祖母山(番外編)

2019年5月4日


GW10連休の8日目。
初めての祖母山へ向かう。今回もゴマさんと丸山さんに誘われての山行。
道の駅原尻の滝で待ち合わせ、ゴマさんの車に同乗して出発。
ところがその時、一大事が判明。それを救ってくれたのが丸山さんだった。
尾平駐車場に到着し赤いきつね大分さんと合流。薄明るくなった5時過ぎに出発。
吊り橋を渡って宮原ルートへ。尾根道をひたすら登っていく。
途中何度か休憩しながら宮原に到着。
ここからはアケボノツツジを撮影しながら山頂をめざす。
九合目小屋を経由して山頂に到着。
山頂から眺める周りの山々の名前を丸山さんに教えてもらう。
その後はみなさんと一緒に賑やかな昼食タイム。
やがてミッチさんたちも合流しさらに賑やかに。
下山は8人で。天狗岩分岐から皆さんは天狗岩へ。
ゴマさんと私は皆さんが岩の上に立っているのを撮影。
その後は長い黒金山尾根ルートをひたすら下っていく。
徐々に下の渓流の音が大きくなってくる。
最後に渓谷の徒渉がこの長いルートの締めくくりとなった。

5:10尾平登山口→5:25吊り橋→宮原コース→8:15~8:25宮原→9:30馬の背→10:00~10:10九合目小屋
→10:25~11:50祖母山頂(昼食)→13:15~14:05天狗岩分岐→黒金山尾根コース→17:00尾平登山口





前々回の大崩山の下山中、ゴマさん・丸山さんに祖母山へと誘われた。
祖母山の尾根道にもアケボノツツジが咲いており、すばらしいという。
何度も「浮気」するのは多少気が引けるものの、お二人がそこまで言うのなら一度見てみたい。
というわけで、初めての祖母山に挑戦することにした。
日程はゴマさんが決めてくれた。5月3日は祖母山の山開きで大混雑するだろうからという理由で、
天気もよい5月4日に決定。


早朝4時に道の駅原尻の滝で待ち合わせ。
ゴマさんの車に私と丸山さんが同乗させてもらって出発。
ところがその時、カメラを最終チェックして重大なミスに気がついた。
なんと、SDカードが入っていない!
前日、黒岳の山行記録を編集するときに抜いたままだったのだ。
なんという失敗。これではカメラでの撮影は不可能。正直へこんだ…。
しかたがない、今日はスマホで撮影することにしようか…。
ところがその時、丸山さんの一言に驚いた。「SDカードの予備、持ってるよ」。
丸山さんのザックが巨大なのはもちろんよくわかっていたが、
まさかSDカードの予備まで持っているとは!
しばらくしてザックからまさかのSDカードが出てきた。
ありがたく貸してもらい、これでカメラが復活。
まさに「救いの神」とはこんな時に使う言葉だろう。


ゴマさんの慎重な運転で尾平駐車場に到着。
まだ暗いのでゆっくり準備する。
やがて薄明るくなった5時過ぎに出発。
今日は赤いきつね大分さんも同行し4人となった。



トイレを済ませてから入山。



目の前の山々を見上げる。
右端がめざす祖母山。
中央やや左に突き出ているのが天狗岩だそうだ。
今日は宮原コースで祖母山に向かい、
天狗岩まで尾根道を歩き、下ってくる予定。
ずいぶん長い道のりになりそうだ。



まずは苦手な吊り橋を渡る。
この吊り橋はつくりがしっかりしていて安心感があった。
こんな吊り橋なら大丈夫だ。



かなりの急斜面が次々に現れる。



木々の向こうから朝日が昇ってきた。



尾根の急斜面をただひたすら登っていく。



小休憩したところには白い花が咲いている。
ハイノキという花だそうだ。



小休憩を終え、再び登り始める。
先頭は丸山さん、次に赤いきつね大分さん。
私とゴマさんは遅れがちだが、なんとかついて行く。
ちなみに私は一昨日の黒岳(前岳)から1日休養して今日の山行。
ゴマさんは昨日も古祖母山に山行して3日連続の山行だという。
よくまあ3日連続で登ろうなんて気になるよな…



標高1000m地点で立ち止まり小休憩。
登山口が標高600mだったので400m登ってきたことになる。
それでもまだ三合目!ここからまだ約750mも登らなければならない。


途中何度か休憩しながら登っていく。
これほど長い登りはくじゅうにはない。
黒岳縦走も長いが、黒岳はアップダウンが続く。
その点祖母山はただひたすら登っていく。



木々の向こうに祖母山頂が見えた。



何度目かの休憩。
甘いものを食べ糖分補給する。



やがて祖母山頂がはっきり見えてきた。



宮原に到着。ザックを下ろして小休憩。
ここまで来ればアケボノツツジまでもう少し。


我々が休憩中に登ってきたご夫婦の足下をみてびっくり。なんと2人ともサンダルだ。
思わず声を掛けると、「雪の時以外はずっとサンダルです」とのこと。
よく聞くと登山用のサンダルで、靴底にあたる部分はしっかりと厚く、グリップ力もあるという。
ご主人いわく「登山靴だと靴に甘えてしまって歩き方が悪くなる。サンダルだと歩き方の矯正になるんです」。
私たちはなるべく便利なものを選びがちだが、それは「道具に甘えている」ことになるのかもしれない。



休憩を終え、尾根道をゆるやかに登っていく。
「ゆるやかに」とは言うものの、それでも宮原から山頂までの標高差は350mある。


そのきつさをすっかり忘れさせてくれるのがアケボノツツジ。
尾根道のあちこちに咲いているアケボノツツジに目を奪われる。
しかも今日は雲一つない青空。最高だ。



アケボノツツジ越しに祖母山頂を望む。



撮影しながら思わず笑顔になっている自分に気づいた。



古祖母山を背景にして。



山頂が少しずつ近づいてくる。



ゴマさんも歓声をあげながら撮影中。




つぼみの混じる風情もいい。



花が現れる度にカメラを構えるのでなかなか進まないが、これはもうしかたがない。
こんな花を見てしまっては撮影しないわけにはいかない。



馬の背を歩く。




神原コースとの合流地点を通過。



ここはテント場だと丸山さんが教えてくれた。
ここまでテントを担いで登ってくる気力も体力も私にはない。



九合目小屋に到着。
こちらは裏側にあたり、トイレがある。



正面に回って撮影。
しっかりしたつくりで、太陽光パネルがある。



内部を撮影させてもらった。
照明がつき、こたつもある。
入り口の土間にあたるところには薪ストーブもあった。
前日の5月3日の山開きの日は満員だったそうだ。



休憩を終え、山頂をめざす。
もう一頑張りだ。



ようやく山頂に到着。
登山口から5時間20分。
だが気持ちに張りがあったためか、アケボノツツジに励まされたためか、
感覚的には3時間くらいにしか感じなかった。


初めて立った祖母山頂からの風景を撮影する。



まずは私のホームグラウンドである九重連山。
意外に近く見える。
右には由布岳と鶴見岳も見えている。



九重連山を拡大してみた。
いつも歩いている山々をこうして外から見るのは実に新鮮。
どれがどの山か確認しながら見ていく。
大船山と白口岳の間にある低い山はどの山だろう…
するとたまたま近くにいた男性が同行の人に教えているのが聞こえた。
立中山だそうだ。なるほど立中山か~



九重連山から左に目を向けると、阿蘇五岳が見える。
いつもは寝姿を真横から見ているのだが、今日は頭の左上から見ていることになる。



次に九重連山のほぼ反対側、今日帰りに向かう方面を撮影。
わかりにくいが、写真のほぼ中心あたりに天狗岩が見える。
その左に見えるのは古祖母山だろうか。
(地図を見ながら丸山さんに教えてもらったのだが…。もし間違っていたら掲示板で訂正してください)



最後にここまで歩いてきた方面を撮影。
中央右に見えるギザギザの部分が大障子岩、その向こうにとがっているのが前障子。


実は…傾山方面を撮影し忘れている。(帰宅して気づいた)
残念。次回の宿題にしよう。
(次回があればだが、きっとまた来ることがあるだろう。)


さて、昼食としよう。
九重連山が見える場所に4人で腰を下ろして準備を始める。



まずは食材。
豚肉、タマネギ、卵。



豚丼とわかめスープの完成。




ゴマさんは具だくさんのサンドイッチ。
少しでも荷物を軽くしようと、ガスを使わないメニューにしたそうだ。
それでもこの具の量はすごい。



丸山さんはスパゲティナポリタンとスープ。
ナポリタンも手が込んでいるが、実はスープがすごい。
まず、レトルトのミートソースを温めるのに使った後で、
次にスパゲティの麺を茹で(麺は早く茹であがるようにと水に入れて持ってきていた)、
最後にその湯に固形スープとわかめとゴマを入れて完成。
つまりは三段活用したわけである。
丸山さんの隣に座っていた若い女性グループがその手際の良さをガン見していたのも納得。
丸山さんが最後に粉チーズを振りかけると、その女性たちが一言「喫茶店の香りがしますね」。確かに。


この頃ミッチさんご一行が到着。
途中で追い越されるかと思っていたが、やはりアケボノツツジの魅力で進まなかったそうだ。


食事を終え、デザートにコーヒー。
どれもおいしかった。
食事を終えたミッチさんたちも含めて話に花が咲く。
誰かが丸山さんに「このザック大きいねえ?何が入ってるの?」と尋ねると
丸山さんすかさず「実はSDカードが入ってまして…」
一同爆笑。(私は苦笑)


さて、そろそろ下山しましょうか。



山頂直下はいきなりの急坂。



鎖を伝って下る場所もあれば



はしごを下るところもある。



かなり緊張しながら通過した。


最後のはしごを通過した後は普通の尾根道。



宮原側の尾根に比べれば少ないようだが、ところどころにアケボノツツジが咲いている。



わずかだがシャクナゲも咲いている。
皆さんの撮影会のためしばらく休憩。
私は前回の黒岳で見たからいいや。



開けた場所で阿蘇五岳を振り返る。
中岳から噴煙が上がっているのが見える。
吹き抜ける風が心地よい。



やがて天狗岩への分岐に到着。
皆さんザックをデポして天狗岩に向かう。
私とゴマさんはお留守番。下から岩の上に立つ皆さんを撮影することにした。
天狗岩はまた今度来るときのためにとっておくことにしよう。



分岐のすぐそばにある展望所から見た天狗岩。
山頂の左に見える2つの岩峰のうち、右側には行けるらしい。



皆さんが天狗岩に着くには少し時間がある。
ゴマさんと2人で祖母山を振り返りながら糖分補給。
何しろこれからの下りはずいぶん長そうだ。



やがて4人が天狗岩に到着。
「撮りま~す。ポーズ取って~!」



あの岩の上は一体どんな風景が見えるのだろう?
それよりも気になるのはどんな高度感なのだろう?



登山口方面を見下ろす。
緑がなく土が見えているところが登山口付近。
あそこまで下っていくんだ…



分岐に咲いているアケボノツツジをマクロレンズで撮影。




皆さんがはまってしまうのも納得だ。
きっと私もまた来年のGWには来たくなるに違いない。
年に1度の(もしかして2度の)「浮気」になるが、許してもらいたい。


さて、黒金山尾根コースを下ることにしましょう。



最初は岩の多い場所を下っていく。



「天狗の岩屋(泊)」と書かれてある。
そう言えば大崩山にも似たような場所があったぞ。



「天狗の水場」



マツの大木を見上げる。
これで樹齢はどれくらいだろうか。



鬱蒼とした樹林帯を下っていく。
くじゅうとは違い、この樹林帯の下りが延々と続く。
とにかく長い長い下り。


下っていくと、右下から渓流のせせらぎが聞こえてきて、その音が少しずつ大きくなる。



やがて右側が少し開けた。
標識には「黒金八景№2 川上渓谷展望所」と書かれている。
さまざまな緑の色が複雑に入り組んで美しい。



やがて「川上渓谷」と書かれた標識とともに川の流れが木々の向こうに見えた。



透き通った水の流れ



ここには以前、丸木橋があったそうで、
ここに下る前には皆さんから「一緒に渡りましょうね」と言われていたのだが、
残念ながら(幸いにも?)大水で流されてしまったようだ。
代わりにロープが張られ、岩を伝って渡るようになっていた。
私も皆さんの後に通過。高度感がなければ私でも大丈夫だ。



くじゅうにはない渓谷が実に新鮮だ。



周囲の緑も美しい。
何も考えずただシャッターを押しただけなのに。



なぜか鉄板に穴が空いており、下が見えるため怖々渡る。



こちらはゆらゆらと揺れる。この吊り橋を渡れば登山口はもうすぐだ。


初めての祖母山は長い時間歩いたにも関わらず、それほどきつさを感じなかった。
それはきっと、アケボノツツジはもちろん、多くの魅力を感じたせいだろう。
だがまだ1度登っただけなので、私には祖母山の良さを語る資格はまだない。
来年以降、何度か登る中で、くじゅうとは違う祖母山の魅力をもっと知りたいと思えてきた。


最後に、私を祖母山に誘ってくれたゴマさんと丸山さんに感謝。
さらに、SDカードを貸してくれた「神」、丸山さんにもう一度「ありがとうございました」。




一緒に山行した皆さんの活動日記やブログもぜひご覧下さい。
ゴマさんの活動日記
ゴマさんのブログ 大分の山ぼちぼちある記
注:かなりのタイムラグ発生の恐れあり(笑)

丸山さんの活動日記
赤いきつね大分さんの活動日記
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