大船山

2014年3月8日

休日出勤のない土曜日、快晴の予報。そこでガラン台から雪深い大船山へ向かうことにした。

まだ薄暗い6時に入山。コンクリート道にはまだ雪が残っていた。
ガラン台登山口から山道へ。雪はかなり締まっており歩きやすい。幸いトレースもある。
山頂が近づくと霧氷が見えてきた。山頂下の台地で霧氷越しに絶景を撮影し山頂へ。
ところがここでうれしい出会いがあった。
うどんとデザートを食べコーヒーを飲んで下山。
東尾根はトレースがなかったので無理をせずガラン台ルートを下った。

下山後は花の撮影を楽しんで帰宅した。


三叉路6:00→ガラン台登山口7:00→岳麓寺ルート合流7:15→鳥居窪8:20→展望岩9:00→大船山頂・御池(昼食)9:55~11:55
→展望岩12:25→鳥居窪12:45→岳麓寺ルート分岐13:20→ガラン台登山口13:30→三叉路14:10




前日の金曜日、午前中に職場の大きな行事が終わった。
片付けも終えてほっとしたのもつかの間、午後はみなさんパソコンに向かって黙々と仕事。
以前であればこんな午後は「あんなこともあったな~」などと語り合うのが常だったが、
最近の職場は忙しくてそんな余裕がない。
それどころか、この土日、2日のうちどちらに休日出勤するかという相談が始まる始末。

明けて土曜日は移動性高気圧に覆われ快晴の予報。
めざすは雪深い大船山。ただし吉部からではなくガラン台からである。
積雪のまだ残る今、多くの方が吉部や長者原から大船山に向かっているようで、
ガラン台ルートや東尾根ルートの情報がない。
雪の具合やトレースがあるかが不安だが、行けるところまで行って無理なら途中で下山するつもりで出発した。


まだ薄暗い6時に入山。少しずつ明るくなる空を見ながら、雪の残るコンクリート道を歩いていく。



歩いていくうち、朝日が昇ってきた。



ちょうど1時間でガラン台登山口に到着した。
目の前には朝日を浴びた大船山と、右に黒岳が見える。



コンクリート道には踏み跡がなかったが、ここからは古いトレースが残っていた。
トレースがあれば一安心だ。



岳麓寺からのルートが合流する地点に到着して一休憩。
それにしてもこの立派な標柱。この太い丸太をどうやってここまで運んだのだろう。
ここは大事なポイントなのでこの標柱は欠かせない存在。
運んでくれた方々に感謝しなければ。



休憩を終えて歩き始めると新しい踏み跡が出現した。
これはきっと岳麓寺から入山した方のものに違いない。



入山公墓前を通過。
そういえばこのお墓にお参りしたのはもう何年前だろう・・・。



鳥居窪に到着し、大船山頂を見上げる。
小休憩をしながら、念のためにアイゼンを装着した。



雪が徐々に深くなる。
だが幸い固く締まっているので歩くのに困ることはなかった。


歩いていくと、単独男性の姿が前に見えてきた。
たぶん岳麓寺から入山した方だろう。



その方に追いついたのは、この展望岩。
というのも、その方が休憩していたから。
狭い休憩ポイントで一緒に休憩するのははばかられる。
そこで、この写真1枚を撮影し、先に行くことにした。


少し歩き、展望の開けたポイントで休憩。
霞んだ阿蘇五岳の手前でいくつかの野焼きの煙が上がっていた。



山頂方面を見上げる。
さあ、もう一頑張りだ。



山行できることに感謝しながら手を合わせた。


山頂が近づくと、木々にわずかな霧氷が見えてきた。
今日は無風なので霧氷はないと思っていたのでこれはうれしい誤算。



山頂が近づくと雪で登路が嵩上げされており、中腰でなければ歩けない。
おまけにザックが枝にひっかかり、そのたびに止まるはめになる。
だがこの先にある風景が楽しみで、歩きにくいのも気にならない。


もうすぐ山頂だ。



霧氷の向こうに見えた山頂。


そして山頂下の台地に到着すると、そこには絶景が待っていた。



霧氷越しに九重連山を一望する。
今日、ここまで歩いてきてよかったと思った瞬間。

九重一望(1258×828:978kB)



同じポイントから山頂を見上げる。
山頂にいた男性が、ちょうどこの台地に降りてきたところ。「こんにちは」とごあいさつ。
男性と入れ替わりに山頂へ向かう。



山頂に到着。
入山からほぼ4時間。今日はずいぶん時間がかかってしまった。

だが絶景を見ることができて疲れも気にならない。


まずは周囲の撮影を。



段原方面を見下ろす。
遠く由布岳が見える。



山頂の岩の上に立ち御池を見下ろす。


いつもであれば昼食を済ませてから御池に下るのだが、春の霧氷はすぐに融けてしまう。
そこで食事より先に御池に下ることにした。



霧氷の向こうに御池を見下ろす。



霧氷の御池に下ってきた。




ずいぶんお腹が減ってきた。
山頂にもどって昼食としよう。



今日の食材。左下は鶏団子である。



お湯が沸く間に阿蘇方面を眺めると、野焼きの煙が上がっている。
阿蘇中岳の噴煙がまるで巨大な野焼きのようだ。


山頂には私以外に、さきほど山頂下の台地であいさつした男性がいるのみ。
その男性はというと、先ほどからじっと身動きせず九重連山を眺めている。
きっとこの風景を目に焼き付けているのだろう。



しばらくして鶏団子入りのうどんが完成。


まさにうどんが完成し、この写真を撮影した瞬間のことである。
先ほどまで九重連山を眺めていた男性が下山しようと私のそばを通りかかり・・・
私に向かって、名前を呼ぶではないか!「もしかして、○○さんでは?」
私が、「はい、『九重連山を歩く』の・・・」と言うと、男性が名乗ってくれた。
なんと九重大分山行脚のSさんであった。

実は4、5年前、Sさんとは何度かメールのやりとりをしたことがあった。
確かHPを多くの人に見てもらうにはどうすればいいか、という話だったと思う。
その後、お互い年中九重連山を歩いているのに、今まで一度も山で会ったことがなかった。
理由の一つはSさんが朝駆け専門であること。
だが重大なのは、私たちが互いの顔を知らないということだ(笑)。
顔を知らない2人のこと、今までどこかですれ違っているかもしれないが、
あいさつこそすれ、まさかいちいち名乗ったりはしない。
今日ここで出会えたのも、Sさんが私の食事風景を見て気づいてくれたおかげである。

ようやく会えましたね、と笑いあい、話がはずんだ。
今日は平治岳にいつものように朝駆けしたが撃沈。そこで「しかたなく」大船山に来たそうだ。
「普通、大船山は『しかたなく』来る山ではないと思いますよ」とは私の感想。
北大船山周辺の尾根道は雪で嵩が上がり、歩くのは相当大変だったそうである。
さらに、九重連山に登り始めた頃の武勇伝(?)も聞かせてもらったが、
あまりのすごさにここでの掲載は控えることにする。
少なくとも登り始めた当時の私には全く想像もできないすごさである。
ちなみにヒントだけ記しておく。ヒント「朝駆け」



楽しい時間を過ごし、下山するSさんを見送った。


その後、一人山頂に残った私は冬の定番「バナナヨーグルト」を食べ、
絶景を眺めながらコーヒーを味わった。



山頂でゆっくり過ごしたため、ずいぶん時間が経ってしまった。
この1枚を最後に下山することにする。


いつもであれば来た道とは違うルートを下山するのであるが、
御池に下ったときに確認すると、東尾根ルートにはトレースがなかった。
そこで安全のために、登ってきたガラン台ルートを下ることにした。



だれもいない展望岩を通過。



鳥居窪で大船山頂を振り返る。



ガラン台登山口まで下り、大船山と黒岳を見ながら最後の休憩。



長い長いコンクリート道に辟易しながら下山した。


下山後は某所へ花散策へ。



フクジュソウがちらほら咲き始めていた。



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