久住山・稲星山

2010年12月12日

 前回の山行の帰りに山渓で新しい登山靴を買い、今回が初下ろし。この季節、できれば大船山に登りたいが今日の天気では霧氷がないと予想しあきらめた。次に考えたのは盟主久住山であるが、牧の戸からの往復だと下山時に泥濘を歩くことになり新品の靴を汚してしまう。そこで、大曲から久しぶりの久住山をめざすことにした。
 大曲到着6時半。気温は−4℃。新品の靴のひもを締めていると1台の車が到着。その方と話をしながら装備をチェックし7時前に入山した。登路脇には3日前の木曜日に降ったと思われる雪がまだ少し融け残っていた。新品の靴でこの冬初めて雪を踏む。誰もいないすがもり越で小休憩ののち北千里浜を歩く。ここを歩くのも久しぶりだ。焦らず久住分かれまでの登りをクリア。いつもはにぎわう久住分かれにも誰もいない。だが久住山に到着してみると単独登山の男性がいた。その方と話をしながら周囲の絶景を眺め、しばし休憩。
 単独登山の男性を見送り久住山頂を後にする。天狗が城に向かって下り始めたのだが、気が変わって稲星山に向かう。すると新しい足跡がある。果たして先ほどの男性であった。稲星山で「またお会いしましたね」とごあいさつ。
 今日は実に久しぶりの稲星山で昼食。食後のコーヒーを味わい、稲星山から御池に向かう。御池の氷は半分ほど凍っており、この冬初めて湖上を歩くことができた。これもまた一興である。すばらしい青空の中、満足して大曲へと下った。

6:55大曲→7:40すがもり越→北千里浜→8:30久住分かれ→8:55〜9:25久住山→10:00〜11:20稲星山(昼食)→11:35池の小屋→11:40〜11:55御池→12:10久住分かれ→北千里浜→12:45すがもり越→13:25大曲


今回はルート選びに悩んだ。新品の登山靴のいわばデビュー戦。できれば記念すべき山に登りたい。
今の季節であれば霧氷の大船山だが、どうも天気が良すぎて風が弱く、霧氷はできていないと予想した。
とすると次の候補は盟主久住山。ところがこの季節の牧の戸からの登路は、登りは問題ないが下りは大問題。
10時を過ぎるとあの泥濘だ。新品の靴で下ることを考えるとちょっと二の足を踏む。
いずれ汚れるのは当然だが、できれば初日くらいはきれいなままで下りたいと思うのが人情というもの。
そこで、大曲から北千里浜経由で久住山をめざすことにした。



今日もほとんど雲のない快晴。気持ちよく硫黄山道路を歩いていく。
薄く裏焼けした空と黒岩山・泉水山を振り返った。


登路脇には数日前に降った雪が融け残っていた。


新品の靴で今季初めての雪を踏む。
新雪でないので固くなっているが、それでもいい気分だ。


すがもり越に到着し朝日を浴びた三俣山西峰を見上げる。


やがてすがもり越にも朝日がさした。


小休憩ののち北千里浜に下る。



融け残った雪の向こうに久住山を望む。
そういえば北千里浜を歩くのも久しぶりだ。


北千里浜から久住分かれに上がり、三俣山を振り返る。


いつもはにぎわう久住分かれであるが、辺りには誰もいない。
のんびりと久住山に向かう。



久住山へ向かう途中も誰にも会わず、きっと山頂には誰もいないだろうと思っていたが、
山頂には牧の戸から登ってきたという単独登山の男性が佇んでいた。
ごあいさつをして一緒に周囲の絶景を眺める。


久住山に来たのは実に3ヶ月ぶり。
山頂の喧噪が苦手で足が遠のいてしまっていたのだが、
こうして静かな山頂に立って眺めると、
改めてここから眺める風景のすばらしさに感動した。

やはり久住山は九重連山の盟主なのだ。


薄くベールを被ったような下界の上に、祖母傾山系が幻想的に浮かぶ。
雄大な風景にしばし沈黙・・・。


時間を忘れて佇んでしまった。
単独登山の男性を見送り、さて次の山に向かうとするか。



これから向かう天狗が城を撮影し、ゆるやかに下っていく。


だが、少し下ったところで気が変わった。
前回と同じ天狗が城と中岳ではおもしろくない。
そこで、今年1度も山頂に立っていない稲星山に行くことにした。
単独登山だと誰に気兼ねすることもなく行き先変更も自由だ。



稲星山(右)が見えてきた。


鞍部の標識越しに稲星山頂を見上げる。
標識には新しく山名を示すプレートが取り付けられていた。
これだといくら強い風が吹いても取れることはないだろう。


足下には今できたばかりと思われる足跡がある。
見上げるとどうやらさきほど見送った男性が稲星山めざして登っているようだ。



山頂に到着し、男性と「またお会いしましたね」とごあいさつ。


手前に白口岳、その向こうに大船山と平治岳を望む。
遠くに由布岳がくっきりと見える。


久住山方面を振り返る。
右隅に自分を入れて撮影してみた。


今日は久しぶりの稲星山頂で昼食。
前日スーパーで衝動買いした味噌煮込みうどん。
だがこれは失敗だった。
煮込みというだけあって、うどんは生麺。
煮込むうちにお湯が粘ってきて、そのうち焦げ臭い臭いまでする始末。
どうやら麺が底に焦げ付いてしまったようだ。


イマイチの昼食を終え、周囲の景色を眺めながらコーヒーを味わう。
気がつくといつものように1時間以上経っていた。
そろそろ次に向かうとしよう。



池の小屋の前を通過。
この冬、きっと何度もお世話になることだろう。


池の小屋の前より御池を見下ろす。


氷の上を登山者が歩いていく。どうやら氷はしっかりと厚いようだ。


池の上の岩より結氷した御池を見下ろす。


せっかくなので私も氷の上を歩いてみた。


氷の上を見回しているうち、あちこちに小さな石が乗っているのに気がついた。
登山者が投げ入れたものだ。無粋なので1個ずつ拾って岸に向かって投げた。
やはり自然はきれいなままの姿が一番だ。



石がなくなりきれいになった湖面を撮影。


予想していなかった御池の氷の上を歩くこともでき、大満足。
さて、下ることにしよう。



久住分かれにて久住山を振り仰ぐ。


北千里浜を歩いていく。
真っ青な空の下、三俣山が近づいてきた。


すがもり越にはまたも誰もいなかった。



大船山を振り返り、大曲へと下った。


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