中岳・天狗が城

2021年12月25日


12月5日(日)以来、3週間ぶりの山行。
牧ノ戸から御池方面をめざすことにした。

7時に入山。周囲は深いガス。
展望の全くない中、霧氷を眺めつつ歩いていく。
久住山避難小屋で小休憩し、御池へ。
氷の上を歩いてそのまま池の小屋へ。
のんびり昼食を食べ、コーヒーを飲んでいるとガスが晴れ始めた。
そこで中岳に向かう。山頂に到着する頃にはすっきりと青空が広がった。
霧氷に覆われた山々と青空を眺める時間は最高だった。
天狗が城を経て下る。
風も収まってきたので久住山避難小屋前で2杯目のコーヒー。
今までの疲れを吹き飛ばすようないい山行だった。

7:05牧ノ戸→7:30沓掛展望台→8:30扇ガ鼻分岐→9:00~9:30久住山避難小屋→9:55御池
→10:05~11:30池の小屋(昼食)→12:15~12:40中岳→13:00~13:10天狗が城→13:35くじゅう分かれ
→13:40~14:10久住山避難小屋前→14:40扇ガ鼻分岐→15:35沓掛展望台→15:45牧ノ戸




前回12月5日(日)の山行以来、3週間ぶりの山行である。
とは言っても、その12月5日の分はまだ更新できていない。
というのは、12月が激務でHPを更新する気力がなかったためである。
私は今年、職場に3つあるチームのチーム長という立場。
常に先を見通して段取りを付け、仲間に的確な指示を出すのが主な役目。
(もちろんそれだけではないが、一番私が重視しているのはそれ)
12月はさらに、100枚ほどの文書作成が加わった。期限は12月24日。
しかもそのすべてがミスの許されないもの。当然神経を使う。
慌ててやってしまうととんでもないことになりかねない。
そこで、平日の残業はもとより、土日もフルに休日出勤することにした。
そのおかげでなんとか期限に間に合ったのだが、正直疲れ果てた。
12月の超過勤務は90時間。これは24日までのものなので、
このペースを1ヶ月(31日)で換算すれば116時間ということになる。
我ながらよく乗り越えたものだと思う。
実際、24日にすべての処理を終えて帰宅したときには、
食欲もなくビールさえ飲む気にならなかった。
(もちろんビールは飲んだけれど…笑)


そんな状況で、山行は日曜日にしようと思っていた。
だが天気予報をチェックしてみると、土曜日の方がいい。
そこで、25日(土)に山行することにした。
山仲間のLINEでは、みなさん祖母山に向かうようだが、
私にはとてもそんな気力はない。
いつものように牧ノ戸から入山し、気の向くままに歩くことにしよう。


早朝6時前に牧ノ戸に到着。
だが周囲は実に深いガスに覆われている。
牧ノ戸にたどり着いたときにも周囲がほとんど見えず、
牧ノ戸峠の標識を見てようやく牧ノ戸に着いたことがわかったほど。
こんな深いガスはあまり経験がない。
そこで、明るくなるのを待って入山することにした。



第1展望台より沓掛山を見上げる。
と言ってもガスで全く見えないが…



沓掛の尾根にある(ささやかな)霧氷のトンネル。



沓掛の岩場で尾根道を撮影してみた。
だがこのありさま。
こんな深いガスだがそのうち晴れるはず。


昨夜の体調はよくなかったが、一晩寝たらかなり回復した。
これならいつものように歩けそうだ。
今日は単独なのでマイペースでゆっくり歩いていく。



ここは扇ガ鼻分岐手前。
星生山西壁の霧氷を撮影した(つもり)。



ケルン並ぶ西千里浜。
3つ先のケルンさえガスでほとんど見えない。



ここは星生崎下の久住山や天狗が城を眺めるポイント。
避難小屋前の広場は見えるが、小屋は見えない。



その小屋に入って休憩することにした。
このガスはしばらく晴れないだろうから、急ぐことはない。


30分ほど休憩して小屋を出た。
次に向かうのは当然御池、というか池の小屋だ。



天狗が城も当然ガスの中…
これほど何も見えないとなると、朝駆けのときとあまり変わらないような気がしてきた…



御池に到着。
当然凍結しているのでアイゼンを付けて歩くことにした。



冬のくじゅうに来たなあ…



立派な霧氷を撮影しただけで池の小屋に向かう。



厳冬の中、池の小屋の存在は実にありがたい。
中では数名の方が休憩中だった。


ザックを下ろし、のんびり昼食づくりにとりかかる。
ところが、いつものように食材の写真を撮ろうと並べたときのこと。
なんと味付けのポーション(寄せ鍋の元)を忘れたことに気がついた。
味付けできなくても食べられないことはないが、おいしくはない(たぶん)。
そこで、食材を入れている袋の中身を全部出してみた。
すると、あったあった!これがあればなんとかなる!



今日の食材。
右上は合鴨のつみれ。
白菜・白ネギに卵、えび天。
左下が見つけた「ちょっとどんぶり」。
和食だし、まあ似たようなものだろう(笑)。



合鴨つみれうどん(えび天のせ)が無事完成。
予想通り、普通に食べられた。


食後はコーヒー。
「5」の豆をミルで挽こうと準備していると、
小屋にいた4人の若者たちが同じように豆を挽き始めた。
最近豆を挽いている方を時々見かけるようになってきたのは気のせいだろうか?

コーヒーをゆっくり味わっていると、外が明るくなった。
みなさんと一緒に外に出て見ると、御池が見えている。
これはもうすぐ晴れるかもしれないぞ。



ガスが薄れわずかに見えた御池


コーヒーを飲み終え荷物の撤収。
だがまだガスはすっきり晴れていない。
しばらく小屋で待っていると徐々に晴れる時間が長くなってきた。
よし、小屋を出て中岳に向かおう。きっとそのうち晴れるはずだ。



中岳の上に青空が覗いた。



稲星山にも青空。


小屋付近にはまっすぐ立っているのも難しいほどの強風。
上空の雲はさらに強い西風に流されていく。
刻々と状況が変化する。



わずか数分ですっきりと青空が広がった。



強風に負けないように踏ん張りつつ、
一面の霧氷の向こうに御池と天狗が城を望む。
寒いけど、これは最高だ。



霧氷越しに中岳を見上げる。



山頂直下より中岳山頂を見上げる。



先行する登山者の方々が何やら指しているようだ…



振り返るとこの風景が広がっていた。なるほど。



山頂に到着。
山頂にも強風が吹き荒れていた。



まずは大船山を撮影。
霧氷で装った大船山は実にかっこいい。



望遠で拡大してみた。



今度は広角レンズで撮影。
右に見えているのは白口岳。



霧氷越しに。



三俣山



最後に久住山方面の山々を撮影。
先程まで数名の方が山頂にいたのだが、いつのまにか私一人。
じっとこの風景を眺める。

激務で疲れ果てていた心が一気に開放されていく…

そのうち、今日のこの青空と霧氷は、なんだか私へのご褒美のような気がしてきた。
そう言えばこの1ヶ月、我ながらよくがんばってきたよなあ…
そんなことを考えていると、ふと目頭が熱くなってしまった。


さて、天狗が城に向かうとしよう。



天狗が城に向かいながら中岳と大船山を振り返る。


ほどなく天狗が城に到着。



北斜面の霧氷越しに三俣山を望む。




久住山と御池



あれ?あんなところにサンタがいるぞ。
しかも撮影会してるみたいだ…笑



斜面の霧氷越しに星生山を撮影し、下ることにした。
なにしろ天狗が城山頂は風を遮るものがない。
(年明けの朝駆けは中岳にしようかな…)



御池越しの中岳。
湖上ではそり遊びをしている人もいる。



霧氷越しに天狗が城山頂を見上げる。



朝あれだけ深かったガスがまるでうそのようだ。



久住分かれにて。



久住山避難小屋前で岩陰に腰を下ろし、2杯目のコーヒーを飲む。
何も考えず、ただのんびりコーヒーを飲む。それがうれしい。


さて、下山するとしようか。



ザックを背負って振り返ると、あんなとことにもサンタが!
しかも小屋の入口にいるのはツリーじゃないか?



星生崎下より山々を振り返る。



星生崎の上空の青空は吸い込まれるような青色だ。



風も弱まり穏やかな西千里浜を下っていく。



登山道脇に並ぶ霧氷はまるで木々に咲いた白い花のようだ。



扇ガ鼻分岐にて霧氷越しに星生山を振り返る。



霧氷の隙間から星生山頂を覗く。



朝は全く見えなかった西壁の霧氷。



沓掛の岩場で尾根道を振り返り、牧ノ戸へと下った。


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