大船山

2017年7月29日


久しぶりに何も予定のない土曜日。
今水から大船山をめざすことにした。
ねらいは夏の花である。

4時半に今水駐車場に到着。
車外に出ると、湿度と虫のまとわりつく感じがすさまじい。
三叉路からまだ薄暗いコンクリート道を歩いていく。
明るくなると周囲に花が咲いている。1つずつ立ち止まり撮影。
1時間ほどでガラン台登山口に到着。
大船山の上空はすっきりと晴れている。

岳麓寺ルートの合流地点から本格的な登り。
今日はとにかく蒸し暑い。
汗をぬぐいながら歩いていく。
鳥居窪で見上げる山頂にはわずかにガスがかかっている。
このガスが広がらなければ…と思いながらさらに登る。
展望岩に着くと、やはり周囲にはガスが広がっていた。
意気消沈するも、ここまで来たからには行かなければしょうがない。
汗をぬぐいながらなんとか登る。
ようやく山頂が見えた。やれやれ。

山頂に到着したものの、ガスでほとんど展望がない。
御池を撮影しただけで昼食作りにとりかかる。
食後のコーヒーを飲みながら眺めていると、わずかにガスが切れた。
その後もガスが晴れそうにないので下山する。
暑い中、汗を拭きながら淡々と下っていく。
久しぶりに手強い大船山だった。

4:55今水駐車場→5:05三叉路→6:10ガラン台登山口→6:20岳麓寺ルート合流→7:20入山公墓前→7:35鳥居窪→8:15展望岩
→9:15~10:50大船山頂(昼食)→東尾根ルート→12:05風穴ルート合流→12:50今水登山口→12:56今水駐車場





27日(木)・28日(金)に大きな行事が終わった。
先週末はその行事に向けた最後の調整のため、両日ともいつもの休日出勤。
そのおかげもあってか、満足のいく結果に終わりほっとした。
一段落ついた今週末は、久しぶりに何もない2日間。
そこで、何年かぶりにテント泊しようと計画した。
テントや寝袋、テント泊用のザックなどを納戸から引っ張り出し、点検。
食事メニューも決め、前日(金曜日)の夕方には買い物も済ませた。
ところが帰宅して天気予報をチェックしてみると、ここ数日の天候不順が土日も継続するとのこと。
竹田市には大雨警報も出されており、土日も午後には不安定な天気が予想される。
テントで雷雨に遭えば楽しむどころの話ではない。
テント泊はもっと天候の安定したときに計画することにしよう。

というわけで、結局いつもの日帰り登山となった。
さて、どこからどう歩こうか。
下界も暑いが、山も暑いはず。
暑さを避けるのなら朝駆けが一番だが、それには深夜に起床しなければならない。
しばらく思案した結果、大船山に向かうことにした。
ねらいは夏の花である。暑さは…なんとかなるだろう。


早朝4時半に今水駐車場に到着。
車内はエアコンが効いて快適だが、車外はそうはいかない。
木々が鬱蒼と茂っており、近くに川がある今水では、
蒸し暑さのほか、蚊などへの対策が必須。
車内で防虫スプレーを全身に吹きかけて対策は万全だ。
案の定、、車を出ると相当な蒸し暑さに加えて、多くの虫が飛び交っているのを感じる。
ただ、防虫スプレーのおかげで近寄ってはこないようだ。


まだ暗い5時前に今水駐車場を出発。
三叉路からコンクリート道をガラン台へと向かう。
周囲が徐々に明るくなっていく。



はじめの頃はこのコンクリート道が長く感じられて苦手だったのだが、
もう慣れてしまったのか、あまり長いとも感じなくなった。



このコンクリート道にはゲートが2つある。
その1つめのゲートをよっこらしょと越える。
この感覚、久しぶりの気がする。
それもそのはず、このルートを歩くのは今年の2月25日以来、5ヶ月ぶりだ。


今日このルートを歩こうと思い立ったのは、夏の花が咲いているはずだからである。
周囲に気を配りながら歩いていく。



まずはオカトラノオ。



ウツボグサ



カワラナデシコ



見晴らしのきく場所で有氏方面を見下ろすと、ずいぶん霞んでいる。
空気中の水蒸気が多いため、無数の水滴が大量にできているということだ。
今日の蒸し暑さを目で確認した。



キツリフネ。
花弁がしっとり濡れ、葉には雫が乗っている。
写真だけ見れば爽やかなのだが…。



ノコギリソウ



三叉路から約1時間でガラン台に到着。
目の前に大船山と黒岳(右)が見えてきた。
上空には見事な青空が広がっている。
よし、これなら山頂の風景が見られそうだ。



ガラン台登山口からようやく山道となる。



岳麓寺ルートと合流。
いつものようにここで小休憩し、行動食を食べる。
私の夏の定番は「羽衣あられ」。塩分補給にもなる。


ここから本格的な登りとなる。
今日はとにかく蒸し暑い。流れ落ちる汗をタオルでぬぐいながら登っていく。

時折現れる花が唯一の楽しみだ。



シモツケソウ



こちらはシモツケ。



入山公墓前に着く頃、ゴマさんからメールがあった。
今日は長者原から三俣山の麓を周回している。
法華院に着いたのだそうだ。
この暑さのため、思わず「法華院ならアイスがありますね」と返信した。



鳥居窪に到着し山頂を見上げる。
青空なのだが、早くもガスが発生している。
このガスが広がらなければいいのだが…。


山頂まではまだまだある。しかも蒸し暑さは相変わらず。
タオルが汗でしっとりと濡れてきてしまった。
しまった、タオルを2枚持ってくるんだったな。



ヒヨドリバナが咲き始めていた。
この花が咲けばアサギマダラを多く見るようになるのだが、
今日見たのは1匹だけだった。



展望岩に到着。ところが周囲はガスで真っ白。
先ほどの鳥居窪での心配が当たってしまった。
このガスが山頂に着く頃に晴れてくれる保証は全くない。
一気に意気消沈…。
とりあえず岩の縁に腰掛けて小休憩。
羽衣あられを食べながら思案したものの、ここまで来たらもう行くしかないのである。


それでも周囲には時折花が現れ、応援されている気分になる。



イヨフウロ



イブキトラノオ



チダケザシ



ヤマアジサイ



ようやく山頂が木々の向こうに見えた。もう一頑張りだ。



誰もいない山頂に到着。
三叉路から4時間10分もかかってしまった。



まずは風景の撮影、と言いたいところだが、周囲はガス。
まともに撮影できるのは御池のみ。
その御池にもわずかにガスが流れ込んでくる。



このガスでは撮影してもしょうがないか…。


山頂付近をうろついていると、単独男性が段原から登ってきた。
「ガスですねえ」とだけ会話。この状況では会話がはずみようがない。
男性はすぐに下っていった。まあ、それもありかな。



まだ9時半だが、昼食づくりにとりかかる。
今日のメイン食材である牛肉は、テント泊するために奮発して購入したもの。
タマネギ・ピーマン・人参、焼肉のたれ、わかめスープ。
小分けされた焼肉のたれがあることをCMで知り、今回初めて購入。
これは軽くていい。まさに登山にはうってつけだ。



豪勢な焼肉丼の完成。
デザートはマンゴーゼリーを凍らせて持ってきた。



これで展望があれば言うことないのになあ…


昼食を作って食べている間にご夫婦が段原から登ってきた。
少し離れていたので会話もなく、しばらくすると下っていった。
今日は私を含めてもわずか4人。実に静かな山頂だ。
というより、こんな暑い日のしかもガスで展望のない状況でここにいるのは、
私を含め、かなり変わった人種なのだろう。



坊がつるを見下ろす岩に腰を下ろし、食後のコーヒーを飲む。
すると、わすかにガスが切れてきた。
米窪が見える。



やがて段原も姿を現した。
左下にはわずかに坊がつるも見える。
だが今日はこれが精一杯のようだ。



山頂付近に戻ると、無数のトンボが舞っている。
写真に黒く点が見えるが、それはすべてトンボだ。
トンボがこれだけいるということは、トンボが餌とする小さい昆虫がそれ以上に飛んでいるということだろう。
もしかするとガスを運んだ上昇気流と一緒に上がってきたのかもしれない。


気がつくと山頂到着後、1時間半が過ぎた。そろそろ下ることにしよう。


下山は東尾根ルート。
暑さの中、転んでけがをしたりカメラを壊したりしないよう、集中力が必要だ。
一歩一歩慎重に下っていく。
それにしても暑い。



コバギボウシ



東尾根を下り終え、風穴ルートと合流。
ここまで来れば、あとは淡々と下るのみ。
予備の氷をTHERMOSに入れてきて正解だった。
冷たい水を飲み、少し歩いては汗を拭く。
だが、今水まではずいぶん長いぞ。


今水登山口に下ったときには正直、やれやれという気分。
今日の大船山は手強かったな。


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