星生山・中岳【朝駆け】

2020年1月3日


今年のくじゅうの初登りは朝駆け。
ゴマさん・ふーみんと一緒に牧ノ戸から入山。
順調に星生山に到着し黎明の空を眺める。
やがて荘厳な朝を迎え、久住分かれに移動。
久住分かれから凍結しているはずの御池に向かう。
御池はやはり凍結していた。
すでに到着していたマルワイさん・りこさんと合流。
しばらく氷で遊んだ後、池の小屋に向かい、昼食とする。
それぞれの昼食をお互いシェアしながらの楽しい昼食タイム。
コーヒーを飲んだ後は一旦別れ、私は一人中岳へ。
山頂の風景を楽しんでから、みなさんのいる御池に下る。
御池のほとりでささやかなボランティアをして下山開始。
みなさんでいろんな話をしながら下っていく。
今年の初山行は実に楽しい1日となった。

4:40牧ノ戸→5:00沓掛展望台→6:00扇ガ鼻分岐→6:15星生分岐→6:35~7:35星生山→8:40久住分かれ
→9:05~9:50御池→9:55~11:15池の小屋(昼食)→11:30~11:45中岳→12:00~12:40御池
→13:00~13:20久住山避難小屋前→13:55扇ガ鼻分岐→14:55沓掛展望台→15:10牧ノ戸




今年のくじゅう初山行は牧ノ戸からの朝駆け。
この日程は12月中に決まっていた。
まずは職場の忘年会。くじで決まった席はふーみんの隣。
酔いが回るにつれ(ちなみにふーみんはウーロン茶)、
話材は山の話になり…「1月3日に登るぞ!」ということに。
それとは別にゴマさんからも連絡があり、「では朝駆けで」。
というわけでふーみん・ゴマさんと一緒に朝駆けになったのだが、
ふーみんは本格的な朝駆けはまだ未経験。
そこで4時半に入山し扇ガ鼻か星生山に向かう計画を立てた。
いきなり天狗が城や中岳というよりもハードルは低いはず。


私の車に2人が乗り、牧ノ戸に向かう。
私の車は昨年末、スタッドレスタイヤに交換したばかり。
今までずっとチェーンを巻いてきたのだが、それがどうもめんどうになった。
スタッドレスなら雪の降る車外に出て寒い思いをせずに済む。
そう思ってタイヤを交換したのに、なぜ雪が降ってくれないのだろう(笑)。
雪のない(当然凍結もない)安全な道路を走って牧ノ戸に到着。
予定より早く到着したのでのんびりと装備を調え、
ほぼ予定通りの4時40分に入山した。


コンクリート道をゆっくりと登る。
周囲には霧氷のむの字もない。
上空に星が見えているのがせめてもの救い。

沓掛展望台からは私の提案でふーみんに先頭を歩いてもらうことにした。
朝駆け初体験、「前を歩く人の後ろをついて歩いた」という経験にしてほしくない。
それだと淡々と足下を見て歩くだけになってしまう。
暗い中、ルートを探しながら歩く緊張感を味わってもらいたい。
それが朝駆けの楽しみの一つだと思うので。
だが、ふーみんのヘッドライトは相当に暗い。
後ろを歩く私のヘッドライトで時折照らさないとルートも探しにくいほど。
それでもなんとか沓掛の岩場を越えた。

ほぼ平坦なルートになり、互いにのんびりモードになってきたときのこと。
改めてふーみんのライトの照らす様子を見ると、その暗さは異常だ。
「ふーみん、そのライト、暗すぎるんだけど」
「変ですねえ、山渓で店員さんと相談して買ったんですけど」
「スイッチをぽんぽんって2回押してみたら?」
すると何のことはない、ごく普通の明るさになった。
「もしかして大曲からすがもりもこの暗さで登ったってこと?」
「そうなんです~」
機械音痴であることが判明してしまったふーみんであった。


西千里浜から星生山へ。ここからは徐々に斜度がきつくなる。
ここでもふーみんが前を歩く。次に私。
「ゆっくり登ります」というゴマさんはかなり下にいる。
途中何度か立ち止まり息を継ぐ。東の空は黎明が始まっている。
それでも焦りは禁物だ。2人でゆっくり登っていく。
稜線に到着すれば山頂までは一息。

ようやく山頂に到着すると西風が強く吹き、寒い。
そこで山頂の東側へわずかに下り、風を避けることにした。
まずは三脚を立てて黎明の撮影だ。



東の空には完璧な黎明が広がっている。

中央は天狗が城(右)と中岳。
その右に稻星山。右端は久住山。
中岳の左には大船山が小さく見えている。



この曙色からのグラデーションはため息が出るほど美しい。



まだ暗闇のままの三俣山。



扇ガ鼻(右)と肥前ガ城(左)のシルエット。


中岳と天狗が城の少し右側が明るくなってきた。どうやらそこから朝日が昇るようだ。



6時16分、朝日が昇ってきた。



私にとっては今年のくじゅうの初日の出。
帽子を脱ぎ、手袋を外して手を合わせた。




山頂標識の横でバンザイ!のふーみん。


夜が明けたので、久住分かれに向かいましょう。


ふーみんは星生山が初めて。
当然岩場を歩くのも初めて。
私が先頭を歩くことにした。



星生の小窓より朝日を浴びた三俣山を覗く。



星生のすぐそばにあるピークから星生山頂を振り返る。
ちょうどそのピークの影の先端付近にゴマさんがいる。
というのも、ゴマさんのいるポイントから撮影すると、かっこいい写真が撮影できるのだという。



それがこの写真。映っているのは私とふーみん。
確かにこれはかっこいい!


雪も霧氷もないとはいえ、さすがに冬のくじゅう。強い西風が吹いている。
そのため岩の上ではなく安全なルートを歩いていく。
すると大事なポイントを通り過ぎたことに気づいた。
ふーみんと一緒に後戻り。



星生の窓を覗く。
残念ながら阿蘇五岳は雲海に沈んでいる。



星生山を背景にしてバンザイ!



星生崎から西千里浜を見下ろす。
「この前はあそこを歩いたんですよね」


星生崎から久住分かれへゆっくりと下っていく。
久住分かれから御池をめざす。



空池の縁から天狗が城を見上げる。

ゴマさんから「この場所、なんていうんですか?」と尋ねられ
「天狗が城下ですかね…」と答えたが、正解は「空池縁」だろう。


今日は霧氷も雪もない。せめてもの期待は御池が凍結していること。
その御池はこのすぐ先だ。期待と不安が高まる。



期待通り御池は凍結していた。



念願の御池の氷の上に立ち「どうだ!」という風情のふーみん。
でもふーみん、そこは池のほとりだし、せっかく持ってきたアイゼンもつけてないよ…
それでも初めて凍結した池の氷の上に立ったんだから、その気持ち、わかるなあ。


凍結しているものの、上に乗ると時折「ミシッ」と音がする。
中央には怖くて行けないが、せっかくなのでアイゼンを付け、氷の端を歩いていく。
やがて先に御池に着いていたマルワイさんとりこさんとご挨拶。



冷たい氷の上でこんなことをするのはマルワイさんだけだろう(笑)



我ら信号トリオ。



今日は私もマクロレンズを持ってきた。
氷の造形は確かに美しい。



御池を後にして池の小屋に向かう。



すぐに池の小屋に到着。
風の強い冬、この小屋の存在は本当にありがたい。



小屋の中には先に着いたゴマさん達がテーブルを作っていてくれた。


早速このテーブルの上で昼食作りが始まった。


最初は登山初心者ふーみんのどん兵衛が完成。
これは簡単、お湯を沸かして注ぐだけ。
でもさすが若い女性、温泉卵付きだ。



マルワイさんがホットサンドメーカーで焼いたのがこれ。
見ただけでは何かわからないが、聞けば餅を焼いたらこうなるのだそうだ。



りこさんとの合作のお雑煮が完成。
私も少しお裾分けをいただいた。
大根と人参の飾り切りがおしゃれ!



ゴマさんはお肉のたっぷり入った焼きカレー。
最後に卵を入れて完成。
これもお裾分けをいただいた。



さて私の昼食。まずは食材。
(手前左から)ベーコン、タマネギのみじん切り、ニンニク、エリンギ、
モッツァレラチーズ、ミートソース、バジル、オリーブオイル。



まずはオリーブオイルでニンニクとタマネギを炒め、
エリンギとベーコンを入れてさらに炒める。
コッヘルに水とご飯を入れ、この具材を入れて煮込む。
味付けのミートソースを入れ、仕上げにチーズとバジルを載せて完成。



手間を掛けた分、おいしく感じた。



デザートはゴマさん考案の「焼きメロンパンの蜂蜜かけ」。
メロンパン自体おいしいのに、焼くと周りがサクサクになって実においしかった。


最後にみんなでコーヒーを飲んで楽しい昼食会の終了。
前回はテーブルを撤収したのだが、今回は次の人にそのまま使ってもらうことにした。
あれば便利な簡易テーブル。次に行くときまで残ってるかも?


小屋を出て一旦別れることになった。



ゴマさん・ふーみん・りこさんは御池へ。
マルワイさんはカメラのキャップを探しに。



私は単独で中岳に向かう。



いつものように鞍部から山頂を見上げる。



山頂に到着し大船山と平治岳を望む。
雪も霧氷もないので冬とは思えない風景だ。



こちらもまるで白くない御池方面。



九重連山の周囲は一面の雲海に覆われている。
稻星山のはるか向こう、雲海から覗いているのは祖母山と傾山だ。


さて、みんなのいる御池に下ろう。



池の畔の岩に立って見下ろすと、3人が思い思いに楽しんでいるようだ。


5人がそろったので池の周りをゆっくり歩いていく。


半周回って改めて湖面を眺めると、あまりの投石の多さにあきれてしまった。
何もしなければ、暖かくなって氷が融けてしまうまで、この投石はそのまま。
見ているうちに「なんとかしたい」という気持ちが強くなってきた。
そこで、アイゼンを付け、ザックやカメラを置いて石を撤去することにした。
みなさんも手伝ってくれ、ものの5分ほどでほとんど撤去することができた。



撤去前



撤去後


せっかくきれいな風景を見に来ているのだから、自然のままの姿にしておいてほしい。
そう願うのは私だけではないはずだ。


さて、下ることにしましょう。



久住分かれより春のような三俣山を望む。



久住山避難小屋前で小休憩。
風が収まって暖かくなり、ダウンを脱いだ。



気温が上がると凍っていた地面が融け、泥濘状態になってしまう。
ここのところ雨も雪もないためか、それほどひどくなくてよかった。



扇ガ鼻分岐より、登るときは真っ暗で見えなかった星生山を振り返る。



沓掛の岩場より尾根道を振り返る。
次にここに来る時は、この風景が真っ白だったらいいな…


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