平治岳・大船山・立中山

2020年5月29日


有給休暇を取得しての平日山行。
晴天の下、ミヤマキリシマの咲き具合を偵察に向かうことにした。

早朝3時半、ヘッドライトを点けて吉部を出発。
平治岳山麓ルートの分岐から慎重に歩いていく。
やがて坊がつるからのルートに合流。
一頑張りで大戸越に到着し、ミヤマキリシマ咲く平治岳南峰を見上げる。
小休憩の後、南峰に取り付く。花を眺め撮影しながらゆっくりと登る。
南峰山頂を通過して本峰(北峰)へ。
山頂付近のミヤマキリシマはまだ5分咲き程度。
それでも斜面を下って坊がつるを見下ろしながら休憩する。
休憩後に腰を上げ南峰に戻る。南峰でもしばし休憩。
大戸越に下り、今度は大船山に向けて登っていく。
ガレ場に苦労しながら、なんとか稜線にたどり着いた。
大船山尾根道のミヤマキリシマはまだ咲き始めたばかり。
それでもいくつか咲いている花を見つけて撮影しながら歩いていく。
北大船山・段原を経由して山頂へ。
山頂からの風景を楽しみ、昼食。コーヒーを飲んで腰を上げる。
いつもであれば段原から坊がつるに下るのだが、今日は立中山へ。
久しぶりの道に苦労しながらもやっとのことで立中山に到着。
曇り始めたのが残念だが、満開のミヤマキリシマに大満足。
ここでも小休憩して下ることにする。
鉾立峠・法華院を経由して坊がつるへ。
野営場で今日歩いたルートを眺めながら2杯目のコーヒーを飲む。
その後は新緑を眺めながら吉部へ淡々と下った。


3:30吉部→4:40平治岳山腹ルート分岐→5:25坊がつるからのルートと合流→5:50~6:00大戸越→6:35平治岳南峰
→6:50~7:40平治岳本峰→7:50~8:10南峰→8:25~8:30大戸越→9:25大船山稜線→9:50北大船山→9:55段原
→10:15~11:40大船山(昼食)→12:05段原→12:25立中山分岐→13:15~13:40立中山
→13:55鉾立峠→14:20法華院→14:30~15:00坊がつる→15:15坊がつる北端→大船林道→16:05吉部




九重連山にミヤマキリシマの季節がやってきた。
この季節になると週末の天気が気になってしかたがない。
「1年中気になっているんじゃないの?」とどこかから聞こえてきそうであるが…(^_^;
梅雨も近づき、土日とも雨ということもある。
そこで、2週間前から金曜日に有給休暇を予定に入れた。
土日を含め3日あればどこかで晴れる日があるだろうと考えてのこと。
その甲斐あってか、5月29日(金)は晴れの予報。
そこで、吉部から入山し、平治岳・大船山・立中山と歩き、
ミヤマキリシマの咲き具合を偵察することにした。


ところが、まだ入山してもいないのにトラブル発生!
くじゅうに向けて車を走らせているとき、重大な忘れ物をしたことに気がついた。
その忘れ物とは、帽子と手袋。
前回の山行後に洗濯をしたまま、ザックに入れ忘れてしまった。
手袋は軍手があればどうにでもなる。
だが帽子はそうはいかない。しかも今日は晴天の予報。
途中コンビニに寄ってみたが帽子など売っていない。
そこで、汗ふき用のタオルを頭に巻くことにした。
これでなんとかやり過ごすしかない。


3時半に吉部を出発。
タオルを頭に巻き、その上からヘッドライトを装着した。
ライトのベルトがタオルを固定してくれてなかなかいい具合。



ヘッドライトに照らされた急登を慎重に登る。
歩き慣れた道なので迷うことはない。



坊がつる北端手前で大船林道に合流。
そこから5分ほど下ったところに平治岳山麓ルートの入り口がある。
写真右端に小さな標識が写っている。


ここからは久しぶりに歩くルート。
踏み跡やテープを確認しながら慎重に歩いていく。
少しずつ周囲が明るくなってきた。



やがてヘッドライトを消灯。
小さなアップダウンを越えながら快調に歩く。


坊がつるからのルートに合流した。
ここからは登りとなる。一頑張りで大戸越だ。



誰もいない大戸越(うとんごし)に到着。
朝日を浴びた平治岳南峰を見上げる。
今は平日の6時前。誰もいないのも当然だ。


ここまでタオルの上にヘッドライトをつけてきた。
この後は明るい中、ヘッドライトを装着していてはヘンだ。
だが外してしまうとタオルがすぐにほどけてしまう。
そこで、ライトを前後逆にしてみると…なかなかしっくりくる。
ただ、人からはどう見えるのかが気になる。
そこで、珍しく自撮りしてみた。



ライトのベルトがまるで汗ふき用のヘッドバンドのように見える。
よし、これならOK!


行動食で糖分をしっかり補給し、南峰に取り付く。



斜面のミヤマキリシマは7~8分咲きだろうか。
坊がつるに大船山の影が伸びている。


途中何度も足を止めカメラを構えつつ山頂をめざす。



南峰山頂手前にて斜面を撮影したが、まだ斜面に朝日が射していない。
ここは本峰から引き返してきたときに撮影することにしよう。


ほどなく到着した山頂には、若い男女3人が休憩中。
聞けば今日は朝駆けしたという。
夜明けの頃の山頂は5℃近く、ずいぶん寒かったそうだ。

日中は暑いと思える今の季節でも朝駆けは別。寒さ対策が必要だ。
ということは「万が一」のことを考えると防寒着は必携ということ。
私のザックの一番下にはしっかりと防寒着が入っている。


3人と分かれ本峰に向かう。



正面に本峰の斜面が見えてきた。
ピンク色に染まりつつあるが、ピークにはほど遠いのがわかる。



平治岳本峰(北峰)に到着。



山頂から斜面を見下ろす。
来週末あたりは見頃になっていることだろう。


斜面を下り、坊がつるを見下ろすポイントに移動。



ポイントの岩の上に立って風景を撮影。
雲一つない青空が広がっている。
手前のミヤマキリシマの中に私の影が立っている。
周囲にはだれもいない。この風景を独り占め。
最高!


この風景を眺めながら休憩する。
甘納豆とサラダ一番を食べ、糖分と塩分を補給。
少しずつ朝日が昇り、岩の影が小さく縮んでいく。



満開ではなくても十分にきれいだ。
「この風景、いつまでも見ていられますね」
このセリフ、いつ誰がどの山で言ったものだったっけ…


ただ、残念ながら今日はそんなにゆっくりもしていられない。
この後は大船山に向かい、さらに立中山に行くことにしている。
そろそろ腰を上げよう。



斜面越しに南峰を振り返る。
その向こうに大船山の稜線が見える。
右にちょこんと出ているのが大船山の山頂だ。



平治岳山頂にもどり、きれいに咲いたミヤマキリシマ越しに山々を望む。



南峰に戻る途中、黒岳を望む。



南峰に戻り、風景を撮影。
こんな青空の日にこの風景を見ることができて幸いだ。
平治岳のミヤマキリシマは来週末がピークだろうが、
もし天気が悪くて来られなくても、今年は今日のこの風景を見たことでよしとしよう。
(もちろん来週末も山行する予定だが…)



南峰山頂より大戸越を見下ろす。
今からここを下り、今度は正面に見える大船山に向けて登り返すことになる。



私が大戸越に下った頃、男性が2人到着した。
南峰斜面を振り仰ぎ、すぐに出発。


大戸越から大船山の稜線までは私にはかなり厳しい登りである。
当然急いではいけない。超の付くゆっくりのペースで登っていく。
それでも何度も立ち止まり息を継ぐ。


そんなつらい登りの途中、花を見つけるとうれしい。



イワカガミ



マイヅルソウ


やっとのことで稜線にたどり着いた。



ここのミヤマキリシマはまだ咲き始めたばかり。
それでもこの伸びやかな風景を見るといい気分になる。



中にはきれいに咲いた株もある。



だが多くの株はこの様子。
大船山の稜線が見頃になるのはまだまだ先だ。



北大船山に到着。



ここもきれいに咲きそろったらすばらしい写真になる。



すぐに段原に到着。
標識には(ローマ字で)「うとんごし」「たいせん」と書いてくれている。



段原より大船山頂を見上げる。
さあ、もう一頑張りだ。



山頂直下にて。
実はかなり疲れを感じ、ペースが上がらない。
そんな私の後ろから年配のグループが追いかけてきた。
少しずつ距離が縮んでいく…(^_^;
がんばろう!



ようやく大船山頂に到着。
結局、年配のグループの方々に混じっての到着となってしまった。
みなさんお元気だなあ…。


ザックを下ろし、まずは風景の撮影を。



坊がつるを見下ろす岩の上に立ち、くじゅうの山々を望む。
この風景、もう何度見たことか。
でもその度に違う喜びがある。
きっとまた近いうちに来ることだろう。



段原方面を望む。
段原付近とその向こうの平治岳山頂付近は眼にはピンク色に見えた。



山頂の岩の上に立ち、新緑の御池を見下ろす。



ベニドウダンのつぼみ。


さて、昼食にしようか。



今日の食材。
大船山なので、牛肉は上等の肉を買ってきた。



焼肉丼でカンパイだ!(もちろんノンアルだけど)



食後のコーヒーを飲み、周囲を眺めてから腰を上げる。
今日はもう一つ向かう山がある。


大船山から下りながら花を探す。



イワカガミ



かなりの数が群生して咲いていた。



ヨウラクツツジのつぼみ。
もしかすると咲いているかもと思っていたが、残念ながらまだ咲いていなかった。



段原まで下り、改めて今から向かう立中山を見下ろす。
写真中央に見えている低い山が立中山だ。



5合目まで下ってきた。周囲の新緑が美しい。
段原からだとあれほど低く見えていた立中山がほぼ同じ高さに見える。



立中山ルートの分岐に到着。


立中山へは昨年までの16年間に6回しか行っていない。
そのうち4回は鉾立峠側から立中山を経由して大船山へ向かったもの。
段原側から歩いたのは2005年の1回だけ。
分かりにくいルートだったような記憶がある。
今回も慎重に歩こうと自分に言い聞かせて歩き始めた。

にも関わらず、ルートを間違えてしまった。
気がつけば段原から坊がつるに下るルートに合流してしまった。
この辺りには枝道がいくつかあり紛らわしい。
そのうちの1本に入り込んでしまったようだ。

しかたがないので分岐付近まで登り返すはめになってしまった。
すると、戻っていく道と平行にルートがあるのを発見。
そちらの登山道を歩き始めると、確かに見覚えがある。
よかった、これで立中山に行けそうだ。


正しいルートにたどりついたとは言え、このルートはわかりにくい。
踏み跡や赤テープを慎重にたどっていく。
初心者の方がここを単独で歩くのはやめた方がよいと思われる。



古い手作りの標識を見つけた。
あまりにも古くて文字が消えている。
だが赤テープのおかげでこのルートで間違いないとわかり安心した。



ここは鉢窪の一部だと思われる。



もう一つ、新しい標識を見つけた。



黒土の滑りやすい登山道。
雨の後などはかなり苦戦しそうだ。



ようやく山頂に近づいてきたようだ。やれやれ…


山頂の広場に到着すると一気に展望が開け、
今までの苦労をねぎらうようにミヤマキリシマが咲き誇っていた。



満開のミヤマキリシマ越しに白口岳と中岳を望む。



今度は三俣山をバックに。



先程までいた大船山を振り仰ぐ。
雲が広がってきたのが残念だが、それでもこれだけきれいに咲いているとうれしい。



山頂標識のすぐそばにロープが張られている。
「立入禁止」の説明には「焼失箇所植生回復中につき」と書いてある。
この右下が焼けた場所。山頂はなんとか延焼を免れたようである。


山頂広場には私1人。この見事なミヤマキリシマを眺めながら小休憩。
だがこの後の下山を考えるとのんびりできないのが残念。
そう言えば昨年は修さんと一緒に来たんだった。
あのときもミヤマキリシマがきれいだったっけ…。



下山していくと、焼けた跡が広がっている。
この写真は下りながら山頂を振り返ったもの。
ロープは登山道と平行に張られており、その右側が焼けている。
狭い登山道だが、そのおかげで延焼しなかったのだろう。
写真では捉えきれないほど広い範囲が焼けている。
この植生が元通りになるには一体何年かかるかわからない。
何年前だったか、三俣山南峰の山頂も焼けてしまった。
私もガスを使う一人として、十分気をつけなければ。



立中山から鉾立峠に下ってきた。
ベンチに腰掛け、白口岳を見上げて水を飲む。
ずいぶん疲れを感じてきた。



法華院山荘前を通過。今日はここでは休憩せず、そのまま野営場に向かう。



サワオグルマ




ハルリンドウはまだ咲いていてくれた。



野営場に着いて時刻を確認すると、まだ2時半。
鉾立峠から急ぎ足で下ってきたため、少し時間に余裕ができた。
疲れもあるため、ここで2杯目のコーヒーを飲むことにした。
ほんのりピンク色に染まっている平治岳山頂を見上げながらのひととき。


コーヒーを飲みながら今日歩いたルートを眼で辿ってみる。



平治岳の山腹から大戸越、そこから山頂にピストン。
大船山の稜線に上がり、山頂へ。



大船山を下り、迷いながらの立中山。
今日はよく歩いたなあ…


さて、ここから吉部まで頑張って下ろう。



三俣山を眺めながら坊がつるの湿原の中を歩いていく。


下山はなるべく楽なルートを下りたいので、大船林道を選んだ。



大船林道から登山道へと進む分岐点を見落とさないよう気をつけたのは言うまでもない(笑)。


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