星生山

2020年8月12日


お盆直前の平日。夏季休暇を利用しての平日山行。
天気は今ひとつだが、牧ノ戸から入山し行けるところまで行くことにした。
ガスで展望がないため、時折現れる花を撮影しながら歩いていく。
ところが星生山の山腹を登っているとき、急にガスが晴れてきた。
なんとか山頂で風景を撮影したものの、再びガス。
しかたなく早めの昼食を食べ、コーヒーを飲んで下山。
幾組もの家族連れとすれ違いながら下った。

なお、今回は山行記録の後におまけを付けている。

6:10牧ノ戸→6:25沓掛展望台→7:35扇ガ鼻分岐→8:05星生分岐
→8:30~9:45星生山(昼食)→10:20扇ガ鼻分岐→11:05沓掛展望台→11:20牧ノ戸




お盆直前の8月12日(水)。
前日にチェックした天気は「くもり午後は晴れ、ところにより激しい雨」というもの。
分布予報を見てみると、九重連山周辺は午後は晴れになっている。
そこで長者原から入山し、雨が池経由で坊がつるに向かい、すがもり経由で大曲に下る計画を立てた。
このルートなら運良く晴れれば三俣山西峰くらいなら登れるかもしれない。
7月の豪雨で坊原から長者原へのルートは使えないのだが、大曲なら下れる。
大曲から長者原へは自転車なら楽ちんだ。
山行前日の10日にはそのために自転車を修理に出し、ヘルメットも購入した。


山行当日、早朝5時前に大曲到着。
とりあえず路肩に駐車し5時を待つ。
気象庁が5時に更新する最新情報をチェックするためである。
ところが最新情報で分布予報を見てみると、午後が雨になっている。
それだと天気は午前中から下り坂に向かう可能性が高い。
予定していた三俣山周回はあきらめた方がよさそうだ。
一気にテンションが下がり、山行自体をあきらめることにした。

Uターンして佐伯市へと車を走らせる。
久住高原を走っていると、夜明けが近い。
そこでせめてもと夜明けを撮影することにした。
星ふる館向かいの駐車場に入り、カメラを準備する。



大分市方面は晴れているのか、雲の下から朝日が昇ってきた。
たまたま咲いていた朝顔とともに撮影。


山を見上げると、ガスが少し薄れてきているように感じる。
このまま帰宅すれば、せっかく撮ったこの写真もムダになる。
何よりくじゅうまで往復したガソリン代がもったいない(笑)。
そこで、ガスが晴れないことを覚悟で山行することにした。


急いで牧ノ戸に引き返す。
すでに三俣山の周回はあきらめた。
せめて牧ノ戸から行けるところまで行こう。
こんなとき、単独登山は気楽でいい。
どうとでも計画を変更できる。



6時過ぎにガスの牧ノ戸を出発。



第1展望台から見上げる沓掛山は深いガスの中だ。



木道脇にサイヨウシャジンが咲いている。



ガスのときや雨の後は花に付いた水滴が美しい。



沓掛の岩場から尾根道を撮影したが、当然の深いガス。


ガスなので展望は全くない。
こんなときは花を探すしかない。



今、くじゅうの山を白く染めているノリウツギ。



あちこちの草むらに顔を覗かせているママコナ。



ヒヨドリバナ咲く登路を歩いていく。
だが今日はアサギマダラを見ることはできなかった。
どこかで雨やどりしているのか、
それともどこか遠くに旅立ってしまったのか。


(登山と関係ない話で恐縮だが)
「雨やどり」といえば、私の好きなさだまさしの曲に「雨やどり」がある。
かなりヒットしたので、年配の方なら知っているはず。(え、知らない?)
だがさだまさしファンでなければ、「もうひとつの雨やどり」という曲は知らないのではないだろうか。
「雨やどり」はコミカルソングだが、「もうひとつの雨やどり」はしんみりと聞かせる曲である。
私は「もうひとつの雨やどり」の方が好きだ。

もうひとつの雨やどり
(YOU YUBEが開きます)

全くの蛇足ながら…
この歌に出てくる女性は「自信なんてかけらもない」と言っているが、
この男性にはこの女性のすばらしさがきっと見えていたはず。
それは外見には現れない、「心の美しさ」ではなかっただろうか。


そうそう、ガスの中を淡々と歩いている途中だった。
(こんな風にガスの中を1人で歩いていると、ついついいろんなことを夢想してしまう)



しっとりと濡れた緑のトンネルを撮影しようとしているとき、単独男性に追い越された。
男性「ガスガスですねえ…」
私「そうですねえ。でもそれを承知で来ているので…」
男性「晴れますかねえ…」
私「晴れそうにないですね…」
男性は深いため息をつきながら私を追い越していった。



しっとり濡れたアセビの緑が美しい。



淡々と歩いているうちに扇ガ鼻分岐を通過した。



ノリウツギの花に付いたたくさんの水滴。



シモツケソウ



ホクチアザミはまだつぼみ。



やがて西千里浜の中ほどにある星生分岐に到着。
ここから星生山に向かうことにした。


急登をゆっくりマイペースで登っていく。
そう言えば前回ここを登ったのはゴマさん・ふーみんと一緒に朝駆けしたときだったな。


ガスガスで展望がないので足下だけを見ながら登っていく。
ところが、足を止めてふと山頂方面を見上げて驚いた。



青空が覗いている!



周囲を見回すと、ガスかかる扇ガ鼻の上にも青空が広がっている。



先ほどまで全く見えなかった久住山も姿を現した。



ガスの向こうに久住山と祖母山を望む。
右手前に見えているのは肥前ガ城。



尾根に上がって振り返ると、ガスがまとわりつく扇ガ鼻の上に
きれいな青空が広がっていた。
しかも周囲には一面の雲海。



まさか今日こんなに晴れるとは思わなかった。


尾根に上がったら一頑張りで山頂。



山頂に到着するとガスの間から大船山が見えた。


ところが晴れたのはどうやらわずかな雲間が通過しただけのようで、
数分後には再びガスで真っ白になってしまった。
その後もガスが晴れることを期待したのだが、なかなか晴れそうにない。
そこで、まだ8時半だが予定通りここで昼食を食べることにした。



今日の食材。
中央に写っているのは前夜に茹でておいたアスパラガスだ。



スパゲッティ・ペペロンチーノの完成。
スープはコンソメ1かけの半分にお湯を注いだだけ。
それでも美味しいのだからコンソメは偉大だ。



これで展望があればなあ…


食後のコーヒーを飲み、下山する。



シモツケ



地塘付近まで下ってきた。
晴れていればこの向こうに久住山が見えるのだが。



イヨフウロ



ワレモコウ



沓掛山が見えてくると、上空にわずかな青空が覗いた。



沓掛の岩場で小さな女の子を連れた親子に出会った。
「こんなに大変なところだとは思わなくて…」
「大丈夫、ここが一番大変なところですから」
無事山頂まで行けただろうか。



第1展望台にてコオニユリ越しに沓掛山を見上げる。
ちょうど青空が広がってきた…。
なんだかユリに笑われているように感じられた。




さて、ここからは今回の山行とは関係がない、言わば「おまけ」。
「noboro」という雑誌は多くの方がご存じだろう。
そのVol.29は「くじゅうで会いましょう」という特集号。



(クリックするとamazonが開きます)


ふらりと立ち寄った書店で見かけ、思わず購入した。
どの写真を見ても私自身の山行の思い出と重なってしまう。
ゆっくりページをめくっていくうち、44・45ページにさしかかった。
(もし手元にこの雑誌がある方はぜひそのページを開いてもらいたい)
見開き2ページに平治岳のミヤマキリシマが写っている。
いい写真だなあ…と眺めているうち、撮影日と時刻が書いてあるのに気づいた。
「2019/6/6 7:58」と書いてある。
去年か。私も平治岳に登っているぞ。いつだったっけ…
私のHPを開いて確認すると、まさにその日に登っている。
平日(木曜日)に有給休暇を取って早朝から山行したのだった。
しかも、7:58と言えばまさにその時刻、私は平治岳山頂にいた。
この写真に自分が写っていたらなあ…と思ってもう一度よ~く見てみた。
すると、私が写っているのに気づいた。
大きく男性が写っているが、もちろんこの人ではない。
ではどこに?みなさんおわかりになるだろうか。




わかりましたか?





カメラを構えた男性のいる岩の左に、薄紫色で半円状のものが写っている。
もうおわかりだろう。これは私がかぶっている帽子なのだ。
これを発見したときは「あ、写ってる!」と一人で盛り上がってしまった。

数日後、ふーみんにこの写真を見せ、「ほらこれが私の帽子」と言うと、
ふーみん「師匠、noboroに載ってしまいましたね」
いやふーみん、さすがにそれは言い過ぎだと思うよ…(笑)。


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