三俣山【夕駆け】・久住山【朝駆け】

2021年9月19日~20日


3連休中の晴れの予報の2日間。
山仲間のみなさんとオールナイト登山に初挑戦することになった。

ゴマさん・ムギさんと一緒に大曲から入山。
すがもり越で牧ノ戸から入山したミッチさんと合流。
三俣山西峰に登り、まずはリンドウを撮影。
その後は雲の様子にやきもきしながら夕暮れを待つ。
やがて6時に夕暮れを迎え、すがもり越に下る。
そのまま北千里浜を経由し、久住分かれへ。
なんとか登り切り、久住山避難小屋に到着。
中岳で夕暮れを迎えていたマルワイさんと合流した。
遅めの夕食を済ませ、歓談しながらのんびりと過ごす。
やがて御池へと出発。池に映る月を撮影。
ところがガスがやってきてしまい、池の小屋へ避難する。
夜明けが近くなったので小屋を出て久住山の東尾根へ。
牧ノ戸からソロでの朝駆け初挑戦のKさんが合流。
総勢6人で朝日を望む。その後は朝露の撮影と続く。
久住山頂で朝食、そしてコーヒータイム。
普段なら朝駆け後も他の山へ行くのだが、
さすがに今日は素直に下山。
リンドウを探しながら西千里浜を下る。
初めてのオールナイト登山は眠かったが楽しかった。

12:15大曲→13:20~13:35すがもり越→14:10~18:40三俣山(西峰)→19:00すがもり越→北千里浜
→20:10久住分かれ→久住山避難小屋(夕食)→御池→池の小屋→御池→5:15~7:50久住山(朝食)
→8:35久住分かれ→西千里浜→9:35扇ガ鼻分岐→10:55沓掛展望台→11:10牧ノ戸




敬老の日を含む3連休。
初日(9月18日土曜日)はいつもの休日出勤。
残る2日は何も予定がない。しかも晴れるようだ。
そこで18日の午後に山仲間とLINEで相談。
当初はミッチさんと2人で次の計画を立てた。
「1台を大曲に置き、2人で牧ノ戸から朝駆け。
その後、三俣山に向かいリンドウを撮影して大曲に下山。」
これは私の「朝駆けと三俣山リンドウの両方を」という要望に
ミッチさんが応えてくれてできた案。

ところがその後、ゴマさんから驚愕の提案が。それは…
「大曲から入山して三俣山のリンドウを撮影し、そのまま夕駆け。
その後、久住分かれに向かい避難小屋周辺で夜を過ごし(星空の撮影など)、
中岳付近で朝日を撮影して下山。」というもの。
「夕駆けからの朝駆け」、つまり「オールナイト登山」である。
これは山仲間のマルワイさんが通常やっているスタイル。
私たちにはとうてい真似できないと思っていた。
だが、一人でなく仲間がいればなんとかなるかもしれない(笑)。
そこで、ミッチさんとの最初の案をキャンセルして同行することにした。
くじゅうを歩き始めて18年目にして初挑戦である。
はたしてどうなることやら。


ゴマさん・ムギさんと大曲を12:15に出発。
まだ暑い中、すがもり越へと向かう。
上空は残念ながら曇り空。
今日は晴れるんじゃなかったっけ?

すがもり越に到着すると、りこさんがお出迎え。
りこさんが言うには「ミッチさんがここに来るはずなんだけど…」
確かにその通り。ミッチさんはここで私たちを待っているはず。
そこでベンチに向かって「ミッチさ~ん」と声を掛けると
「は~い」と返ってきた。

みっちさんが言うには
「おばちゃんに『どこからですか?』って聞かれたから
『牧の戸からです』って答えたら『えっ』て言われたの。
だから『今日は最初に黒岩山に朝駆けして、そのあと牧ノ戸からここまで来て、
今から三俣山に夕掛けして、そのまま久住山あたりで朝駆けするんです』
って言ったら『ちょっと何言ってるかわかんない』って言われた。」
まるでサンドイッチマンのギャグのようだが、
確かに普通の人には理解できない行程だろうな~



「用事があって今日はここまで」というりこさん(手前)に見送られ、西峰に向けて出発。



西峰の稜線に上がってきた。
このケルンの向こうにはリンドウの群落がある。
今日こそきっと咲いているはずだ。
(それはこの写真にも花が写っていることからも間違いないと想像できた。)



その群落がこれ。
たぶん三俣山(というよりくじゅう全体)で一番の群落ではないだろうか。


今日は時間がまさにたっぷりある。
そこでじっくり撮影することにした。



撮影に一区切りつけ(何しろあちこちに咲いているものだから切りがない)
山頂に向かう。



山頂に向かう途中にあった花束。



さらにこれ。
リンドウは私が好きな花。
その花を十分満喫した。


だが今回の山行の目的はリンドウだけではない。
と言うよりリンドウはほんの一部。お楽しみはこれからだ。


西峰山頂に到着し周囲を眺める。



星生山がガスで隠れてしまっている。
上空には一面の雲。
今日は一日中晴れの予報だったはずなのに…


時刻はまだ2時半。日が暮れるまでには3時間半もある。
すっきり晴れていれば本峰や南峰にいくのだが、曇りではなあ…
そこで先ほどの稜線にもどってのんびり待つことにした。



一輪だけ咲いていた色違いのリンドウ。
ムギさんが見つけてくれた。



ゴマさんからカップケーキをいただき、
ミッチさんからお菓子をいただいた。
そしてムギさんからは、なんとビール!
山頂でビールが飲めるなんて!
私からはコーヒーのお返しをした。


楽しく話をしながら実にまったりと時間が過ぎていく。



時刻は4時半。
山仲間のマルワイさんは別行動。
どうしているのかとLINEしたら、
「迷った末に天狗が城に着きましたが、ガスってます」との返事。
確かに深いガスの中だ。
これは夕日が望めるのか心配になってきた。



ところがしばらくすると南峰や大船山の方からわずかに青空が広がってきた。



久住山方面にも青空。
ガスも少しずつ晴れてきた。いいぞいいぞ!



雲間から斜光が射している。
(右に見えているのは黒岩山)



ガスがかかった大船山。



少しずつ夕暮れが近づいてくる。




斜光射す山々



大船山に三俣山の影が伸びている。
すでにわずかにアーベントしているようだ。



ススキもわずかに染まっている。



夕日を眺めるムギさん。
まるで映画の一シーンのようだ。



大船山のアーベントロート。



太陽が雲に沈んでいく。



10分ほど待っていると、雲の下から再び夕日が現れてきた。



初めての夕駆けを満喫。


ミッチさんいわく、「夕駆けは日が沈んでから30分が勝負」とのこと。
それを聞いていたにも関わらず、我々は夕日が沈んだのを見届けると
すぐに下山を開始してしまった。
すがもり越に下りながらふと西の空を見上げると…



茜色に染まった空が…(T_T)
今回はもうしょうがない。
もし次回があれば、この失敗を生かそう。


すがもり越に下山して、休憩することなく北千里浜に下る。
計画ではすがもり越で夕食の予定だった。
だが、夕食を食べていると動くのが億劫になってしまう恐れがある。
そこで、元気のあるうちに、一気に久住分かれまで歩いてしまおう、ということ。

暗闇の中、ヘッドライトを頼りに北千里浜を歩く。
徐々に斜度がきつくなる。でもここは頑張るしかない。
先をゆくミッチさんとムギさんはまだ元気。
遅れて歩く私とゴマさんは自分のペースで。
ようやく久住分かれにたどり着いたときにはほっとした。



久住山避難小屋に入り、ここで遅い夕食を食べる。



具だくさんのサンドイッチ。
実はこのメニュー、当初は日中の三俣山で食べるつもりで準備したもの。
普段私は家で食べる夕食にこんな量は食べない。
というか、ご飯粒は食べないことにしている。
おかずをつまみにビールを飲んで終了という日々。
飲み会でもない限り、こんな量の夕食はありえない。
食べ過ぎだろ、と思いながらも食べあげた(笑)。

食べ終えると楽しく会話が始まった。
だがそのうち日中の疲れが出始め…
そのうち誰ともなくうとうと…


そのうち眼が覚め、行動再開。
今日は「オールナイト登山」だ。
外に出たゴマさんとマルワイさんが「月が出てるよ」と教えてくれた。



久住山の上に浮かぶ月。
月の右に見えているのは、順番に木星と土星だ。



振り返って星生崎を撮影。
右下に見えているのはもちろん久住山避難小屋。


小屋に戻りみなさんと相談する。
その結果、朝駆けに登ってくるもう一人の山仲間のKさんを待つためムギさんが小屋に残り、
残りの4人は御池に向かうことにした。



御池に到着し星空を撮影。
右上にオリオン座が写っているのだがわかるだろうか。


私たちのねらいは「御池の湖面に映る月」。
そこで月が映るであろう向こう側に移動。



大岩の上で月と一緒に湖面に映る月を撮影できた。
右には遠く星生山も見えている。
何度も見ている風景だが、実に新鮮だった。


この後、永松テラスに上がってみたのだが、あいにくガスが広がってきた。
ガスでは撮影をあきらめるしかない。
そこで池の小屋に転がり込むことにした。

池の小屋に到着したものの、今度は何もすることがない。
するとここでもうたたね…山行の疲れもあるので…


やがて黎明が始まる1時間ほど前になり、行動再開。
小屋を出て久住山に向かう。

今日はKさんが単独で牧ノ戸から朝駆けしている。
彼女にとっては初めての「ソロ」での朝駆け。
久住山避難小屋で無事にムギさんと合流したそうだ。
我々より一足先に久住山頂に到着したと連絡。
「夜明けを迎えるのは東尾根だよ」と連絡し、そこで合流した。



今日は雲一つない完璧な黎明。



望遠で拡大して撮影。
私はこのグラデーションが好きだ。



燃え上がるような曙色



白口岳にガスがまとわりついている。



振り返ると久住山の向こうにわずかな裏焼けが広がっていた。



夜明けが近い。



6:02に朝日が昇ってきた。





ガスが朝日に染まっている。



大船山のシルエットもいい。


朝日の撮影を終えてのんびりしていると、山仲間のみなさんがうずくまって何やら撮影している。
一体何を撮影しているのだろうと聞いてみると、朝露を撮っているのだという。
あまり興味はないのだが、一体どんな風になるのか、マクロレンズで撮影してみた。






朝露の撮影を終えて顔を上げると、遠くに不思議な雲がある。
雲が由布岳をすっぽりと覆っているのだ。
見ている分には珍しくておもしろいが、
当の由布岳に登っている登山者には何も見えないことだろう。



みなさんはまだ朝露の撮影中。
そこで私はススキを撮影。


やがてようやくみなさんが満足したようだ。
では久住山に向かい、朝食にしましょう。



久住山は九重連山を代表する山だが、私は今年2回目。
どうも賑やかすぎて苦手なのだ。
今日は朝駆けなので静かな山頂。


まずは朝食前に風景の撮影をしておこう。



斜光射す三俣山



久住山の影が伸びている。



朝食はお手軽にモンベルのアルファ米とポタージュスープ。
食後は当然コーヒーを味わった。


さて、まだ8時前だけど、下山しましょうか。



下りながらリンドウを探し、撮影。
(背景は久住山)



久住分かれにてススキと三俣山を撮影。



秋だなあ…



久住山避難小屋前にて



星生崎を見上げる。


今日朝駆けした山仲間のKさんはまだ元気いっぱい(そりゃそうだ)。
「星生山に行こうと思うんですけど」と言う。
いつもであれば「よし、行こうか」となるのだが、
あいにく今日はオールナイト登山のため気力・体力ともない。
さすがのミッチさんも「ごめんね…」(ミッチさんがムリならみんなムリ)
そういうわけで星生山に向かうKさんをみんなで見送った。



西千里浜にて



アキノキリンソウ



西千里浜より星生山を見上げる。
Kさんはきっとこのどこかを歩いているはず。
と思っていると、ゴマさんが「あそこにいる!」
赤い帽子が見えるのだそうだ。(私には見えなかった)



扇ガ鼻分岐にて。
この風景を眺めながらKさんが下ってくるのをのんびりと待った。



下る途中、星生山を振り返る。
ここを下る時にはこの風景を撮影しないわけにはいかない。


さすがに疲れたためだろう、下山はみなさん黙々と歩く。



沓掛山の手前で最後の休憩。
よし、もう一頑張りだ。



第1展望台でススキ越しに三俣山を望む。
昨日から今日まで、あの三俣山からずいぶん歩いたなあ…


初めての「オールナイト登山」は本当に楽しかった。
もしかするとこの登山スタイル、またあるかもしれないぞ。
ただ、くじゅうから佐伯市に戻る車の運転はさすがにつらかった。
いつもなら一度するかどうかの仮眠なのだが、
今回は3回もするはめになってしまった。




一緒に歩いた山仲間の山行日記もぜひ。
ゴマさん
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