天狗が城・中岳・久住山【朝駆け】

2017年1月3日


1月3日、今年の九重連山初山行。
前日2日、「明日は山に行くから」と妻に伝えると、気のない返事。
夫の行動はすでに織り込み済みなのだろう。
山行予定は年頭登山の恒例となった朝駆け。
牧ノ戸から入山し天狗が城山頂で朝日を望むことにした。

3時半に入山。沓掛展望台に上がると周囲には深いガスが広がっている。
ライトに照らされたガスを眺めながら淡々と歩く。
久住山避難小屋に入って時間調整し、天狗が城へ。山頂に先頭で到着した。
ところが始まっているはずの黎明がガスで見えない。
しばらく待つうちガスが流れ、展望が開けるわずかな時間に撮影した。
黎明の撮影を終え、岩陰で風を避けつつ夜明けを待つ。
ようやく夜明けを撮影したとき、うれしい出会いがあった。
寒さに負け、早々に中岳へ向かう。
中岳でも風景の撮影。
寒いので風を避け、山頂を下った草むらで朝食。
食べているとようやく温かくなってきた。
御池に下り、湖面を撮影した後、今年の初山行なので久住山へ。
山頂で風を避け、風景を眺めつつ休憩。
気温が高いため泥濘と化した道を淡々と下った。

3:30牧ノ戸→3:50沓掛展望台→4:45扇ガ鼻分岐→5:10~5:30久住山避難小屋→6:00~7:30天狗が城
→7:40~9:15中岳(朝食)→9:30御池→10:05~10:40久住山→11:00久住分かれ→11:35扇ガ鼻分岐→12:15沓掛展望台→12:25牧ノ戸




元旦は地元の彦岳で初日の出を拝んだ。
2日は妻の実家で親族一同賑やかに過ごした。
3日は特に家族としての予定はない。しかも天気予報は快晴。
ただ、前日2日の夕方に一旦天気が崩れるということで、それだけが気がかり。
それでも晴れの予報を信じて山行することにした。

3時30分に入山。
駐車場横にある気温表示は0℃。この季節にしては異様に暖かい。
汗をかかないよう、マイペースで登る。
ところが沓掛展望台に上がってみると、周囲には深いガスが立ちこめている。
前日の夕方に一旦崩れるという予報だったので心配していたのだが、
どうやらその心配が当たってしまったようだ。
晴れることを信じて歩くしかない。淡々と歩いていく。

久住山避難小屋前の広場に到着。小屋に向かおうと思ったが、ガスで見えない。
たぶんこの方向だろうと歩きながらライトで照らし、ようやく小屋を見つけた。
中で時間調整しながら休憩。すぐに単独男性が到着した。
中津市からというこの男性と会話。内容はもちろん「晴れますかねえ」ということだ。
ここではネットがつながる。「くじゅうの空」を見てみると、三俣山が見えている。
これは期待が持てそうだ。

男性より一足先に出発。
久住分かれを過ぎて山頂が近づくにつれ、気温が急激に下がってきた。
しかもかなりの強風が吹いており、一気に寒さを感じるようになった。
山頂に先頭で到着。だがガスのため、始まっているはずの黎明は全く見えない。
三脚を立てて準備する。やがて小屋で一緒だった男性も到着した。
一瞬ガスが薄れ、黎明が見えた。が、カメラの準備が間に合わず、撮影できず。
暗闇に目をこらすと、ガスは風でちぎれて流れている。
わずかな時間だが、晴れて展望が開ける。そのタイミングでシャッターを押す。
だが光量が少ないため、シャッター速度(露光時間)が長く、その間に次のガスがやってくる。
黎明をきれいに撮影できない。もどかしい。



何度目かの挑戦で撮影できたのがこれ。



ガスが晴れる時間が徐々に長くなってきた。
今日は雲もなく、完璧な黎明だ。
中央に見えているのは中岳。その左、わずかに大船山の山頂が見える。



少しずつ明るくなってきた。
中岳の右に、低く稻星山のシルエットが見える。



その稻星山の遙か遠くには祖母傾山系。



少しずつ黎明の色が変化していく。
実は寒さと強風で凍えそうなのだが、この黎明を見られるのだから我慢できる。



夜明けはもうすぐ。朝日を待つ三俣山。



久住山にも朝日はまだ届いていない。



星生山は暗闇の中。山頂には雲がかかっているようだ。



もうすぐ夜明けだ。


岩陰で風を避け、体をすくめるようにして夜明けを待つ。



7:14。中岳の右から、朝日がようやく昇ってきた。



神々しい夜明け。
寒さに耐えて待った甲斐があった。



朝日射す久住山。



三俣山が朝日を受けて染まっている。



星生山はわずかに山頂だけが朝日を受けている。


写真を撮り終えたとき、私のそばにいた男性が声をかけてくれた。
去年の初山行でもお会いしたUさんだ。
挨拶したものの、寒くて口も凍えており、うまくしゃべれず困ってしまった。



陽が昇ってきた。
中岳に向かおう。



朝日射す天狗が城を振り返る。



朝駆けの方々が下った後の、誰もいない中岳に到着。




久住山方面を振り返る。
ちぎれたガスがまだ時折山々を通り抜けていく。



大船山と平治岳はすっぽりと雲に覆われていた。


やがて先程挨拶したUさんが中岳に到着。しばらく話をする。
昨年の大船山の紅葉の話になった。昨年は忙しくて私は見られなかった。
今年の紅葉は見られるといいなあ。


さてそろそろ朝食。天気がいいので池の小屋でなく、山頂で食べたい。
だが冷え切った体には風のないところがいい。
そこで、山頂を10mほど下ったテラス状の草の上で食べることにした。



今日の食材。
白菜・大根・椎茸・長ネギ・しめじ、卵、焼鮭。



野菜に火が通るのを待ちながら、正面に見える大船山を撮影。
雲が強風に流され、刻一刻と姿を変える。山頂が見えてきた。


山頂からUさんが声をかけてくれた。そろそろ下るそうだ。
またお会いしましょう。もしかしたらまた来年の朝駆けでお会いできるかも。



野菜と焼鮭のたっぷり入った鮭雑炊の完成。
なお、周囲の草の葉が白くなっているのは霜である。



温かい雑炊を食べ、ようやく温まった。



大船山にかかっていたガスもすっかり晴れた。
この風景を眺めながらコーヒーを飲む。やっぱり山はいいなあ。



久住山方面のガスもほとんど消えた。
青空の広がる山々を眺める。


さて、そろそろ腰を上げよう。



御池に下る途中、全面凍結した湖面を見下ろす。
御池周辺には誰もいない。
それだけではない。中岳と天狗が城にも人影は見えない。
今、この風景の中にいるのは私1人だ。



湖畔の岩の上より。



今日もまたこのアングルでの撮影。



周辺の氷に乗ってみた。
大丈夫だとは思うが、誰も乗っていないので中央にいくのはやめておいた。



湖面には多くの石が投げられている。
自然のままの風景を眺めたいのに、これはまさに興ざめもいいところ。
どうかやめてもらえないだろうか。



今日は今年の初山行なので、迷うことなく久住山へ向かう。
やはり年の初めには盟主にご挨拶しておかねば。



山頂に到着。
ここでも冷たい風が吹き抜けていた。



中岳・天狗が城と三俣山を望む。
大船山までが実にくっきりと見える。



扇ガ鼻(右)と阿蘇五岳。



岩陰で風を避け、遠くに浮かぶ祖母傾山系を眺めながら休憩する。



今日は焼肉用の網を持ってきている。
この網で鯛焼きを焼いてみた。



表面がパリッとして中の餡がほんのり温かい。
焼き鯛焼き(笑)、これはなかなかいい。



阿蘇五岳をカメラに収め、下山する。



久住分かれにて。
融け残った雪越しに久住山を振り返る。



山頂を下れば陽も射してきて実に暖かい。
着ていた上着を1枚ずつ脱いでいく。
登山道はすでに融け、泥濘地と化している。



扇ガ鼻分岐にて。
わずかに残る雪と星生山を振り返る。



氷の残るコンクリート道を牧ノ戸へと慎重に下った。


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