天狗が城・中岳

2015年11月3日


今回は久しぶりの朝駆け登山。
午後大分市で所用があり、早めに下山するためである。
牧ノ戸に到着すると上空は曇り空。冬装備で歩き始める。
気温は3℃だが風がなく寒さは感じない。すこし汗ばみながら登っていく。
久住山避難小屋に入って小休止の後、天狗が城へ。
ガスの山頂に到着し三脚を立てた後、岩陰で風を避けて座り、待機する。
日の出時刻を過ぎたようで明るくなったもののガスは晴れない。
それでもようやくガスが切れ始め、中岳や雲海の上の大船山が見えてきた。
久住山や三俣山も撮影。しばらくすると星生山方面に遠くブロッケンも見えた。
撮影が一段落したので中岳に向かう。
山頂から天狗が城を振り返ってガスを待ちブロッケンを撮影。その後朝食。
朝食を食べていると久しぶりのうれしい出会いがあった。
コーヒーを飲み干し御池に下る。
多くの人とすれ違いながら牧ノ戸へと下った。

3:25牧ノ戸→3:45沓掛展望台→4:30扇ガ鼻分岐→5:00~5:10久住山避難小屋→5:40~7:30天狗が城
→7:45~9:35中岳(朝食)→9:45御池→10:05久住分かれ→10:35扇ガ鼻分岐→11:10沓掛展望台→11:25牧ノ戸




土曜日に職場の大きな行事が無事終わった。
私の担当した25分間は打ち合わせ通りに進み胸をなで下ろした。
そしてもう一つ、うれしい成果もあった。
みんなこれまで気持ちを一つにしてよく頑張ったな。


ところがその行事の前日準備中に困ったことが起きた。
私は撮影担当で、愛機ニコンD800でカメラテストをしていた。
ところがなぜか、オートフォーカスが効かない。
帰宅してマニュアルを読んで設定をいじってみたが改善しない。
しかたなくマニュアルフォーカスで撮影したが、暗い中ではピントを合わせづらく、
後で見てみるとピンぼけ写真が多く、がっかり。
今回の山行もピント合わせに苦労しながらの撮影となった。


さて、山行当日の天気予報は晴れ。
念のため天気分布予報を見ると、早朝3時から6時まで九重連山付近はくもりとなっている。
多少の不安を感じながら、深夜の起床にそなえて早めに就寝した。
起床して「くじゅうの空」をチェックしてみると三俣山上空はガス。
だが山の天気は行ってみなければわからない。
とりあえず山行をやめるという選択肢はない。

3時過ぎに牧ノ戸駐車場に到着。20台近くが停まっている。
すでに出発したらしい車も多い。私も装備を調え、3時半に出発した。
気温は3℃だが風はなくそれほど寒さを感じない。
むしろコンクリート道を上るにつれてわずかに汗ばむほど。
今日は完全冬装備で来たのだが、まだそこまでの冷え込みではないようだ。


歩いていくにつれ、周囲にガスがまとわりついてきた。
ヘッドライトに照らされた足下だけを見ながら歩いていく。
やがて星生崎を通過し、久住山避難小屋へと下っていく。

避難小屋には男性4人が休憩中。
だがあいさつ以外に会話はなく、小休憩を終えて私が先頭で小屋を出た。

ガスの中、天狗が城をめざす。
きっと山頂もガスだろうから急ぐことはない。
マイペースで登り、入山から2時間15分で誰もいない山頂に到着。
やはり山頂は一面のガス。当然黎明は見えない。
とりあえず場所を確保すべく三脚を立て、岩陰で風を避けて座り込む。
徐々にいくつかのグループが到着。みんなで夜明けを待つ。

明るくなったもののガスは晴れない。すでに太陽は昇っているはず。



ガスが晴れるのをじっと待つみなさん。


上空は時折ガスが晴れ青空が見える。
そのうちガスが薄れる気配。期待が高まる。



やがてガスが断続的に切れ始めた。
一瞬、遠く大船山がガスの向こうに見えた。
すぐにカメラを向けたが・・・
マニュアルフォーカスで瞬時にピントを合わせるのは難しい。


周囲のガスが晴れ、山々が徐々に見えてくる。



これは三俣山南峰。



久住山



この巨大な雲の塊の中に星生山が隠されている。
この迫力には圧倒されてしまった。



一気にガスが晴れ、中岳や大船山が姿を現した。
私を含め、山頂にいる何人もが「すごい」と声を上げた。
それほどまでに感動的な一瞬。



天狗が城に朝日が差してきた。
周囲は見渡す限り雲海が広がっている。



ガスの上に浮かぶ大船山。



ガスが晴れ、姿を現してきた山々。
この幻想的な風景は言葉では到底表現できない。
寒さを忘れ、ため息をつきながら絶景を眺める。


周囲の山々がさらに顔を覗かせてきた。



久住山



三俣山



まだ雲海に飲み込まれたままの星生山。
その手前にブロッケンが見えた。


まさに息をのむようなガスのすばらしさを堪能した。
なるほどこんな風景を見られるのなら、朝駆けにはまるのもうなずける。


やがてガスが晴れ、周囲の山々がすっきりと姿を現した。



御池と久住山。
空池にはまだ朝日が届いていない。



気がつけば天狗が城に到着してほぼ2時間が経った。
そろそろ中岳に向かおう。



朝日を浴びた天狗が城を振り返る。



中岳山頂に到着。


まだガスは断続的にやってきてはちぎれて通り去って行く。
朝駆けする方のHPに「中岳でブロッケンを撮影した」と書いてある理由がわかった。
私も山頂の岩の上に立ち、ブロッケンが見えるのを待つことにした。



後ろに見えているのは天狗が城。



なんとかブロッケンを撮影できた。
次は周囲の撮影だ。



まずは久住山方面の山々。



大船山にはまだガスがかかっていた。



ブロッケンは背景に何が写っているかが大切。
この写真はOKだろう。


よし、そろそろ朝食の準備にとりかかろう。



まずは今日の食材。
ごはん、ちょっと雑炊、、鮭ほぐし身、卵、白菜、白ネギ、大根。



鮭たっぷりの鮭雑炊の完成。



雑炊を食べていると、天狗が城の方から登ってきた男性と目が合った。
久しぶりに会うYさんだった。いったいいつ以来だろう。
私は雑炊を食べながら(失礼)、ゆっくり話をした。

やはり話は今年の紅葉について。
その話の中で、私が驚いたのはYさんの健脚。
「大曲から入山し、三俣山(たぶんお鉢巡り)→南峰から坊がつるへ→大船山→坊がつると歩き、
『三俣山の小鍋の紅葉をもう一度見たい』と南峰へ直登→すがもり越経由で大曲に下山」というもの。
私も大曲から三俣山と大船山を1日で歩こうと計画したことはあったが、
実際には未だ実践できずにいる。Yさんの山行は私の計画の上をいく。
三俣山から大船山を終えた後に坊がつるから三俣山南峰に登るなんて考えられない。
もっとも、Yさんによれば、坊がつるから南峰へ登るときはヘロヘロで、2時間かかったそうである。

稲星山・白口岳から坊がつるに下るというYさんを見送り、私は御池に下る。



御池の辺の岩の上より。
御池に来るのも久しぶりの気がする。
それもそのはず、調べてみると8月8日以来。約3ヶ月ぶりである。



御池と天狗が城、そして星生山。
御池は私が九重連山にはまってしまうきっかけとなった場所。
この写真も何度同じアングルで撮影したことだろう。



久住分かれにて。



晴れ渡った空を見上げつつ西千里浜を下っていく。



扇ガ鼻分岐にて星生山を振り返る。



名残の紅葉越しに沓掛山を見上げる。



沓掛の岩場より、まだわずかに紅葉の残る尾根道を振り返った。



コンクリート道の脇の赤い木の実を見上げつつ牧ノ戸へと下った。

一体何という木だろう。
帰宅して調べてみるとマユミだった。


温泉に浸かった後、大分市へ。私の娘が勤めているケーキ屋「シュクル」に向かう。
一番人気のお菓子「塩サブレ」を購入して帰宅した。
なお、ブログは2人で更新している模様。「やま」が私の娘である。


山行記録にもどる

inserted by FC2 system