天狗が城・中岳

2011年2月13日

 今日は3連休の最終日。初日はいつもの休日出勤、土日は完全なフリー。できれば昨日の土曜日に山行したかったのだが、天気予報では大荒れの予報。確かに天気図を見ると完璧な冬型で小さな低気圧もあり、等圧線の混み具合はとても山行できる状況ではない。無理して雪のために事故ったり、さらには暴風しかもガスで遭難、なんてことになったら最悪だ。幸い日曜日の天気図は多少冬型がゆるむと見られ、風も多少吹くかもしれないが弱いはずだし、もしかすると晴れ間の可能性もあると判断。そこで牧の戸から入山することにした。例によって行き先はそのときの気分次第である。
 旧久住町付近から道路は圧雪路となり、チェーンを巻いて慎重に運転し牧の戸駐車場に無事到着。さらに慎重に駐車。すでに明るくなっており、急いで装備を調え、7時に入山した。新雪の積もった登路には新しいトレースがある。数十m先に男性の3人グループが歩いている。トレースの様子からどうやらこの3人グループが今日の先頭だと予想した。果たして第1展望台で追いついてみると、沓掛展望台へ向かう登路にはトレースがない。新雪を歩くのもいいが、体力的に不安なので3人グループの後を歩くことにした。
 新雪と霧氷で真っ白な周囲を眺めつつのんびりと登る。沓掛の岩場を越え、順調にトレースをたどっていく。ところが星生山が見えてきたところで3人が休憩中。しかたなく(?)先頭を歩くことになってしまった。とは言え新雪を歩くチャンスなどめったにない。気分よく新雪を踏む。結局扇ケ鼻分岐直前で追い越されるまで先頭を歩いた。
 扇ケ鼻分岐を過ぎると残念ながらガスが広がってきて淡々と西千里浜を歩く。ガスにかすんだ星生崎を見上げ、前を歩く3人グループの後を追うように久住避難小屋に入った。3人はここで食事のようす。じゃまをしても悪いので挨拶をして小屋を出る。ガスが晴れることを期待しながら歩いていると、天狗が城の山頂のガスが切れてきた。おまけに新しいトレースもある。どうやら単独の方のようだ。天狗が城山頂に到着し、雪深い北面を慎重に下り中岳に向かっていると、前を歩いているはずのその方が引き返してきた。となるとここからはトレースはない。新雪を踏み、ルートを慎重にたどって山頂着。風もないので今日もここで昼食とした。
 絶景を眺めながらコーヒーを飲み、下山。星生崎を越え、再び広がってきたガスの中、牧の戸へと下った。

7:00牧の戸→7:30沓掛展望台→8:40扇ケ鼻分岐→9:10久住避難小屋→9:15久住分かれ→9:50天狗が城→10:10〜11:15中岳(昼食)→11:30御池→11:50久住分かれ→12:15扇ケ鼻分岐→13:05沓掛展望台→13:20牧の戸


7時に牧の戸より入山。登路を新雪が覆っている。
昨日もかなりの降雪があったのだろう。
前を歩く男性3人のグループを追うように歩く。

トレースはどうやらこの3人だけのようだ。


第1展望台で3人に追いつき、登路を見上げてみるとやはりトレースはない。
ラッセルというほど雪は深くないが、長丁場なのでやはり楽をしたい。
3人に先を歩いてもらうことに決めた。


霧氷越しに三俣山を撮影。


周囲には新雪とともに、みごとな霧氷が広がっている。
風はほとんどない。しかも晴れ。これは予想外だった。

こんなふうに予想が外れるのはうれしいものだ。



沓掛展望台を過ぎ、背を屈めながら霧氷のトンネルをくぐる。


雪景色越しに望む雪景色の三俣山。


登路にも朝日が差してきた。
周囲の雪や霧氷が朝日を浴びて輝く。


霧氷のトンネル、Part2。


新雪と霧氷、そして青空。これはもうたまらない。


ここは雪の深いところ。


やがて3人グループを追い越すことになってしまった。
みごとな新雪に足を踏み入れる。


あまりにもきれいな雪に申し訳ない気持ちにもなるが、やはりいい気分だ。


自分のつけたトレースを振り返る。


木の周囲の雪がえぐられたように窪んでいる。
昨日はそれだけ風が強かったということだろう。
下山後に立ち寄った白丹温泉でも「昨日の風はすごかったなあ」という会話が。
山ではすさまじい強風だったに違いない。


やがて雪で装った星生山が見えてきた。


霧氷越しにガスかかる星生山を望む。


扇ケ鼻分岐を通過。
ガスが深くなってきてしまった。


こうなると淡々と歩くのみ。
前を歩く3人の後ろ姿を遠くに見ながら歩いていく。


ガスに煙る星生崎を見上げながら岩場を通過。


3人の後を追うように久住避難小屋に転がり込んだ。
ちなみに左に見えるのは冬季閉鎖中のバイオレット(バイオトイレ)である。


中に入ると3人は食事の準備を始めた。
見るともなしに見ていると、2人がザックから出したのは缶ビール。
思わず「こんな寒いのにビールですか」と尋ねると、
「このために登ってきたようなもんです」と笑う。
私もビールは好きだが、この寒さの中で飲むのはちょっと考えてしまう。

3人の食事のじゃまをしては悪いので、小屋を出た。
相変わらず周囲にはガスがかかっているが、そのうち晴れるかもしれない。
もし晴れなければ池の小屋に転がり込むつもり。「小屋巡り」である。



見上げる久住山にはガスがかかっている。
そこでいつものルートへ向かう。


中岳方面には新しいトレースが続いている。
しかも天狗が城山頂のガスが晴れてきた。


霧氷越しに天狗が城山頂を見上げる。
ちなみにこの写真、地面にはいつくばって撮ったものではない。
立ったまま、カメラを地面近くに下ろし、カンで撮影した1枚。
(そういうわけで、手抜きの写真なのです、Gさん)


山頂が近づくとさらに雪が深くなってきた。


山頂に到着。
登る途中にチラッと見えた先行者はすでに中岳に向かったのだろう。


純白の雪に覆われた三俣山。


見下ろす御池は当然完全に凍結している。


続いて中岳に向かう。
見ると登路に1人の登山者が見える。
先ほどまでここにいたはずの先行者だろう。


天狗が城の北面はさらに雪が深い。
先行者のトレースをたどりながらでも緊張した。


ところが中岳に向かっていると、その先行者がこちらに来ているではないか。
どうやらトレースがないため、下ることにしたのだろう。



トレースのない、まっさらな中岳を見上げる。


中岳山頂付近は一面の岩氷。
新雪を踏み、慎重にルートをたどる。


山頂に到着。
当然のことながら誰もいない。


一面に広がる霧氷越しに大船山を望む。


こんな日にまさかテントはないだろうと思ったが、
なんと5張りほど・・・。


純白の九重連山。


今日もこの雪景色を眺めながらの昼食。
そしてまたもうどん。
たっぷりの白菜、長ネギ、鶏肉、かまぼこ。卵も入れた。


左に大船山。


右に久住山を見ながらうどんを食べる。


食後のコーヒーも飲み干した。
さて下山しよう。



完全に凍結した御池を見下ろす。


霧氷越しに見るこの景色、最高だ。


御池の氷の上を歩く。


やがて星生山が見えてきた。
この白さはどうだ。


星生崎を過ぎると再びガスが広がってきた。
本当はもう1カ所ねらいのポイントがあったのだが、ガスなのであきらめた。
またいつか来ることがあるだろう。



扇ケ鼻分岐を過ぎ、霧氷越しに星生山を振り返る。


私はこの角度の星生山が好きだ。
しかも今日は雪で覆われた星生山。
これで十分満足だ。


雪に凍える馬酔木の花芽に
心の中で「がんばれよ」と声をかけて牧の戸に下った。


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