天狗が城・星生山
2009年1月4日
 新年初めての九重山行。雪や霧氷の具合を考えてできれば昨日3日にと思っていたが、2日の夜は同窓会。なつかしい顔と再会し、すばらしい時間を過ごし、酩酊しての深夜の帰宅。当然のごとく翌日の山行はできないわけで、本日の山行となった次第。今回は新年第1回ということで、数日遅いが今年1年の初日の出を拝むつもりでまたも朝駆け登山をすることにした。
 自宅出発が遅くなったがなんとか4:45に牧の戸を出発。しばらくは急ぐことなく淡々と歩く。ところが例によって久住分かれから焦り始め、御池から天狗が城まではあえぎながら必死にがんばり、なんとか黎明に間に合うことができた。雲がほとんどなく単調な夜明けだったのは残念だったが、自分なりの初日の出を拝むことができた。
 お腹が空いてきたため中岳をパスして御池に下る。この冬初めて湖面を歩いて天狗が城の下に行き、風を避けて朝食。デザートを食べコーヒーも飲んでのんびり過ごした。
 久住山もパスして久しぶりの星生山へ。その途中、久住分かれで靴ひもを結びなおしていると、天狗が城山頂と御池で一緒に撮影していた男性としばらく話す。なんと70才、登山歴は20才からの50年。まさにお元気な方であった。「じゃあ私も星生に行きますか」ということでその後は2人とものんびり写真を撮りながら星生山へと向かった。
4:45牧の戸出発→5:55扇ケ鼻分岐→6:25久住分かれ→6:45〜7:50天狗が城→8:00〜9:25御池(朝食)→9:40〜10:00久住分かれ→11:00〜11:20星生山→11:50扇ケ鼻分岐→13:00牧の戸
装備を確認し4:45に牧の戸を出発。やはり登路は雪で真っ白だ。
この夜はしぶんぎ座流星群の見える日である。
車で牧の戸へ向かう途中、1個だけ流星が見えた。
だがこの夜道、空を見上げながら歩くわけにもいかない。

足下を確認しながら淡々と歩く。
久住分かれを通過。東の空が明るくなっているのが見え、焦り始める。
もっと急げばよかったと思いつつ、なんとか黎明に間に合うよう急ぐ。
御池から天狗が城山頂へ向かう最後の登りはあえぎながら必死に登る。
ようやく間に合った、本日の黎明。
大船上空の雲が朝日を受けて染まる
山頂で待つこと30分。朝日が雲間から見えてきた。夜明けだ。
本当の意味での初日の出ではないが、手を合わせ今年1年の無事な山行を祈る。
朝日を受けた周囲の山々を撮影する。まずは久住山。
扇ケ鼻(左)と星生山。
三俣山と、右遠くに由布岳。
絞りを絞って星生山を撮影してみた。
山頂には私を含めて4人。みな無言で思い思いにシャッターを切る。
御池を見下ろす。一部は氷が溶けているのだろうか?
山頂に到着して1時間が経った。そろそろ中岳に向かうことにしよう。
鞍部より中岳と大船山を望む。
ところがこの後、やけにお腹が空いていることに気がついた。
急遽中岳をパスし、御池に下ることにする。
朝日が差し始めた御池を見下ろす。
見ると、男性が湖面を歩いている。これは自分も行かなければ。
この冬初めて御池を渡る。やはり気持ちいいものだ。
湖面には小さなエビのしっぽが並んでいた。
天狗が城の下で風を避けながら朝食。
がお湯を沸かしている間、熱心に写真を撮っていた男性。
この方は天狗が城山頂でも一緒に夜明けを撮影していた。
話を聞くと、昨日から九重にいて、昨日は6本、今日はすでに4本のフィルムを撮影したとのことだ。
今日はきつねうどん。
いつもの白菜・長ネギ・卵に加え、
正月らしく餅とかまぼこを入れてみた。
(単なる余り物と言うなかれ)
今日のデザートは渋柿。もちろんただの渋柿ではない。
「横野柿」という、特殊な製法で渋を抜いた柿だ。

種もなく、甘くておいしい柿だった。
柿を食べ終えてもまだ9時。のんびりと辺りを撮影する。
まずは霧氷の残る天狗が城を見上げる。青空が美しい。
上から見て黒く見えた部分は氷が薄く、湖底が透けて見えているところであった。
そこにある岩の周りにはこのような氷がついていて、まるで流氷のように見える。
なぜこのような形になるのだろう?
氷の上にはいくつか石が乗っている。
頭に来たのでボランティア精神で取り除こうと思ったが、
凍り付いていてびくともしなかった。
天狗が城と向かい合う。純白の氷と青空がいい感じだ。
私の好きなアングルでの1枚。これを撮れれば満足だ。
星生山へ向かうことにしよう。
久住分かれでの定点観測。
朝は暗かったし急いでいたので気づかなかったが、
立派なエビのしっぽがびっしりだ。
この標識のそばで靴ひもを結びなおしていると、大分市から来たという男性が話しかけてきた。
この方は天狗が城と御池で一緒に写真を撮っていた方である。70才ということだが若々しくてとてもそうは見えない。
登山歴は20才からの50年というから、私が生まれる前から登っていたわけである。私の登山歴5年の10倍だ。
「今は体力がなくなってしまって」とのことだが、私は24年後(現在46才)、九重連山に登り続けている自信はない。
私が「これから星生に登ります」というと、「じゃあ私もいくか」とのこと。
2人ともそれぞれのペースで星生崎にとりついた。
星生の窓から阿蘇五岳を覗いてみた。
雪の残る斜面越しに星生山頂を望む。
岩に張り付いたエビのしっぽを撮影。
だが稲星山のガメラの迫力には遠く及ばない。
かわいい枝が雪からやっと顔を覗かせている。
さぞ春が待ち遠しいことだろう。
「がんばれよ」と心の中で声をかけた。
星生山頂はもうすぐだ。
山頂に到着し、山々を撮影する。この風景はどうだ。
星生山頂より望む九重連山(494KB)
歩いてきた久住山方向を振り返る。
扇ケ鼻の向こうに阿蘇五岳を望む。この穏やかな雰囲気が好きだ。
阿蘇五岳(459KB)
先ほどの男性が私より遅れて山頂に到着、そのまま下山するのをあいさつを交わして見送った。
私はといえば、写真を撮った後もまだ山頂にいた。景色がきれいで、下るのがもったいないのだ。
とは言え、いつまでも山頂にいるわけにもいかない。
そろそろ下山するとしよう。
星生山頂から尾根道を下る。
ここは雪がずいぶん残っていて、まさに雪山といった感じだ。
池塘付近まで下り、星生山を振り返る。
まるで吸い込まれそうな青空だ。
扇ケ鼻を過ぎ、雲一つない青空と星生山を撮影。
星生山の上に白く見えるのは雲ではなく、硫黄山の噴煙である。
沓掛まで下り、歩いてきた道を振り返る。
硫黄山の噴煙が青空に映える。
よく見ると噴煙のすぐ左上に三日月が白く光っていた。
あまりにも小さいので拡大してみた。
アイゼンを着けて牧の戸へと下る。
豪快にすべった跡が残っていた。
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