坊がつる

2013年12月22日

3連休の中日。天気はくもりのち晴れ。
山間部ではここ数日雪が降り続き、かなりの積雪になっているはず。
そこで雪深い吉部から入山した。

入念に寒さ対策をし、早朝に出発。途中でチェーンを巻き、6時過ぎになんとか吉部に到着した。
だが駐車に手間取り、出発したのは7時前。すでに予定より遅くなっている。
さらに2つの登山口のトレースを確認するのに時間がかかり、結局暮雨の滝ルートから7時20分に入山。
前日のものらしきトレースをたどって登る。ところが暮雨の滝の前を通過した後、トレースがなくなってしまった。
ほとんど初体験のラッセルで次第に疲れてきた。しかも時間がかかって仕方がない。
ようやく大船林道との合流地点に到着。やがて久住山方面と三俣山のガスが晴れ、青空が覗いてきた。

避難小屋に入って昼食。うどんを作り、コーヒーも飲んで下山する。
坊がつるを歩きながら振り返ると、大船山の上空にも青空が広がってきた。
やっぱり登るんだった、と反省と後悔の念を感じながら歩く。
時間があるので久しぶりに暮雨の滝に下り、雪景色の滝をカメラに納め、吉部へと向かった。

7:15吉部→8:15暮雨の滝(通過)→9:35大船林道合流→10:10〜11:25坊がつる(昼食)→11:55大船林道分岐→12:30〜12:55暮雨の滝→13:30吉部




3連休の初日は大分市で会議。2日目は何もない1日。
ここ数日、強い寒波が到来し日本海側を中心に雪が降り続いている。
山はかなりの積雪になっているはず。しかも天気予報は「朝はくもり、その後晴れる」という予報。
そこで、あこがれの「雪深い大船山」へ向かうことにした。


前夜、ネットでチェーン規制が出されているのを確認し、時間に余裕を見て早めに出発。
予想通り久住高原でチェーンを巻いた。
主要道路の方が安全なはずと考え、瀬の本から長者原経由でなんとか無事に吉部に到着。

ところが吉部の300円駐車場には15pほどの雪が積もっている。
私は南国佐伯市に住んでいるため雪道が苦手。たぶん、佐伯市に住んでいる方のほとんどがそうだと思う。
チェーンを持っていないのは当たり前で、一度もチェーンを巻いたことがない人の方が多いのではないだろうか。
雪の積もった駐車場はさらに苦手である。過去のいやな思い出が頭をよぎる。
もっとも、今日は先頭で到着しているため他の車はないのだが。
そんなわけで駐車に手間取り、ずいぶん時間がかかってしまった。


雪が深いことから、時間に余裕を見て予定では6時頃に入山するつもりだったのに、すでに7時前。
吉部から雪深い大船山へ向かうには、クリアすべき点が3つあると予想していた。
雪道と、雪の積もった駐車場、そして「登山道のトレース」である。
暮雨の滝ルートの登山口で確認すると、わずかなトレースがあるのみ。
そこで川向こうの登山口に行ってみることにした。



鳴子川にかかる橋を渡り、川向こうのルートの登山口へ向かう。



登山口に到着したが、期待したトレースはなかった。



一応数十m歩いてみたが、はなからこれでは迷わずに歩く自信はない。
そこで先ほど通過したもう1つの登山口まで戻ることにした。



結局暮雨の滝ルートから入山。すでに7時15分。
駐車のときの時間ロスに加えてこのロスは痛かった。


おそらく前日のものと思われるトレースを踏んで歩き始める。



やがて急登を登る。



急登を越えるとほぼ平坦な道となり、周囲の雪を見ながらトレースをたどって歩く。
佐伯市ではめったに雪が降らない。ましてこんな一面の雪なんてあり得ない。



登路脇の木はみなこんな風に雪が枝に積もって枝垂れている。
このまま通過しようとすれば頭上から雪の洗礼を浴びることは明白。
そこで枝をゆすって雪を落としてから通過する。
雪を落とした枝は元通りの姿を取り戻す。
雪は重いんだと改めて実感。
兼六園で雪吊りをするのも頷ける。


暮雨の滝の入口を通過し歩いていくと、徐々に雪が深くなってきた。
すると突然、トレースが消えた。
ここまでトレースによって押し固められていた雪道だったのに、
必然的にラッセルするはめになった。



雪の深さは20〜30p。膝下ほどの深さである。



小動物の足跡が先導してくれているようだ。



一面の雪の中をラッセルしていく。
何度も歩いているルートではあるが、時折現れるテープを確認しながら慎重に進む。



振り返ると、自分の足跡が残っている。
思わず、高村光太郎の「道程」という懐かしい詩を思い出した。


ラッセルを始めて30分が過ぎ、いいかげん疲れてきた。
こんなとき、単独登山は交代できないからつらい。
せめて3人いれば、順番にラッセルできるのに。
坊がつるまでの道のりがこんなに遠く感じられたのは初めてだ。



おまけにこんなところもある。
ここを進まなければならないのだからいやになってくる。



ようやく見慣れた風景に出会った。もうひとがんばり。


やっとの思いで大船林に合流した。やれやれ・・・。
すでに時刻は9時半を過ぎている。しかも長時間のラッセルでかなり疲れを感じる始末。
今日は大船山のつもりだったが、これでは坊がつるまでの往復にしておくのが無難かもしれない。



大船林道はきれいに除雪されていた。



やがて正面に久住山方面の山々が見えてきた。
ガスが晴れ始めているようで、わずかに青空も見える。



雪原越しに見上げる平治岳にはまだ厚いガス。



三俣山がガスの中から姿を現してきた。



久住山方面の山々のガスはきれいに晴れた。
きっと山頂では歓声が上がっていることだろう。




坊がつるのベンチには「ふんわり」という言葉がぴったりの雪が積もっている。



こんなことをしたくなる気持ちもよくわかる。
もちろんこれは私のしたことではないので念のため。


この直後、歩いていると左足に違和感を感じた。
見下ろしてみるとアイゼンが壊れている。
修理も不可能のようで、困ったな・・・。



野営場に到着。こんな寒さの中でもテント泊されている方がいる。



野営場に積もった雪と、三俣山の雪、そして青空。



時刻はすでに10時を過ぎており、かなりの空腹感を感じる。
そこで管理休憩舎に入って休憩することにした。


慣れないラッセルによる疲れ、時間の遅れ、そしてアイゼン。
せっかくの雪と青空だが、悩んだ末、無理をせずに大船山へは向かわないことにした。
そこで、のんびり昼食とする。




今日はきつねうどん。
風景がないのが残念だ。


コーヒーを飲み、下山する。



管理休憩舎の近くから望む久住山方面の山々と三俣山。



下りながら振り返ると、大船山の山頂が見えた。
あそこに立ちたかったな・・・。
反省と後悔の念を感じながら歩く。


自分のつけたトレースをたどりながら暮雨の滝ルートを下っていく。



今日は山頂に行かなかったせいで時間にはまだ余裕がある。
そこで久しぶりに滝に下りてみることにした。



滝に下ってしばらく待っていると、青空が広がり日が差してきた。





一人で滝を眺めながら、時間の経つのを忘れた。
さて、吉部へと下ろう。



最後の急な下りを慎重に下りる。
明日は山渓に行ってアイゼンを買ってこよう。



吉部に下り、佐伯市へ帰宅。
その途中、久住高原で青空の広がる九重連山を振り返った。


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