中岳・天狗が城

2018年7月14日


前回(4月8日)の山行で骨折し、多くの方にお見舞いや励ましのメール、メッセージをいただきました。
おかげでようやく復活することができました。たくさんのお心遣い、本当にありがとうございました。


3ヶ月ぶりの山行。
梅雨が明け、天気のいい土曜日に復活することにした。
最初はやはり無理をせず、牧ノ戸から入山。
久住山も考えたのだが、ゴマさんたちと合流すべく中岳に決定。
山頂でゴマさん、Kさん、Yさん(丸山さん)と楽しい時間を過ごした。
その後は4人で天狗が城を経由して下山。
暑い暑いと言いつつ、夏の花を撮影しながらのんびりと下る。
久しぶりの山行は実に楽しい、充実したものになった。

4:40牧ノ戸→5:10沓掛展望台→6:05扇ガ鼻分岐→6:25久住山避難小屋前→6:50御池→7:10~8:40中岳(昼食)
→8:55天狗が城→9:40~10:00久住山避難小屋前→10:40扇ガ鼻分岐→11:50沓掛展望台→12:15牧ノ戸





前回の山行以来、3ヶ月ぶりの山行となる。
天狗が城山頂直下で一瞬の気の緩みから足を滑らせてしまい、左足を骨折。
自力下山したためか、骨折した骨がずれていたのを手術で元通りにしてギブスで固定。
ギブスは約1ヶ月で外れたものの、その後もサポーターで固定しての不自由な生活が続いた。
ほぼ2ヶ月経った5月28日の診察でサポーターも必要がなくなり、一番気になることを聞いてみた。
「先生、登山はいつ頃から可能でしょうか?」この質問に対する医者の返答がショックだった。
「そうだねえ、まあ半年くらいかな。」「え?半年ですか?」
「スポーツはまだ無理だよ。登山もスポーツだからね。」
手術したときは2ヶ月くらいで普段通りの生活に戻れると聞いていたので、正直参ってしまった。
医者は「ジョギングもまだダメ。まずはウォーキングから。徐々に徐々にね」と言う。
そう言われても普段の生活に全く違和感がないのだから、少しくらい走ってみよう。
そう思いジョギングしてみると、これがなんともない。3キロ走っても大丈夫。
そこで、なるべく早く復活しようと、ジョギングだけでなく足の筋力トレーニングも再開した。


梅雨が明けた後の3連休。3日間とも天気はいいようだ。そこで、初日の土曜日に山行することに決めた。
例によって休日出勤が予定されている。今年度から担当部署が変わり、一緒に担当しているのは若い女性のRさん。
いつも私の足の状態を心配してくれている。というのも私が無理をしてしまうからである。
そのRさんに「土曜日、頼んでいいかな?」というと「何か都合が悪いんですか?」と聞いてきた。
「ちょっと用事ができてね」と口を濁したのだが、それが悪かった。すぐに「登山でしょ!」と見抜かれてしまった。
「しょうがないですねえ」と言いながらも土曜日の件は引き受けてくれ、無事山行できることになった。

その翌日、佐伯市内の某所でゴマさんとばったり出会った。
3月に異動したゴマさんとはメールでのやりとりは頻繁にしているが、会うのは久しぶりだ。
この1ヶ月は、「タデ原の花散策なんてどうですか?」などとお誘いを受けていた。
HPがずっと更新されていないので、治療の途中経過を報告してはどうですか、とも。
だが登山できずにHPを更新するのは気が引けて、お誘いを断ってきた。
だから、復活するときはゴマさんには必ず伝えようと思っていた。
そこで「土曜日にいよいよ復活します」と報告。するとゴマさんもその日に山行するという。
以前から「復活するときには山頂でお祝いしましょう」と言ってくれていた。それが実現することになる。

もう1人、復活を伝えておきたい人がいる。Yさんだ。
(YAMAPではご自身が「丸山」と名乗っているので、今後は「丸山さん」と呼ぶことにする。)
骨折したあの日、すぐそばに丸山さんがいて、私を心配して一緒に下山してくれた。
その後も何度かメールをいただき、励ましてくれたので、感謝している。
そこで山行の数日前にメッセージを送り、丸山さんとも山で会えることになった。


というわけで、山行当日。まだ暗い4時20分に牧ノ戸駐車場に到着。
ところが、大事な食材を忘れてきてしまったことが判明。なんてことだ。
大事な復活の日だというのに、「食材を忘れて食事がなし」なんて…。
(そう言えばそんなことが一度だけあったっけ。その日の食事は「梨」だった)
それでもここまで来たからには登るのをやめるなんて選択肢はない。
行動食があるからなんとかなるだろう。


まだ暗い4時40分にヘッドライトを点けて入山した。
久しぶりのコンクリート道をマイペースで歩く。
足はなんともない。これなら大丈夫だ。



第1展望台に上がると、三俣山の向こうにきれいな黎明が広がっている。
ゴマさんは予定通り朝駆けだそうだ。



沓掛展望台の直前にキスゲが咲いている。



沓掛の岩場にて。どうやら朝日が昇ってきたようだ。
今日はすばらしい天気。いい山行になるぞ。


沓掛の岩場を下り、ここからは尾根道となる。
咲き始めているはずの夏の花を探しながら歩いていく。




やはり咲いていた、シライトソウ。



イブキトラノオ



ヒヨドリバナはまだ咲き始めたばかり。



いつものポイントで星生山を望む。
ところが手前に木々がなぎ倒されたような跡がある。
きっと先日の雨で土石流が発生したのだろう。



チダケザシ



ヤマブキショウマ


中岳山頂でゴマさんたちが待ってくれていると思うと急がなければと思うのだが、
花を見るとカメラを向けたくなるのはどうしようもない。



ヤマアジサイ



扇ガ鼻分岐にて星生山を望む。


よし、ここからは急ぎ足で歩くことにしよう。



西千里浜を歩いていくと正面に久住山が見えてきた。



久住山避難小屋前の広場にて久住山を見上げる。
いつもならここで小休憩するのだが、今日は素通り。



久住分かれにて三俣山を望む。
由布岳の双耳峰が雲海から覗いている。



空池の縁より天狗が城を見上げる。
ちょうどこの写真の中心あたりで転んだんだよな…



御池に到着。
水かさが多いため湖面近くの道は水没している。



今日は無風。湖面が鏡のようになっている。



私はやっぱりこのアングルがいいなあ。



岩の上からも撮影。
この風景をしばらく眺めていたいところだが、先を急ぐ。


中岳に向かっていると、山頂から「お~い」と声が聞こえてきた。
見上げると2人が手を振っている。きっとゴマさんたちにちがいない。



鞍部まで登ってきた。もう一息だ。



ようやく山頂に到着。


山頂にはゴマ」さんとその友人のKさんの2人だけ。
朝駆け直後は10人ほどいたそうだが、皆さん下山したようだ。


ゴマさんから朝駆けの様子を聞いた後、風景の撮影。



まずは久住山方面を望む。中岳の影が伸びている。
緑が濃い。私にとっては季節が3ヶ月も飛んでしまっているからなおさらそう感じるのかもしれない。



稲星山を望む。その向こうには祖母傾山系が雲海に浮かんでいる。



わずかに霞がかかった大船山と平治岳。


ゴマさんと話をしながら待っていると丸山さんも到着。
丸山さんは私のために冷えたノンアルコールビールを4本も持ってきてくれた。
さらにはゴマさんがおつまみを作ってくれ、祝宴(?)の開始だ。



まずはノンアルコールビールで「カンパ~イ!」
キンキンに冷えている状態で山頂まで持ってくる難しさを知っているだけに、このおいしさは格別。
聞くと、冷凍庫で冷やして何本かは破裂させてしまったそうだ。私もその経験者。
しかも丸山さん、保温用の発泡スチロールまで準備してくれていた。



ゴマさんお手製のおつまみもオシャレでおいしかった!


お二人のお気持ちに感謝しつつも、あまりのおいしさに一気に飲み、食べてしまった。
ゴマさん、丸山さん、本当にありがとうございました。


さて、祝宴のあとは昼食づくりだが、大事な食材を忘れてきたのは前述の通り。
忘れたのは、冷凍庫に入れておいた牛肉と冷蔵庫のキャベツ。
今日のメニューは豪華に焼肉丼の予定だったのに…。
あるのはアルファ米と焼肉のたれだけ。まさか白飯にたれだけじゃなあ…。
そう嘆いていると、なんとゴマさんから牛肉のご提供。



もうこれは感謝しかない。ありがたくいただくことにした。
やった、これで豪華な牛肉丼ができるぞ~



無事、焼肉丼の完成。



久しぶりの山ご飯は心に沁みるおいしさだった…。


じっくり味わって食べ、食後のコーヒーを飲む。
その間も楽しい会話が続く。


山で過ごすには時間は全く気にならない。
だがそろそろ腰を上げよう。
荷物を整理し、4人そろって中岳を後にする。


とりあえず隣の天狗が城に向かう。



天狗が城へと登っていく。



天狗が城山頂



山頂より御池を見下ろす。
久住山の右上に見える黒いのはゴミや汚れではなく、無数に飛んでいたトンボである。



三俣山を望む。
この斜面がノリウツギの花で白く染まるのはもう少し先だ。



星生山を望む。
ここに立つときっと涼しいだろうと予想していたのに、ほとんど風がなく、暑い。
久住山に向かうつもりだったのだが、やめてこのまま下山することにした。


丸山さんと一緒に天狗が城を下っていると、自然にあのときの話になる。
あの日は中岳山頂から私は天狗が城へ、丸山さんは御池へと分かれ、天狗が城の下で合流したのだった。
私はほとんど記憶に残っていないのだが、丸山さんは「たしかこの辺の岩に腰掛けて待っていたよ」と言う。
そこで2人でここかと思う場所で「再現」してみた。



それがこの写真。「再現」できただろうか?


今日、歩いていて気づいたことがある。
前回のようなことにならないよう、しっかり足下を見て歩いたのは言うまでもない。
そうやって歩きながら、改めて今まで自分がどう歩いていたかを振り返ってみた。
どうやら私はこれまで、周囲の風景を見ながら歩いていたのだ。
確かに、前回転んだとき、右足がなぜ滑ったのか私は見ていない。
教訓。「風景を見るなら立ち止まるべし。」
それを聞いたゴマさん「まあ、すぐに忘れるでしょうけどね」



久住分かれまで下ると、久住高原側からガスが押し寄せてきた。



岩に腰を下ろし、ガスかかる久住山を見上げながら小休憩。



さて、下ることにしますか。



夏の花を探しながらのんびり下っていく。



オトギリソウ



「暑いね~」と言いながら下っていく。
それでもこの時間から登ってくる人がいるのだから驚きだ。




ワレモコウ



イヨフウロ



コバギボウシ



咲き始めたばかりのヒヨドリバナに多くのアサギマダラが集まっていた。



沓掛の岩場で尾根道を振り返る。



コンクリート道の脇に咲くウツボグサを撮影し、牧ノ戸に下った。


3ヶ月ぶりの山行は、ゴマさん、Kさん、丸山さんのおかげで実に楽しく、充実した1日になった。


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