三俣山

2018年9月16日


三連休の中日。天気はまずまず。
そこで、久しぶりに三俣山を周回することにした。
ねらいは山頂のリンドウである。

まだ暗い5時半に長者原を出発。
すがもり越で小休憩し西峰に取り付く。
稜線でリンドウを撮影しているとガスに覆われてしまった。
つぼみは多いものの、日射しが弱く、開いてくれない。
本峰を経由して南峰に到着。
開き始めたリンドウを撮影しいつものテラスで昼食。
急な下りを慎重に下り、無事坊がつるに到着。
小休憩の後、アケボノソウを撮影して下山。
雨が池でマツムシソウを撮影し、ゆるやかに下っていく。
タデ原でアケボノソウをマクロレンズで撮影し、満足して帰宅した。

5:35長者原→7:05~7:20すがもり越→7:55~8:20三俣山西峰→8:45~8:55本峰→9:15~10:55南峰(昼食)
→12:05~13:00坊がつる→13:50雨が池→15:00タデ原→15:20長者原





3泊4日の研修旅行が何事もなく無事に終わりほっと一息ついた。
3連休の初日はいつもの休日出勤。まだ疲れを感じつつ半日を過ごした。
日・月の2日間は何も予定がない。しかも天気はまずまずのようだ。
そこで、16日(日曜日)、久しぶりに三俣山を周回することにした。
ねらいはもちろん山頂に咲くリンドウだが、そのほかにも撮影したい花があるため周回とした。
翌日が休日なので多少無理をしても大丈夫だろうと考えてのこと。



早朝5時半、まだ暗い長者原から平治号にあいさつして出発。
上空は青空のようだ。


まずは長いコンクリート道を淡々と歩いていく。
この道を歩くのは久しぶりだが、いったいいつ以来なのだろう。
帰宅して記録を調べてみると、昨年の8月31日以来。ほぼ1年ぶりだ。



小川を渡りながら遠く硫黄山を望む。
ここから見るとずいぶん遠いなあ…



ショートカット道の分岐に到着。
草の葉を触ってみると、多少湿っている程度。
これなら雨合羽のズボンを着なくても大丈夫だろう。
空気が以前より乾燥しているということだ。
こんなところにも秋を感じる。



再び硫黄山道路に合流し振り返ると、黒岩山に雲がかかっている。
今日は晴れてくれなければ困るのだが…



ずいぶん遠かった硫黄山が近くなってきた。



いつものすがもり越に到着。
2人の先客にごあいさつして腰を下ろした。



西峰の上にはすばらしい青空が広がっている。
これは山頂のリンドウが楽しみだ。



稜線に上がると予想通りたくさんのリンドウが咲いている。



マクロレンズに交換してしばし撮影。



ところが、撮影を終えて顔を上げると山頂付近にガスがやってきている!



ガスに覆われた山頂に到着。
上空には青空が見えるのだが、周囲の展望はない。


西峰の山頂にはリンドウが一面に咲いている場所がある。
そこに向かうとたくさんのつぼみが見える。
足を一歩出すのもリンドウを踏みつけてしまうのではと慎重になるほどだ。
だが日射しが弱いため、開いていない花がほとんど。
おまけにこのガスではなあ…



それでも、なんとか咲いている花を見つけて撮影した。



リンドウがだめなら周囲の撮影だ。
しばらく待っているとガスが流れ、久住山方面の山々が見えた。




ひときわ花付きのいい株を見つけた。
これが一斉に咲いたらさぞ見応えのあることだろう。



さてそろそろ本峰に向かおうかというとき、ようやくガスが晴れてきた。
だがそれもつかの間。またガスがやってくる。
今日はこの繰り返しかもしれない。



今日は三俣山周回の長いルートなので、いつまでも西峰にいるわけにはいかない。
そろそろ本峰に向かおう。



ススキ越しにⅣ峰を見上げる。



本峰に到着。2人の方が休憩中だった。



ガスの晴れ間に北峰と平治岳を望む。
由布岳は雲海に飲み込まれてしまっていて見えない。



久住山方面を振り返る。



星生山の右(北西側)には 巨大な雲海が広がっている。
その一部がちぎれ、風に乗って九重連山にやってきているようだ。



今日の一番の目的は南峰のリンドウ。
これからその南峰に向かう。



南峰との鞍部に咲いていたリンドウ。



南峰に到着すると、リンドウたちが迎えてくれた。



乱れ咲くリンドウ。これを見たかった!





白いリンドウも見つけた。


南峰山頂のリンドウはまだつぼみも多く、来週末も楽しめそうである。


多くのリンドウを撮影して満足した。
さて、いつものテラスに向かおう。


誰もいないテラスに到着すると、ガスがかかり大船山は全貌が見えない。
そこで昼食作りにとりかかる。



牛肉、タマネギ・シメジ・白ネギ、卵。



牛丼の完成。
ゼリーは凍らせて持ってきた。ほどよく融けていい感じ。




食べているうちにガスが晴れ、大船山がすっきりと姿を現した。



テラスに咲いていたリンドウ



リンドウとアキノキリンソウ


さて、坊がつるに下るとしよう。
この下りはかなり急。「慎重に、慎重に」と言い聞かせながら下る。


途中、登ってくるいくつかのグループとすれ違う。
みなさんしんどそうに「あとどれくらいですか」と聞いてくる。
3分の2ほど下ったとき、単独登山の若い方が登ってきた。
例によって「あとどれくらいですか」と聞いてきたので「まだ半分以上ありますよ」と正直に答える。
「いや~この登りはきついですね」と彼。まだ登り始めたばかりなのに…と思い、軽い気持ちで尋ねてみた。
「今日の登山口はどこですか?」それに対する返事は…「牧ノ戸です」「えっ?」
思わず聞き直し、「今日のルートは?」とさらに尋ねた。すると…
「久住山、天狗が城、中岳、稲星山、白口岳。そこから下って立中山、大船山、北大船山。坊がつるに下って今、ここです」
「じゃあこの後は?」「すがもり越に下って、最後に星生山で牧ノ戸に戻ります」
なるほど、この登りがきついわけだ。お見それしました。
「頑張って下さい」と声を掛けて別れた。



約1時間かかってようやく坊がつるに下ってきた。



野営場には色とりどりのテントが並んでいる。


木陰に腰を下ろし、休憩。



今日2杯目のコーヒーを味わう。



私のすぐそばに小さな姉弟を連れた家族が休憩中。
この男の子が「ボクがカメラマン」と言ってシャッターを押す。
続いておねえちゃんが「次は私」と言ってパシャリ。
お父さんもお母さんもそれをニコニコ笑いながら見ている。
とても気持ちのいい親子の会話を聞かせてもらい、私まで笑顔になった。


さて、そろそろ腰を上げよう。


木道に向かい、今日2つ目のねらいであるアケボノソウを探す。
…が、見つからない。もう花期が終わったのかとがっかり。



オタカラコウ越しに大船山を見上げる。



アケボノソウがなくてがっかりしながら広い登山道を数歩歩いたとき、
ススキに混じって咲いているのを発見!
なんだ、こんな風に普通に咲いているんだ。
なお、風に吹かれて揺れ動くため、マクロレンズでの撮影はあきらめた



ススキ越しに三俣山を振り仰ぐ。



長者原へ向かう分岐から大船山を振り返る。


雨が池めざして歩いていくと、多くのグループとすれ違う。
みなさん大きなザックを背負っている。きっとテント泊なのだろう。



やがて木立が開け、坊がつるを振り返る。
ここまでくれば雨が池はもうすぐだ。



雨が池に到着。
木道が新調されていた。



今日3つ目のねらい、マツムシソウ。



ヤマラッキョウも撮影したかったのだが、群生地は木道から離れていて近づけないため、残念ながらあきらめた。


これで今日のねらいはすべてカメラに収めた。
あとはゆっくり長者原に戻るのみ。



タデ原湿原に到着。
ここからまっすぐ駐車場に戻ってもいいのだが、せっかくなのであの花にもう一度会うことにした。



アケボノソウ

坊がつるではマクロレンズでの撮影ができなかったので、腰を下ろしてじっくり撮影。
私が撮影中、通りかかった方が「なんて言う花ですか」と尋ねてくる。
「アケボノソウです。この花、花びらの模様がすごく美しいんです」と紹介。
するとその方、「その花、何科ですか」と聞いてきた。
これにはさすがに答えられなかった。
その方は「どことなくセンブリに似てるけど…」と言って歩いていった。

帰宅して調べてみると、アケボノソウはリンドウ科センブリ属。
なるほどセンブリに似ているわけだ。
それに気づいた方の観察力に脱帽。



最後にもう一度三俣山を振り返る。
上空は曇ってしまったが、私の脳裏には山頂で見たリンドウがしっかりと見えている。
今日もいい山行だったな。


山行記録にもどる

inserted by FC2 system