久住山・稲星山・白口岳・大船山【テント泊・朝駆け】

2020年3月20日・21日


何も予定のない3連休。しかも初日と2日目は晴れの予報。
そこで久しぶりにテント泊することにした。

いつもより遅い7時半に吉部から入山。
坊がつる北端に到着するとすばらしい青空が広がっている。
野営場に向かい、久しぶりでとまどいながらもなんとかテントを設営。
法華院から北千里浜、久住分かれを経由して久住山へ。
風景を撮影して遅めの昼食。食後はのんびりと昼寝…
稲星山と白口岳を経由して鉾立峠に下る。
法華院山荘で一風呂浴び、大船山を眺めながら生ビールを飲む。
野営場に着くと、うれしい出会いがあった。
暮れゆく大船山を眺めつつ夕食。
その後就寝…なのだが、トラブルが発生し、なかなか眠れなかった。

早朝3時に起床。
3時半に大船山に取り付く。
睡眠は十分でないはずだが、意外にあっさりと段原に到着した。
避難小屋で時間調整して山頂へ。
山頂にはすでにマルワイさんが夜明けの撮影中。
マルワイさんの行程を聞き、驚きの事実が発覚した。
九重連山に伸びた大船山の影を撮影してから坊がつるに下る。
りこさんも到着し3人で朝食。楽しい時間を過ごした。
大曲に下るマルワイさん・りこさんと分かれ、
重いザックに辟易しながら吉部へと下った。

3月20日
7:25吉部→大船林道→9:15坊がつる北端→9:30~10:55坊がつる→11:05法華院山荘→北千里浜
→12:20久住分かれ→12:50~14:25久住山(昼食)→14:40神明水→15:00~15:10稲星山→15:20稲星越
→15:35白口岳→16:30鉾立峠→16:45~17:20法華院山荘(温泉入浴)→17:35坊がつる(夕食)→就寝

3月21日
2:50起床→3:05行動食→3:40大船山取り付き→5:00段原→5:10~5:30避難小屋→5:50~6:45大船山
→7:10段原→8:05~10:35坊がつる(朝食)→大船林道→11:55吉部




春分の日(20日)から始まる3連休。3日間何も予定がない。
いつもであれば初日くらいは休日出勤が入るのだが、今回はそれもない。
しかも初日(20日・金曜日)と2日目(21日・土曜日)は快晴の予報。
そこで、久しぶりにテント泊することにした。
正月やお盆、GWは別として、3日間連続の休みなんて何年ぶりだろう。
そんなチャンスにテント泊しないと絶対後悔するに決まっている。

納戸からテント泊用のザックを取り出し、装備の確認。
2日分の食事内容を考えてメモをし、食材の購入に向かう。
あとは予報通り晴れてくれることを期待するのみ。



いつもは橋の手前の登山口から入山するのだが、今回は川の向こう側のルートを歩く。



橋のたもとに手書きの標識がある。
「登り安い(易い)道」というのがいい。
テント用具一式と食材その他でザックの重さは18キロ。
カメラとペットボトルを加えると19キロだ。
この重いザックを背負って杉林の急登はしんどい。



前回このルートをふーみん・修さん・ミッチさんと一緒に下ったのが、ついこの間のことのように思い出される。

…それもそのはず、その山行はわずか5日前のことだ。
そのとき気になったのは、途中で別ルートと合流したこと。
近いうちにそのルートを逆に登ってみたいと思っていた。
まさかこんなに早く実現するとは。



わずか5日前にも渡った沢を逆向きに渡る。
ここは慎重に慎重に…。
こんなところで足をくじいたりしたら悔やんでも悔やみきれない。



やがて別ルートの分岐に到着。
前回はこの左側から下って合流した。
そこで今回は右側へ伸びる分岐を進む。



歩いていくと、きれいな渓流が現れた。



さらに歩いていくと再び渓流。
このルート、変化があっておもしろい。



少しの間登っていく。
急登ではないので「登りやすい」と言えるかな。


やがて私がいつも使っているルートに合流。
合流地点は三叉路になっていた。


しばらく歩くと大船林道に合流。淡々と歩いていく。



坊がつるの北端が近づいてきた。
前回も撮影したマンサクを撮影。
今日は完璧な青空がバックだ。



坊がつるの北端に到着し三俣山を見上げると、雲一つない青空が広がっていた。


坊がつるの野営場に到着。
しばらく歩き回ってテントを立てる場所を選ぶ。
ポイントは2つ。1つは大船山と三俣山が見える場所であること。
もう一つはなるべく地面が平坦な場所。
その2つの条件に合う場所を見つけた。よし、ここにテントを立てよう。



ザックからテント用具一式を出した。
さあ、テントの設営にとりかかろう。

だがなにせ2年半ぶりのテント泊。
手順があやしい。
「え~っと、まずこれを敷くんだっけ」などと独り言を言いながら作業する。
途中、角度を90度思い違っていることに気づき、一旦敷いたシートを敷き直したり、
テントを固定するひもを穴に通すことを忘れてやり直したり。
なんとか設営できたものの、30分もかかってしまった。



テント泊用の大きなザックからサブザックを取り出して背負う。
これではるかに軽くなった。



マンサク越しに白口岳を望む。


1日目の予定は法華院から北千里浜を経由して久住山へ向かい、
その後、天狗が城・中岳・稲星山・白口岳と歩いて坊がつるに戻ってくるというもの。
ずいぶん欲張っているが、この予定、なんとでも変更できるのが気楽だ(笑)。



まずは法華院山荘を通過。



北千里浜を歩いていく。



久住分かれへと登っていく。
時刻は12時を過ぎ、お腹が空いてきた。
だがこんなところで昼食なんてありえない。
とりあえず久住山まで頑張るぞ。



久住分かれに着き、三俣山を振り返る。
たった今歩いてきた北千里浜が見える。



久住山を振り仰ぐ。もう一頑張りだ。


やがて久住山頂に到着。山頂には10人ほどが休憩中。
連休の初日にしては少ないかもしれない。


お腹が空いているが、まずは風景の撮影をしておこう。



久住分かれ方面を振り返る。
遠く由布岳もきれいに見えている。



星生山と扇ガ鼻。
星生山の右に万年山(頂上が平らな山がそれ)。
そのはるか向こうに英彦山が見える。



今日も久住高原では野焼きが行われている。



野焼きの煙がたなびく向こうには祖母傾山系。


風景の撮影を終えた。
さあ、お待ちかねの昼食だ。



昼食の食材。
ただしこれをいっぺんに食べるわけではない。



まずはウインナーをつまみにビールで乾杯!(一人だけど)



山頂で風景を眺めながら飲むビールは最高!



ビールの後は辛子高菜と半熟卵をトッピングしただけのシンプルなラーメン。


食後のコーヒーをのんびり味わい、岩を背もたれにして風景をぼんやり眺めていると、
昼のビールが効いてきてしばらくうたたね…
これもまたテント泊のいいところ。


昼寝から覚め、時刻を確認すると2時半近く。
さすがにもう腰を上げた方がいいかな。
ざっとこれからの計画と時間を計算。
天狗が城と中岳はやめにして直接稲星山に向かうことにした。



中央に見える稲星山まで、一旦神明水に下って登り返す。



稲星山に到着し、ガメラ岩越しに大船山を望む。



ここから次に向かうのは白口岳。
ここでも一旦稲星越に下って登り返す。



白口岳山頂に到着し大船山と三俣山を望む。
その間の坊がつるに私のテントがある。



その坊がつるの野営場を拡大してみた。
中央右に見えているのがトイレ。
その真っ正面にある黄色いテントが私のテントだ。


ゆっくり風景を眺めていたいが、時刻が気になる。
すぐに下山することにした。



白口岳の山頂直下は急いではいけない。
慎重に…と言い聞かせて下る。



下りながら坊がつるを撮影。先ほどの写真との違いがわかるだろうか。

というのも、数日前から愛媛県に在住のOさんとメールをやりとり。
息子さんと2人でテント泊するという。
以前も同じような状況があったのだが、残念ながら会えなかった。
そこで今回は携帯のショートメールをやりとりしながら山行してきた。
予定では私の方が先に法華院に着いているはずだったのだが、
Oさんが一足先に坊がつるに到着し、テントを設営したという。
見ると私の黄色いテントの左側にテントが1つ増えている。
それがOさんのテントに違いない。
ショートメールで確認するとその通りだった。



1時間弱で鉾立峠に下ってきた。
珍しいことに、今日は一度もぬかるみで滑らなかった。



テントが並ぶ法華院山荘に到着。


まずは一風呂浴びよう。
入浴料500円を支払い、湯に浸かる。
窓の外に大船山を眺めながらの温泉は法華院ならではだ。


入浴後はこれ。



目の前に大船山。
ビール。
それ以外いらない。


さあ、野営場にもどろう。



三俣山の影が少しずつ伸びてくる中、野営場に向かう。


野営場に到着し、Oさん親子とご挨拶。
ようやくお会いできましたね。



Oさんにいただいた3品。
紙コップの中はワイン。
気になったのは左の「海人の藻塩(あまびとのもしお)」。
帰宅後ネットで調べてみた。

「万葉集や平安時代の和歌に詠まれる古代の製法による塩」だそうだ。
藤原定家の和歌「来ぬ人を松帆の浦の夕なぎに焼くや藻塩の身もこがれつつ」に出てくる藻塩。
海水に浸した海藻を乾かし、それを焼いた灰をさらに海水でこし、煮詰めて塩を取るのだそうだ。
昔はそんな方法で塩を作っていたことを聞いたことがあるのだが、
それが商品になっているとは知らなかった。
海藻に含まれるミネラルが特徴だそうだ。
黒毛和牛ビーフジャーキーもおいしそうだ。
聞けば、私に会うということで奥さんが準備してくれたとのこと。
ありがとうございます。



今日は焼肉。
テント泊の夕食はこれに決めている。



日が傾いてくる中、焼肉の準備。



焼けた肉で今日3回目の乾杯!



見上げると大船山頂がアーベントしている。
ため息がでるほど美しい…


ゆっくりと食べて飲み、まさにテント泊を満喫した。



日が暮れて真っ暗になった坊がつる。
明日の朝駆けと就寝の準備をしよう。


ところがここで重大なトラブルが発生!
体の下に敷くエアーマットに息を吹き入れていると、なぜか膨らまないことに気づいた。
見ると吹き入れ口が裂けており、そこから空気が漏れていることがわかった。これでは膨らむはずがない。
エアーマットは断熱のためには絶対に必要。空気はすぐれた断熱材だからだ。
それがないとなると、地面に直接寝ているに等しい。
だが空気が入らないのでは仕方がない。
気休めにぺしゃんこのエアーマット(名前だけ)を敷き、その上で寝袋に入り込んだ。
体の下は空気のないエアーマット、その下はこれまた気休めのシート、一番下はテントの裏地。
案の定、地面の冷たさが直接体に伝わってくる。
これでは眠れるはずがない。
それでも横になるしかない状況だ。
眠れなくても、横になっているだけでいいか(半ばあきらめ)。


そんな状況のときにLINEが届いた。マルワイさんからだ。
文面は「眠れそうですか?」と一言。
まるで今の私のピンチを見抜いているようだ。
だがこのときのマルワイさんの驚くべき行動は私が知るよしもなかった。


全く眠れる気配もないまま、ただじっと時間が過ぎるのを待つ。
それでもいつのまにか眠ったようだ。
ふと気づいてスマホで時刻を確認すると2時20分。
時刻から考えて眠ったのは確かなようだが、感覚的には全く眠った感覚がない。
さっきまで凍えていた状況がまだ続いているだけ。


やがて2時50分にセットしたアラームが鳴り、起床することにした。
まずは行動食代わりのうどん(どん兵衛)を食べる。
温かいうどんを食べてほっと一息。これは大正解だった。


3時半にテントから出てOさん親子に朝の挨拶。
一緒に大船山の朝駆けに出発だ。



3時40分、大船山に取り付く。


暗闇の中、私が先頭。Oさん、息子さんが続く。
Oさんと会話しながらゆっくり登っていく。
気がつけば5合目に到着。
さらにゆっくり登っていくと、意外にあっさりと段原に到着した。


時刻はまだ5時。そこで避難小屋で時間調整をする。
5時半に小屋を出て山頂に向かう。
5時50分に山頂に到着した。
山頂標識のそばではマルワイさんが三脚を立てて黎明の空を撮影中だ。


まずは私も黎明の撮影。



なんだかぼんやりした黎明を撮影。
三日月が浮かんでいる。



夜明けの空に浮かぶ祖母傾連山。



わずかな裏焼けと九重連山。


夜明けを待つ間にマルワイさんの今日の行程を聞く。

昨日の午後3時(!)に大曲から入山して、三俣山で夕暮れを迎え、
暗闇の中、南峰から坊がつるに下った。
8時過ぎに坊がつるの避難小屋に到着し、私にLINEを送った。
ここで判明。「眠れそうですか?」のLINEはすぐそばの避難小屋から送ったものだった。
私はどこから送ったなんて考える余裕がなかったが、まさかすぐ近くにいたとは!
さらにその後、マルワイさんは大船山に取り付き、11時に大船山頂に到着。
あえて確認しておくが、11時とは午前11時ではなく、23時のことである。
そこから6時まで、7時間。一体何をしていたのだろう?
聞けばその間、御池に6回も下ったそうだ。
なぜ6回も?の問いかけには「だってすることがないんだから」
そんなに時間があるのに、避難小屋には行かなかったというのがまさに謎だ。



そんな話をしているうちに朝日が昇ってきた。



大船山頂の朝日だ。



くじゅうの山々に朝日が射す。



段原と米窪にも朝日が射している。




Oさん親子は立中山経由で白口岳に向かうということで山頂から下っていった。



私たちも九重連山に伸びる大船山の巨大な影を撮影して坊がつるに下ることにした。




段原より逆光の大船山頂を撮影。


マルワイさんと2人、いろんな話をしながら下っていく。
やはり一番の話題は新型コロナウイルスのこと。


私はサブザックなので荷は軽い。
マルワイさんはいつもの重いザックを背負っている。
聞くと「計ってないのでわからないけど、たぶん20キロくらい」
それなのに私よりテンポ良く下っていくのは一体どういうわけだろう。



1時間弱で坊ガツルに下ってきた。
手前は私のテント。隣はOさん親子のテントだ。


マルワイさんによれば、りこさんが大曲から入山して坊がつるに向かってきているという。
そこでりこさんを待って朝食とすることにした。


やがてりこさんが到着し、3人でのんびり朝食準備にとりかかる。



私の朝食はベーコン入りのカレーリゾット。
だが当初の計画ではミートソースを使ったトマトリゾットの予定だった。
なぜ変更したかというと、ご飯を忘れたから(笑)。
ご飯がなくては話にならない。
そこで非常食としていつもザックの底に入れているカレーリゾットの登場となった次第。



ベーコン入りのカレーリゾットは超簡単に完成。
しかもなかなかおいしかった。



りこさんからは堅焼きそばと焼きおにぎりをいただいた。
りこさんの料理はいつも手が込んでいる。
ごちそうさまでした!


食事を終え、3人でコーヒーを飲んだ。
時間があるのでのんびりとテントの撤収。
そろそろ下山しようかという頃、白口岳からOさんが下ってきた。



親子で仲良くテントの撤収をするOさん親子にご挨拶して下ることにする。
大曲に下るマルワイさんとりこさんともここでお別れ。



すばらしい青空と三俣山を眺めながら下っていく。
最初からずっと青空に恵まれた2日間だったな。



坊がつる北端を過ぎ、りこさんに教えてもらったアングルでマンサク越しに三俣山を撮影し、吉部へと下った。


一緒に歩いたお二人の山行日記もぜひごらんください。
マルワイさん
りこさん


山行記録にもどる

inserted by FC2 system