中岳・天狗が城
2008年3月1日
 今日は9時頃まで曇との予報のため、いつもより少し遅めの7:15に牧ノ戸到着。もしや満車ではと思いつつ到着してみると車はほんの数台のみで拍子抜けした。まだ上空にはガスがあり、ゆっくり支度を済ませ7:50に入山。今日は凍結した純白の御池を初めて歩いて渡る予定である。
 うっすらと積もった新雪の上を歩く。沓掛展望台に着いてみると、久住山方面は厚いガスに覆われていた。そこで、休憩をしながら時間調整することに。やがてビデオカメラを抱えた男性が到着し、路面の凍結状況や、「やがて晴れるでしょうね」などと情報交換。この後はしばらくこの男性と抜きつ抜かれつといった感じになった。
 歩いているうち、やがて8:50くらいからガスが急速に切れ始め、9時にはすっかり晴れて気持ちのよい山歩きとなった。周りの純白の風景を撮影しながら歩く。
 久住分かれから御池へ。御池直前で2人組の男性に追い抜かれた。ところが凍結した純白の御池を渡ろうとすると、なにやら黒い物体が中央付近に2つある。何かと思って近づくと大ぶりの石だ。そうえいばさきほどの2人が投げ上げていたのを思い出した。2人はもう遠くまで行ってしまっているため、しかたなく1個ずつ抱え、岸辺に移動させ、再び標識まで戻ってリスタートである。純白の御池を初めて歩いて渡ることができた。向こう岸からはお気に入りのアングルでの写真も撮影できて大満足。
 続いて中岳へ向かった。凍り付いた登路を、アイゼンをきかせて慎重に登る。山頂からの絶景はすばらしいの一言に尽きる。そこで風をよけつつ、ここで昼食とした。
 昼食後は天狗が城へ。トレースがあるか心配だったが、何人かが歩いたようで、深く雪の積もった急勾配の斜面をトレースに従い慎重に登った。山頂は中岳以上に寒い。温度計は−17℃を指していた。寒いはずだ。それでも純白の久住山や星生山をカメラに収め、満足して下山した。
7:50牧ノ戸出発→8:15〜8:25沓掛展望台→9:30扇ケ鼻分岐→10:10久住分かれ→10:25〜10:45御池→11:00〜12:00中岳→12:15天狗が城→12:40久住分かれ→14:20牧ノ戸
スタート時の牧ノ戸駐車場。思ったほど車が多くない。上空はまだ雲で覆われていた。
うっすらと積もった新雪の上を歩く。最初はアイゼンも不要だった。
最初の展望台でいつものように三俣山を撮影。この後、念のためアイゼンを装着した。
沓掛山のマンサクが咲くのはいつ頃だろう。
写真ではわかりにくいかもしれないが、
凍結した上に薄く新雪が積もっている状態だ。
沓掛展望台に到着。やはり久住山方面はガスの中だ。今日はこの状況を予想していた。
「9時頃より晴れ」という天気予報を信じてゆっくり歩くことにして、時間調整も兼ねて休憩。
やがてビデオカメラを抱えた男性がやってきた。
「天気予報が当たるといいですね」
男性が出発したので私も後を追うように出発。この後は2人で抜きつ抜かれつの状態になった。
お互いカメラやビデオカメラで撮影するたびに立ち止まるため、そうなってしまうのだ。
温度計は−6℃を指していた。
毎回撮影しているアセビの花芽。マンサクの次はアセビだ。
カラマツ林の横を通過する8:45頃、ガスが急速に晴れてきた。三俣山のガスも晴れたようだ。
きれいに晴れた午前9時。天気予報は完璧だ。周囲の景色を楽しみながら気分良く歩き続ける。
霧氷越しに三俣山を望む。
雪深い登路を歩いていく。カメラが傾いているように思えるが、そうではない(と思う)。
やがて星生山が見えてきた。霧氷、雪をまとった星生山、そして青空。
霧氷越しに見る星生山(475KB)
扇ケ鼻分岐より。どこから撮っても絵になるので逆に困ってしまう。そのたびに立ち止まってカメラを構えてしまうのだ。
何度も立ち止まっているうちに男性(お顔をみる限りかなりの年配の方)に追い越された。
そこで風景の中に入ってもらうことにした。
ようやく星生崎に到着。盟主久住山を見上げる。しかし今日は御池が目的なので行く予定はない。
久住分かれの標識もかっこいいオブジェになっていた。
九重の四季」さんのホームページをみると、久住分かれからのこの辺りはふきだまりの名所だそうだ。
細く続くトレースを慎重にたどって歩く。幸い吹きだまりにはまることなく通過。

いよいよ今日の目的である御池が近づいてきた。その直前、2人組の男性に追い越された。
御池のほとりの標識に到着し、純白の御池を確認してアイゼンを装着する。
横目で見ていると男性2人は何かを投げ上げながら先に御池を渡って行った。
御池を渡ろうと湖面を見ると、2個の黒い物体がある。
近づいてみると、それは一抱えもあるかなり大きな石だった。
先ほど2人が投げ上げていたのはこれだったのだ。
真っ白な湖面に2個の石。見苦しいので2個とも抱えて岸辺に運んだ。
大きくて一度には持てず2往復するはめになってしまった。

石を運んだ後、標識まで一旦戻る。気を持ち直し、凍結した御池の初渡りである。
昨年まで私は冬山に登ったことがなく、「いつかここを渡ってみたい、でも自分にはムリかも」と思っていた。
ようやく思いがかなった。
渡り終えて振り返り、お気に入りのアングルで撮影する。
凍結した御池と天狗が城(456KB)
純白の御池を見下ろす。今日はこれを見るためにここまでやってきた。
純白の御池(471KB)
寒くてあまりじっとしていられないので中岳へ向かう。
鞍部より雪の中岳と遠く大船山を望む。
凍結した登路を、アイゼンをきかせて慎重に登る。
中岳山頂に到着。
まず辺りの絶景を撮影する。左に久住山、中央奥に扇ケ鼻、右手前に天狗が城、右奥に星生山。
雪の九重連山(494KB)
純白の久住山。遠くに阿蘇が見える。
大船山と平治岳。
少々寒いが、今日はこの絶景を見ながら昼食とした。
たっぷりの長ネギと卵・ウインナー入りのキムチうどん。
左に大船山、右に久住山を見ながらの昼食。
昼食後のコーヒーを味わい、天狗が城へと向かった。わずかなトレースをたどって登る。
途中の岩より御池を見下ろす。
中岳への登路とは違って雪が深い上に急斜面。トレースを慎重にたどって登ってきた。
風が強く、寒い。手がかじかむ。
山頂標識の温度計は−17℃を指していた。

寒いはずだ。
九州の山情報交換会議室」で、「天狗が城山頂の温度計は壊れているのでは」との情報をいただいた。ネットを検索してみると、「麺が好きィ〜!ブログえぬ(N)」さんのブログの2月11日のコメントにも「標識に設置された温度計を見ると・・・ 壊れているよね〜という低温表示。」という書き込みがあり、どうもこの温度計はイマイチ信用できないようである。(3月2日22:25追記)
中岳と大船山を振り返り、早々に下山することにした。
天狗が城からの下山途中に星生山を望む。
久住分かれより三俣山を撮影。手前の雪の白さがうれしい。
沓掛山の岩場まで下山し、尾根道を振り返った。
沓掛展望台からの下山道。ここはアイゼンが必要だろう。
実際、すべったと思われる足跡がいくつも見えた。

ここまでは観光客も登ってくるのでそんな人がすべったのかもしれない。
気持ちよい山歩きになったことを感謝しながら牧ノ戸へと下山した。
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