中岳・天狗が城

2016年2月7日


雪を期待して牧ノ戸から入山。
予想通り雪を踏みしめながらコンクリート道を登る。
ガスで展望がないのも予想通りだ。
「今日は池の小屋までのピストンかな」と思いつつ淡々と歩く。
久住山避難小屋で小休憩し、全面凍結した御池へ。
池の小屋で昼食。ここでうれしい出会いがあった。
食後、外を見るとガスが晴れて山頂が見えている。
そこで中岳へ。山頂で待つうちにガスがすっきり晴れてきた。
絶景をカメラに納め、天狗が城を経て下山した。

6:30牧ノ戸→6:50沓掛展望台→7:55扇ガ鼻分岐→8:20~8:45久住山避難小屋
→9:05~9:40御池→9:50~10:55池の小屋(昼食)→11:15~12:10中岳→12:25~12:50天狗が城
→13:10久住分かれ→13:40扇ガ鼻分岐→14:30沓掛展望台→14:45牧ノ戸





先週、土曜日(1/30)は所用のため山行できなかった。、
日曜日(1/31)は職場の提案文書の作成のため、自宅でパソコンの前に座っていた。
ようこそ九重連山へ」を見ると、その週末、やはり雪は完全に融けていたようである。
その後はなんとか冬らしい寒い日々が続き、牧ノ戸にもわずかながら積雪が確認できた。
そこで、雪を期待していつものように牧ノ戸から入山し、気の向くままに歩くことにした。

瀬の本から徐々に路面に雪が見られるようになり、途中でチェーンを巻いた。
やはりこの季節、チェーンなどの準備は欠かせない。慎重に運転し6時に牧ノ戸到着。
すでに多くの車が駐車している。私も装備を調え、6時半に入山した。

期待通り、コンクリート道には新雪が積もっている。
雪の感触を味わいながら登っていく。



沓掛の岩場より尾根道を俯瞰する。
今日の天気は「午前中は雨または雪、午後は晴れ時々くもり」。
ガスだろうと予想していた。予想通りやはりガス。
「今日は池の小屋までのピストンかな」と覚悟した。



雪が積もっているのはうれしいが、やはり展望がほしいのは人情というもの。
わずかに粉雪の舞う中、雪を踏みながら淡々と歩くのみ。



新雪なので滑る心配もない。
アイゼンを付けず歩いていく。



扇ガ鼻分岐を通過。
当然ながら星生山は見えない。



ケルンの並ぶ西千里浜を歩く。
粉雪が徐々にしっかりとした雪になってきた。
これはますます「池の小屋までのピストン」の気配が濃厚だ。



久住山避難小屋で小休憩。
この後に備えてしっかりとした冬装備を調えた。



ここは霧氷の向こうに天狗が城が見えるポイント。
だが見えるのは霧氷のみである。



全面凍結した御池に到着。



氷の上には今まで見たことのないほど多くの石が乗っている。
当然これが自然に乗ることはあり得ない。
登山者がおもしろ半分に投げたもの。
自然は自然のままの美しさを楽しみたいものである。
撤去しようと試みたが、どれもしっかり氷に張り付いていた。



氷の上を歩き、人が来ない天狗が城の下にやってきた。
実は今日の山行では1つのミッションを遂行しなければならない。
前の職場の同僚から依頼されたもので、1年前には中岳山頂で遂行した。
だが今日はこの天候。しかたなくここで三脚を立てることになった。
このガスだ、誰にも見られる心配はないだろう。



無事ミッションを終え、池の小屋をめざす。
湖岸の大岩は見事なオブジェと化していた。



池の小屋に到着。
中には4人が休憩中だった。


すでに10時前。昼食づくりにとりかかる。



今日の食材。
白菜・しめじ・白ネギ・ニラ、豚肉、キムチ。



豚キムチうどんの完成。
豚キムチラーメンは作った記憶があるが、
うどんは初めてではないだろうか。
寒い中で食べるピリ辛のうどんはおいしかった。


ちょうどうどんが出来上がった頃。
男性が甘い香りのする飲み物らしきものを作り始めた。
いいにおいに惹かれて「それ、何ですか?」と尋ねた。
するとその男性、答えてくれた後に続けて、「九重連山を歩くの人ですよね?」と言うではないか。
聞くと、去年の11月28日にこの池の小屋で一緒だったとのこと。
くじゅうを気ままに」というブログを開設されているTさんだった。
この日の私との出会いもUPされているのでご覧になっていただきたい。


食事を終え、のんびりとコーヒーを味わう。
ところが小屋の入口の向こうの風景がやけにくっきり見えている。
もしやと思って外に出てみると、ガスが晴れて中岳山頂が見えている。
これはのんびりコーヒーを飲んでいる事態ではない。
急いで飲み干し荷物を撤収。



この状態がいつまで続くか心許ない。
山頂に着くまで晴れていてくれよ、と思いつつ登る。
実は今回の中岳は、ちょうど100回目となる。
できればすっきり晴れて欲しいと思いつつ登っていく。



登っていくうち、徐々に青空が広がってきた。
束の間のガスの晴れ間ではないかという心配はどうやら杞憂に終わりそうだ。



山頂直前、カメラを構えて青空を待っているTさんに再び出会った。
青空が広がりつつあるうれしさに、「今日は中岳100回目なんですよ」と言ってしまった。


山頂から周囲を眺めると、大船山方面にはまだガスが立ちこめ展望がない。
久住山方面はゆっくりとガスが晴れている状況。
しばらく待つうち、久住山方面のガスが晴れてきた。



すっきりと晴れた山もいいが、
こんな風にガスのかかる山もいいものだ。


なかなかガスの晴れなかった大船山方面も徐々にガスが晴れてきた。



霧氷原の向こうに大船山を望む。
まるでくじゅうの神が私の100回記念登山を祝福してくれているようだ。


しばらくこの風景を見ながら、中岳100回登山を振り返った。

1回目は2004年6月13日だった。登山5回目のことだ。
それまで久住山にだけ登っていたのだが、星生山にも登ってみようと思って登り始めた。
星生山の山頂で男性に声をかけられ、ちょっと足を伸ばしてみようかな、と思ったのがすべての始まり。
中岳山頂で見た大船山に魅せられ、「よし、次はあの山に登ろう」と決めたのを思い出す。
さらに御池のほとりの風景に心奪われ、私の九重連山への思いに火が付いてしまった。
それから数えてもうすぐ丸12年。最初はここまで続くとは思っていなかったが、
よくまあ飽きずに登ってきたものだと我ながら感心してしまう。
そういえば、最初の頃は「雪山は怖いから絶対に登らない」と言っていたが、
今では暖かい日が続くと「寒くならないかなあ」とつぶやく自分がいる。


そんなことを考えながら、気がつけば中岳山頂に到着して1時間近くが経っている。
昼食も食べずにこんなに1つの山頂にいるなんて、私には珍しい。
それほど長居したにも関わらず、まだ下山するには惜しい。
でも、そろそろ下山する時間だ。名残を惜しみつつ山頂を後にした。



次はこれも100回目となる天狗が城へ。



山頂では2人が休憩中。
ここはいつも静かだ。



久住山と空池、そして御池。



霧氷越しにガスのかかる三俣山を望む。



こちらもガスのかかる星生山。


しばらく風景を眺めていたが、そのうち天狗が城にもガスがやってきてしまった。
それを機に下山することにした。



久住分かれにて久住山を見上げる。



西千里浜を下っていく。



霧氷がなんだか白い花が一面に咲いたように感じられる。



扇ガ鼻分岐にて星生山を振り返る。



霧氷越しに星生山を望む。



沓掛の岩場で尾根道を振り返った。
今日もいい山だったな。



ゆっくりと牧ノ戸へと下る。


牧ノ戸駐車場に到着し、車に戻ったときである。
女性に声をかけられて振り向くと、旧知のYさん。
今日は登山ではなく、仲間と沓掛展望台まで歩いたそうだ。
しばらく山の話で盛り上がった。
今度は九重連山のどこかで会いましょう。
N先輩と3人で会えれば最高なんだけど、いつか実現したいなあ。


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