御池・扇ガ鼻

2018年2月4日


今週もまた日本列島に雪が降った。そこで雪山を歩こうと牧ノ戸から入山。

今日の予報は午前中雪。私としては遅い7時過ぎに入山。
7時過ぎでも入山は私が先頭。だが下山した人のトレースがある。
沓掛展望台に登ると今日もガス。こうなると淡々と歩くしかない。
久住山避難小屋で小休憩。時折薄日が覗くものの、晴れる気配はない。
意を決して小屋を出て御池に向かう。
御池は強風が吹き抜け、とても風景を眺める状況ではない。
急いで通過し、池の小屋に転がり込んだ。
のんびりと昼食準備に取りかかる。
うどんを食べ終える頃にゴマさん夫婦とKさんが到着。
ガスが晴れないので下山を開始。強風の中、凍えながらの下山。
ところが西千里浜を下っている時に青空が少しずつ広がってきた。
そこで扇ガ鼻に向かう。まずは東端の絶景ポイントへ。
なんとか久住山を撮影し、山頂へ。
すっきりとはいかないものの、青空の山々を撮影できて満足した。

7:15牧ノ戸→7:40沓掛展望台→8:45扇ガ鼻分岐→9:15~9:40久住山避難小屋→10:05御池→10:15~11:50池の小屋(昼食)
→11:55御池→12:15久住分かれ→12:55扇ガ鼻分岐→13:40扇ガ鼻→14:05扇ガ鼻分岐→14:55沓掛展望台→15:05牧ノ戸





数年に一度という強烈な寒波が日本列島を襲っており、
天気予報では連日のように大雪に関する注意を報道している。
だが私にとっては雪は大歓迎だ。
そんな土曜日の午前は残念ながら職場全体の出勤日。
ほぼ全員が出勤した中、1人の登山クラブ員(笑)が年休を出している。
「まさか山に行っとるんじゃねえよなあ?」とある人が言うと、
「こんな寒(さみ)い日に山に行くやつの顔が見てえわ」と私の隣のチーム長が言う。
そこで私「はい、どうぞ。こんな顔です」
テンションの上がらない土曜出勤。せめてこんなことで笑っていないとやってられない。
いつもの休日出勤が午後にスライドし、退勤したのは3時過ぎ。やれやれ。
山で食べる昼食の食材を購入して帰宅した。

日曜日の天気予報は午前中雪、午後はくもり。
だが気象庁発表の天気図を見ると、わずかではあるが徐々に冬型がゆるみそうだ。
午後には晴れる可能性があるかもしれないと期待した。


チェーンを巻いて慎重に運転し牧ノ戸駐車場に到着。車はわずか数台。
駐車場で男性と話したのだが、その方、昨夜天狗が城に登り、強風のためすぐに下ってきたのだそうだ。
つまり、暗いうちに登り、明るくなる前に下ってきたということ。
もはや朝駆けというレベルではない。だがその男性、とても楽しかったという。
いやはや、山の楽しみ方は人それぞれだと今更ながらに感心した。


私はごく普通に7時過ぎの入山。
今日はゴマさんたちとどこかで合流する予定である。


道路脇の気温表示は-12℃。
さすがにこれは寒いので、mont-bellのダウンジャケット(寝袋みたいにふかふか)の上に
ウインドブレーカー代わりの雨具を着て完全防備した。



純白の雪が登路を覆っている。
よく見るとわずかにトレースがある。しかも下りの足跡。
これは先ほど話をした男性のものに違いない。



第1展望台に上がるとガス。雪の予報なのでこれは想定の範囲内だ。



この冬何度目かの霧氷のトンネル。
今日は雪も積もっていい感じだ。



沓掛の岩場で尾根道を俯瞰する。
このガスの風景をこの冬何度見たことか。



下山してきた男性のトレースは新たな雪で消えたようだ。
ふわふわの雪を踏みながら歩いていく。



やがて単独男性に追い越され、さらに4人組に追いつかれた。



扇ガ鼻分岐を通過。もちろん星生山が見えるはずもない。



ガスに煙る西千里浜を歩く。
雪が横殴りに降ってくるが、もしかすると地面の雪が強風に飛ばされたものかもしれない。
前方を歩いているはずの4人組の姿が霞んで見える。



時折ガスがわずかに薄くなり、薄日が見える。
だがすぐにもとのガスの風景に戻ってしまう。



わずかにガスが薄れ、星生崎を見上げた。



久住山避難小屋を見下ろす。
先行するグループが次々に小屋へと吸い込まれていく。



私も小屋に入って休憩。
なお、左の建物は冬期につき閉鎖中のバイオトイレである。


小屋の中には2つのグループが休憩中で賑やかだ。
みなさんが食事の準備を始めた。朝食か昼食かは定かではない。
でもみなさんに共通なのは、お湯を沸かして温かい食べ物を食べているということ。
この寒さだ、体の中から温まりたいというのはみなさん同じ思い。


今日はとりあえず池の小屋まで行くつもり。その後は天気次第だ。
だがここから池の小屋までは強風を覚悟しなければならない。
意を決して小屋を出た。



雪が吹き溜まった登路を中岳方面へと進む。



ガスの立ちこめるときは見えない天狗が城がわずかに見える。



御池に到着。
湖面は強風が吹き抜けており、風景を楽しむ余裕は全くなかった。



御池を通過し、池の小屋をめざす。



誰もいない池の小屋に転がり込んだ。


直後に2人の男性が小屋に入ってきた。中岳に行ってきたという。
山頂は何かにつかまらなければ立っていられないほどの強風だったそうだ。
それでもその2人は「非日常の世界は楽しかった」と言っている。
いやいや、この小屋の周りでさえ非日常だ。
人のことは言えないのは承知で言うが、山の楽しみ方は人それぞれなんだなあ。


さて、ゴマさんたちが到着するにはまだ時間がある。
そこでのんびり昼食作りにとりかかることにした。



今日の食材。
白菜・白ネギ・椎茸、鶏肉。



ちょっぴりピリ辛のうどんが完成。


うどんを食べ終える頃、ゴマさんご夫婦とKさんが到着した。
Kさんはゴマさんの同級生で、私たちの同業者。
私も以前から知っている方である。
そう言えばKさんも姓に「山」がついている。
私を含め、4人とも「山」がついているとはおもしろい。
(残念なことにこのときは思い至らず、話題にならなかった…)

やがて他の登山者が出て行き、小屋は私たちの貸し切り。
ゴマさんたちも食事の準備を始めた。
その合間にもいろんな話題で盛り上がる。



私は食後のコーヒーを味わう。
今日は立春。そこでデザートはちょっと春らしいものにした。
もちろんみなさんにもお裾分け。
小屋の外は春の気配など皆無だが、気分だけでも春を迎えよう。


時折外が妙に明るくなると、外に出てガスが晴れていないか見てみる。



だがこれが精一杯のようだ。見えているのは中岳。
見るだけなら幻想的でかっこいいが、この山頂に立つのは厳しすぎる。


ゴマさんご夫婦も、そしてまだ登山初心者のKさんも「中岳に行こう」などとは言わない。
そこで、今日はあきらめて下山することにした。
だが外は極寒。しかも行きは後ろから風を受けていたのでまだよかったが、帰りは向かい風だ。
メガネの上から装着できるゴーグルを付け、ネックウォーマーもして完全防備。



覚悟を決めて小屋から出たはずなのに、強風を受けて「うぉ~!」と声が出てしまう。



3人が御池の畔に佇む向こうに天狗が城がおぼろに見えている。



行きと同様、風景を楽しむ余裕などない。
そう言えばゴマさんたち、そり遊びはしたんだろうか。
話題に登らなかったところをみると、強風でできなかったんだろうな…
それに雪も積もっているし、滑りにくいかも。



久住分かれへと下っていく。



ガスが晴れないかな…と期待するが、どうもその期待は裏切られそうだ。



久住分かれまで下ると、一瞬青空が広がり久住山が見えた。
だがすぐガスに戻ってしまった。



久住山避難小屋の前には長蛇の列。
中にもいるだろうし、とてもこの人数は入りきれないぞ。

これを見て思い出したのが、子どもたちが小さい頃読み聞かせていた、絵本「てぶくろ」。
ロシア(ウクライナ)の民話らしいのだが、それがとてもシュールでおもしろい。
ねずみが落ちていたてぶくろを見つけてその中にはいるのだが(まあこれはよかろう)、
次にカエルがやってきて「私も入れて」と言うので一緒に中に。
さらにその後もうさぎ、きつね、おおかみ、いのししと次々にやってきて仲良く入るのだ。
「手袋はもうぎゅうぎゅうづめです」というセリフがあるのだが、とてもそんなレベルではない。
しかも最後にくまがやってきて入るのだから、子どもたちはいつも大受けだったなあ。

それにしても現実の小屋の前にいたみなさんはこの後どうしたのだろう?



私たちは小屋には入らずそのまま下山する。



とにかく雪しか見えない風景の中を歩いていく。



ところが、西千里浜を下っていくうちに青空が広がってきた!



そこで、3人とも相談して扇ガ鼻に向かうことにした。



扇ガ鼻は最初の登りだけ頑張ればあとは楽。普通は…


雪まみれになりながら登り終え、まずは東端に向かう。



東端で久住山方面の山々を望む。
なんとか久住山の上に青空が見えた。



続いて山頂に向かう。



ゴマさんのご主人が先頭。Kさん、ゴマさん、私と続く。
ところが誰も通っていないルートを歩いたものだから、
先頭のゴマさんのご主人は大変だったらしい。



再び雪まみれになりながら扇ガ鼻山頂に到着。



久住山方面はなんとか見えるものの、ガスがかかってイマイチだ。
あきらめて下山しようということになったのだが、西の空を見ると晴れそうな気がした。
そこで先に下っていく3人に「晴れそう!」と叫び、待ってもらった。



数分後、すっきりとはいかないものの、晴れて山々が見えた。
今日のベストショットだ。



扇ガ鼻分岐まで下り、星生山を望む。
雪の白と空の青のコントラストがすばらしい。



星生山の西壁を何度も眺めながら下っていく。



木々の隙間から見上げる青空が美しい。



雪まみれになったアセビの花芽がかわいい。



青空の下、沓掛山へと下っていく。



雪原の向こうに三俣山が見える。
あちらの雪も深いだろうなあ。



沓掛の岩場で晴れた尾根道を振り返り、満足して牧ノ戸へと下った。


来週末は3連休だが、土日は休日出勤が入っており、山行はできない。
次の山行は12日(月)の予定。その場合のHP更新は14日(水)の早朝になりそうである。


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