中岳・星生山【朝駆け】

2019年10月14日

またも日本列島をおそった台風19号の大災害。その被害の大きさに言葉もありません。
被害を受けたみなさんが1日も早く以前と同じ生活に戻られることを祈っています。




3連休の最終日。天気は1日中晴れ。
だがこの季節、花はリンドウがわずかに残るのみ。紅葉にはまだ早い。
そこでゴマさんたちと相談し、朝駆けすることにした。

早朝3時に牧ノ戸から入山。
星空を見上げながら歩いていたのに、少しずつガスが広がり始めた。
久住山避難小屋前から見上げる山々はガスの中。
一気にテンションが下がり、とぼとぼと池の小屋をめざす。
池の小屋に着く頃、ガスが流れ晴れる気配。
そこで中岳山頂へ。なんとか黎明に間に合った。
山頂で夜明けを迎え、みなさんと一緒ににぎやかな朝食。
デザートを食べコーヒーを飲んで御池に下る。
久住分かれから星生山へ。星生山頂で恒例のパフェタイム。
星生西壁の早めの紅葉を楽しんでから下山した。


3:10牧ノ戸→3:30沓掛展望台→4:25扇ガ鼻分岐→4:50久住山避難小屋前→5:20御池→5:30~5:40池の小屋
→5:55~8:35中岳(朝食)→8:50~9:15御池→9:50久住分かれ→9:55~10:05久住山避難小屋前
→11:05~11:50星生山→13:00扇ガ鼻分岐→14:00沓掛展望台→14:15牧ノ戸




この3連休、初日(12日・土)は台風の風が強く、いつもの休日出勤を急遽取りやめにした。
私の息子は今埼玉県に住んでいる。さすがに心配になり、「大丈夫か」とLINEを送ったところ、
まるで脳天気なスタンプが返ってきた。「親の心子知らず」とはこのことかと実感した。
翌日も「大丈夫だったか」とLINEすると「余裕だった~」というこれまた脳天気な返事。
でもこの大災害の中、無事だったことに胸をなで下ろした。

2日目(13日・日)はいつもの休日出勤。
天気は良かったが風が強く、今回の台風の巨大さが感じられた。


さて、3連休の最終日。天気は1日中晴れの予報。
ゴマさんやマルワイさんと相談し、朝駆けすることに決まった。
花はリンドウがほぼ終わりかけ、紅葉にもまだ早いという微妙なタイミング。
そこで、ねらいがないときは朝駆けで、というわけ。


3時半に牧ノ戸から入山する計画で自宅を出発。
ところが竹田市付近を通過中、ゴマさんからLINEが届いた。
なんと、「目覚ましをセットし間違えて、今起きました。遅刻します」とのこと。
「夜明けに間に合うといいですね」と返信した。
牧ノ戸に3時に到着。マルワイさんはすでに入山している。
やがてミッチさんが到着し、2人で3時過ぎに出発した。

コンクリート道を快調に登る。
朝駆けは久しぶりだが、いつも気がはやる。
通常の山行なら時間を気にせずのんびり登るのだが、
朝駆けは夜明けという期限が明白なので、どうしても気持ちが焦ってしまう。
途中、ミッチさんから「速くないですか?」と言われペースを落とした。
ゴマさんや修さんから「ミッチさんは速い」と聞いていたが、
意外にもそんなに速くはないようだ。

時折星空を見上げつつ、2人で楽しく話しながら歩いていく。
ところが西千里浜で正面に久住山が見えてきたとき、
久住山にガスがかかっていることに気づいた。
久住山避難小屋前で見上げると、山々の山頂はすっぽりとガスに覆われている。
今日は1日中晴れるという予報だったのに、やはり山の天気はわからない。

黎明が見られるか…夜明けはどうなるのだろう…
まさか撃沈なんてことはないよな…
一気にテンションが下がる。
マルワイさんにLINEすると、池の小屋にいるという。
そこでとりあえず池の小屋まで行くことにした。

御池のほとりを歩いているとき、わずかに中岳山頂が見えた。
だがすぐにガスに隠れる。

池の小屋に到着し、小屋の前に三脚を立てて黎明を撮影。



ガスの流れる中、黎明が見える。
左は中岳。中央遠くに大船山が見える。その右が白口岳だ。


間もなくガスが晴れてきた。みなさんが小屋を出て山頂に向かう。
私も三脚を撤収し後を追う。



中岳と天狗が城の鞍部に上がってきた。
中岳を見上げるとすばらしい黎明が広がっている。


この黎明が終わらないうちに山頂に着かなければ!
とにかく急ぐ。あえぎながら急ぐ。
やっとのことで山頂に到着。



よかった、黎明はまだ続いていた。



三俣山にはわずかにガスがかかっている。
右に平治岳、その左奥に由布岳の双耳峰がわずかに覗いている。




久住山方面を振り返ったとき、思わず息をのんだ。
沓掛方面からガスが流れ、まるで山々がうすいベールをまとっているようだ。
満月が西に沈んでいく。左の雲海の上に白く見えているのは阿蘇の噴煙だ。



拡大してとらえた。
御池が静かに稜線を映している。
(写真ではわからないが)ガスがゆっくりと山肌を流れていく。




阿蘇中岳の噴煙



スマホを片手にこの絶景を眺めるミッチさん。



ガスは肥前ガ城を越えて一旦久住山の手前に下り、
再び久住山へと上がってくる。



満月が煌々と輝く。裏焼けも美しい。まさに絶景だ。



風景に見とれていると、朝日が昇ってくるところだった。6時20分。夜明けを迎えた。



朝日の下には一面の雲海が広がっている。



久住山のモルゲンロート。



天狗が城(手前)と星生山。
天狗が城山頂は中岳の影に隠れている。



数分後、やや遅れて天狗が城にも朝日が届いた。
中岳の巨大な影が伸びている。
ゴマさんは天狗が城山頂で中岳から登る朝日に間に合ったそうだ。



朝日が昇って10分ほど経つとガスがほとんど消えてしまった。
それでもこの風景、私は何度見てもいいと思う。



この風景の中に自分を入れたくて、ミッチさんに撮影してもらった。
実はザックを新調して今日はその初日。
よく目立つよう、赤(といってもえんじ色に近い色)にした。
mont-bellのこのザックと腰にカメラバッグをつけていたら私です。
見かけた方は声を掛けてください。


天狗が城で朝日を迎えたゴマさんたちも中岳に到着し、賑やかに朝食タイムが始まった。



今日の食材。
ベーコン、人参・タマネギ(みじん切りしてきた)、カレー粉、
隠し味のコンソメスープ(カレー粉の奥にまさに隠れている)、
ポイントとなるとけるチーズ。



カレーリゾットの完成。
コンソメスープのおかげでこくが出ておいしかった。




ほどなくしてゴマさんの朝食のうどんと、マルワイさんのデザートのフルーツサンドイッチが完成。


食後のコーヒーをみなさんで味わい、のんびりと過ごした。
それでも時刻はまだ8時半。朝駆けだと時間がたっぷりある。
みんなで御池に下ることになった。



中岳の下に紅葉スポットを発見。
この秋初めての紅葉だ。



鏡のような御池を見下ろす。



空の青も深い青だが、御池の方が更に深い青だ。



この深い青に赤いザックを入れてみた。



5人の山仲間の勢揃い。



御池に来ればこのアングルで撮影しないわけにはいかない。



御池のほとりを歩いていく。
その途中、振り返ると湖面がキラキラと輝いている。



御池はマルワイさんの遊び場。
この周辺でカメラを構えて何時間も過ごすことがあるらしい。
そんなマルワイさんに教えてもらいながら撮影した。


御池から久住分かれへと下っていく。



その途中、なごりのリンドウを撮影。
かわいいバッタさんこんにちは。



下からのぞき込むようにリンドウを撮影するマルワイさん。
こうすると玉ボケが撮れるのだそうだ。



そこで私も撮影してみた。


久住山避難小屋前で小休止。



小屋の前から星生崎めざして登っていく。


今日は朝駆けで、かなり睡眠不足。
その上、新調したザックはこれまでのザックより、少しだが容量が多い。
容量が多いと荷物が増え、その分重さが増す。
重いザックを背負い、睡眠不足の状態で登るのは正直きつかった。



なんとか小槍まで登り、大槍(久住山)を望む。
先ほどよりガスが上がってきているようだ。



ここからは尾根道を歩いていく。



星生の窓から阿蘇五岳を覗いたが、ガスで見えなかった。


星生の尾根道を歩いていくと、北西側に雲海が広がっているのがわかった。



その雲海が時折流れてきて、三俣山がガスの上に顔を出した。



星生山頂はもうすぐ。



山頂下の窪地近くに、そこだけ赤く染まった場所がある。



ほんの一部だけだが紅葉が始まっているのがうれしい。



星生の小窓よりガスの上に顔を出した三俣山を覗く。


ようやく山頂に到着。



周囲には一面に雲海が広がっている。


ゴマさんの山友であるyamamiippさんmiiさんご夫妻とそのお友だちと合流。
本格的なエスプレッソコーヒーや抹茶と一緒にゴマさん恒例のパフェをいただいた。



エスプレッソと抹茶。
どちらも本物。山頂でこんな本物が飲めるとは!



ゴマさんのパフェがなんだか増殖しているような…(笑)。


どれもおいしくいただきました。ありがとうございました。



みなさんが談笑している間にもガスが流れ、山々が姿を現した。


その後、再びガスに覆われた山頂を後にして下山する。



星生山の尾根道を下っていくとそこだけ紅葉しているポイントに到着。



ガスが晴れるのを待ったが、なかなか晴れてくれない。



待っているとようやくわずかに青空が広がった。



一部にせよこんな紅葉を見ることができて幸いだ。


ガスはすっきり晴れなかったが、下るとしましょう。



ススキ越しに星生山頂を振り返る。



ところが扇ガ鼻分岐まで下ると、あれほどガスっていたのが嘘のように晴れてしまった。
あと少し粘っていればなあ…。でもこんなこと、山ではよくある。



星生山の西壁。ここが紅葉するのをいつか見てみたい。
だが毎年そう思いながら、今年も他の山に行ってしまって見られないんだろうな。
(ミッチさん、このコメントです)


朝が早かったせいか、それとも新しいザックに荷物を入れすぎたためか、ずいぶん疲れてきた。
口数も少なくなり、淡々と下っていく。



沓掛の尾根道で紅葉を見上げ、牧ノ戸に下った。




一緒に山行したみなさんの記録もぜひご覧下さい。
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