中岳・天狗が城

2017年12月29日


今回の山行は今年の登り納め。
ここ数日天気が良すぎて雪も霧氷も期待できないが、晴れの予報なので青空を期待して山行することにした。

今日は単独山行ではなく、職場の同僚と途中で合流する予定。私は一足先にいつも通りの7時入山。
コンクリート道はガチガチに凍っているため最初からアイゼンを付けて登る。
沓掛展望台に上がるとあいにくのガス。雪がほぼ融け霧氷もない道を淡々と歩いていく。
扇ガ鼻分岐に到着。晴れていれば扇ガ鼻に行く予定だったが、ガスのためあきらめ、久住山避難小屋をめざす。
小屋に入り、4人が到着するのをのんびりと待つ。
4人が到着する頃になってガスが一気に晴れ、青空が広がってきた。
気分良く出発。御池で初めてのそり滑りを楽しんだ後、風を避けて池のほとりで昼食。
再びガスが訪れる中、中岳へ。雲海に浮かぶ大船山を撮影でき、満足。
天狗が城を経由して下る。久住山避難小屋でおやつを食べ、下山した。

7:05牧ノ戸→7:25沓掛展望台→8:25扇ガ鼻分岐→9:00~10:15久住山避難小屋→10:45~11:40御池(昼食)
→12:00~12:10中岳→12:25~12:30天狗が城→12:55~13:25久住山避難小屋→13:50扇ガ鼻分岐→14:35沓掛展望台→14:50牧ノ戸





前回の山行後、同僚のゴマさんから山行のお誘いを受けた。
同じ職場のHくん(新婚さん)夫妻と一緒に登りませんか、というもの。
というのもこのHくんの奥さんはアウトドア派らしく、新婚旅行はアルプスだったそうだ。
日本アルプスではない。スイスのアルプスである。本格派なのだ。
今回の山行も、1月上旬に八ヶ岳の北横岳に登ることになっており、
初心者のHくんのための予行演習なのだそうだ。
雪のない九重連山で予行演習になるのかどうか心配だが、
どんな奥さんなのか見たくて同行することにした。


ゴマさんに入山時刻を聞くと、8時だという。
最初は「合わせますよ」と言っていたのだが、
「先に入山して扇ガ鼻に行ってきたらどうですか」とゴマさんに勧められてその気になった。
なるほど、扇ガ鼻分岐から扇ガ鼻山頂に向かい、休憩して戻ればちょうどいいか。
というわけでいつも通り6時過ぎに牧ノ戸着、のんびり装備を調えて7時に入山した。



牧ノ戸のコンクリート道はガチガチに凍っている。
端っこを歩けばアイゼンがなくてもなんとか登れるかもしれないが、
やはりアイゼンがあると安心だ。



第1展望台に上がると沓掛山に深いガスがかかっている。
天気予報は午前中晴れだったのに、今日もガスか…。



霧氷のトンネルと言いたいところだが、残念ながら霧氷はごくわずか。
霧氷と言うより霜と言った方が実態に近いかも。



沓掛の岩場よりわずかな霧氷越しに尾根道を望む。
だがこの風景、正直言ってもう見飽きてきたな…。



若いカップルがカメラを構えた私の横を通過していく。
「すごいなあ」(男性)「言った通りでしょ」(女性)といった会話を聞く。
そう言えば私も冬山に登り始めた最初の頃はわずかな霧氷にも感激していたっけ。
それにしてもこのカップルもどうやら女性の方がリードしているようだ。



ブロッコリーの丘で小休憩。
今日の行動食は昨日スーパーで見つけたこれ。
甘くてマンゴーの香りがたっぷりでおいしい。



ガスの晴れぬまま、扇ガ鼻分岐に着いてしまった。
予定ではここから扇ガ鼻まで往復するつもりだったのだが、
このガスでは展望は全く期待できない。
そこで扇ガ鼻はあっさりあきらめ、久住山避難小屋をめざすことにした。



ガスの中、西千里浜を歩いていく。



久住山避難小屋に到着。
時間調整するにはこの小屋の存在は実にありがたい。


中には数名の方が休憩中。
と思いきや、みなさんわずかな休憩ですぐに小屋を出発していく。
このガスの中、どこをめざすのだろう?やはり御池だろうか。

ゴマさん夫妻とHくん夫妻が到着するのはたぶん10時頃。
私の入山が7時、ゴマさん達が8時なので、ちょうどその差1時間。
その間は何もすることがない。行動食を食べながらぼんやりと過ごす。
こんなことなら一緒にゆっくり入山するんだったな…。

30分ほど経った頃だろうか、隣に腰を下ろした単独女性が話しかけてきた。
どうやらこの辺りは初めてらしい。久住分かれから先に行ってみたいのだけれど…とのこと。
ガスなので無理はお薦めできないが、凍結した御池は見る価値がある。
そこでスマホの画面でYAMAPの地図を見せ、案内をする。
さらに私のHPの前回の山行記録を開き、御池のほとりの岩と池の小屋を説明した。
こんなことが簡単にできるようになったんだと改めてITの便利さを実感した。
その女性は「行けるところまで行ってみます」と出発していった。


小屋の中で男性2人が昼食の準備を始めた。
大きな平鍋にたれを入れ、火に掛け、野菜を大量に投入。
そして次に現れたのはこれまた大量のみごとな牛肉!
実においしそうなすき焼きだ。



あまりにもおいしそうなので写真を撮らせてもらった。
いつか私もやってみよう。
でも、お酒がほしくなってしまうのが難点だよなあ(笑)。


すき焼きの調理が進んでいる頃、外が妙に明るい。
そこで小屋を出てみると…



わずかに青空が覗き、久住山の山裾が見えた。
これはそのうち晴れるかもしれないぞ。



私の思いが通じたのか、一気にガスが晴れ、久住山が姿を現した。



その数分後にゴマさんご一行が到着。


まずはHくんの奥さんにごあいさつ。
どうせゴマさんから道々いろいろ聞かされているだろうから、ごく簡単に名前だけの自己紹介。
その奥さんはというと、笑顔の優しいかわいらしい女性で、とてもアウトドア派の方には見えない。
「じゃ、どんな人がアウトドアの人なのか」と聞かれても困るのだが…。


さて、青空が広がり気分は最高。なのだが、一旦は小屋に入り休憩。
小屋の中にはいいにおいが充満している。もちろんすき焼きのにおいだ。
そのにおいをかぎながら行動食を食べる。


さて、御池に向けて出発しますか。



ささやかな霧氷越しにガスかかる三俣山を望む。



ここを歩くときに天狗が城が見えているのは久しぶりの気がする。
やっぱり山は青空がいい。



凍結した御池に到着。


まず始めたのは、氷の上に投げられたまま放置されている石を撤去する作業。
実は私より先にゴマさんのご主人が行動を起こした(写真の一番左の人)。
私も作業に加わり、数分後にようやく石のないきれいな湖面が復活した。

さて、お楽しみの時間だ。



今日のお楽しみは凍結した御池でのそり滑り。
まずはゴマさん夫妻のお手本から。
なるほどこんな風にすべるわけだ~。



すぐにHくん夫妻も滑り始めた。
が。待てよ。奥さんが引っ張るの?



と思ったら今度は交代。そりゃそうだ。
Hくん、スポーツマンだけあっていいフォームだなあ。


もちろん私も、ゴマさんのご主人に引っ張ってもらって初滑り。
視点が低いせいか、思った以上のスピード感があって、実に楽しめた。
これはお薦め!


そり滑りを楽しんだ後は昼食タイム。
中岳山頂は風が強そうなので、風を避けて御池の端で食べることにした。



今日の食材。
白菜・白ネギ・椎茸・しめじ、豚肉、卵、えび天。



サクサクのえび天をのせた、ちょっと気の早い年越しそばの完成。



小屋の中でのすき焼きもいいが、
氷の上での年越しそばもいいものだ。
う~ん、どうしても負け惜しみにしか思えないな…。


昼食を終え、中岳に向けて出発。



ところが、再びガスが押し寄せてきた。
中岳山頂で展望があるか心配だ。



ガスの晴れ間を待ち、御池を見下ろす。



ささやかな霧氷越しにガスに煙る中岳山頂を見上げる。



中岳山頂に到着。
周囲には素晴らしい青空と雲海が広がっていた。



ガスが冷たい西風に絶え間なく流されてくる。


ガスは晴れたりホワイトアウトになったり、刻々と変化する。



風に向かって立つこと数分。
ガスが晴れ、すばらしい風景が目の前に現れた。
先程までいた凍結した御池の向こうにガスかかる久住山。
その奥には雲海が広がっている。



さて、今度は大船山だ。
雲海の上にわずかに頭を覗かせている。



こちらも待つこと数分、大船山が雲海の上に姿を見せた。


今日はこれで十分満足だ。
みなさんと一緒に天狗が城に向かうことにする。



天狗が城に向かう岩の上より。
ガスが流れていく。
きっとこれはいつまで見ても見飽きないだろう。



山頂到着直前、中岳を振り返る。
ガスかかる大船山が美しい。



天狗が城山頂に到着。



久住山と御池、そして空池。



冷たい風が吹き抜ける山頂を後にして下っていく。



久住分かれにて久住山を見上げる。


再び久住山避難小屋に入り、今度はおやつ休憩。



今日の私のおやつはこれ。
甘太くんの干し芋である。
(撮影するのをうっかり忘れたのでネット画像)



この干し芋を網焼きしてみた。
山では温かくて甘いのがうれしい。



ゴマさんからいただいたのはこれ。
バナナの牛乳煮、生クリームとチョコチップのせ。
う~ん、干し芋の網焼きもおいしいんだけど、ルックスでは完敗だ(笑)。



楽しい休憩を終え、下山する。



ガスの立ちこめる西千里浜を下る。
前を歩くのはHくん夫妻。
今日の山行のことを話しているのか(もちろん内容は聞こえない)、
楽しそうに話しながら下っていく。


Hくんの奥さんは穏やかで礼儀正しく、実にいい雰囲気の方。
Hくんも努力家で爽やかな、将来有望な若者。
お似合いの2人だ。



扇ガ鼻分岐を過ぎ、霧氷の中を下る。



沓掛山を見上げる頃、再び青空が広がってきた。



沓掛展望台にてすっきりと晴れた山々を振り返る。


振り返ればこの1年、32回も山行できた。
それは取りも直さず私の周りのみなさんのおかげ。
休日出勤をパスしてもらったことが何回もある。
平日に休み(振休や年休)をもらって山行したこともある。
職場の先輩や同僚に改めて感謝。
もちろん、毎週のように家を空ける亭主に文句一つ言わない妻にも感謝である。




今年もつたないHPを見ていただきありがとうございました。
来年もよろしくお願い致します。
みなさん、よいお年をお迎え下さい。


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