由布岳(番外編)

2019年2月24日


12年ぶりに由布岳に登ることにした。
ゴマさん夫妻、Kさんと一緒に正面登山口から入山。
しばらく歩いて樹林帯に入る。
ジグザグに付けられた歩きやすい登山道をゆっくり歩いていく。
やがてマタエに到着。慎重に鎖場を通過し、西峰山頂に到着。
今日はさらにお鉢巡りへ。
切れ立った岩をこわごわ越え、ようやく東峰に到着。
風を避けてマタエで昼食を食べる。
ゴマさんからいただいたケーキとコーヒーを味わい、下山。
登山口に到着する直前に振り返ると、やっと青空が広がってきた。

6:45正面登山口→7:35合野越→9:00マタエ→9:40西峰→お鉢巡り→11:30~11:40東峰
→11:55~12:55マタエ(昼食)→13:50合野越→14:25正面登山口





私は以前一度だけ由布岳に登ったことがある。
それはもう12年も前のことで、「ずっと登りが続いてきつかった」ことと、
「西峰に向かう鎖場が怖かった」ということしか記憶にない。
その後はこのHP「九重連山を歩く」を開設したため、
「くじゅう以外は登りません」と公言してきた。

この週末はまだ2月というのに春のような暖かさ。
だがまだ花が咲く季節ではなく、山に行っても見るべきものがない。
どこからどの山をめざそうかと悩んでいた。
そんな折、ゴマさんから「Kさんと由布岳のお鉢巡りに行くんだけど」とお誘いを受けた。
  2007年4月14日の山行記録を見ると、西峰と東峰に立っただけでお鉢巡りはしていない。
そこで、HP名に反して「浮気」することになってしまうが、
ご一緒させてもらうことにした。
「3年目の浮気」ならぬ「12年ぶりの浮気」である。

早朝5時半に正面登山口の駐車場に到着し、装備を調えながらゴマさんたちの到着を待つ。
やがてゴマさんたちの車が到着。「まさか本当に由布岳に登るとは思わんかった」とゴマさん。
丸山さんにメールしたそうで、「雨が降るんじゃないですか」と返信があったそうだ。



上空はあいにくのくもり空だが、今日は午前中に晴れる予報。
予報が当たることを信じよう。



最初は開放感のある草原を歩いていく。
先頭がゴマさんのご主人、次にKさん、私、ゴマさんの順。
ご主人がいろんな話をしてくれる。
ご夫婦は10回ほど由布岳に登っているそうだ。
私は今日が2回目なのでほぼ聞き役。



日向岳観察路の分岐に到着。ここからは樹林帯に入っていく。



落葉樹のため葉が落ちてしまっており、樹林帯と言っても明るい。



入山して50分で合野越に到着。
12年という年月が経っているためか、この風景、全く記憶にない。
ということは逆に言えば新鮮なわけで、この気分はくじゅうでは味わえない。



横には飯盛ヶ城が見える。まだ向こうの方が高い。



合野越から登山道は何度も折れ、ジグザグに進む。
直登でないから登るのも楽だ。



遠くに目をこらすとうっすらと九重連山が見える。
普段はあそこを歩いてるんだな…
なんだか不思議な気分だ。



山頂を見上げる。右が東峰、左が西峰。



由布盆地が見えてきた。
由布市街地がはっきり見える。
ゴマさんのご主人によれば、霧で見えないこともあるそうだ。



マタエが近づくにつれて木が低くなり、傾斜が急になってきた。
12年前はきつく感じたのだが、今はなんともない。
登るペースが12年前の単独行のときより多少遅いのかもしれないが、
私の筋力がアップしているのだろうと楽観的に考えることにした。



もうすぐマタエだ。



マタエに到着。風が強くて寒いので服を着込む。



手袋も鎖をつかみやすいものに替えた。
まずは西峰に向かう。ここからが本番だ。



最初の鎖場。鎖はあるが、岩をしっかりつかめば大丈夫。
一気に登っていく。



私の後に登ってくるゴマさんを上から見下ろす。



2つ目の鎖場。私の前にKさんが登っていく。



ここでもゴマさんを見下ろす。
麓まで見えると高度感がすごい。



いよいよ3つ目の鎖場、カニの横ばいが見えた。
最初にゴマさんのご主人が向かい、足場を教えてもらいながらKさんが続く。



私も岩場にとりつくことにした。
「よし!」と気合いを入れる。



Kさんがカニの横ばいに挑戦中。
ゴマさんのご主人が足場や鎖の持ち方を細かく指導している。
それを見上げる私にも緊張が伝わってくる。



Kさんが無事に渡り終え、次は私の番。
12年前のことをはっきり思い出した。
集中力を高めて渡る。



私の後にゴマさんが渡ってくる。
その姿を撮影。
さすがに何度も来ているだけあってスムーズに通過した。



見よ、ゴマさんのこの勇姿を!(笑)



西峰山頂に到着。



山頂より東峰を望む。
山頂付近は霧氷で真っ白だ。


前回はここからマタエに引き返したのだが、今日はお鉢巡りに向かう。



北側には霧氷が残っている。
すっきり晴れていれば、この霧氷の向こうに九重連山が見えているはずなのに。実に残念!



霧氷を眺めながら下っていく。
足元は落ちた霧氷で白くなっている。



まずはすべりやすい砂地の下りを下っていく。
ただ、今日は砂地が湿っている上に半ば凍っていて助かった。



下っていくと岩場が見えてきた。
あのやせ尾根を越えていくらしい。
大丈夫かな…



岩場の手前で周囲を眺めてみる。
右は西峰、左は東峰。
三俣山のお鉢巡りで見る風景とよく似ている。



ご主人とKさんが岩場に到着した。
まずはご主人が越えていく。



次はKさんの番。ところがKさんは私と同じく高所恐怖症。
なかなか岩を越える勇気が出ないようだ。



左に巻いても行けると聞いてKさんは一旦岩を下ったのだが、
登るルートがわからず、結局またもとの位置にもどってきた。



Kさんがもどる間にゴマさんが先に通過。
「こうして岩にまたがるんよ」とゴマさん。
これはかなり恐怖感がありそうだぞ。



巻くのをあきらめたKさんがチャレンジ。
私もそのすぐ後に続く。
ゴマさんとご主人が助言しながらKさんが四苦八苦。
私は岩にまたがったまま、Kさんがクリアするのを待つことになってしまった。
この後の体の動かし方を考えながら待つ間、だんだん緊張が高まってくる。
           自分の心臓の鼓動が聞こえてきた。こんな緊張感、久しぶりだ。


Kさんに続き、私もなんとか最難関の岩場をクリア。
だがこのときの写真はさすがに撮影できなかった。



まだ岩場は続く。



一旦下り、再び岩をよじ登る。
なかなかハードなコースだ。



この岩は向こう側からこちらへと越えた後に撮影したもの。
岩から降りるときのために足場のくぼみが穿たれている。
この穴、一体どれくらい前に作られたものなのだろう?



東登山道の分岐を通過。



ようやく東峰の山頂が見えた。もう一息だ。



そのもう一息の間にもよじ登らなければならない岩がある。
今、Kさんが奮闘中。



Kさんに続きゴマさんが奮闘している間、風景を眺める。
ちょうど野焼きをしているところ。
遠く高崎山が見えている。



やれやれ、ようやく東峰に到着した。



歩いてきたお鉢を振り返る。
けっこう長い距離を歩いてきたんだな…



山頂の端にある岩の上に立つゴマさんのご主人。
あんなところに立つなんて、どうかしている(笑)。



山頂から1段下の平らな部分を見下ろす。
予定ではここで昼食のつもりだったが、風が強いのでマタエまで下ることにした。



下りながら西峰に向かう岩場を眺める。
時折登山者が登っていくのが見える。
あんなところを歩いてたんだよなあ…



マタエのすみっこに風を避けて腰を下ろし、昼食づくり。
私はいつものようにうどん。



きつねうどんの完成。
寒いので七味をたっぷりふりかけた。



食後のデザートはゴマさん手作りのケーキ。
コーヒーまでいただいた。
ゴマさん、ごちそうさまでした。



いろんな話をしながらの食事とデザートを楽しんだ。
気がつけばマタエに下ってからほぼ1時間が経っている。
そろそろ下山しましょう。



「とうとう青空が見えなかったね」と言いながら下っていく。



下山は下りばっかりなので(登りが上りばっかりなので当然だが)、早い早い。



合野越まで下ってきた。
「もうこんなに下ってきたのか」という感じだ。



樹林帯を抜けると登山口はすぐそこ。



登山口に到着する直前、振り返ると由布岳の上空に青空が広がっている。
今日は午前中に晴れると思っていたのに。
せめてあと2時間ほど早く晴れてくれていればなあ。
でもこんなことってよくあるんだよな…


くもり空は残念だったが、12年ぶりの由布岳は記憶ほどきつくなく、
初めてのお鉢巡りという久しぶりにドキドキする登山を堪能できた。
何より気の置けないなかまといろんな話をしながら山行できたのが楽しかった。


なお、次回からはいつものようにくじゅうの山のどこかを歩くつもりである。


さて、山行翌日のこと。
佐伯市のとある場所で、私とゴマさんの共通の友人、Tさん(女性)と会った。
「最近、登ってる?」と聞かれたので「昨日ゴマさんと一緒に由布岳に浮気してきた」と返答。
ところがTさん、「え?ゴマさんと浮気したん?」と目を丸くしている。
あわてて「いやいや、ほら私はくじゅうしか行かないから…」と説明したが、
あぶなく変な誤解を生んでしまうところだった。
あまり話をはしょってしまうと危険である。


ゴマさんの記録もぜひご覧下さい。
YAMAPの活動日記
ブログ「大分の山ぼちぼちある記」(タイムラグあり)笑


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