久住山・扇ケ鼻

2013年12月29日

九重連山にまた雪が降った。そこで今年の登り納め。
すっきりと晴れることはないだろうと予想し、牧の戸から入山。
見上げる上空にはガスが流れるものの、天気はそれほど悪くないようだ。

沓掛を越えて歩いていくと山々にガスがかかり始めた。
さらに西千里浜を歩く頃にはほぼホワイトアウトの状態。
久住山避難小屋で小休憩し御池へ向かう。強風が吹き抜ける御池を歩いて池の小屋へ。
早めの昼食とデザートを食べ、コーヒーを飲んで小屋を出る。
晴れそうな気配はあるが晴れない。そこであっさり中岳をあきらめた。
久住分かれまで下ってきて気が変わり、久住山へ。
山頂で15分ほど待ってみたが晴れることはなく、あきらめて下る。
西千里浜を下っているころガスが晴れ星生山が見えてきたため扇ケ鼻へ。
すっきりと晴れることはなく今ひとつ。
まあいい、山は逃げない。また来年来ることにしよう。 

6:55牧の戸→7:15沓掛展望台→8:10扇ケ鼻分岐→8:35久住山避難小屋→8:45久住分かれ→9:00御池
→9:10〜10:20池の小屋(昼食)→10:25御池→10:40久住分かれ→11:00〜11:15久住山→11:30久住分かれ
→12:05扇ケ鼻分岐→12:25扇ケ鼻→12:55扇ケ鼻分岐→13:40沓掛展望台→13:55牧の戸




27日(金)は仕事納め。翌28日(土)はいつもの休日出勤で本当の仕事納め。
今年も忙しかったがようやく一息ついた感がある。
そこで今年の登り納めとして登ることにした。

木曜日には私の住む佐伯市では冷たい雨が降った。九重連山では雪のはず。
この週末は冬型の気圧配置になるという。
すっきりと晴れることはないと予想し、牧の戸から入山することにした。
行き先は天気次第である。

安全運転を考えいつもより早く自宅を出発。
瀬の本から雪が舞い始め、路面も圧雪路となってチェーンを巻いた。
5時半に牧の戸駐車場に到着。まだ入山するには早い。
車内でのんびりと装備を調え、明るくなった7時前に入山した。

気温−9℃。風もあり寒い。



前回の山行でアイゼンが壊れたため、その翌日に大分市の山渓で購入。
新アイゼンを履いて新雪を踏む。



第1展望台で見上げる沓掛山の上空に下弦の月。
意外にも天気はいいようだ。



沓掛展望台で眺める山々が朝を迎えた。ちぎれた雲が朝日に染まる。
もし朝駆けしていればすばらしい景色を見ることができただろう。



阿蘇五岳も朝焼けを楽しんでいるようだ。



霧氷のトンネルをくぐる。



沓掛を越えて歩いていくと、雪で白く彩られた三俣山が見えてきた。
ところがその代わりに向かう山々にガスがかかり始めた。
今日は最初からすっきり晴れることはないと予想していた。
これは言うなれば予想通りなわけで、落胆することもなく歩いていく。



こんな風景の中を歩けるのだから文句は言えない。



扇ケ鼻分岐を通過。
星生山が見えないのは当然のこと。



西千里浜を歩く頃にはほぼホワイトアウトの状態になった。



ここは晴れていれば正面に星生崎、その右奥に久住山が見えてくるポイントであるが、
前を歩く登山者がなんとか見えるだけだ。



ガスに煙る星生崎を見上げる。



ようやく久住山避難小屋が見えた。


一旦避難小屋に入り、小休憩。
この先のルートでの強風を考え装備を再確認した。



小屋を出ると、久住山にかかっていたガスが晴れ、上空に青空が広がっている。
「これで一気に晴れるかも」と考えたのは甘かった。すぐにまた真っ白になってしまった。


気を取り直し、御池をめざす。



ここは左前方に天狗が城が見えるポイントだが、トレースをたどって進むのみ。



御池に到着したものの、湖面には強風が吹き抜ける。さらにはガスで何も見えない。



湖面を渡り終え、凍てついた岩に改めて極寒を確認。



湖畔の道標もこの通り。


この状況では池の小屋に行くしかない。



なんとか池の小屋に転がりこんだ。


意外にも小屋には誰もいなかった。
少し早いが昼食づくりにとりかかる。



今日のメニューは年越しそば。
実は今日の山行の主目的は、山で年越しそばを食べること。



具だくさんの年越しそばが完成。
これで今日の山行の目的は果たした(笑)。



続いてデザート。
私の冬の定番、「バナナヨーグルトのイチゴソース」。


さらに食後のコーヒーを味わう。
ところがどうも外が明るい。



小屋の外に出てみると、ガスの切れ間に中岳山頂が覗いた。
だがすぐに再びガスで真っ白になってしまった。


そんなとき。単独登山の男性が小屋に到着。
最初は今登ってきて小屋にたどり着いたのだと思っていた。
だが
その男性は天狗が城で夜明けを迎え、その後中岳に移動し、つい先ほどまで山頂にいたとのこと。
最低気温−13℃、そのうえ強風の中、4時間近く粘ったことになる。私にはとうてい無理だ。

さらに驚いたのは、もう一人は今も山頂で晴れるのを待っているそうである。


ガスは晴れそうで一向に晴れない。
私にはいつ晴れるかわからない山頂で何時間も粘る根性はない。
そこであっさり中岳をあきらめ、下ることにした。


周囲の展望が開けないまま、淡々と下る。



一瞬だけ見えた天狗が城の山頂。



このまま下るか・・・と思いながら久住分かれまで下ると、
久住山が姿を現し上空に青空が見え、気が変わった。
今回は今年の登り納め。このままどの山頂にも立たずに下ってはあまりにも安易。
前回も大船山をあきらめ坊がつるまでの往復で終わってしまったし・・・。
せめて盟主久住山にはあいさつしておこうか。
というわけで、久住分かれから久住山へ登り返すことにした。



山頂に着いたものの、展望はなかった。



山頂には次々と登山者が到着する。

手前は赤川から登ってきた中年の男性2人。


粘ることわずか15分。晴れることはなかった。
あきらめて下山する。



真っ白の世界を久住分かれへと下っていく。

実はこれでも登路が見えている方である。
ホワイトアウトになると何も見えなくなる。


久住分かれを過ぎ、淡々と下っていく。



今日はガスで何も見えないままか・・・と思いながら西千里浜を歩いていると、
思いがけなくガスが晴れてきた。



扇ケ鼻分岐にて霧氷越しに雪化粧した星生山を振り返る。


さてここからどうしようか。
そのまま下るつもりでいたが、どうも晴れそうな気配もある。
そこで晴れないかもしれないが、扇ケ鼻に向かうことにした。



まずは扇ケ鼻分岐からの登り。



台地に上がればなだらかな雪原の向こうに扇ケ鼻の山頂が見える。



山頂に到着。



山頂から望む九重連山。
これでガスがなかったら・・・。
「また今度いらっしゃい」という九重の女神の声が聞こえた。



扇ケ鼻に来たからには東端から肥前が城の絶壁を見ないわけにはいかない。
なんとか久住山頂は見えたが、背景にもっと青空があれば・・・。
よし、この冬の間にまた来るぞ。


さて、下るとするか。



前を下る登山者の後を追うように下っていく。



沓掛山が近づいてきた。



いつものように沓掛の岩場で振り返ると、
遠く真っ白な星生山の山頂が見えた。




下山後、自宅のある佐伯市へと車を走らせる。
その途中、FMラジオから竹内まりやの「いのちの歌」が流れてきた。
この歌は5年ほど前、茉奈佳奈が歌っていたときに好きだった歌。

『本当に大事なものは 隠れて見えない
   ささやかすぎる日々の中に かけがえない喜びがある』

聞いているうち、運転中にもかかわらず涙がこぼれた。


今年は年間最多、42回の山行を楽しむことができた。
そのうちの何度かは職場の先輩の配慮のおかげ。
また、山行記録をUPした後には実に多くの人に訪問してもらえた。
つたないHPではあるけれど、見てくれる人がいることの幸せを感じる。


今年1年、訪問していただいてありがとうございました。
どうぞ良い年をお迎えください。


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