中岳・白口岳・三俣山【朝駆け】

2017年9月30日


晴れの予報の土曜日。ゴマさんたちに合わせ、大曲から入山し中岳に朝駆け。
夜明け後は山頂で朝食を食べ、リンドウを求めて一緒に白口岳へ。
Yさんも合流し楽しい時間を過ごした。
その後はゴマさんたちと分かれ、すがもり越まで引き返し、三俣山へ。
西峰の稜線でふと思い立ち、裾野を回るルートを歩いて南峰へ。
ところがこれが失敗。急登を登り切るのがきつかった!
やっとの思いで山頂に到着。咲き乱れるリンドウを撮影し、テラスで昼食。
登路脇に咲くリンドウを眺めながら西峰へ。
西峰山頂でもリンドウを撮影し、満足して大曲へと下った。

2:30大曲→3:25すがもり越→北千里浜→4:15久住分かれ→4:35御池→5:00~7:35中岳(朝食)
→7:50中岳下→8:05稲星越→8:25~9:40白口岳
→9:55稲星越→10:10中岳下→10:20池の小屋→10:25御池→10:40久住分かれ→北千里浜→11:20すがもり越→12:35~13:40三俣山南峰(昼食)
→14:15~14:30西峰→14:45すがもり越→15:25大曲





前回の山行は晴れの予報だったのに1日中くもりで、
リンドウこそ見られたものの、正直なところ残念な気持ちもあった。
もしチャンスがあれば、青空をバックにリンドウを撮影したい。
そんな願いが通じたのか、週末は移動性高気圧に覆われ、晴天の予報。
そこでいつものようにT先輩にお願いし、土曜日に山行することにした。
職場でゴマさんとその話をすると、今年の5月27日に一緒に登ったKちゃんと朝駆けするという。
そこで私も朝駆けすることにした。だが白口岳や三俣山のリンドウも見たいな…。
そこで、大曲から入山して天狗が城か中岳に朝駆けして白口岳に向かい、
さらにその後に三俣山へ…という長いルートを歩くことにした。


2時20分に大曲到着。急いで装備を調え2時半に出発。
ゴマさんにメールすると、沓掛の展望台を過ぎたところだそうだ。
上空には星空。今日はいい天気になりそうだ。

順調にすがもり越に到着し、再びゴマさんにメール。
扇ガ鼻分岐付近だとのこと。
「Kちゃんと中岳に向かいます」とのことなので、
私も中岳をめざすことにした。

三俣山の朝駆けは数年前、一度だけ経験がある。
だがそれ以外の朝駆けは、すべて牧ノ戸からの入山だ。
(正確に記すならば、一度坊がつるから大船山に朝駆けしたことがある)
夜の北千里浜を歩くのは初めてのこととなる。
周囲を山に囲まれた場所なので電波が届かずメールもできない。
もちろん前にも後にもライトはない。
せめてもの救いは見上げれば星が見えることだけ…。
実に心細い思いを感じながらとぼとぼと歩いて行く。
久住分かれへの登りをようやく登り終えてやれやれと思ったとき、
私の名を呼ぶ声がした。よかった、ゴマさんたちだ。
ゴマさんたちもちょうど久住分かれに着いたところだったらしい。
今日はゴマさんのお連れ合いさんは欠席。
そこで私とゴマさん、Kちゃんの3人で中岳に向かう。


御池を過ぎ、5時ちょうどに中岳到着。大曲から2時間半はほぼ予想通り。
さっそく三脚を立て、黎明の撮影の準備を始めた。
ところが東の空を見てびっくり!厚い雲が広がっているではないか!
今日は移動性高気圧に覆われ、ピーカンだったはず。
前日の職場で私は「明日の朝は素晴らしい黎明が見られますよ」と宣言したのに…。
だが天気はどうしようもない。あとは夜明けがどうなるかだ。



東の空を撮影。中央のやや左に大船山の山頂が見える。
厚い雲と地平線の間にわずかに隙間があり、そこから曙色が見える。
すっきり晴れていればきれいな黎明のグラデーションが見えるはずなのだが…。



由布岳のシルエット。



夜明けが近づいてきた。
もしかするとこの雲が全部焼けてすごいことになるかもしれないぞ。



久住山と扇ガ鼻のシルエット。
阿蘇五岳も見えている。



光芒が伸びてきた。もうすぐ夜明けだ。



やがて夜明けを迎えた。
期待に反して雲は焼けなかった…。



久住山、天狗が城、星生山のモルゲンロート。
その間には巨大な中岳の影があるわけだ。


雲の隙間はわずかしかないため、光のショーもほんの一瞬で終わってしまった。


夜明けの撮影を終え、私たち3人を残して皆さん山頂を下っていった。
3人でのんびり朝食の準備を始める。



私は朝の定番、雑炊。
鳥つみれ団子、白菜、大根・人参。


私がコトコト大根と人参に火を通している間に、ゴマさんも調理を始めた。
今日のゴマさんのメニューはペンネのミートソース。ところがここで驚くべき事態が発覚!
その状況を詳しく写真入りで紹介したいのだが、それをするとネタバレになってしまう。
ここはぜひゴマさんのブログを見ていただきたい。



私の鳥つくね入り雑炊は無事完成。



食べながらも「晴れの予報だったのに、なんでこんなに雲が多いんだ?」とか
「晴れてくれないかな~」「気象庁に文句言おうか」「Kちゃんなんとかしてよ」などと口走る。
ところがそのうち西の空からすこしずつ青空が広がってきた。
そうすると3人の空気も一変!一気にテンションが上がってきた。



わずかに青空の覗く久住山方面を望む。
なお、今日は空気の透明度がすばらしい。
久住山のすぐ右、遙か遠くに雲仙普賢岳がくっきり見えている。



先程までは「白口岳、どうする?一応行ってみる?」と腰が引けていたのに、
青空が広がってきたとたんに「よ~し、リンドウ見に行きましょう!」とノリノリに。



中岳を後にするゴマさんとKちゃん。



中岳を下りきる直前。私たちを追うように下って来た男性がにこにこ顔で立っている。
見ると前回も一緒だったYさんだ。

「あ~よかった」と私。
というのは、木曜日の夜にYさんにメールを送ったのだが、土曜日の計画を
「大曲→坊がつる→白口岳→中岳→天狗→北千里浜→三俣山」と書いたのだった。
ところが金曜日に職場でゴマさんと相談しているうちに気が変わり、今回のルートに変更。
違うのは朝駆けすることと、坊がつるに下らず、ピストンすること。
だがメールを見たYさんから金曜日の夜に届いたメールには
「(私が初めに計画したルートの)逆を歩きます。会えるのが楽しみです」と書かれていた。
夜9時にそれを見てあわててメールを送信したのだが、
もう就寝しているだろうな、時間もコースも変更したけど、会えればいいな、と心配していた。
Yさんに「昨夜のメール見ました?」と聞くと案の定「見てない」とのこと。
それでも会えたんだから正直ほっとした。



「稲星山に行く」というYさんと一旦分かれ、3人で白口岳に向かう。



稲星越から山頂までは一頑張り。
青空が広がってきた。

ゴマさんの情報では、白口岳にはピンクのリンドウが咲いているらしい。
「着いたら3人で探そうね~」と話すのも楽しい。
「見つけやすいところに咲いているらしいよ」
これもゴマさんの情報。



やがて山頂に到着。
山頂標識と一緒に記念撮影に収まるKちゃんとカメラマンのゴマさん。



大船山と平治岳を撮影。
由布岳は山腹の色の違いまでわかるほどくっきり。
しかも大船山の右奥や由布岳の左奥にも山らしきものが見える。
「もしかしたら四国と山口かも」などと盛り上がった。



山頂から東側を眺めると、岩の上にすっくと立つ男性がいる。
よく見るとYさんだった。かっこいい!


さて、ピンクのリンドウだ。
ザックを草の上に(もちろんリンドウの咲いていないところを探して)置き、探し始めた数秒後。
「あった!」とゴマさんの声。見ると確かに花弁の内側がピンク色だ。
それにしてもわずか数秒とは…。これでは「探した」と言えるのかどうかも微妙だ。
私なんか、まだ探し始めてもなかった…。



そのピンクのリンドウ。


三俣山の南峰ほどではないにせよ、あちこちにリンドウが咲いている。



リンドウと中岳と、ゴマさん。



リンドウと大船山。




思い思いにリンドウを撮影するゴマさんとKちゃん。


山頂にはゴマさん、Kちゃん、Yさんに私。
前回の三俣山で(ゴマさんのお連れ合いさんを含め)「みんな名字に山が付いてる」と喜んだのだが、
実はKちゃんの名字にも山が付いている。4人とも違う名字なのに、実におもしろい。

その後到着した男性とYさんが談笑している。
Yさんが私に紹介してくれた。熊本在住のSさん。よく山でお会いするそうだ。
残念ながらSさんの名字には山は付いてなかった(笑)。


楽しい時間は早く過ぎるもの。
気づけば白口岳到着後、1時間以上経っている。
そろそろ白口岳を後にしようか。
ゴマさんとKちゃんは牧ノ戸に下山。
私は歩いてきたルートをもどり、三俣山へ。
Yさんは坊がつるに下り、南峰に直登するという。



登路脇にはあちこちにリンドウが咲いている。
1つ1つじっくり眺めカメラに収めたいところだが、そんなことをしていたら一体いつ下山できるかわからない。
それでも稲星越の立派な群落にはカメラを構えた。



池の小屋の前にて天狗が城と御池を望む。
私の後ろを歩いているごまさんとKちゃんは池のほとりでおやつタイムかな?



久住分かれにて久住山を見上げる。
その上に広がる空はすっかり秋の空だ。



北千里浜の向こうに三俣山を望む。
今朝はここを歩いてきたんだなあ…。



北千里浜を歩いていくと、正面に三俣山が見えてきた。
上空には抜けるような青空が広がっている。

この風景を見ると思い出す日がある。2004年8月11日だ。
この日は当時小学5年生だった息子を連れて前日から入山、法華院山荘に宿泊した。
2日目の11日は中岳に登り、下山時に北千里浜を歩いたのだが、
その時も抜けるような青空が広がっていた。
残念ながらその日はデジカメのメモリーカードが不具合を起こし、写真は1枚も残っていない。
だが、その日の青空は私の心の中にしっかりと記憶されている。
息子の心にも残っているといいな…。



今日2回目のすがもり越に到着。さすがに疲れを感じ始めた。
それでも三俣山のリンドウ会いたさに、小休憩の後、三俣山西峰に取り付く。



西峰の稜線に上がり、一息つく。
ここからは西峰を経由して南峰に向かう予定だったのだが、
この風景を眺めながら、ふと気が変わり、
写真右下に見える巻き道を歩いてみることにした。
その方が同じ道をピストンするよりもいいかな、と思ったからである。
もっとよく考えればよかったのだが…。



西峰の稜線から一旦下り、ほぼ平坦な道を歩いて南峰下に到着。
ここからの登りがきつかった…。
ルートは斜面に対してほぼ直角にまっすぐつけられている。
(枯れ草で白く見えるあたりに登路がある。)
周りの草を持ち、腕の力も使って登るはめになってしまった。



あえぎつつ登ってきたものの、しんどくて足を止め、息を継ぐ。
YAMAPでは地図上にリアルタイムで現在地が表示される。
確認してみると、この急登のまだ3分の1だ。


これまでの疲れもあるため、ペースを落とすことにした。
1歩1歩、ゆっくり登っていく。



南峰とⅣ峰の鞍部になんとか到着。
ペースを落としたおかげで後半は一度も立ち止まることなく登り切った。
見上げる南峰まではもう一息だ。



やれやれ、やっとこさ山頂に到着だ。
山頂ではペアルックのカップルが昼食中だった。



山頂にはリンドウがまさに乱れ咲いている。




この風景を見たくて頑張ってきた。



いつものテラスに向かい、大船山を望む。
もしかしてYさんが坊がつるから上がってきているかも、と思ったがいなかった。
後で考えると、私が巻き道を歩いている間に南峰を通過したのだろう。
いつものルートを選べばよかった、と後悔した。

このことについて、追記。
後日、このHPを見たYさんからメールが届いた。
私が南峰でYさんと会えなかったのは、Yさんが早く南峰を通過したためではなかった。
私と白口岳で別れたYさんがその後向かったのは、坊がつるからの大船山。
私が南峰に向かっていたとき、Yさんは段原へと向かっていたわけだ。
さらに驚くことに、大船山を下ったYさんは、さらに三俣山南峰へと直登したという。
さすがに「ヘロヘロで南峰に到着」とメールに書いていたが、そりゃそうだろう。

大曲から白口岳でも十分長い。
その後の大船山。もうこれでお腹いっぱいだ。
その後の南峰直登はありえない…。



今日もここで昼食。
2食分を自宅で準備できず、途中のコンビニで買いそろえた。
昔と違って何でもそろう。便利な時代になったものだ。



デザートは、朝食時には寒かったため食べなかった梨。



食後のコーヒーを飲み、下山する。


至る所に咲いているリンドウに励まされながら下っていく。
2時近くになり、ほとんどの登山者が下山してしまっている。
実に静かな山だ。



リンドウ咲く登山道を西峰めざして登っていく。



山頂には私を含め4人しかいない。



ザックを下ろし、リンドウを撮影。

HPのトップページにあるリンドウの写真は、2006年9月25日に西峰で撮影したもの。
ちょうどその株のあった場所とほとんど同じ場所で撮影した。
リンドウは多年草とのことだが、11年も前のこと、まさか同じ株ではないだろう。



2006年9月25日撮影



山頂をゆっくり下っていくと、白いリンドウを見つけた。



リンドウと大船山



リンドウ越しに久住山方面の山々を望む。
前回も同じような構図で撮影しているが、青空なのが大きな違い。
やっぱり山の写真は青空でなくっちゃ。

今日はこの写真を撮ることができて満足だ。


さて、下ることにしようか。



すがもり越に下りながら足を止めて顔を上げると北千里浜が見えた。
今日は実に充実した1日だったな。



今日3度目のすがもり越に到着。
三俣山西峰と大船山、そして澄み切った青空を見上げ、大曲へと下った。


今回同行したゴマさんのブログもぜひご覧下さい!


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