天狗が城・中岳・久住山

2012年1月8日

新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。


 Blog「晴れときどき九重連山」に掲載したように、1月3日は牧の戸まで行ったもののガスであきらめたため、ようやく今年の初山行である。
元旦は例年であれば地元の低山・彦岳で初日の出を拝むのであるが、天気がおもわしくなく行かなかったため、まだ日の出を拝んでいない。
そこで、九重連山の初日の出という気持ちで久しぶりの朝駆け登山をすることにした。



 牧の戸より、薄く積雪した登路を順調に歩く。
沓掛展望台に上がると、雲やガスは全くない。
今日はすばらしい山行日よりだと確信し歩き続ける。

久住山避難小屋に一旦入るとご夫婦が休憩中。
やがてその2人の後を追うように小屋を出て天狗が城に向かう。
途中で2人を追い越し、6時20分に誰もいない天狗が城山頂に到着した。
無事に日の出を拝み、しばらく山頂からの風景を撮影して中岳に向かう。
山頂に着く頃にはガスが広がってきた。そこで池の小屋へ下る。
 小屋で昼食を食べ、ガスが晴れないかと時折小屋の入り口から外を見るのだが晴れる気配はない。
やがていくつかのグループも到着し手狭になった10時、小屋を出た。

御池を後にして歩いていくと、急にガスが晴れてきた。これ幸いと久住山に向かう。
山頂からガスのかかる山々を眺め、下山。ところが晴れ間は長くは続かず、また大きなガスに包まれてしまった。
晴れていれば星生山経由で下ろうと思っていたがあきらめ、西千里浜を下る。
多くのグループとすれ違いながら下山した。
 

4:15牧の戸→4:35沓掛展望台→5:20扇ケ鼻分岐→5:45久住山避難小屋→6:20〜7:30天狗が城→7:45〜8:15中岳→8:25〜10:00池の小屋(昼食)
→10:05〜10:20御池→10:45〜10:50久住山→11:05久住分かれ→11:35扇ケ鼻分岐→12:15沓掛展望台→12:30牧の戸




前夜は早々と8時半に就寝。1時過ぎに起きると娘がまだ起きていて冬休みの宿題をしていた。
「もう起きるの?」と怪訝な表情。なお、息子も自室で起きていて、こちらは「また早朝の登山か」と思ったそうだ。

路肩に雪が残るものの路面に雪や凍結はなく、もちろんチェーンは不必要。4時前、順調に牧の戸駐車場に到着。
今回は車が7、8台ほど停まっており、車内の灯りが点いている車もある。上空は星空。すぐに装備を調えて出発。


薄く積雪した登路を順調に歩く。月齢14日の月が煌々と輝き、ヘッドライトを消しても歩けるほど明るい。


沓掛展望台に上がると、雲やガスは全くなく、月明かりで久住山までの山々がすべて見通せる。
今日はすばらしい山行になるぞと確信し歩き続ける。

星生崎を越え東の空を見てみるとまだ黎明は始まっていない。
見下ろす久住山避難小屋には灯りが見える。そこで小屋で小休憩することにした。
中では1組のご夫婦が休憩中。やがてその2人が出て行くのを見て私も出発。
黎明に間に合うためにはここでゆっくりしているわけにはいかない。

御池の直前から天狗が城の山頂へと向かう。多少焦りつつ山頂をめざす。
誰もいない山頂に到着すると、ちょうど黎明が始まったところだった。


6時22分、1枚目の撮影。今年最初の黎明だ。
このグラディエーションがたまらない。これを見たくて早朝からやってきた。


ところが撮影してビックリ。カメラの充電マークが赤になっている。
数年前購入した3個のうち2個が充電不能になったため、今日は予備電池を持ってきていない。
寒い中での撮影は電池の機能をさらに低下させる恐れがある。
そこで日の出まで慎重に撮影することにした。
岩陰にじっとうずくまり寒さに耐えつつ日の出を待つ。

周囲を眺めていると、阿蘇方面からガスがやってきて稲星山に近づいてきた。
一部はちぎれて黒い筋のようになって流れてくる。まるで今年の干支の龍のようだ。
しばらくすると稲星山はガスにすっぽりと覆われてしまった。稲星山が肥大化したような、雄大なガスの山が完成。
さらにガスは次々と押し寄せてくる。天狗が城にも来るのじゃないかと心配しながら日の出を待つ。



山頂で凍えながら待つこと1時間。7時20分にようやく朝日が昇ってきた。


荘厳な日の出を拝む。気持ちが引き締まる思いがするのはなぜだろう。


朝日に染まるガス。
ガスにのまれてしまうこともなく、なんとか日の出を撮影できてほっとした。


周囲の山々を見渡してみる。



霧氷原の向こうに穏やかな三俣山を望む。
南斜面の雪はすっかり融けてしまっているようだ。


ガスに飲み込まれそうな久住山。


星生山もわずかに山頂付近が見えるのみ。


見下ろす御池は雪で真っ白だ。


まだ寒いが、朝日を浴びているとそれだけで元気になるから不思議だ。
よし、中岳に行こう。



天狗が城から下る途中、霧氷越しに中岳と大船山を望む。


厳冬の中岳山頂を見上げる。
この姿を見ると、「冬の九重連山に来た」という気持ちになる。


誰もいない山頂に到着。


山頂到着直後の1枚。東側からガスが押し寄せてくる。


さきほどまでいた天狗が城を振り返ると、中岳の影が遠くのガスに伸びていた。


だがこの後、中岳山頂はガスに覆われてしまい、周囲の風景もほとんど見えなくなってしまった。
上空には青空が覗いているため、岩陰で風を避けながらしばらく待ってみたが、晴れそうでいて晴れない。
そこで、一旦池の小屋に下ることにした。



池の小屋に到着。この小屋の存在はほんとうにありがたい。


最初は私だけだったが、次々に2組のご夫婦が入ってきた。どちらも天狗が城山頂で一緒に日の出の撮影をした方々だ。


まだ8時半だが、食事の準備にかかることにする。
まずはお湯を沸かしアルファ米に注ぎしばらく待つ。

そしてアルファ米のできあがりに合わせ、調理にかかる。



そして完成。マーボー豆腐丼。

食事の後はデザート。
寒い中なので、温かいデザートを作ってみた。


材料はこれ。


「バナナのヨーグルト煮・ストロベリーソースかけ」

作り方は超簡単。
ヨーグルトを煮立たせ、そこに切ったバナナを入れて1〜2分煮る。
最後にストロベリーソースをかけてできあがり。
ソースはほかにも種類があるのでいろいろな味が楽しめそうである。
温かい上に適度な甘さ。これはオススメ!


デザートを食べ終え、荷物の整理をしているうちに小屋の中がにぎやかになってきた。
外を見てもガスの様子は相変わらず。
次のグループも到着したため、ガスの中だが外に出ることにした。



風は思ったほどでなく、御池に着いてものんびり氷上を歩く余裕がある。


氷の上には多くの石が転がっている。
たぶんおもしろがって投げたものだろう。
だがこの石は氷が融けるまでなくなることはない。
できれば自然の状態での風景を眺めたい。
そこで、動かせる石を岸に戻すことにした。
けっこうな数の石を撤去したものの、氷にしっかりとくっついて動かない石も多い。



まだ多くの石があるが、仕方がない。


さて、これからどうしたものか・・・。まだ10時過ぎで下山するには早い。
悩みつつ歩いていくと、ガスが晴れ星生山の姿が見えてきた。
ガスはどんどん晴れていく。
わずか数分のうちに一気に晴れ、周囲の山々が見渡せるようになった。



白く彩られた星生山。


そして盟主久住山。
まだガスが残っているが、ここまで晴れればまず大丈夫だろう。

星生山と久住山のどちらに行こうか悩んだが、今年の初山行でもあるので、やはり盟主に挨拶することにした。



薄く積もった雪を踏みしめながらゆっくりと山頂に向かう。


山頂に到着し久住高原を見下ろす。
風が吹き上げてくる風に乗って次々と薄いガスが通り抜けていく。


手前に肥前が城、その奥に扇ケ鼻を望む。
阿蘇山など遠くの山々は見えないが、青空の広がるこの風景は開放感があってうれしい。


うっすらと白い雪原の向こうに三俣山を望む。


天狗が城に中岳、そして遠くに大船山。


わずかな時間だが、久住山からののびやかな風景を楽しんだ。
さて、星生山を経由して下ることにしよう。



久住分かれ付近まで下ってくると、辺りは再びガスに覆われてしまった。
晴れていたのはわずか50分ほど。その間に久住山頂に立つことができたのは幸いだった。

このガスはしばらくまた晴れそうにない。
そこで星生山はあきらめ、西千里浜を歩いて下山することにした。


今日は3連休の中日とあって、多くのグループとすれ違いながらの下山。



扇ケ鼻分岐を過ぎ、星生山の西壁を眺める。



まるで箱庭のような一画。


淡い霧氷がまるで桜の花が咲いたようにも見える。



沓掛展望台に到着すると、かすかに見える阿蘇五岳に太陽の斜光が降り注いでいた。


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