三俣山・坊がつる【朝駆け】

2020年8月30日


猛暑が続く中、三俣山へ朝駆け。
大曲から入山し、すがもり越、Ⅳ峰を経由して南峰へ。
黎明が変化するのを見ながら朝食を食べる。
やがて朝日を迎え、さらに撮影を楽しむ。
坊がつるへと慎重に下り、ゴマさんたちと合流。
野営場の木陰に腰を下ろして昼食。
昼食後は久しぶりにゴマさんお手製のパフェをいただいた。
さらに楽しい時間は続き、修さんが合流して下山開始。
雨が池ではミーパパさんご夫妻も合流。
話しながらのんびりゆっくり下っていく。
長者原に下り、東屋でミーさんがお抹茶を点ててくれた。
長者原からはゴマさんの車で大曲まで運んでもらった。

2:10大曲→3:05~3:20すがもり越→3:45~3;55三俣山西峰稜線→4:20Ⅳ峰→4:40~7:30南峰(朝食)
→8:40~11:35坊がつる→12:35~12:45雨が池→14:15タデ原→14:30長者原




8月末だというのに(まだ8月だからと言うべきか)猛暑が続いている。
平地が暑いのはもちろんだが、山も暑い。
「山は涼しいでしょ」と時々言われるが、それは日本アルプスなどの話。
九重連山は標高がせいぜい1700m級なので、やっぱり暑い。
平地と比べれば10℃近く気温は低いはずだが、直射日光を受けると暑いのだ。
そんな状況で少しでも涼しさを感じようとすれば、朝駆けが一番。
というわけで今回も朝駆けすることにした。
そんな折、ゴマさんから「長者原から坊がつるにピストンするよ」と連絡が届いた。
そこで、大曲から入山して三俣山に朝駆けした後、坊がつるで合流して長者原に下り、
ゴマさんに車で大曲まで送ってもらおうと考えた。
これなら坊がつるから大曲に戻るよりも楽ちんだ。


深夜2時に牧ノ戸駐車場の横を通過。
ゆっくり走りながら横目で見たら下の駐車場はほぼ満車状態。
「こんな時間になぜ?」と驚いてしまった。
後で聞いたところによると、星生山の朝駆けには100人ほどいたらしい。
この猛暑の中、考えることはみな似たようなことのようだ。

大曲には3台の車と1台のバイクが駐車していた。
すぐに装備を調えて出発。
標高が低いので夜露もほとんどなく、快調に歩いていく。



坊原には3枚の看板が設置されていた。
7月の豪雨で土石流が発生し、長者原~坊原間は通行禁止になっている。
長者原方面の迂回路として指示されているのはやまなみハイウェイ。
知らずにここまで下ってきた人はきっと驚くことだろう。


大曲から55分ですがもり越に到着し、小休憩
ここからは笹をかきわけて進むため、雨合羽とスパッツをはく。
ところが久しぶりのため、つける(はく)順番を間違えた。
雨合羽をはき、その上からスパッツを着けてしまった。
(でも結果として何も困ったことにならなかったのは幸いだった。)


西峰の稜線に到着しヘッドライトを消してみると、月が西に沈んで星が見える。
そこで、少しだけ星空の撮影をしてみた。



ほぼ中央に明るく輝いているのは金星。
その右上にオリオン座が見える。


西峰の山頂には寄らずに先に進む。
鞍部を過ぎ、ゆっくりマイペースで昇っていく。
時間に余裕があるので急ぐ必要はない。



4時20分、Ⅳ峰に到着。
もし黎明が始まっていればここで撮影するつもりだったが、まだ東の空は真っ暗。
そこで南峰に向かうことにした。


鞍部に下り、登り返す。一頑張りで南峰に到着した。
山頂にはだれもいない、独り占めだ。
早速三脚を立てて撮影の準備。



5時10分撮影。黎明は始まったばかり。


夜明けまで30分ほどある。
そこで朝食を食べることにした。



とりあえずお腹に入れるだけなので、こんなものを買ってきた。
お湯を入れて5分待ち、かき混ぜれば完成。



5分待っている間にも黎明の撮影。
右下に巨大な雲が見える。
大船山はその雲にすっぽり覆われているようだ。



超簡単なカレーが完成。
きれいな黎明を眺めながら食べる。
食べていると坊がつるから若い男性が2人、到着した。
たぶん初めて坊がつるから南峰に直登したのだろう。ずいぶんとハイテンションだ。



少しずつ明るくなってきた。



由布岳のシルエット。



久住山方面を望む。裏焼けがきれいだ。



本峰・西峰を振り返った。



祖母傾山系は見えなかったが、
代わりに雲が一足先に朝日を受けているようだ。



やがて5時46分に雲の上から朝日が昇ってきた。
大船山の上に笠雲が出現。



ガスが赤く染まる。



荘厳な夜明け



ススキが朝日に染まる。
大船山を覆っていたガスが晴れていく。



すがすがしい朝を迎えた。
この開放感がいい。



久住山方面の山々にも朝日が射した。


ゴマさんにLINEすると、まだ雨が池の手前だという。
ならばもう少し花の撮影をしても大丈夫だろう。
おっと、花の撮影の前にしておきたいことがある。
早朝の風景を眺めながらのコーヒーだ。
当然、コーヒーはお気に入りの「coffee5」。
さわやかな早朝の山頂で飲むコーヒーは実においしかった。


さて、花の撮影をしようか。



アキノキリンソウ



リンドウはまだほとんどが小さくて固いつぼみ。
これは探し回ってようやく見つけた、数日後に咲きそうなつぼみ。



ママコナ



アキノキリンソウをもう1枚。




南峰山頂から久住山方面を望む。
花の撮影をしている間に陽が昇ってきたのがわかる。
なんてことはない普通のアングルで撮影した1枚だが、
私はこんなくじゅうの山々の風景写真が好き。


さて、そろそろ南峰のテラスに行こう。



南峰テラスにて。



テラスから眺めていて気づいたことがある。
法華院山荘のすぐ横に土石流が発生したのは以前見て知っている。
気付いたのはその向こう、鉾立峠とのほぼ中間地点にも土石流が起きている。
しかもその規模の大きさは法華院のそばの土石流の数倍と思われる。
発生した場所は、数年前から通行禁止になっていた白口谷。
なるほどこれだけ巨大な土石流が発生したため、法華院~鉾立峠が通れないわけだ。


ゴマさんたちは雨が池でマツムシソウの撮影をしているそうだ。
私はそろそろ坊がつるへと下ることにしよう。


南峰から坊がつるへ下るルートは神経を使う。
急な上に段差の大きい場所が数カ所ある。
「慎重に、集中して」と自分に言い聞かせながら下っていく。



段差の一番大きいところに到着した。
すると、ロープが設置されていた。これはありがたい!
ロープのおかげでなんなくクリアできた。



もう少しで坊がつるというところまで下ると、土石流の跡に出会った。
周囲を探してみたがテープも流されてしまったようだ。
そこで以前の記憶とカンをたよりに下っていく。



なんとか無事に坊がつるに下ってきた。


ゴマさんたちが坊がつるに到着するにはまだ時間がかかりそうだ。
そこでそれまでの間、花の撮影をすることにした。



ゲンノショウコ



今日、一番会いたかった花、アケボノソウ。


アケボノソウを漢字表記すれば「曙草」。
「花冠(※注)の斑点を夜明けの星空に見立てたことに由来する」(Wikipedia)
(※花冠は花弁の集まりのこと)
この花を見て夜明けの星空をイメージして命名した人の感性がすばらしい。
今日は朝駆けして曙の星空を見た後だけに、この花に会えて幸せだ。



撮影しているとゴマさんたちが到着した。
というより、みなさんの声が聞こえて到着したとわかった。
「あれ、九歩さんじゃない?」
「ほんと、あんなかっこで撮影してる笑」
おいおい、聞こえてるよ(笑)



皆さんがアケボノソウの撮影を始めた。
こうなると長いのは(自分もそうだから)想像がつく。
そこで、木道に向かい、別の花の撮影をすることにした。



オタカラコウ越しに大船山を望む。



ネジバナ



シラヒゲソウ



ミソハギ


十分に花の撮影を楽しんだ。
お腹も空いてきたし、昼食にしましょう。
法華院山荘の談話室も考えたのだが、それよりも野外の日陰の方が気持ちいいかもしれない。



そこで、野営場の炊事棟の横の木陰に並んで腰を下ろすことにした。
(残念ながらこの写真にその場所は写っていない)



今日の食材。
最近はスーパーやコンビニでカット野菜を売っている。
これが登山に持ってこい。



焼きそば定食の完成。
前日のお昼時、「秘密のケンミンSHOW」を見ていて
東京人が「焼きそば定食?意味わかんない」とほざいていたのに発憤した。
焼きそばをおかずに白ご飯を食べるのはあたりまえでしょう!
なお、食べている途中にミッチさんがキュウリの浅漬けをくれたのだが、
それを一緒に写真に収めなかったのが残念でならない。
一緒に写していれば完璧な焼きそば定食だったのに…



食後はゴマさんお手製のデザート。



ゴマさん特製のパフェが完成。
コロナのためにしばらく自粛していたゴマさんのパフェが復活した。
そうと知っていれば私もフルーツか何かを持ってきたのに…
でもすでにこれでてんこ盛り状態。
これにさらに入れるって、一体何を追加すると言うんだ(笑)。


パフェの後はミッチさんによる写真講座。
と言ってもお堅いものではなく、最近はやっているというもの。
最初はあずきさんが被写体。次にゴマさん。
「じゃ、次は九歩さんね」と言う声に押されてつい…



私も飛んでしまいました(笑)。
(ミッチさん撮影)


やがて7月豪雨で荒れた登山道を歩いて修さんが到着。
じゃ、5人で下ることにしましょう。



ススキと三俣山を眺めながら下っていく。
(修さんはアケボノソウを撮影していてこのときは別行動)


あずきさんを先頭に下っていく。
ところがあずきさんのペースが意外に速いのだ。
「意外に」というのは、あずきさんが時々しか山行に参加しないから。
でもそのブランクを感じさせないほど軽やかに歩いていく。
私は少しずつ遅れてついていく。



雨が池が近づいてきた。



マツムシソウ



ミーパパさんご夫妻とここで合流。



長者原へ下りながらツルリンドウを撮影。
といっても見つけてくれたのはゴマさん。
きっとゴマさんがいなければ気づかないまま下っていたことだろう。



話をしながらのんびり歩き、ようやくタデ原に下ってきた。



サワギキョウ越しに三俣山を振り返る。
今日もいい山だったな。



長者原の駐車場の横にある東屋でミーさんがお抹茶を点ててくれた。



さわやかな風を感じながら食べる和三盆の干菓子はほんのりと甘かった。
今日の山行を締めくくる最高のひとときとなった。
ミーさんありがとうございました。


今日ご一緒したみなさんの山行日記もぜひご覧下さい。
ゴマさん
ミッチさん
修さん
ミーパパさん
ミーさん


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