御池・扇ケ鼻

2010年6月19日

 梅雨入りし、数日前から雨が続いている。土日もすっきりとしないようだが、それでも土曜日の予報は「朝のうち雨でその後くもり」。休日出勤もなく、ミヤマキリシマがまだ咲いているだろうから、これはぜひとも山行しなくては。
 前夜は職場の懇親会。焼酎の誘いをなんとか断りビールだけでがまんしたおかげで体調は良好。早朝6時半、牧の戸に着いてみると細かい雨が降っているが、これは予想の範囲内である。久しぶりに雨合羽を着て登り始める。周囲の展望は全くないが、登路脇に咲き始めたベニバナニシキウツギを見つけた。
 沓掛山の岩場を下ってドウダンを撮影。ミヤマキリシマもまだ咲いているし、マイヅルソウやコケモモもあちこちに咲いている。雨が降り続く中、周りの花を見ながら歩いていく。やがて肥前が城が見えてくると、その斜面には一面にミヤマキリシマが広がっていた。これで青空だったら言うことなしなのだが。
 御池直前に雨がようやく止み、ガスで全く見えない御池を過ぎて、誰もいない池の小屋に転がり込む。初めの予定ではさらに鳴子山まで行くつもりだったのだが、ガスっているのであきらめ、小屋で早めの昼食を取ることにした。ゆっくりと食べ、コーヒーを飲む。そのうち断続的にガスが一瞬薄くなるようにまで回復してきた。きれいに晴れることはなさそうなので中岳と天狗が城はあきらめ、扇ケ鼻へと下ることにした。途中、肥前が城の斜面で純白のミヤマキリシマを撮影し、扇ケ鼻へ。こちらもほぼ満開に近く、きれいなのだが、やはり青空でないのがくやしい。でも今日は1日ずっと雨かもしれないと思っていたのでこれでよしとしなければ。
 辺りの花を撮影しながら牧の戸へと下った。

6:55牧の戸→7:20沓掛展望台→8:20扇ケ鼻分岐→8:50久住分かれ→9:10御池→9:20〜11:10池の小屋(昼食)→11:15〜11:30御池
→11:40久住分かれ→12:35扇ケ鼻分岐→13:00扇ケ鼻→13:20扇ケ鼻分岐→14:15沓掛展望台→14:30牧の戸


ガスに煙る第1展望台の東屋。
細かい雨が降っており、周囲の展望は全くない。


登路脇にはベニバナニシキウツギが咲き始めていた。


沓掛山の岩場より、これから向かう尾根道を見る。


雨に濡れたシロドウダン


雨が降り続いているため、下を向いてとぼとぼと歩く。
そんなときにうれしいのは、登路脇に咲く花たちだ。



コメモモ(前ボケはミヤマキリシマ)


コケモモとマイヅルソウ


雫をいっぱいにぶらさげたミヤマキリシマ


雨に濡れたミヤマキリシマもまた風情がある。

でも「風情があると思いたい」というのが正解かもしれない。
本当は、この向こうに見えるはずの星生山と、その上に青空があれば・・・。



扇ケ鼻分岐を通過。


相変わらず雨が降り続く中、淡々と歩き続ける。
私は雨の中を山行することはめったになく、ザックカバーを持たない。
心配なのはザックの中身と、時折撮影するたびに濡れるカメラ。


星生崎から広場へと下る途中、4人組のグループとすれ違った。
雨なので下山するのだろうか。
私もいっそ下山しようかとも思ったのだが、
ここまで来たのだからせめて御池までは行くことにした。



久住分かれを通過。


この後ようやく雨がやみ、ほっとした気分になった。



このところの雨で水量の増えた御池。
下の登路はなんとか水没していなかった。


誰もいない池の小屋にたどりついた。


本当は、今日は鳴子山まで足を伸ばすつもりであった。
だが向かう東千里浜方面は一面のガス。
無理をせず断念することにした。


小屋に入り、これからどうするか、しばし思案する。
そのうち単独登山の男性が入ってきた。
しばらく待つうち、時折ガスの薄れる気配がするようになってきた。
一気に晴れるとは思えないが、その男性は待ちきれないように小屋を出て行った。

私はといえば、このガスの中、中岳山頂をめざす気になれず、
することもないので早めの昼食とした。



今日は焼き肉丼とわかめスープ。国産牛を使った贅沢品だ。
デザートは昨日の懇親会での残り物のプラム。


晴れていればこの向こうには天狗が城と御池が見えるはずなのだが・・・。


昼食を終え、しばらく様子を見ているうちに少しばかりガスが切れた。
だがあっという間にまた真っ白になってしまった。


中岳も天狗が城もあきらめ、扇ケ鼻へと下ることにする。



御池のほとりで純白のマイヅルソウを撮影。


そのそばに、ピンク色のものも見つけた。


御池を過ぎ、晴れないかなあと期待しつつ下っていく。



星生崎で少しだけ青空が見えた。
辺りのグループからも歓声が上がる。


星生山もようやく姿を現した。


西千里浜から肥前が城の斜面を見上げる。
一面のミヤマキリシマだ。まさに今が満開。
今日歩いた中では肥前が城が一番きれいだった。


その肥前が城に向かう人たち。
私も少し下ってみた。


そこで見つけたのは、純白のミヤマキリシマだった。


話には聞いていたが、私は見るのは初めて。
周囲の株がほぼ満開なのに対して、この株はまだ咲き始めたところだった。


西千里浜にもどり、扇ケ鼻へ向かう。



扇ケ鼻分岐から登っていく。
見上げる斜面にはミヤマキリシマが一面に咲いている。
こちらもほぼ満開のようだ。


ミヤマキリシマ越しにガスで煙る扇ケ鼻山頂を見上げる。


辺りの花を眺めながら、ゆっくりと山頂へ向かう。



扇ケ鼻にはあちこちにツクシドウダンが咲いている。


足下に初めて見る花を見つけた。
ウスノキだと思うのだが、イマイチ自信がない。


扇ケ鼻山頂に到着。


再び花を眺めながら下る。
その途中、一面のミヤマキリシマを振り返った

今日はこれを見ることができたので
目的は達した。
下山することにしよう。


色違いのミヤマキリシマ。


沓掛山へと下っていく。



沓掛山直前、ヒメハギを見つけた。
一昨年に見たときと同じ場所だ。


うっすらと色づいたベニドウダンを撮影し、牧の戸へ下った。


 いよいよ梅雨本番。かなりの雨が予想されている。土石流などが起きないよう祈りたい。
そして来週末、晴れてくれるといいのだが、はたしてそううまくいくかどうか。


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