天狗が城・中岳

2010年12月5日

 土曜日の休日出勤が急になくなり、ぽっかり空いた2日間。できれば土曜日に山行したかったが、金曜日の夜は気の置けない仲間との忘年会。ムリをせず(無論山行のことである。思いっきり呑むのは当然)、日曜日に山行することにした。快晴なので黎明を撮影すべく久しぶりの朝駆け登山である。
 3時半に牧の戸を出発。風もおだやかで意外なほど暖かい。登路に霜柱はあるもののガチガチではなく歩きやすい。沓掛の岩場を下りたところで2人組を追い越し、それからは前に明かりが見えずどうやら先頭のようだ。月明かりもなく心細い気分でとぼとぼと歩いていく。
 天狗が城に到着したがやはりだれもいない。まだ空は暗く、三脚を立てカメラをセットしたもののすることがない。辺りを見下ろすと池の小屋に明かりが見える。御池を周回している2人組は中岳に向かうようだ。そうやってしばらく待っているうちにようやく東の空が明るくなり始めて撮影開始。追い越した2人も上ってきて簡単な挨拶をかわし、それぞれが撮影に没頭する。
 夜明けや周囲の風景を撮影して一息つき、傍らにいる男性と再び挨拶すると、今まで二度お会いしている熊本のUさんであった。しばらく話をし、中岳へ向かう。中岳で朝食を食べ、下山。風もなく日差しが暖かいというより暑いくらいで、せっかく冬装備を持ってきたのにすべてザックに詰め込んで牧の戸へと下った。
 下山後は大分市の山渓へ行き、3足目となる登山靴を新調した。

3:25牧の戸→3:40沓掛展望台→4:30扇ケ鼻分岐→4:55久住分かれ→5:20〜7:25天狗が城→7:40〜8:55中岳(朝食)→9:05御池→9:25久住分かれ→9:50扇ケ鼻分岐→10:25沓掛展望台→10:35牧の戸


今日は久しぶりの朝駆け登山。
一体いつ以来なのかと調べてみて驚いた。今年の1月3日以来である。

通常は6時半を目安に入山しているが、朝駆けとなると(今の季節であれば)遅くとも4時には入山したい。
私の住む佐伯市から牧の戸までは2時間ちょっとの道のり。すると起床は1時半ということになる。
1時半に起床するのはなかなかきつい。要するに気合いが足りないのである。

今日は久しぶりに気合いを入れて早起きした。


3時過ぎの牧の戸駐車場は閑散としていた。早々に準備をして入山。
今日は快晴のため放射冷却で冷えると思って来たのだが、氷点下にもなっておらず、風もないため暖かい。
それでもしっかりと冬装備をして出発。


沓掛の岩場を下ったところで2人組を追い越した。どうやらご夫婦のようである。
ここからは前にライトも見えず、さびしい一人歩きとなった。

今日は旧暦で言えば10月30日で月は見えない。
立ち止まってヘッドライトを消してみると、頭上にはまさに降るような星空が広がっていた。



扇ケ鼻分岐を通過。
いつものアングルで撮影したが、もちろん星生山が見えるはずもない。



誰もいない山頂に到着。
牧の戸より1時間55分であった。


今日は超快晴のはず。見たいのは鮮やかなグラデーションの黎明である。
だがまだ空は真っ暗。早すぎたようだ。
そこでゆっくり三脚にカメラをセットし、のんびりと夜明けを待つ。
風が弱く、寒さを感じないのが幸いだ。



6時前、ようやく東の空が明るくなってきた。
上空に金星が輝いている。
中岳の右には大分市の明かりも見える。

写真の下に明かりが2つ。
右下は池の小屋と思われる。この方は稲星山へ向かった。
中央下は御池を周回して中岳へ向かう2人組。


本日の黎明。


徐々に明るくなってくる。
大船山の遥か向こうに山並みが見える

どうやら四国のようだ。
四国が見えるほどの透明度なのは久しぶりだ。


やがて中岳の右に朝日が登ってきた。


振り返ると星生山の上空が薄く裏焼けしていた。


三俣山にも朝日が差す。
由布岳もくっきり見えているのがうれしい。


朝日を浴びた阿蘇外輪山の向こうに雲仙普賢岳を望む。
大地の大きさを感じる。


普賢岳を望遠で捉えた。
有明海の上には雲海が広がっているのだろう。


すっかり明るくなった。
一部が氷結した御池を見下ろす。


久しぶりの黎明と夜明けの風景を堪能した。
気が付けば山頂に到着してから2時間も経っている。
そろそろお腹もすいてきたことだし、中岳に向かうことにしよう



中岳との鞍部より天狗が城を振り返る。
なんだか足が長くなった気分だ。


中岳山頂では2人の方が食事中だった。


早速周囲を撮影する。



まだ明けやらぬ黒々とした大船山。


平治岳(手前)と由布岳。


坊がつるにはテントが10張りほど。


中岳の影が伸びる。

ところがこの風景を見ていて気づいたことがある。
前回の山行で、硫黄山道路から見た泉水山と黒岩山にのびる影に対して
右が三俣山、左が星生山の影だ。」と書いたのだが、これは誤認ではないか。
この位置から見るとわかるのだが、星生山の影は黒岩山には伸びない。
三俣山の影の左に見えているのは大船山の影である。

私が前回星生山の影と思ったのは大船山の影だったのだ。



今日はこの風景を見ながら朝食。
辛口の麻婆豆腐丼。
たっぷりのネギがいい。


食後のデザートも冬バージョン。
温かいバナナヨーグルト。


食後のコーヒーをゆっくりすすり、気がつけばすでに1時間以上経っている。
この風景を見て下山することにした。


一部が氷結した御池を見下ろす。
御池と星生山、天狗が城と私(影のみ)。


湖畔には珍しい氷。
岩に片面だけ張り付いている。


久住分かれにて。


今日は阿蘇五岳も実にくっきりと見える。


暖かくなり冬装備を次々に脱いでザックに入れていく。
ぬかるみ始めた登路に足を取られながら牧の戸へと下った。


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