坊がつる

2019年3月31日


日本列島にまたも寒気が訪れるという。
山行することにしたものの、体調や気持ちが十分でない。
そこで、超お手軽に吉部から坊がつるに向かうことにした。

7時に入山。まずは急登を登る。
その後は春の花を探しながら歩いていく。
暮雨の滝に下り、小休憩。
坊がつるの北端に着くと、三俣山の山頂は霧氷で白くなっている。
野営場に到着し、風を避けて昼食。
のんびりと休憩し、少しずつ広がってきた青空を眺めながら下山。
坊がつる北端でマンサクを撮影し、吉部へと下った。

7:05吉部→8:00~8:15暮雨の滝→9:05坊がつる北端→9:25~10:25坊がつる野営場(昼食)
→10:45~11:05坊がつる北端→大船林道経由→12:15吉部





3月29日(金)は職場のお別れ会。11人の方が転退職された。
その中に、この1年、土曜日の午前中を一緒に休日出勤してきたRさんがいる。
土曜日だけでなく、平日もよく一緒に仕事をこなしてきた。
その時間は私にとってとても楽しい時間だった。
というのもRさんとは以前からの縁がある。
私の長女の中学生の時の同級生であり、長女とは大の仲良し。
長女の結婚披露宴では友人代表としてスピーチしてもらったほど。
そんな関係もあり、毎日のように楽しく仕事ができた。

そんなRさんが佐伯市から遠く離れたところに異動となった。
そうなるかもしれないと聞いていたので覚悟はしていたが、
いざ実際に異動するとなると、どうにもつらい。
まるで娘を遠くにやる父親のような気分である。
(長女の結婚式では泣かなかった私なのに…)

29日の夕方、いつも休日出勤で一緒に頑張ってきた仲間たちに声を掛け、
サプライズで追加のお別れ会を準備した。
10人が一人ずつRさんにお礼の言葉を述べる。
その後に私が話をしたのだが、涙をこらえるのが大変だった。

さらに夜の送別会も終え、深夜の帰宅。
翌日(30日)は当然二日酔いだ。
最近もテレビで「○○ロス」とかいう言い方を聞いたばかりだが、
私にとってまさに「Rさんロス」の状態で1日を過ごした。

そんな精神状態で、山行する気力が涌いてこない。
だが、行けるのに山行しなかったときの後悔の気分が最悪なのは、かつて何度も経験している。
そこで、体調もイマイチで気分も乗らないが、やはり山行することにした。


明けて31日早朝。くじゅうに向けて車を走らせる。
ちょうど牧ノ戸峠を通過中、NHKラジオから「仰げば尊し」が流れてきた。
今こそ別れめ いざさらば 
Rさん、1年間本当にありがとう。
きっとまた会いましょう。




さて、31日の天気はくもり時々晴れ。
この時期にしては強い寒気が訪れるという。
すっきりとは晴れそうにない。
しかも気象庁のHPで確認すると、上空2000m付近は強風が吹いているようだ。
そこで、無理せず、超お手軽な吉部から坊がつるへのピストンにした。
今日はどの山頂にも立たない決意である(笑)。


吉部に到着し、車内で時間調整。
いつもより遅い7時に入山し、まずは急登に向かう。
そのとき、3月9日の山行でハッキンカイロのキャップを落としたことを思い出した。
もしかすると見つけられるかもしれないぞ。



急登の前半。
もっと上で落としたと記憶しているが、もしかすると記憶違いかもしれない。
ゆっくり足下を探しながら登っていく。



急登の後半。
確かこの中間あたりで落としたはず。
慎重に探しながら登る。


残念ながらキャップは見つからなかった。
まあ、物事ってそんなにうまくいくはずないよな…。
あきらめて購入し直すとするか。


急登を登り終え、ほぼ平坦になった登山道を歩いていき、
いつも一息つく切り株のところまでやってきたときのことである。



これがその切り株。
何やら上に載っているぞ。



なんと、私が落としたキャップが置かれていた!
誰かが落としたアイゼンも一緒だ。


私が落とした後に登った方が、「探しに来たらすぐわかるように」と置いてくれたのだ。
その方の温かさが伝わってくる。
落とした見ず知らずの人(私)のことを考えてくれたことがうれしい。
どこのどなたかがわからないのでお礼の気持ちを伝えられないのが残念でならない。
もし、その方がこのHPを見てくださっていたら…
「本当にありがとうございました。」



温かい気持ちに気分が軽くなった。
春色がないかと探しながら歩いていく。



見つけたのはバイケイソウの芽吹きのみ。



暮雨の滝に下って小休憩。



左側の木々の向こうに前回登った平治岳が見えてきた。


もうすぐ大船林道との合流地点。
アセビの花は咲いているだろうか。



アセビは予想通り咲き始めていた。




坊がつるの北端に到着し、三俣山を見上げる。
上空は予想通り曇り空。



山頂付近は霧氷で白くなっている。
元気であれば「よし!霧氷を見に行くぞ!」となるところだが、
今日はどの山頂にも立たない決意だ。
体調がイマイチ、気合いも足りないのは前述の通り。
しかも明日は新年度の初日。
初日から疲れ果てていたのでは先が思いやられる。
今日は自重しなければ。



中岳方面はガスに覆われている。
見ているとガスが早いスピードで流されているのが見える。
山頂付近では強風が吹き荒れているのではないだろうか。



湿原の中の道を歩いていく。
大船山の山頂もガスの中だ。



野営場に到着。
テントは数張り。


さてどうしようか。
法華院山荘の談話室で昼食にしようかとも考えたのだが、
岩陰で風を避ければそんなに寒くはなさそうだ。
大きな岩の風下に腰を下ろし、昼食準備にとりかかる。



今日の食材。
キャベツ、もやし、卵、チャーシュー。



今日は具材を欲張りすぎた。
ラーメンはもっとシンプルな方がいいような気がする。




食べている途中、一瞬だけ青空が広がった。
山頂では歓声が上がっていることだろう。


食後のコーヒーを飲み、のんびりと過ごした。
さて、腰を上げよう。



咲き始めたアセビ越しに白口岳を望む。



坊がつるの北端で三俣山を振り返ると、上空に青空が広がってきていた。



登ってくるときには気づかなかったマンサク。
これは撮影しなければ。



マンサク越しに大船山を望む。



マンサク越しに平治岳を見上げる。



マンサクの花の撮影は難しい…



さて、下山しようか。



大船林道を下っていく。


春色を探すものの、やはり見つけられないまま、吉部へと下ってきた。



登山口付近でようやくハルトラノオを見つけた。


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