生山を振り返った。
沓掛展望台を下ると、立派なカメラを大きな三脚に据えて撮影する方々に出会った。
カメラ愛好家のグループだろう。牧ノ戸駐車場のバスを見ると福岡から来た方々のようだ。
今回もまた雪も風もない穏やかな山行を楽しむことができた。だが一体雪はいつ降るのだろうか。
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