三俣山・大船山

2009年10月10日〜11日

 月曜日の体育の日を含めて3連休が完全な3連休となった。天気もよく、これは絶好のテント泊のチャンスである。
 テント泊となれば朝急ぐこともない。7時半に吉部を出発。17sのザックを背負ってはいるが意外にも軽々と急登を越えた。特にトレーニングはしていないのだが、毎週山行しているせいだろうか。順調に歩き坊がつるに到着。テントを設営し、サブザックに食料などを詰め込んで雨ヶ池へ向かう。雨ヶ池で花期を終えようとしているヤマラッキョウを撮影し、三俣山南峰をめざす。マイペースで登ったつもりだがこれまた意外に軽く北峰分岐に到着。小鍋壁の紅葉が始まっているのを確認して南峰へ向かった。
 南峰のいつものテラスで昼食。今日は(本物の)ビールを飲み、食事をし、さらにはのんびりと昼寝。やっぱりテント泊だと時間を気にしなくて済むのがいい。本峰で大鍋壁の紅葉をチェック。こちらも色づき始めている。西峰を経てすがもりへと下る。陽が傾き風も冷たく感じる中、北千里浜を歩き、登山者でにぎわう法華院山荘前を通過して坊がつるに戻った。暮れゆく山々を眺めながらのんびりと時間の過ぎゆくままに過ごし、日の暮れる頃、山荘で一風呂浴び、テントでの1人焼き肉とビール。さらには焼酎と続き、9時頃就寝(だったと思われる)。
 深夜寒さで何度か目が覚めつつ3時過ぎに起床。早々に準備をして出発。大船山取りつき地点から入山し、なんとかルートを間違うことなく高度を上げていく。5合目で小休止して山々を見ると、何個かの明かりが見えた。みなさんの朝駆けに負けないように頑張って登らねば。
 段原直前に単独登山の男性を追い越す。その後段原に到着したが、なんとガスが流れている。ショックを感じつつ雨具を着込んでいるときに先ほどの男性が登ってきた。「九重連山を歩くの方ですよね」と声を掛けられびっくり。
 山頂に着くとやはりガスに覆われている。ただ、時折晴れることがあり、なんとか黎明を撮影した。これでは夜明けは撃沈かと思っていたが、夜明け直前に急激にガスが晴れ、すばらしい夜明けを迎えることができた。先ほどの男性と「最高の朝駆けになりましたね」と笑顔で話した。
 ほとんどの方が下山した山頂で朝食を取り、御池に下って紅葉のチェック。こちらも順調に進んでいる。来週はまた来なければ。
 坊がつるに下り、荷物を整理しテント撤収。朝駆けのおかげで午前中に吉部に下山することができた。

10日
7:30吉部出発→8:25暮雨の滝通過→9:25〜10:20坊がつる→11:00雨ヶ池→12:15〜14:35三俣山南峰(昼食)→14:50本峰→15:20西峰→15:35すがもり越→16:10法華院山荘通過→16:20坊がつる
11日
3:30大船山取りつき→5:00段原→5:25〜8:10大船山頂(朝食)→8:25段原→9:10〜10:25坊がつる→11:05暮雨の滝通過→11:45吉部


瀬の本から牧の戸へ向かう途中の展望所より阿蘇五岳を望む。
秋の雲が広がる絶好の登山日よりである。


今日は3連休の初日。3連休が実際に3日連続の休みとなるのは実に久しぶりである。しかも天気予報では3日間とも晴れ。
これは「テント泊をしなさい」ということだろう。そこで吉部から入山し坊がつるをめざした。



入山してすぐにサラシナショウマの花に出会った。
この花はきれいであるが、見ると必ずコップ洗いを連想してしまう。


すぐに急登にやってきた。このルートの難関である。だが今日は難なくクリア。

今日のザックは約17sあり、私にとってはかなり重いのに。
最近毎週のように山行しているからだろうか?


急登を過ぎ、ほっと一息。傍らに咲くハガクレツリブネソウを撮影。


朝日を浴びる登路を心地よく歩く。


暮雨の滝を通過し、トリカブトを撮影。
大船林道との合流地点はもうすぐだ。


坊がつるの黒い輪地切りの向こうに天狗が城・中岳が見えてきた。


ススキが朝日を浴びて輝く。
背景は明日登る予定の大船山である。


ススキ越しに見上げる三俣山(南峰)。
山頂の上に白い月が輝いていた。


坊がつるのテント場に到着。まだテントはまばらだ。
いつもの場所に設営する。この写真の中央付近。


テントを設営し、サブザックを背負って出発。雨ヶ池経由で三俣山へ。
坊がつるから雨ヶ池へ向かうと、登ってくる多くの方々とすれ違うことになる。
そのたびに挨拶を交わす。



雨ヶ池が近づくとマツムシソウが咲いていた。
だがもうそろそろ花期も終わりだろう。


雨ヶ池のヤマラッキョウも花期を終えようとしている。群落の撮影はあきらめた。
さらに、群落の周辺の株が踏みつけられているのを悲しい思いで見つめた。
こんなことなら雨ヶ池に来なければよかった。


気を取り直し、三俣山へ。



私と同じコースを歩こうとしている女性3人組。
だが取りつき地点がわかりにくい様子(ちなみに標識はない)。
どうやら最近、登山雑誌(GREEN WALK)でこのマイナールートが紹介されたようだ。
(この3人の女性の1人がその雑誌を持っているのを見た気がする。)
南峰付近では他の登山者(複数)からも「雨ヶ池に下るのはこの道ですか?」などと尋ねられた。
確かにこのルートをを利用すれば便利だ。たとえば長者原から三俣山を周回することができる。
だが急坂である上に、下の方はルートがわかりにくいのが難点だ。


このルートに入ってすぐのところにある天ヶ池。
先ほどの女性3人グループが通過中。


さほどきついとも思わずに北峰分岐に到着。
以前はあんなにきつく感じたのに。


小鍋周辺の紅葉。


ひと頑張りで南峰山頂に到着。



山頂にはリンドウが乱れ咲いていた。


坊がつるを見下ろすいつものテラスに到着。
大船山と坊がつる、そしてススキ。



朝と比べてずいぶんテントが増えてきた。
今日は3連休の初日。これからまだ増えるに違いない。


さて、今日もここで昼食だ。
テント泊のため、まずはビールだ。しかも私の大好きなプレミアムモルツ。
茹でたウインナーを食べ、ビールを飲む。この風景がなによりのつまみだ。


今日のメニューは親子丼。
少しでも装備を軽くするため、だし汁ではなく手抜きの「ちょっとどんぶり」を使用。
手抜きではあるが、鶏肉とタマネギ、卵2個を入れた親子丼は十分おいしい。
(私は決してヒガシマルの回し者ではないので念のため)



テラスに咲いていた純白のリンドウ。


昼のビールはうまいがよく効く。お腹もいっぱいになり眠くなってきた。
しばらくの間、昼寝をする。30分ほど寝たようだ。

目覚ましのコーヒーを飲んだ。さて、そろそろ次へ行くか。



本峰に着き、北峰を見下ろす。大鍋の紅葉をチェック。


底の部分はこの程度。まだこれからというところか。


南峰側の壁面はかなり色づいている。


一番鮮やかだったのは本峰と北峰の鞍部あたり。


本峰を下り西峰へ向かう。
その途中、ススキ越しに九重連山を望む。
久住分かれの向こうに阿蘇・根子岳が見える。


W峰付近の紅葉もきれいに色づき始めていた。


西峰を経てすがもり越へと下っていく。



午後3時半のすがもり越は陽がかげり、風も冷たく、なんだか淋しい感じがする。


グループ登山の方々がにぎやかに記念撮影をするのを横目に見ながら、一人とぼとぼと北千里浜を歩いていく。



法華院山荘前を通過。
今日は大にぎわいだろう。


法華院から一歩きで坊がつるの我がテントに到着。
しばらくはすることもない。日が暮れていくのを眺めていよう。



大船山に影星生が伸びていく。
大船山頂直下に見える影は硫黄山の噴煙の影である。


わずかに雲が赤く染まった三俣山上空。


日も暮れた。
法華院山荘で一風呂浴び(ちなみに今までで一番混み合っていた)、缶ビールをゲット。



坊がつるでの一人焼き肉。うまい。
ビールはそのうち焼酎のお湯割りへと変わり、夜が更けていく。

就寝はたぶん9時頃だったろう。


夜中、寒さで何度か目が覚めた。
2:50のアラームで一旦は目が覚めたものの、寒さのため起きる気にならない。
それでも3時過ぎに起床し、カロリーメイトとウィダーでとりあえずのカロリーを補給する。
今日は初めての大船山への朝駆け。気合いを入れて出発。

見上げると空には満天の星。今日はすばらしい夜明けが待っているはずだ。


坊がつるの端にある大船山取りつき地点では3人グループの方々がなにやら1人のザックの中を点検しているようだ。
この方々と一緒なら心強いのだが。何しろ大船山の最初のあたりは林の中をゆるやかに登っていくのだが、
広々とした林なので日中はともかく夜はルートがわかりにくいのではと思っていたのだ。
しかし3人組はなかなか来る気配はない。しかたなくゆっくり慎重にルートを確認しながら登っていく。


ようやく5合目までやってきて小休止。
九重連山を振り返ると、いくつかの明かりが見える。
白口谷を登っていくのは中岳をめざしているのだろうか。
その中岳山頂にも、そして天狗が城山頂にも明かりが見えた。
みなさんに負けないように自分も頑張って登ろう。


段原直前、一人の男性を追い越した。「速いですね」「段原はもうすぐですよ」と一言二言会話を交わす。
ほどなく段原に到着してみると、なにやら白いものが流れている。目をこらしてみると、ガスだ。
あんなに晴れていたのにガスとは。ショックを受けながらも雨具を着込む。
そのうち先ほどの男性が登ってきた。「『九重連山を歩く』の方ですよね」と声をかけられてびっくり。
なんと前回のテント泊(8月8日〜9日)のときに三俣山西峰でお会いした熊本のKさんであった。


山頂に到着し、三脚とカメラをセットする。
あたりにはガス。といっても完全なホワイトアウトではなく、時折切れることがある。



そんなガスの切れたわずかな間に撮影した、本日の黎明。


先ほどの男性(Kさん)も岩に腰掛け夜明けを待っている。


しかし寒い。ここは秋ではなく、すでに冬。
もっとしっかりとした冬の装備で来るべきだったと反省しながら、夜明けを待つ。
あとはガスが晴れることを祈るだけだ。



東の雲が染まり始めた。


ふと振り返ると、ガスを優雅にまとった九重連山の上空に茜雲が広がっていた。


我々の祈りが通じたのか、やがて急激にガスが晴れ、雲の間から日が昇ってきた。
荘厳な夜明けである。


カメラを構えて撮影。みな無言。


阿蘇五岳の上空の雲もきれいだ。


段原が朝日に染まる。


わずか10分ほどの間に一気にガスが晴れていく。


そしてすっきりと晴れ上がった。
この風景を見ながら、Kさんと「すばらしい夜明けで最高の朝駆けになりましたね」と笑顔を交わした。


ほとんどの方が下山してしまった。
静かな山頂で朝食だ。
「ちょっとぞうすい」に鮭のそぼろを追加しただけ。
(またヒガシマルだが私は決して回し者ではない)


食事を終え、Kさんと別れを告げて御池に下る。



やはり御池の紅葉はかなり進んでいた。


これだと来週末はまたここに来ることになりそうだ。


山頂付近の紅葉はかなり進んでいるが、段原付近はまだこれからというところか。


段原まで下り、感謝しながら大船山を見上げる。


無事坊がつるに下り、テントの撤収。
すばらしい2日間を過ごせたことに満足しながら吉部へと下山した。


山行記録にもどる

inserted by FC2 system