大船山

2015年8月2日


晴れの予報だが寒気があるため大気が不安定で、午後は雷雨の可能性があるとのこと。
そこで早めに下山できるよう、早朝に入山して大船山へ向かうことにした。

薄暗い5時に今水駐車場を出発。三叉路からコンクリート道を上っていく。
ガラン台登山口から本格的な山道になり、花を撮影しながらのんびり登る。
鳥居窪で小休憩。ここからは花の撮影はせず登りに集中。
ところが展望岩に到着すると、なんとガスで展望がない。がっかりしながら山頂をめざす。
ようやく山頂に到着するとやはり展望はほとんどなかった。
ガスが晴れるのを待ちながら昼食を作り、食べる。
なんとか九重連山が見えたところであきらめ、下山。
ところが東尾根ルートを下っている途中に天気が急変。
息を切らしながら風穴ルートとの合流地点まで駆け下りた。
その後は疲れた体を引きずるように今水に下った。

5:05今水駐車場→5:10三叉路→6:25ガラン台登山口→6:45岳麓寺ルート合流→8:05~8:15鳥居窪
→8:55展望岩→9:40~10:55大船山(昼食)→東尾根ルートを駆け下りる→11:55風穴ルート合流
→12:00岳麓寺ルート分岐→12:30今水登山口→12:40今水駐車場




この夏はいくつかの宿題を課されている。いずれも手のかかるやっかいなものだ。
なるべく面倒なものは早めに終わらせておくに限る。
宿題の中でも一番面倒なものは8月11日に会がありそこで報告しなければならない。
それを7月中に作成し、トップにメール送信してOKをもらった。
よし、これで心置きなく山行できる。

数日前から日本列島に寒気が降りてきているという。午後はあちこちで雷雨の恐れありとか。
実際、8月1日の午後3時頃からは宮崎県を中心とした九州山地で猛烈な雨が降ったようだ。
山でそんな雷雨に遭っては命に関わる。そこで、午後の早い時刻に下山できるよう、早朝出発とした。
向かうは大船山。ねらいは夏の花である。


今水駐車場に5時前に到着。
今日はここからガラン台ルートで登り東尾根ルートで下る周回コース。



今水駐車場からガラン台の入口である三叉路へ。
三叉路からまだ薄暗いコンクリート道を歩いていく。
出発前、防虫スプレーを体に吹きかけたのだが、
それでも多くの虫がまとわりついて実にうっとうしい。
この季節、樹林帯を歩く場合は防虫スプレー類は必携である。



長い長いコンクリート道を歩いていく。
以前はこの長いコンクリート道が苦手だったのだが、
最近はそんなに苦ではなくなった。
年を取って気が長くなったのかもしれない(笑)。



カワラナデシコ




日が昇り、朝靄に霞む久住高原を見下ろす。
すっきり晴れると思いきや、どうも霞がひどい。


淡々と歩くうち、ようやくガラン台登山口が近づいてきた。



シモツケ



ノコギリソウ



ガラン台より、めざす大船山を望む。



ガラン台登山口に到着。
草の葉には朝露がびっしりついている。
そこで雨具のズボンとスパッツを装着した。


ここからはコンクリート道を離れ、山道を歩く。



ほどなく岳麓寺ルートとの合流地点に到着。
腰を下ろして小休憩。行動食の羽衣あられを食べる。最近の定番だ。


ここからは花の撮影をしながらゆるやかに登っていく。



シモツケソウ。山頂まで至る所に咲いていた。



ママコナ



開いたばかりのイヨフウロ



ホソバシュロソウ



ヒヨドリバナを吸蜜中のアサギマダラ



入山公墓前を通過。



鳥居窪に到着し、山頂を見上げる。青空がうれしい。



コバギボウシと大船山


ここでも腰を下ろし小休憩。
ここからが大船山のきついところ。
「よっしゃ!」と気合いを入れて出発する。
ここからは花の撮影はせず、登ることに集中することにした。


山とはいえ夏はやはり暑く、汗が噴き出てくる。
流れる汗を拭きながら登る。



いつも休憩している展望岩に到着した。
ところが驚いたことに、ガスって展望がない。
鳥居窪まではすっきり晴れていたのに、なんてことだ。
これでは山頂の展望もないことが予想される。
ずいぶん気落ちしたが、ここまで来たら登るしかない。
気力を奮い立たせてザックを背負い、再び歩き始める。



登っていくと木漏れ日が落ちているのに気がついた。
これは上空に青空が覗いた証拠。
もしかすると山頂に着けば晴れているかもしれないぞ。



いつものように石仏に手を合わせた。
もう一息で山頂だ。



山頂下の台地に上がってきた。



ようやく山頂に到着。三叉路より4時間30分もかかってしまった。



やはり展望はほとんどない。
ほんのわずか、雲の切れ目から覗いているのは久住山だろうか。
それでも完全にガスっていないのは幸いだ。



しばらく待っていると上空に青空が広がる一瞬もある。
もしかすると待っているうちに晴れるかもしれない。
期待しながら昼食づくりにとりかかることにした。



今日初登場のこれは保冷バッグ。
前日の土曜日、午前中の休日出勤が早く終わり、午後はなにも予定がなかったため、
大分市の山渓に行って購入したもの。
ほかにも山シャツ(今日着用)や登山靴(今回は見送った)なども購入。



中はこんな感じ。保冷剤を入れた上に、冷凍したゼリーもあって保冷機能は十分だ。



今日の食材。
豚肉、タマネギ、シメジ、大根。左端はたれ(醤油とみりんを半々で混ぜたもの)



豚おろし丼の完成。



展望がないのが残念だ。


食べながらも展望が望めないかと望みをつなぐ。



ようやく九重連山が見えたものの、こんなに霞んでいては・・・。
しかたがない、今日はこれが限界だろう。


午後の雨を考えるとなるべく早く下山した方がよさそうだ。



山頂の岩の上に立ち、御池を見下ろしたのを最後に下山することにした。



東尾根ルートを下っていく。
このルートは利用する人が少ないのか、草が茂って道が見えない場所もある。


やがて急坂の手前にやってきた。
東尾根ルートで一番気を遣う場所である。
そこで、水を飲んで気合いを入れ、「慎重に下るぞ」と言い聞かせて進む。



するとどうだろう、巻道ができていた。
右が今までの急坂のルート。わずかにロープが見える。
左には(写真ではわかりにくいが)新たにできた巻道。
これなら初心者でも大丈夫だ。
だれが作ってくれたのかわからないが、本当にありがたい。


その後も慎重に尾根道を下っていく。


ところがここで突然、頭上で大きな音が響いた。雷鳴である。
私は山で雷に遭うのは今まで経験がない。もちろんその危険性は十分に理解しているつもり。
雷鳴は間をおいて何度か聞こえてくる。こんな尾根では落雷するかもしれない。
しかも下っていく先には「ポールのある台地」がある。そこは周囲に高い木がなく山頂を見晴らせる場所だ。
ということはそこでは人が格好の避雷針となってしまう。この場合は避雷針というより誘雷針だ。
空が樹木で見えないためわからないが、もし近づいてくるようであれば、とにかく急いで下山するしかない。
そういう状況で、駆け下りるように下ることにした。
すぐに息が上がったが、そんなことは言っていられない。あえぎながら一目散に下っていく。



風穴からのルートと合流する地点まで下ってきた。
水を飲みつつ落ち着いてみると、雷鳴は聞こえなくなっている。
雨も降っていないし、どうやら大丈夫のようだ。



岳麓寺ルートとの分岐から今水へと下っていく。
尾根道を駆け下ったせいで、どっと疲れが襲ってきた。
それでも下らなければ。



今水へとゆるやかに下っていく。
私は通常、「あとどれくらいだろう」というのは考えないようにしている。
だが今日は疲れがピークに達しており、何度かスマホの「YAMAP」のルート図でチェックした。


「あと50mほど下れば今水登山口」というところまで下ったときのこと。
なんとか無事に下ってきたという安心感に浸った。
その直後、見事に足を滑らせ、激しく転倒してしまった。



足を滑らせたのがこれ。転んだ後に立ち上がり、振り返って撮影したもの。
上に見える倒木を超え、手前に見える斜めの倒木に足を置いた。
まさに「滑ってください」というようなものだ。
なんでこんなところに足を置くかなあ、と自分にあきれてしまった。
「もうすぐ下山」という気のゆるみで油断したということだ。



今水登山口に下ってきた。やれやれだ。


今日の教訓。
最後まで気を抜かず慎重に行動すべし。
それと、夏の天候は変わりやすい。
早朝出発、早めの下山を心がけたいものである。


山行記録にもどる

inserted by FC2 system