三俣山
2008年3月8日
 移動性高気圧が真上に来て絶好の登山日和。雪の残っているであろう三俣山をめざした。2週間前は強風と寒さ、それにトレースがなかったこともあって西峰までしか行けなかったため、今回は多少ラッセルしてでも南峰までいくつもりで出発した。
 見事なまでの青空の広がる中、大曲をスタートし快適に登る。硫黄山道路に上がると車の轍と、スキーですべったような跡がある。スキーで下った人がいるのだろうか。
 すがもり越で小休止ののち、さっそく三俣山にとりつく。中岳北面の絶景が今回も迎えてくれた。その風景を時折振り返りつつ西峰に到着。今回は本峰へ向かうトレースがしっかり残っているため、安心して本峰へと向かい、順調に到着。ところが本峰から南峰へ向かうためトレースをたどると、W峰をかすめて下るところで消えていた。しかたなく分岐点に戻り思案する。登ってきた人とも相談するが、やはりここからはラッセルするしかないようだ。初めてのラッセル。雪原のどこを通ればいいのかもわからず、とにかく進む。途中本峰から下るルートへと進み、やがて南峰との鞍部に到着。ここまでくればルートは見えているので山頂までもう一息だ。しかしここからラッセルしながらの登りとなり、ひたすらあえぎつつ登っていく。山頂直前、腰以上もある雪に悩まされ、泳ぐようにしてはい上がってようやく南峰到着。そのまま坊がつるを見下ろすテラスに行き、雪の残る坊がつるを見下ろしながら昼食とした。
 下山は自分のつけたトレースをたどる。西峰ではあまりの景色のきれいさに下山がもったいなく思えるほど。溶け始めた雪を踏みしめながらゆっくりと下山した。
7:15大曲出発→8:15すがもり越→9:00三俣山西峰→9:25三俣山本峰→10:30〜11:35三俣山南峰→12:15西峰→13:00すがもり越→13:45大曲
6:40、牧ノ戸駐車場前を通過。道路は除雪されてチェーン不要。
しかし駐車場はごらんの通り。スタックすると大変だろう。
大曲に私は4番目に到着した。準備を済ませ7時過ぎに入山。
雪の残る登路を登っていく。
硫黄山の噴煙が朝日を受けて白く輝いていた。
硫黄山道路に上がってみると、車の轍と、スキーの跡と思える2本の筋が雪面に残っていた。どう見てもスキーの跡だと思うのだが、こんなところで?
硫黄山の噴煙を正面に見ながら、朝日を浴びつつ歩く。快適だ。
すがもり越に到着。木製のベンチはほとんど雪で埋まっていた。
小休憩ののち、早速三俣山にとりつく。今日はトレースもしっかりある。これなら南峰まで行けそうだ。
2週間前と同じような絶景が広がっている。この風景を時折振り返りつつ登っていく。
やがて大船山が見えてきた。ちょっと霞んでいるようだ。
西峰の尾根に上がると、男性がこの風景を撮影中だった。
この方とはすがもりをほぼ同時に出発し、下山時にすがもりに戻ったのもほぼ同時だった。
あちこちの風景をじっくり撮影されていた。下山後に聞くと、もうウン十年九重連山に登られているとのこと。

カメラもフィルムの一眼レフで、さらにはオートでなくマニュアル撮影をしているそうだ。
私はといえば、デジカメ(一応一眼レフ)で、ほとんどオートでの撮影だ。数打ちゃあたる、みたいな。
なんなく西峰に到着。2週間前はすごい強風が吹き荒れていたが、今日はほとんど無風だ。
本峰へ向かうトレースも今日はしっかりついている。
ところが登るにつれてトレースが細く浅くなってきた。
どうやらこのトレースは昨日のもののようだ。
本峰に到着。
北峰を見下ろす。手前は雪庇だろうか。これ以上は端に近づかなかった。
本峰山頂から南峰へと向かうトレースが見あたらなかったため、一旦下り、W峰へ向かっているトレースをたどることにした。しかしこのトレース、いかにも細い。
ところがのこトレースは、W峰から少し下ったところで消えていた。
右に見える南峰まで行きたいのだが・・・。
そこで一旦本峰との分岐まで戻った。雪面から出ている登山マップを見ながら思案する。
赤丸が現在地で、黄丸が南峰である(本物のマップには丸はついていない。念のため)。
マップのある地点から南峰方面にはルートがあるはずだが・・・。
登ってきた方とも相談したが、ここを行くしかなさそうである。

初めてのラッセルに挑戦することにした。
少し進むと真っ白な雪原が見えてきた。さてどこを歩いたものか・・・。
右に少し見えているのが南峰だが・・・。
途中、左に野ウサギの足跡らしきものを見つけた。
その足跡の上を歩き、本峰から下ってきたルートと合流することにした。
時折膝上まで雪に埋もれながら、ようやく南峰との鞍部に到着した。いままでのルートを振り返る。
私のつけたトレースとたどって、2人の方がこちらへ向かっていた。
ここまでくれば南峰山頂はもうすぐだ。ところがここからの登りは霧氷を浴びて真っ白になりながらのラッセルで、ただひたすらあえぎつつ登った。特に山頂直下は雪が深く、腰上まで埋まりながら泳ぐようにして周囲の枝にしがみついてなんとかクリアした。
ようやくたどりついた山頂。
すぐに坊がつるを見下ろすテラスへと向かい、大船山と対峙する。今日一番見たかった風景。
坊がつると大船山(469KB)
霧氷越しに平治岳を望む。
私がいつも腰を下ろすところは雪で埋もれていた。
そこで雪から出ている岩に腰掛け、昼食とした。
今日もまたうどん。2枚の揚げがうまい。
正面に大船山を見ながら、
右に中岳・天狗が城を見ながら食べる。
食べながら風景を見ているうち、坊がつるに1張りのテントがあるのに気がついた。

約1時間、だれもこのテラスには来なかった。風景を十分満喫し、南峰山頂へと戻る。
山頂ではご夫婦が食事タイムだった。
南峰山頂より大船山を振り返る。
自分のつけたトレースをたどり、下山する。途中、すがもり越をほぼ同時にスタートした男性と一緒になった。
本峰を少し下ったあたりで撮影。何も言うことはない。
雪の九重連山(490KB)
西峰ではグループの方々がこの景色を見ながら昼食をとっていた。さぞおいしかったことだろう。
西峰の東端まで降りてきた。名残を惜しみ、最後の休憩。
すがもり越へと下山中、かすかに水の流れる音が聞こえてきた。
足下を雪解け水が流れていた。
春はもうそこまできている。。
山行記録にもどる
inserted by FC2 system