中岳

2013年12月14日

九重連山に待望の雪が降った。しかも土日は晴れ。これはぜひとも山行したい。

3時半に牧の戸に到着したとき、Nさん親子に声を掛けられた。装備を調え2人の後を追うように入山。
駐車場の道路脇にある温度表示は−5℃。風もあり寒い。しかも山はガスのようだ。
御池のほとりで天狗が城を見上げたがライトはなく、Nさん親子の後を追って小屋へ転がり込んだ。
小屋には7人が時間調整中。やがてみなさんが山頂に向かうというので一緒に小屋を出て中岳へ。
強烈な寒さの中、夜明けを待つ。だが一向にガスが晴れない。
晴れる気配さえないまま1時間以上が経ち撃沈決定、池の小屋に下る。
池の小屋で朝食を食べ、コーヒーを飲んで下山。
下山中もガスは晴れる様子がなく、淡々と牧の戸へと下った。

3:50牧の戸→4:10沓掛展望台→4:50扇ケ鼻分岐→5:20久住分かれ→5:40御池→5:45〜6:15池の小屋→6:30〜7:50中岳
→8:00〜9:20池の小屋(朝食)→9:25御池→9:45久住分かれ→10:15扇ケ鼻分岐→11:05沓掛展望台→11:20牧の戸




金曜日に強い寒気が到来し九重連山に雪が降った。ネットカメラで見ると牧の戸駐車場には雪が積もっている。
しかも土日は晴れ。これはぜひとも山行したい。ところが土曜日はいつもの休日出勤、日曜日は午前中に所用がある。
そこでいつもの先輩の「土曜日に行ってきたら」という厚意にまたも甘えることにした。


瀬の本から牧の戸までチェーン規制が出ているはずだが、除雪や融雪剤のおかげだろう、路面に雪はなく、順調に牧の戸駐車場に到着した。
着いてすぐに私の車に近づいてくる2人組がいる。あいさつを交わすと、「くじゅう連山のひよっこ」のNさん親子だった。
装備を調え2人の後を追うように入山。気温は−5℃。風もあり寒い。しかも山はガスのようだ。

時間に余裕はありそうだが、多少急ぎ足で歩いていく。いずれ追いつくかと思っていたNさん親子のライトは時折遠くに見えては隠れる。
やがて星生崎で久住山避難小屋を見下ろしたとき、小屋付近から久住分かれ方面へ向かう2人のライトを確認した。
御池のほとりで天狗が城を見上げたがライトはなく、2人は池の小屋へ向かったようだ。そこで後を追って小屋へ向かう。
ところが御池を渡ろうとライトを向けると、白いはずの湖面が黒い。凍っていないはずがないと思ったものの、暗くて確認できない。
この寒さの中、池にボチャンしては一大事だ。そこで下山時に確認することにしてほとりを歩く。

小屋に転がり込むと、中には7人が時間調整のため待機中。
まずはNさんのお母さんにブログ「〜くじゅうを山歩〜」開設のお祝いを。
ここまで立ち止まることさえほとんどなく一気に歩いてきたため、早くも空腹感がある。
そこで行動食のチョコをほおばり、テルモスに入れてきた熱々のジャスミンティーを飲む。

やがてみなさんが山頂に向かうというので一緒に小屋を出て中岳へ。



中岳山頂には私を含めて4人。強烈な寒さの中、ガスが染まるのを待つ。
中央に見えるのは私の三脚。



わずかに染まり始めた気配もあったが・・・



1時間以上待機したものの、ガスは染まることも晴れることもなかった。
3人はみなさん朝駆けのベテランのようで、「こんな撃沈は久しぶり」「今日は1枚も撮影せんかった」とのことである。
私は、ここで寒さに耐えたことの証拠として、せめてもと霧氷を撮影した。


今日は撃沈決定ということで池の小屋に下る。
収穫はというと、極寒の中で1時間以上待機するにはさらに防寒対策が必要だとわかったことくらいだ。



池の小屋に下ってきた。こんなとき、この小屋は実にありがたい。
私はできれば山頂で食事したいと考えているが、さすがに今日は無理だ。


今日はいつもの厚手の二重手袋の中に、ミニホッカイロを2個ずつ入れたが、それでも手はかじかんでいる。
そこでまずはバーナーの炎で指先を温めてから、のんびりと朝食の準備にとりかかった。



今日の食材。野菜は白菜と長ネギ。



鮭たっぷりの雑炊。やはり寒い朝にはこれが一番だ。


食後のコーヒーを飲み終えた。
入口から外を眺めたがガスが晴れる気配はない。そこで潔く下山することにした。



小屋を出て左に下ると御池。
前から強烈な風が吹き付けてくる。
思わず声が漏れるほどの寒さだ。


すぐに御池に到着。やはりしっかりと凍結していた。この寒さなんだから当然だ。



湖畔には極寒の世界が広がっている。
湖面は強風が吹き抜ける。体感温度は一体何度くらいだろう。



歩いていくと、御神渡りのような氷の道が現れた。


この風景を眺めながら、さらには寒さに凍えながら池のほとりを歩いていく。
ところが、目の前に現れた湖面に驚いてしまった。



氷の間にすき間があり、水面が見える。
夜明け前、黒く見えたのはこのためだったのだ。
この寒さの中、なぜ全面結氷していないのだろう。



御池を振り返り、久住分かれへと下っていく。



周囲に霧氷を眺めながら下山。



この霧氷原の向こうには天狗が城があるのだが、今日は全く姿を見せてくれない。



ケルンの並ぶ西千里浜を下っていく。



扇ケ鼻分岐を過ぎ、みごとな霧氷を撮影。
これで青空だったらなあ・・・。


登ってくる登山者とすれ違いつつ下る。
3人から別々に「朝駆けはどうでしたか?」と声を掛けられた。
「撃沈でした」「寒かったでしょう」「強烈に寒かったですね」
撃沈したはずなのに、笑顔になるのはなぜだろう。
撃沈してもまた次に来ればいい。もしかするとそれも山の魅力かもしれない。



今回もまた、沓掛の岩場から振り返った。



雪に凍えるアセビの花芽に「また来るからな」と心の中で声を掛け、牧の戸へと下った。


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