扇ケ鼻・久住山

2011年3月26日

 3月11日に東日本大震災が起きてまだ大混乱が続いている。地震と津波の被害も相当なものだが、原発の状況が心配だ。Blogに書いたとおり13日は自粛し、わずかでも助けになればと義捐金を送金した。翌週の3連休は自粛ではなく休日出勤や家庭の事情で都合がつかずに山行できなかったので、3週間ぶりの山行となった。
 天気が今ひとつだが、できれば坊がつるのマンサクとアセビの開花状況を見たい。そこで沢水から入山して大船山に登ることに決めた。だが沢水に着いてみると雪が降っている。まだ暗い上空を見上げると一面のガス(雪が降っているのだから当然だ)。しかたなく大船山はあきらめ、牧の戸へと車を走らせた。雪が薄く積もった道を慎重に走り、瀬の本に着いてみると、3月末だというのに「この先チェーン必要」の表示。残念ながらチェーンは「もう必要ないだろう」と3連休の間にトランクから下ろしてしまっており、これでは牧の戸まで行けそうにない。しかたなく牧の戸もあきらめ、急遽赤川から入山することにした次第。
 久しぶりの赤川とあって扇ケ鼻へ向かうかそれとも久住山に直登するか迷ったが、体力を考え扇ケ鼻へ向かう。雪の降る中を淡々と登り、2時間で扇ケ鼻に到着。周囲の展望は全くなく、すぐに西千里浜へ。やがて久住山避難小屋に転がり込むと、途中で追い越したご夫婦も入ってきた。じゃまをしては悪いので、御池へと向かう。
 御池は全面凍結しており、せっかくなのでと氷の上を歩く。ところがここでトラブル発生。急いで池の小屋に転がり込み、昼食を食べて早々に下山することにした。
 誰もいない久住山から赤川へと下る。こんな天気なのに次々と登山者が登ってくる。このルートはけっこう人気があるんだと改めて感じた。

6:20赤川→8:20扇ケ鼻→8:35扇ケ鼻分岐→9:00久住山避難小屋→9:30御池→9:40〜10:40池の小屋(昼食)→10:45御池→11:05久住山→13:00赤川


急遽赤川から入山することになった。
赤川からはほんの数回しか登ったことがない。
前回はいつだったっけと山行記録を見てみると、2008年7月21日であった。

実に2年半ぶりということになる。


駐車場のすぐ上に登山口がある。
右は赤川荘へ向かう道、左の石畳のように見えるのが登山道。


落ち葉の上にうっすらと雪が積もっている。


10分も歩かないうちに分岐がある。
直進すれば久住山への直登ルート、左に折れれば扇ケ鼻へと向かう。
どちらにしようかかなり迷ったが、結局楽な方を選んだ。
私もつい先日49才になった。もう無理のきかない年である。


開花直前のアセビ。
坊がつるのアセビはどうだろう?


樹林帯を抜け、山頂付近を見上げる。
雪が降っており、山頂はガスに覆われていた。
右が久住山、左が扇ケ鼻である。


雪の降る中、淡々と登っていく。
もうすぐ山頂だ。


だれもいない山頂に到着。


周囲の展望は全くない。
このアングルだと右に久住山、正面やや左に星生山が見えるはずだが・・・。


登路脇にはすばらしい霧氷が並んでいる。
今日、こんな霧氷を見られるとは思っていなかった。


扇ケ鼻分岐を通過。


ガスで煙る西千里浜を歩く。


霧氷を見ながら星生崎を越える。


このガスではどうしようもない。
久住山避難小屋に入って休憩することにした。


中に入り、ふと壁のガラスに模様があるのに気づいた。
よく見ると、見事な氷の結晶であった。


しばらくするとご夫婦が入ってきた。お二人はここで長めの休憩をするようだ。
そこでおじゃまになってはと思い、予定通り池の小屋へ向かう。



今日は私が先頭のようだ。前日までのトレースをたどっていく。


ほどなく御池に到着。この寒さのため、やはり全面凍結していた。
せっかくなのでいつものように氷の上を歩くことにした。


ところがここでトラブル発生!

5、6歩歩いたところで、前触れもなく突然氷が割れ、水中に落下してしまった。
「あっ」と思った次の瞬間に岩の上にはい上がったものの、膝までずぶぬれになってしまった。
カメラやザックが濡れなかったのは幸いだったが、靴の中までぐっしょりである。



れがその割れた氷の写真。
確かに薄い。よくわからないが5pほどだろうか。
雪が降っていても、春は確実に近づいているのである。
まさに、春の訪れを身をもって実感することができた。


だが濡れた靴や靴下はどうしたものか・・・?
とりあえず池の小屋に転がり込むことにした。



ガスに煙る天狗が城と御池。
膝から下は冷たくとも、風景は美しい。


池の小屋の存在は本当にありがたい。

小屋に入り、濡れた靴や靴下をどうするか考えた。
以前はザックの底にビニールに包んで靴下を入れていたのだが、今はない。
同じように以前はタオルを1本入れておいたものだが、今はそれもない。
靴下を脱いでガスバーナーで乾かそうとも思ったが、そんなことで簡単に乾きそうにもない。
しかたなく、昼食後に下山することにして、まずは腹ごしらえをすることにした。



アルファ米ができる間に外に出てみると、ガスが一瞬切れて中岳が見えた。
だがまたすぐにガスに隠れてしまった。


今日はキムチラーメンに梅わかめご飯。

実は職場の先輩がよくこのHPを見てくれているのだが、
その奥さんも見てくれているという。
しかも奥さんは私の昼食のメニューをチェックしているらしい。
「この前と同じじゃない!」と言われそうだ・・・。


食事を終えた頃、小屋に単独登山の男性が入ってきた。
「こんな天気だとは思わなかったですね」と会話を交わし、
ついでに御池でぼちゃんしたことも報告。なんとも間抜けな笑い話である。

足が冷たいので、早々に下山することにした。
とはいっても今日の登山口は赤川。
予定通り久住山経由で下る。



久住山頂にも3月末とは思えない風景が広がっていた。


山頂から伸びる赤川へのルートを慎重に下っていく。
雪があって危険を感じ、途中でアイゼンを装着した。


周囲の霧氷が美しい。


岩壁についた霧氷は、まるで純白の桜のようだ。


下っていくうち、久住高原が眼下に広がる。


こんな天気にもかかわらず何人もの人とすれ違う。
私はほとんど利用しないルートだが、ずいぶん人気があるんだと感じた。



振り返って久住山を見上げる。
いつも見慣れた久住山とは違って荒々しく見える。


下山していくと、途中からよく整備された道になっていた。
大分大学による浸食防止実証試験だそうである。


川を渡るともうすぐ登山口。
渡り終えて再び久住山を振り返った。


川の両脇のあちこちにマンサクが咲いていた。
九重連山に本格的な春が訪れるのももうすぐである。


山行記録にもどる

inserted by FC2 system