天狗が城・中岳・扇が鼻【朝駆け】

2016年8月21日


お盆をはさんで3週間ぶりの山行である。
まだ酷暑が続いており、日中の暑いさなかに歩くのはしんどい。
そこでまたも朝駆け。前回とは違う花が咲いているかもしれない。

牧ノ戸から入山し、前回と全く同じ1時間55分で山頂に到着。
やがて黎明が始まり撮影する。
夜明けを待つうちに徐々に山頂が賑やかになってきた。
夜明け直前、急にガスが発生し、動きのある夜明けになった。
山頂を発ち、中岳へ向かい朝食。デザートを食べ、コーヒーを飲む。
御池から池の小屋経由で遭難慰霊碑に向かい、手を合わせた。
下山の途中に扇が鼻へ寄り道。
イヨフウロ、ワレモコウ、マツムシソウがあちこちに咲いていた。
山頂でコーヒーを飲み、早くも暑くなってきた中を牧ノ戸へと下った。


2:30牧ノ戸→2:50沓掛展望台→3:30扇ガ鼻分岐→4:00久住分かれ→4:25~6:05天狗が城
→6:20~7:45中岳(朝食)→8:00御池→8:10遭難慰霊碑→8:30久住分かれ→9:35扇ガ鼻分岐
→10:05~10:30扇が鼻→10:45扇ガ鼻分岐→11:40沓掛展望台→11:55牧ノ戸




日本列島が連日暑い空気に覆われている。
まさに酷暑と言っていいだろう。
そんな中、リオオリンピックも熱かった。
1種目で金と銅を獲得した水泳。
団体でも個人総合でも金の男子体操。
金メダルを量産した柔道と女子レスリング。
世界を驚かせた陸上男子400mリレー。
でも私が一番心に響いたのは、卓球女子団体の銅メダル。
その中でもやっぱり愛ちゃんだ。
「泣き虫愛ちゃん」がまだ記憶に残っている。
「あの愛ちゃんが…」と思うと感慨深い。
努力することのすばらしさを改めて感じたオリンピックだった。

その男子体操個人総合が行われたのは日本時間8月11日早朝。
その日は「山の日」が制定されて初めて施行された日。
後でネットを見ると、多くの人がこの「山の日」に登山したようだ。
だが私は家族旅行の真っ最中。民宿でテレビ中継を見ていた。
内村選手の鉄棒を息をのんで見つめたのは言うまでもない。

それにしてもなぜ山の日が「8月11日」なのだろう。
お盆前に祝日を増やして連休を増やしたかったとか、
8月12日にしようとしたが日航機墜落事故の日なのであきらめたなどと報道されている。
もし私に決めさせてもらえるのであれば、迷いなく「6月の第1週の日曜日」とする。
6月には祝日がない。第1週は平治岳のミヤマキリシマがピークを迎える頃。
しかも日曜日を山の日にすれば、月曜日は振替休日。
山行での疲れを癒やし、火曜日からバリバリ仕事に励むことができる。
我ながらいい案だと思うのだが・・・。

それはさておき、今回の山行。
公私の予定で山行できず、3週間ぶりの山行となった。
まだ暑い状況では朝駆けが一番。
前回と同じだが3週間ぶりなので違う花が咲いているかもしれない。
前回で黎明の始まる時刻がわかっているため、そこから逆算して2時半に入山した。

沓掛山の岩場で前を眺めると、ライトが8個。
今日も山頂は賑やかになりそうだ。
そのライトを追い越し、追い越されしながら歩いていく。
順調に1時間55分で天狗が城山頂に到着した。
驚くことに前回も全く同じ1時間55分だった。

山頂にはまだ誰もいなかった。黎明も始まっていない。
ゆっくり三脚を立て、黎明が始まるのを待つ。



4時43分。東の空がわすかに変化してきた。
右に見える灯りは中岳山頂の登山者のものだ。
その左上に見えている星はシリウスだろうか。



やがて黎明が始まった。
このグラデーションを見たくて夜道を歩いてきた。



徐々に東の空がオレンジ色に染まってくる。



久住山はまだ暗闇の中だ。
御池のほとりを歩く登山者のライトが見える。



こちらは三俣山のシルエット。



光芒が伸びてきた。



久住山上空もわずかに赤く染まっている。



星生山の上空には裏焼けの空が広がっている。
左上は月齢18日の月。



日の出が近づくにつれて大船山に笠雲が広がってきた。



夜明けを待つ皆さん。
みな黙ったまま日が昇るのをじっと待っている。



5時50分、雲の上から朝日が昇ってきた。



ところが、朝日が昇ってくると同時にガスが広がってきた。



ガスが朝日に染まる。



中岳にガスがからみ、幻想的な風景となった。



霧中で夢中にシャッターを切る。



まさに息をのむとはこのことだ。



今日朝駆けしてよかった。


すばらしい夜明けのショーが終わった。
山頂にいた人が次々と下山していく。
のんびりしていた私は結局最後に天狗が城山頂を後にした。



朝日を浴びた天狗が城を振り返る。



中岳に到着。久住山方面を望む。


ずいぶんお腹がすいている。
すぐに朝食の準備に取りかかった。



まずは食材。
白菜。シメジ・長ネギ、卵、ニラ、豚肉、チゲスープ。



新メニューのチゲ雑炊が完成。
チゲスープさえあれば作るのは簡単。
ピリ辛でおいしかった。




食後のコーヒーを飲みながら景色を眺める。


中岳到着後、いつものように1時間以上が経った。そろそろ腰を上げよう。



一旦御池に下り、池の小屋へ向かう。
池の小屋の前で御池と天狗が城を振り返った。



池の小屋。
雪の季節であれば飛び込むのだが、今日はそのまま通過した。



池の小屋の裏に回ると、小高い丘の上に慰霊碑が見えた。



遭難慰霊碑に到着。
ザックを下ろして帽子を脱ぎ、手を合わせた。

この慰霊碑は、昭和5年8月11日に遭難死亡した大学生二人を慰霊して建てられたもの。
詳細は「九重連山の光と影」に詳しいので、こちらをご覧いただきたい。
九重の山を愛する人々の思いが伝わってくるはずである。



慰霊碑はここしばらく倒れていたのを、最近修復したそうだ。
慰霊碑の後ろに回ってみると、こんな風になっている。
平地ならいざ知らず、九重の山の中でこの作業をするのはさぞ大変だったことだろう。



久住分かれまで下ってきた。
ススキ越しに三俣山を望む。



今度は久住山を見上げた。
暑い日々が続いているが、秋は確実に近づいてきている。



周囲のススキを眺めながら西千里浜を下っていく。


ここからは花を探しながらのんびり歩くことにする。



イタドリ



イタドリ越しに久住山を振り返る。



西千里浜を下る。



ホクチアザミ
もしかしてキリシマヒゴタイかもしれない。
この2種はとてもよく似ていて、私には今のところ同定するのは難しい。



ワレモコウ
九重連山のひよっこさんの写真を見て真似してみたが、全然だめである・・・。



ワレモコウ越しに星生山を振り返る。



フクオウソウ



アキノキリンソウ



扇ガ鼻分岐の手前で女の子(おそらくお孫さん)を連れたおじいさん(おそらく)とすれ違った。
女の子の来ていた体操服には大きく「1の1」と書かれており1年生だと思われる。
私の長女は2年前に結婚したが、まだ孫が誕生する気配はない。
孫と一緒にここを歩ける日が来るといいな・・・。


まだ時刻は早い。扇が鼻へと向かうことにした。


登ってみて驚いた。登路脇にはイヨフウロとマツムシソウがここにもあそこにも咲いている。
前出の「九重連山のひよっこ」には「扇が鼻は花の宝庫」だと書かれてあったが、まさにその通りだった。



イヨフウロ




マツムシソウ



ママコナ



花を愛でながら山頂に到着。
九重の山々を振り返る。



山頂より阿蘇方面を望む。
残念ながら阿蘇山は雲に隠れてほとんど見えなかった。



マツムシソウを眺めながら今日2杯目のコーヒーを味わう。



毎回思うのだが、この時間がたまらなくいい。


さて、下るとするか。



ヒヨドリバナ



サイヨウシャジン



ホソバノヤマハハコ
この花は今まで見たことがなかった。初お目見えである。



沓掛の岩場で歩いてきたルートを振り返る。
今日もいい山だったなあ。



キンミズヒキ



最後にススキ越しに三俣山を見上げ、牧ノ戸へと下った。


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