黒岳

2010年3月28日

 3日前に「四季の登山」さんからメールをもらい、そのHPを覗いてみると男池には今ユキワリイチゲが咲いているという。まだ見たことがないので行ってみることにした。
 午後の方が咲いているらしいので、黒嶽荘から雨堤・風穴経由で黒岳を周回し、男池へと下ることにした。最後の最後にメインディッシュがくることになる。
 男池の駐車場に自転車を置いて車を動かし始めたとき、男性に呼び止められた。佐賀県から来たYさん。私と同じように自転車を利用しているとのこと。しばらく黒岳のルートの説明をして分かれる。
 黒嶽荘から雨堤を過ぎ、カツラノモトを通過すると新しい標識が設置されていた。その標識に従って直進。だがどうも以前と様子が違う。「どうやらこれは上峠に向かっているようだ」と感じたが、せっかくなので上峠まで行ってみることにした。上峠に着いてみると、地図にはないルートが風穴方面へ延びている。これ幸いとそのルートを歩く。急登できつかったが、以前のルートに合流できた。雨堤から風穴までのルートはこのルートに変わったのだろうか。さらに風穴までのルートも変更されていた。2008年の8月2日からまだ2年も経っていないのだが。
 風穴からは急登なので焦らずひたすらマイペースで登る。辺りには季節はずれの雪。天狗分かれから天狗岩をめざすうち、雪はさらに深くなる。足をすべらせないよう慎重に岩を登り、天狗岩に到着。冷たい風に吹かれながら昼食をとり、早々に下山。天狗分かれで男池で出会ったYさんと再び出会う。2人とも男池に下るということで、なんとなく一緒に下山することになった。
 かくし水でユキワリイチゲらしい花を発見。だが花が開いていない。近くに詳しい方がいて、やはりその花がユキワリイチゲだと教えてくれた。日が差さないと咲かないのだそうだ。せっかくこの花を見るためにここまで歩いてきたのに・・・。薄日は差しているものの、花が開くまでには時間がかかりそうだ。それまで待つわけにはいかず、下山することにした。「来年またおいで」ということなのだろう。

男池に自転車を置く→7:20黒嶽荘→7:45雨堤→8:00カツラノモト→8:10上峠→9:40風穴→10:20天狗分かれ→10:40〜11:45天狗岩(昼食)→11:55天狗分かれ→12:25風穴→13:20ソババッケ→13:45〜14:00かくし水→14:30男池→自転車で黒嶽荘に下る


黒嶽荘の前を通過して登山口へ。


右に見える門が前岳へ向かう登山道の入口。
今日は雨堤へ向かうので、看板に従い左へ。


新芽に春を感じながら歩く。


雨堤を通過。
ここはソババッケに似た湿地だ。


バイケイソウの芽吹きが一面に広がる。


カツラノモトを通過。
新しい標識が設置されていた。
風穴へは直進するようになっている。


時折黒岳を見上げる。
どうやらガスっているようだ。
風穴に着くころに晴れていればいいのだが。


カツラノモトを通過してからしばらく歩くうち、「この道は歩いたことがないぞ」と思い始めた。
どうやら以前のルートとは違い、上峠に向かっているようだ。
引き返すことも考えたのだが、上峠にはまだ行ったことがない。
せっかくなので上峠まで行ってみることにした。



上峠に到着すると、これまた目新しい標識が。
見ると風穴方面に行けるようだ。


その標識の示す方向には、最近切り開かれたようなルートが延びていた。
ロープも設置されているし、これなら大丈夫だろう。


約20分間、急登にあえぎつつ、以前のルートに合流する地点にまでやってきた。
標識にはカツラノモトに向かう指示がない。
これはカツラノモトから上峠を経由するルートが正式なルートということだろうか。


辺りの木々にうっすらと雪が積もっている。
向かいに見える山肌にも一面の雪。
まさか3月末に雪を見るとは思わなかった。


風穴に向かうルートも以前とは変わっていた。


今水からのルートと合流。
以前はもっと風穴側で合流していたのだが。


しばらく歩くうち、以前の合流地点に着くと
以前「上峠」を指示していた文字が消されていた。


風穴が近づくにつれて雪が徐々に深くなってきた。
今日、まさか雪道を歩くとは思っていなかった。


岩場にもうっすらと雪が積もっている。
すべらないように慎重に歩く。


ようやく風穴に到着した。


風穴からは厳しい登りが待っている。
ここは焦らずひたすらマイペースで歩く。



風穴から約30分で天狗分かれに到着。


天狗岩に向かう。
雪はさらに深くなり、その分慎重になる。


ようやく天狗岩に到着し、大船山を望む。
うっすらと雪をまとった大船山は厳冬期に近い荘厳な雰囲気だ。


まずは山頂の岩に登り周囲の風景を撮影する。
高塚山(右)と平治岳。


遠く由布岳が見える。


山頂の木々には霧氷のような巨大な氷が付着していた。
すべての枝に着いているわけではないので通常の霧氷とは違うようだ。
強い風で雪が吹き付けられたものなのだろうか。


風景の撮影を終え、昼食。
今日は炊込みおこわときつねうどん。


おいしいのだが、風が冷たくてかなり寒い。
これほど寒いとは予想していなかった。
時間も気になるので、食べ終えると早々に下山することにした。



再び天狗分かれを通過。
単独登山の男性と合流。
男池駐車場で私を呼び止めた、佐賀のYさん。
ここから一緒に下山することになった。


風穴を過ぎ、ソババッケをめざす。



タイミンガサの芽生え。


ソババッケより大船山を望む。


よく見ると大船山の北面が白くなっている。きっと霧氷だろう。
日は黒岳よりも、標高の高い三俣山などの方が一面の霧氷が見られてよかったかもしれない。


かくし水が近づいてきた。
いよいよお目当ての花たちに出会えるのだと期待がふくらむ。



小さな、ハルトラノオ。



やがてかくし水に到着。


すぐそばに開こうとしている花がある。
私たちが見ていると、花に詳しい方がいて、これがユキワリイチゲだと教えてくれた。
今日のねらいの花。この花と会うためにここまで歩いてきたのだが、
その方によると日差しがないと開かないのだそうだ。


せっかくここまでやってきたのに・・・と残念。
しかも弱いながらも日差しが差してきた。
1時間ほど待っていればもしかすると開くかもしれない。
だが私にはその時間はない。
あきらめて下山することにした。

男池に下る足取りが重く感じられたのは言うまでもない。
「まあ、こんな日もあるさ」と自分に言い聞かせた。


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