大船山

2021年1月10日


九州全域に大雪が降った。
そこで雪深い大船山に向かうことにした。

早朝4時半に吉部から入山。
幸いにもトレースがあり、雪を踏みながら歩いていく。
坊がつる避難小屋で軽食を食べ、大船山に取り付く。
ここにもトレースがある。あるとないとでは大違いだ。
ゆっくりマイペースで段原に到着し避難小屋でおにぎりを食べる。
ところが小屋を出るとガスが晴れ青空が広がっているではないか!
そこで急いで山頂に向かう。あえぎつつ急ぐ。
たどり着いた山頂で絶景を撮影。間に合って良かった。
御池に下って風景を撮影し、山頂にもどる。
再びガスに隠され始めた山々を眺めながら昼食。
その後、坊がつるに下ってコーヒーを味わう。
凍結した暮雨の滝を撮影して吉部へと下った。

4:25吉部→6:25暮雨の滝(通過)→6:00大船林道合流→6:30~7:15坊がつる避難小屋→7:20大船山取り付き
→8:305合目→9:05段原→9:15~9:40避難小屋→10:05~12:40大船山・御池(昼食)
→13:05段原→13:255合目→14:00~14:35坊がつる→15:00大船林道分岐→15:25~15:40暮雨の滝→16:15吉部




1月8日早朝、九州全域に雪が降った。
私の住む佐伯市にも珍しく雪が積もった。
九重連山にもかなりの雪が積もっているに違いない。
ネットのライブカメラで確認すると、牧ノ戸は当然として、
くじゅう花公園付近の道路も圧雪路になっているようだ。

そこで、3連休のいつ、どの山に行くべきか熟考に沈んだ。
行く日は一番天気の良さそうな10日(日)に決めた。問題はどの山に行くか。
ゴマさんやマルワイさんは祖母山に行くそうだ。
祖母山にはたった一度、アケボノツツジを見に登ったことがあるだけ。
雪深い祖母山に一度登ってみたいという気持ちも当然ある。正直かなり気持ちが揺らいだ。
だが、これほどの雪が降ったときの九重連山をみなさんに紹介したい。
「九重連山を歩く」というHPを運営している身としてはそういう結論になった。

牧ノ戸からは前回登ったのでパス。
大曲からの三俣山も、もしガスったら大変なのでこれもやめておこう。
そこで大船山。できれば雪深い東尾根で登ってみたい。
だが東尾根はマイナールート。もしトレースがなければ山頂にたどり着ける自信がない。
ガラン台ルートとて似たようなものだ。
そこで、12月にも歩いたルートではあるが、吉部から登ることにした。
これだと坊がつるにも段原にも避難小屋がある。
もし想像以上に雪が深くてもなんとかなるだろう。


雪が深く、もしトレースがなければ時間がいつも以上にかかってしまう。
そこで、それを見越して早朝に入山することにした。
深夜12時半にアラームをセット(今回は慎重に)。
だがアラームの前に眼が覚めた。
竹田市付近から道路の周囲に雪が見え始め、
久住高原付近から雪道になった。
スタッドレスタイヤを履いているとは言え、慎重に運転。
無事、吉部駐車場に到着した。



吉部から入山すると、明瞭なトレースがある。これには一安心。
トレースがなければ急登に行くまでのルートさえ分かりにくいのではと心配していた。



雪深い急登を慎重に登る。


急登を登り終えた後もトレースに従って歩いていく。
ここは以前、トレースのないときに歩いたことがある。
だがそれは夜が明けて明るい状態でのこと。
暗い夜道をヘッドライト頼りに歩くときにトレースがないのでは不安だ。


やがて坊がつるの北端に到着。
大船山方面を見上げると、思いがけず月が見えた。
どうやら上空は晴れているようだ。
そう思って目をこらすと、山々の山頂にはガスがかかっていた。


風の吹く坊がつるを歩き、避難小屋に転がり込んだ。
中には若い男性が二人。「どこに行かれるんですか?」と尋ねられ「大船山へ」。
同じ問いを返すと意外にも「今日はこれから下山しようと思います」との返事。
いったいなぜ、と聞き直すと、昨日北千里浜から久住分かれまでラッセルし心が折れたそうだ。
小屋を出る二人に向かって「お疲れさま」と声を掛けた。



私はというと小腹が空いている。
行動食では物足りない。なにせこれから大船山に登るのだ。
そこで腹ごしらえすることにした。



食べ終えて小屋を出てみると、すっかり明るくなっている。



この極寒の中、小屋のそばにはテントが4張り。


小屋を出て7時20分に大船山に取り付いた。



幸いにもトレースがある。
この一面の雪の中、トレースがなければルートさえおぼつかない。
さらに新雪を踏んで歩くのはまさに体力勝負。
今の私にはその体力はない。


トレースさえあれば周囲の雪景色を眺める余裕さえ出てくる(笑)。




歩いていくうち、なんだか明るくなったように感じた。



振り返ると、青空の下に朝日を浴びた雲が見えた。



徐々に雪が深くなる。



吹きだまりはこんな感じ。



足下も頭の上も真っ白だ。




見上げれば霧氷と青空。



ようやく5合目に到着。
山々はガスに隠れて見えない。



少し待っているとガスが薄れ、中岳が見えた。



再び段原へ向けて歩き始める。



段原が少しずつ近づいてくる。
立ち止まって休憩していると単独男性に追い越された。



ようやく段原に到着。


先ほど私を追い越した男性が休憩中。
その男性と「上空に青空が見えているから陽が昇れば一気に晴れるかもしれませんね」と会話した。
まさかこれがこの後本当になるとは、このときの私は予想していなかった。



雪と霧氷の向こうに山頂が見えるはずだが…



待っていると一瞬ガスが薄れ山々が見えた。



まだガスが晴れるには時間がかかるだろう。
そこで避難小屋で時間調整することにした。



ガス晴れ待ちしながらおにぎりを食べることにした。
だがこのおにぎり、一部が凍っていた。
それも当然、この小屋の中でも気温は-8℃だった。


だがこのとき私は大きな判断ミスをしていた。
ガスが晴れるにはまだまだ時間がかかると思っていたのだが、
おにぎりを食べて窓の外を見ると日射しが射しているではないか!
あわてて荷物をザックに入れて小屋を出た。



尾根道を山頂へと急ぐ。
途中木々越しに眺めると、すばらしい青空が広がっている。急がねば!



予想通りの雪深い尾根道。



この斜面にトレースがあってよかった。
ここを最初に歩いた人はさぞ大変だっただろう。
あえぎつつ山頂に向かう。



雪まみれになりながら登る。
トレースがあっても大変だ。



山頂が近づいてきた。



ようやく山頂に到着。



山頂には唐津からいらしたという単独男性が休憩中。
その方のカメラのシャッターを押した後、私も撮影してもらった。


聞けばこの男性は昨日テント泊したという。
冬用の装備を準備してきたそうだが、それでも極寒の坊がつるはさぞ寒かったことだろう。


さて、ガスが晴れた風景を撮影しよう。



雪をまとい白く装った九重連山。
これほど白いくじゅうの山々は初めてかもしれない。



段原方面を望む。





遠く祖母傾山系を望む。
祖母山ではゴマさんやマルワイさんが絶景に歓声を挙げていることだろう。



だがこちらも負けてはいない(はず)。



三俣山のこの迫力はどうだ。



雲海の上に由布岳がわずかに覗いている、



雲海に見え隠れしている阿蘇五岳


周囲の風景を撮影したが、先ほど小屋でおにぎりを食べたため、まだお腹が空いていない。
そこで昼食の前に御池に下ることにした。



雪の向こうに御池を見下ろす。



雪と霧氷をまとった木々越しに御池を望む。



御池のほとりに下ってきた。





山頂下の台地にて。岩の上に立って撮影した。


さて、山頂にもどって昼食にしよう。



白菜・長ネギ・卵、牛肉



牛肉たっぷりの肉うどんが完成。



残念ながら調理している間にガスがやってきてしまった。


うどんを食べ終えてコーヒーを飲みながらガスの流れる風景を眺める。



気づけば山頂到着後、2時間半が経っている。
もう下山しなければ。



雪の尾根道を下っていく。



段原に下り山頂を振り返ったがガスの中だった。


ガスはすぐには晴れそうにない。
仕方がない、坊がつるに下るとするか。



5合目まで下ってきた。
木々に積もった雪が融けている。
まるでもうすぐ咲き始める梅の花のようだ。



一面の雪景色の中を下っていく。



雪の斜面にうつる影さえ楽しい。


段原からちょうど一時間かけて坊がつるに下ってきた。



真っ白な大船山を振り返る。



このまま下るのはあまりにももったいない。
そこで2杯目のコーヒーを飲むことにした。



今度は三俣山に登ろうかな。



それとも平治岳もいいかもしれない。


ゆっくり休憩しているうちに時間が気になってきた。
そろそろ下山することにしよう。



下りながら何度も大船山を振り返る。


下山途中に暮雨の滝に降りてみた。



氷結した暮雨の滝





雪景色の中を下っていく。



最後の急坂を慎重に下った。


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