久住山・大船山【テント泊・朝駆け】

2020年8月16日~17日


盆明けにテント泊をすることにした。
吉部を出発。途中、暮雨の滝を撮影して坊がつるへ。
テントを設営してからサブザックを背負う。
法華院から北千里浜、久住分かれと経由して久住山に到着。
ビールで乾杯してささやかなお祝いをし、昼食。
御池方面には行かず、来たルートを引き返す。
法華院山荘で一風呂浴びた後は生ビール。
野営場に戻り、山を見上げながら一人焼肉。
夜は星空撮影に挑戦してみた。
明けて17日早朝、3時半に大船山に取り付く。
5時に山頂到着。黎明を撮影する。
夜明けを迎え、大船山の影が少しずつ変化していくのを眺める。
朝食を食べコーヒーを飲んで下山。
坊がつるに下り、ここでも山を見上げながらのコーヒー。
テントを撤収して下る。
充実した2日間を振り返りつつ吉部へと下った。

(16日)6:45吉部→7:40~7:55暮雨の滝→8:25坊がつる北端→8:50~9:40野営場(テント設営)
→9:50~10:05法華院→北千里浜→11:40久住分かれ→12:20~13:55久住山(昼食)
→14:10久住分かれ→北千里浜→15:30法華院→15:50野営場→法華院(入浴)→野営場(夕食)→就寝

(17日)2:30起床→軽食→3:25大船山取り付き→4:45段原→5:00~7:30大船山(朝食)
→7:45段原→8:35~10:10坊がつる(テント撤収)→10:25坊がつる北端→大船林道→分岐→11:40吉部




お盆の明けた16日。テント泊をすることにした。
前日、1泊2日で食べる食材を購入するためスーパーへ。
だがこう暑い中だと持っていく食材は限られる。
スーパーの中を歩きながら、時折食材を手にとって思案する。
もしかすると不審がられたかもしれない(笑)。
結局1時間ほどかけて食材を購入した。
帰宅してテント泊用のザックを取り出し、装備をチェックする。
忘れ物があってはならないので、何度もシミュレーションする。
(実はこの時間が一番楽しい。私は段取りを考えるのが大好き)
最後にすべての荷物や食材を詰めて準備完了だ。


テント泊なのでそんなに急ぐこともない。
いつもより少し遅い時刻に自宅を出発した。
久住高原を走っていると、きれいな黎明が見える。



星ふる館の向かいにある駐車場に車を止め、黎明を撮影。
上空には三日月が浮かんでいる。


さらに車を走らせ、今度は久住高原展望台に車を停めた。
数台の車が停車中。朝日に染まる阿蘇五岳を撮影する方々のようだ。
そこで私もカメラを持ち、いいアングルを探してみた。



道ばたにコオニユリが咲いているのを見つけ、阿蘇五岳と一緒に撮影。
裏焼けの淡いピンク色とコオニユリの赤い色がシンクロしている。


吉部の300円駐車場に到着。
今日は1泊するので500円を竹筒に投入して出発した。



まずは急登を登る。
いつもよりザックが重いので、いつも以上にゆっくりと登っていく。
今日のザックの重さは約20㎏。
この重さに加え、腰にはカメラとマクロレンズをぶら下げている。
だがマルワイさんなら「それだといつもの私と同じですけど?」と言いそうだ。
あ、もしかするともっと重い?



急登をクリアすると後はほぼ平坦な道。
木陰なのにすでに暑い。それでも快調に歩いていく。



暮雨の滝に下り、三脚を立てて撮影。
木々の間から朝日が覗いている。


もとのルートにもどり、坊がつるをめざす。



坊がつるの北端に到着すると、すばらしい青空と山々が迎えてくれた。



野営場に到着すると多くのテントが張られていた。


どこに張ろうかと歩き回ってみた。
今日が日曜日とあって多くのテントが撤収されていく。



撤収中のご夫婦に声を掛け、その場所に設営することにした。
大きな岩が右側にあるため視線が遮られており、まるで奥座敷のような場所である。



テントの設営は20分ほどで完了。
サブザックの荷物を再度チェックし、久住山に向けて出発した。



法華院山荘で暑さと空腹に耐えかねてアイスを購入。
ついでに登山道の状況を尋ねてみた。
白口岳から鉾立峠を経て法華院に下るルートは通行できないそうだ。
それなら今日は北千里浜経由でピストンするしかないな。



アイスを食べ終え、北千里浜に向けて登り始める。



多くのアサギマダラがヒヨドリバナを吸密中だった。
警戒してなかなか近寄ってくれないので撮影に苦労してしまった。



北千里浜に上がるとわずかに風を感じるようになってきた。
抜けるような青空を眺めながら気持ちよく歩いていく。



久住分かれへ向かう登山道は土石流の跡のように荒れていた。
慎重に、ゆっくり登っていく。



ようやく久住分かれに上がってきた。北千里浜は長かった…
久住山と阿蘇五岳を眺めながら腰を下ろして小休憩。



歩いてきた北千里浜と三俣山を振り返る。


今日の目的地は久住山と決めている。
ここからはもう一頑張りだ。


やがて久住山に到着。
山頂標識の近くに行くと、ご夫婦に「シャッターを押して」と言われて応じた。
その後、私にしては珍しく私も逆にお願いした。
カメラをご主人に渡し、シャッターを押してもらう。



久住山は今回がちょうど100回目。
その記念ということで。



今日は空気の透明度がすばらしい。阿蘇五岳もくっきりだ。

実は最近何度か久住山に行くチャンスがあったのだが、
天気がイマイチだったりガスだったりして見送ってきた。
こんな日に区切りの登山ができてよかった。



祖母傾山系



三俣山と天狗が城の間に遠く由布岳もはっきり見えている。


今日はこの風景を眺めながらの昼食。



まずはマスタードをのせたウインナーをつまみにして
本物のビール(笑)でお祝いの乾杯!
今日はテント泊なので山頂でビールが飲める。
これがウマイ!!



昼食のメインはミートスパゲティ。
右はウインナーを茹でた湯でつくったコンソメスープ。
かなり冷めたが、それがねらい。
できれば冷製スープがいいのだけれど。




食後のコーヒーは「coffee5」のドリップバッグ。


昼に飲むビールは少量でもよく効く。
おかげで眠くなってしまった。
暑いので最近衝動買いしたmont-bellの雨傘を日傘代わりにしてみたが、
それでも暑いものは暑い。とてもじゃないがうたたねなどできそうにない。


時刻は2時前。
この暑さでは早めに坊がつるに下った方がよさそうだ。
そこで御池や中岳には行かず、下ることにした。


久住分かれから北千里浜を下っていく。
暑さに加えて無風。淡々と歩くしかない。



正面に三俣山が見えてきた。
幸いなことに雲が広がってきて、日射しを遮ってくれた。



今度は正面に大船山が見えてきた。
それにしても前を見ても後ろを振り返っても誰もいない。
この広い北千里浜に私一人とは。



やれやれ、ようやく法華院山荘にたどりついた。


自動販売機で清涼飲料水を買おうと思ったが、売り切れのランプが点いている。
そこで中に入って山荘の人に声を掛けて買ったのだが…



これがかなり甘くて…(笑)
冷えていたので最初はおいしかったけど、正直飲み干すのに苦労してしまった。


一旦野営場のテントに戻り、ザックの中身を入れ替える。
つまり山行用の荷物を下ろし、着替えとタオルを入れた。
法華院に引き返し、一風呂浴びる。
「密」にならないか心配していたが、月曜日の午後、人は少なかった。
風呂でさっぱりした後にすることと言えば…「あれ」しかない!



生ビ~~ル!!
正面に見える大船山を眺めながら飲む。
あ~最高!


ビールを飲み干した後もしばらくはベンチでのんびり…。
さて、そろそろ夕食用の缶ビールを買ってテントに戻ろう。



まだ夕食には早いかなと思ったのだが、
缶ビールがぬるくなる前に始めてしまおう(笑)。
今回初使用の分離型のガスストーブが効果を発揮する。
今までは一体型だったので、焼肉をするとガスボンベが油まみれになってしまっていた。
分離型だとその心配がない。しかも板きれを見つけてその上に置いたので安定感も抜群。



一人焼肉パーティーの始まりだ!

なお、今回のテントは大船山と三俣山を結ぶ線と平行に張ってある。
入り口は北側、つまり平治岳方向を向いている。
というわけで、右を向けば写真のように大船山が見え、



反対に左を向けば三俣山が見える。
右を向いたり左を向いたり、もちろん肉を焼いて食べ、ビールを飲む。ああ忙しい(笑)。


一人焼肉を終え、簡単に片付けを済ませた後はテントに入り、のんびり過ごす。
気づけば外は真っ暗。そこで三脚を立て、初めて星空撮影に挑戦してみた。
ゴマさんに教えられた設定で撮影してみたが、モニターで確認すると真っ暗で何も写っていない。
そこで設定をいろいろと変えてみた。ようやく星が点々と写っている写真になった。



これは星座に疎い自分でもわかる。さそり座だ。



三俣山の上空を撮影してみた。
右に北斗七星が見える。
だが、「星が降るような」写真にはならなかった。
さすがに最初からそんな写真はムリということだ。
いずれチャンスがあればまた挑戦してみよう。
でももしこれで星空撮影にはまってしまったら…
マルワイさんや最近のゴマさんみたいに夕方から入山してそのまま朝まで?
そんなこと、私にはとてもじゃないができそうにない。



坊がつるの夜が更けていく…


だがこのとき私はまた1つ失敗をしてしまった。
ゴマさんに「明日は朝駆けなんだから飲み過ぎないようにね」とLINEをもらったのに、
またしても焼酎を飲み過ぎてしまったのだ。
「またしても」というのは前科があるから(笑)。
2017年10月のテント泊では、「飲み過ぎて体調最悪」という悲しい過去がある。
わかっていたのに、なぜ同じことを繰り返してしまうのか。
思えば行きのコンビニでワンカップの焼酎を買ったとき、20度じゃなく25度にしたこと。
いい加減に酔っ払ったとき、そこでやめとけばいいのに、
「もうちょっと残ってる。もったいない」と思って全部飲んでしまったこと。
ああなさけない…


というわけで、翌日深夜2時半にアラームで目覚めたときには体調がよくない。
ただ、前述した2017年のときよりはましなので、なんとか登れそうだ。
とりあえずカップうどんを食べ、コーヒー(ブルックス)を飲む。
サブザックに朝駆け用の荷物を準備する。(昨夜準備しておけばよかった)
体調がよくないものだからてきぱきとできず、だらだら…
結局準備が完了したのは予定を20分も過ぎた3時20分だった。


大船山取り付きは3時25分。
今日の夜明けは5時45分頃(実際にはもう少し早かった)。
黎明はその約1時間前から始まる。
とすれば4時45分ということになる。
坊がつるから大船山頂にかかる時間は(私は)1時間40分。
単純に3時25分に足せば5時5分になる。
「3時に出発できていれば間に合ったのに」ともう1人の私が言う。
でも、遅くなってしまった原因は私にあるわけで…
しかたがない、少しでも早く山頂に着くよう、頑張ってみよう。


と言っても段原までは長い。焦って登るとバテてしまう。
周囲は真っ暗。見るものは何もないのでとにかく無心で登ることにした。
ひたすら足下だけを見て登る。
分岐があれば深く考えずとりあえずどちらかへ。
とりとめない考えがよぎることもあるが、ほぼ無心で登ることができた。
気がつけば段原。1時間20分で到着した。
ここからは尾根道。急ぎ足で歩く。
最後の登りにさしかかる直前、東の空が見えた。
やはりきれいに染まっている。
最後の登りはあえぎつつ登る。
ようやく5時に山頂到着。坊がつるから1時間35分だった。


早速三脚を立て黎明の空を撮影する。



雲がほとんどなく、ほぼ完璧な黎明。
中央に三日月が見える。
その右上に光っているのは金星だ。



拡大してみた。



南側を見ると、雲海の上に祖母山が浮かんでいた。



由布岳は暗闇の中、シルエットが見える。



九重連山の上に広がる裏焼けが美しい。



やがて5時36分に朝日が昇ってきた。



5時40分。大きな岩の上に立ち、御池越しに朝日を撮影した。

ちょうど私がこの写真を撮影したとき。
ゴマさんは天狗が城山頂で大船山から登る朝日を撮影していた。
そしてまさにこの瞬間の写真をYAMAPにUPしている。
ゴマさんの活動日記
それを見ると(写真をクリックして拡大してもらいたい)、
確かに岩の上に人が立っているのが見える。
このとき、大船山頂は私の完全貸し切り状態。
人影はすなわち私に間違いない。
だけど、岩の上に立っていたのは、
写真を2枚撮った間、わずか1分足らずのはず。
まさにその瞬間を捉えるとは。奇跡的な1枚だ!



そのゴマさんのいる天狗が城にも朝日が射した。



わずかにモルゲンロートする山々。


どれくらいの時間だっただろう…
九重連山に伸びる大船山の影が少しずつ下がっていくのをただじっと眺めていた。
なんという贅沢な時間。
私が一番私らしく過ごしている時間かもしれない。



この風景を眺めながら朝食準備。
食材は「腐敗しないもの」という条件で考えた。



あさりの雑炊の完成。
ただ、材料のうち寄せ鍋の素は使っていない。
あさり水煮缶にはかなりの食塩が入っていて、
その塩味だけで十分だったからである。
でもあさりの出汁だけでは物足りなかった。
出汁の素を持ってくればよかったかな。





食後は「coffee5」のコーヒー。
味わい深いコーヒーを、こんなすばらしい風景を眺めながら飲む幸せ。


この風景、いつまでも眺めていられるが、そうもいかない。
そろそろ下ることにしよう。



段原まで下り、大船山頂を振り返る。



5合目にて。



坊がつるに下ってきた。


野営場ではテントの撤収が始まっている。
時刻はまだ8時半。まだ下りたくない。
そこでもう1杯コーヒーを飲むことにした。
今回のテント泊を締めくくる1杯だ。
そんな「ここぞ」というときに飲むのはやはり「coffee5」のコーヒー。
コーヒーカップを持ち、テントのすぐそばにある岩によじ登る。
周囲の山々を眺めながら飲むコーヒーは格別の味だった。


さて、撤収しよう。
設営よりも撤収の方が手間がかかる。
荷物やゴミを1つ1つ収納する袋に入れていく。
うまく入れないとザックに入らなくなってしまう。
おかげでかなり時間がかかってしまった。



撤収してザックを背負い、最後にもう一度大船山を振り返る。


充実した2日間を振り返りつつ吉部へと下った。


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