三俣山

2010年11月27日

 この土日は珍しく休日出勤のない2日間。しかも予報を見ると土曜日はかなり冷え込みそうだ。そこでその寒さを感じるべく、しかも晴天が確実な土曜日に山行決定。前回の三俣山山行が撃沈に終わり完全に不完全燃焼(なんだか論理的に妙な気もするがまさにこんな気持ち)。なんとも気持ちに収まりがつかないため、またも三俣山に登ることにした。
 今日は雲一つない快晴。放射冷却で予想通りかなり冷え込んでいる。牧の戸峠通過時の外気温は−2℃だった。大曲に到着し寒さをこらえながら準備をすませ、7時に入山。登路はガチガチに凍っていた。硫黄山道路に上がると、前回は周囲の展望が全くなかったが、今日は向かいの三俣山や長者原、朝日を浴びた泉水山などを眺めながらの快適な山行だ。
 やがてすがもり越に到着し西峰にとりつく。さらに本峰へ。今日は大気の透明度も高く、由布岳がくっきりと見える。風を避けて小休憩ののち、南峰へ向かう。だれもいない南峰で大船山を眺めながら昼食を食べ、周囲の景色を眺めながらのコーヒータイム。晴天の三俣山に満足し、W峰を経てすがもり越へ下る。
 すがもり越には数人の登山者が休憩中。しばらくするとツアー客らしき人でにぎわってきたため、大曲へと下った。

7:00大曲→7:50すがもり越→8:20三俣山西峰→8:40〜9:00本峰→9:15〜10:15南峰(昼食)→10:30W峰→11:10すがもり越→11:50大曲


瀬の本から牧の戸へ向かう途中の展望所にて。
今日はすばらしい天気だ。


大曲に到着し車外に出て登山靴をはきスパッツを装着する。
かなりの寒さに指がかじかむ。今日はこの寒さを感じたくてやってきた。

昨夜、「明日山に行ってくる」と言うと妻は「明日は相当寒いらしいよ」と言う。
言外に「そんなに寒いのに行くの?」という雰囲気が読みとれた。
「寒いから行くんだ」と言うと、何も言わなかったが「やれやれ・・・」という様な表情。
まあ、普通の人の反応はそんなものだろう。

「寒いからやめたら」と言わないだけありがたい。



登路には立派な霜柱ができていた。
ザクザクと心地よい音を立てて踏みしめながら登る。


登りながら振り返ると、ちょうど上泉水山のあたりに朝日が差したところだった。


硫黄山道路を歩く。前回と同じアングルで撮影してみた。


山の影がわかるようになってきた。
右が三俣山、左が星生山の影だ。


※実はこれは私の誤認。
左は大船山の影である。
(12月5日追記)


やがて正面に硫黄山の噴煙が見えてきた。
周囲が見えるというのは楽しいものだ。


すがもり越に到着。



朝日を浴びたすがもり越。


三俣山西峰を見上げる。青空が何よりうれしい。
やっぱり三俣山はこうでなくっちゃ。

さっそくいい気分で西峰にとりつく。
そういえば青空の三俣山はいつ以来だろう。

帰宅して山行記録を調べてみて驚いた。
前回(11月23日)も前々回(10月23日)もガスで撃沈だっ
たため、
9月26日以来、ちょうど2ヶ月ぶりの晴天の三俣山である。



順調に高度を上げ、西峰の東端にやってきた。
硫黄山の噴煙が北風にあおられているのが見える。
風はそんなに強くないが、十分に冷たい。
耳まで隠れるニットの帽子を被ってきて正解だ。


これから向かう西峰の山頂標識が見える。わかるだろうか?


ほどなく西峰に到着。
標識のすぐ右が湧蓋山、その右に万年山が見える。
万年山の向こうに見えているのは英彦山だろう。


次に本峰へ向かう。
写真中央に見えるなだらかな部分が本峰。その右はW峰。さらにその右奥が南峰である。
なんとも優しいこの雰囲気がいかにも三俣山だ。


本峰とW峰との鞍部より本峰を見上げる。

そういえばいつだったか、この辺りで3人グループに呼び止められ、
「三俣山はどこですか?」と尋ねられたことがあった。
あまりの質問にとまどい「ここが三俣山ですが・・・」と答えると、
その方が「この地図には三俣山と書いているので」と出した地図を見て驚いた。
それは等高線も地形もなく、ただルートと山頂だけを書いた概略図とでもいうものであった。
この地図だけで初めての三俣山に登ってきたのかと驚いたが、
さらにこの方々は雨ヶ池に下るという。なんと無謀なと思ったものだ。



本峰に到着。
新しい山頂標識が設置されていたが、今までのものも残されていてうれしかった。


注:前々回(10月23日)の写真を見ると、すでにそのとき設置されていたようだ。ガスで気づかなかっただけ・・・。


改めて古い方の裏面を見てみると、「大川山人会 40周年 2002」と彫られている。
ホームページを見てみると、1962年創立の福岡県大川市に拠点を置く会のようだ。
だがちょっと待てよ・・・1962年というと、私(48才)の生まれた年である。
すごい!


まだ時間的にはずいぶん早い。
そこで風を避けて腰を下ろし、この風景を見ながら小休憩することにした。
左に北峰、手前に大鍋を見下ろし、右には平治岳。そして遠く由布岳の双耳峰が見える。
多少寒いが、テルモスの熱い紅茶を飲みながらこんな風景を眺めていると幸せだ。


腰を上げ南峰へ向かう。


南峰へ向かう途中に振り返ると、本峰の上空に白い月が浮かんでいた。


南峰に到着。
すぐに坊がつるを見下ろすお気に入りのテラスに向かう。


いつものテラスにはだれもいなかった。


向かいの大船山と平治岳を撮影。
坊がつるにはテントはないようだ。


久住山方面を撮影。
久住分かれの向こうに阿蘇の高岳・中岳あたりが見える。


まだ9時半だが、この風景を眺めながら昼食とする。

今日は新メニュー。佐伯名物「ごまだしうどん」。今や「B級グルメ」として有名である。
佐伯市に生まれ育った私であるのでいつか山で食べたいと思っていた。
だがよくみるごまだしは瓶入りばかりで山に持って行くには重いし、余ってしまいそうで躊躇していた。
前日スーパーで食材を物色中、たまたま瓶入りでないものを発見し、新メニューとなった次第。

ごまだしうどんの作り方は超簡単。うどんをゆで、上にごまだしをかけるだけ。
写真中央に見えているペースト状のものがごまだしである。
これを箸でかきまぜて食べると・・・魚のだしがしっかりきいていて実においしい。



食べ終えてゆっくりコーヒータイム。
坊がつるを見下ろしてみると、テントが3張り。


実にゆったりとした時間を過ごした。
久しぶりに晴れた三俣山を堪能して満足。
まだ10時過ぎだが下山することにした。



まっすぐ下るのももったいないので、W峰にちょっと立ち寄った。
ここから見ると阿蘇五岳の根子岳が見える。


下っていくと何組かの登山グループとすれ違った。



西峰まで下り、南峰と大船山を眺める。
大船山を入れるとどこからの写真でも絵になるような気がする。


すがもり越に下る途中、久住山方面を撮影。
ガスではないのだが、なんだか白っぽくなってきた。


「白っぽい」ではない「純白」のこの風景を今年は見ることができるだろうか。
(2008年2月23日撮影)



すがもり越に下り、北千里浜越しに大船山を望む。


11時を過ぎ、登山者でにぎわうようになったすがもり越を後にする。


青空をバックにした三俣山を何度も振り返りながら大曲へと下った。


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