久住山・星生山
2008年2月10日
 先週2月2日・3日は九重連山に大雪が降り、ようやく九重にも本格的な冬がやってきた。残念ながらその先週末は2日間とも家庭の事情で山行できなかった。そこで今日は、念願だった雪山登山に初挑戦である。思えば昨年の夏頃、職場の同僚から「雪山もいいですよ」と言われていた(この同僚は子どもの頃から両親に連れられ山に登っていたという)。そのときは「雪山なんて危険すぎて絶対登らない」と答えていたのだが。
 途中チェーンを巻く必要もあると予想。案の定瀬の本からの登りの途中、チェーンを巻く。しかし慣れていないためにとまどい、ずいぶん時間がかかってしまった。牧ノ戸に到着した7時半頃、駐車場にはすでに多くの車が留まっており、準備している間にも次々と到着する。急いで準備を済ませ、7時50分に入山。
 沓掛展望台までの登路は雪で真っ白。辺りの木々にも雪が残っている。佐伯市に住む私は雪を見ることがほとんどないので気分良く登る。しかし、展望台まで登ってみると、扇ケ鼻や星生山の山頂は完全にガスの中。ちょっとトーンダウンするものの、「昼頃から晴れる」という予報を信じて歩く。私はかってに「日差しの強くなる10時頃からガスが切れるのでは」と予想していた。
 気温も−7℃と低い上に風も少しあり、寒い。手がかじかむ。黙々と歩き、扇ケ鼻分岐に到着。ここでもし晴れていれば先に星生山に登るつもりでいたが、完全にガスにおおわれているため久住山へと向かうことにした。さらに歩くにつれて徐々にガスの中に入っていく。星生崎に着いてみると久住山もガスの中だ。しかたなく避難小屋で時間調整をしたが、人が多く、ちょっと外へ出た間に座るスペースがなくなったため、しかたなく久住山へと登り始めた。山頂に近づくにつれてさらに寒くなり、悪いことにデジカメの調子が悪くなって撮影できなくなってしまった。幸い山頂に到着した11時前頃からガスが切れ始め、到着後は阿蘇方面が先に開けてきた。予想通りだ。そこで晴れるのを待ちながら昼食とした。
 ゆっくり食べ、コーヒーを飲んでいるうちに完全に晴れた。ダウンジャケットの内側に入れておいたデジカメも復活。白一色の山々を撮影する。撮影を一旦終え、山頂標識のそばでたたずんでいると、先ほどから同じように撮影していた女性とどちらともなく「来てよかった」「ほんと、来てよかったですね」と会話を交わした。
 久住山を下り、久住分かれから純白の星生山をめざそうと思ったが、トレースがなく、西千里浜から南面を登ることに変更。ところが想像以上に雪が深く、かなりバテつつ山頂に到着した。
 下山中、カラマツ林の手前で「九重連山の光と影」のオアシスさんとばったり出会う。今日は扇ケ鼻で星生山と肥前が城のダブルアーベントねらいだそうだ。はたしてどうだっただろうか。
7:50牧ノ戸出発→8:15沓掛展望台→9:15扇ケ鼻分岐→10:10〜10:30久住避難小屋→10:50〜12:00久住山→12:45西千里浜(星生山取り付き)→13:10〜13:20星生山→14:00扇ケ鼻分岐→15:00牧ノ戸
牧ノ戸駐車場に続々と登山者の車がやってくる。
路面は凍結し、チェーンを巻いてここまでたどりついた。
実はタイヤチェーンを巻いたのは18年ぶりである。
7:50入山。
登路は真っ白で木々にも雪が残る。
雪の積もることがほとんどない佐伯市に住む私にとっては珍しい光景。
子どもたちが見たら喜ぶことだろう。
第1展望台にていつものように三俣山を撮影。ところが山頂付近は厚いガスに覆われている。いやな予感・・・。
登りながら振り返ると、霧氷越しに朝日を浴びた湧蓋山の姿が見えた。
沓掛展望台に到着。やはり扇ケ鼻も星生山もガスの中だ。まあ午前中はしかたがない。
登っているうちに晴れてくることを期待しよう。
鍋谷の木々の間に雪が白く見える。
気温−7℃。風も少しあり、寒い。
小さな葉に霧氷が飾り付けをしている。
つららを見るなんて、何年ぶりだろう。そもそも佐伯市では氷さえめったに張らないのだ。
沓掛山の岩場も雪で真っ白だ。もちろんアイゼンをつけているが、それでも慎重になる。
白い帽子をかぶっているようだ。
扇ケ鼻分岐に到着。しかしこの先に見えるはずの星生山は完全にガスの中だ。
晴れていれば星生山に行くつもりだったのだが、あきらめて先に久住山をめざすことにした。
前を行く人の姿を目で追いながら、トレースをたどっていく。私にとっては初めての体験だ。
久住避難小屋前の広場に到着。しかし久住山はガスの中。しばらく小屋で時間調整をすることにした。
避難小屋で腰をおろしたものの、今日はこの天候にもかかわらず多くの登山者が次から次へとやってくる(もちろん私もその一人であるわけだが)。
しばし休憩の後、外の様子を見ようと一旦小屋から出てすぐにもどると、もう座る場所がなかった・・・。しかたなく久住山へ向かうことにした。

寒さのためか、なんとデジカメが撮影できなくなってしまった。そう言えばつい先ほど近くにいた登山者のグループが、「零下の気温でもデジカメってちゃんと動いてくれるんかなあ」と話していたのを思い出した。聞き流していたがまさかそれが現実になるとは。意気消沈しつつそれでも山頂をめざした。
山頂に着く頃、ガスが時折切れ始めた。山頂では阿蘇方面は展望が開けており、ここで昼食を取ることにした。今日はうどんであるが、白菜・長ネギ・ウインナー・卵の入ったスペシャルバージョン。これを撮影できないのは悔しいがしかたがない。ふと「懐で温めたらどうだろう」と思いつき、ダウンジャケットの内側にデジカメを入れたまま食べることにした。雪で白く化粧した久住高原を見下ろしながらうどんを食べ、コーヒーを飲んだ。

温めたのがよかったのだろう、デジカメが復活!昼食を食べている間に見ていた風景をまず撮影。
当然だが阿蘇山にも雪が降っているようだ。
さあ、純白の世界の撮影会だ。
真っ白に雪化粧された三俣山。
天狗が城、中岳、そして遠く大船山。
中岳山頂にも多くの方がいるようだ。
硫黄山からすごい勢いで噴煙がやってくる。
絶えずやってくるガスの合間を縫って純白の星生山を撮影。
こちらの風景の雄大さはどうだ。
肥前が城の絶壁を見下ろして撮影しているのだろうか。
そしてこちらの方も撮影中。
山頂は多くの方でにぎわっている。私が辺りの撮影を終え山頂標識のそばですばらしい景色を眺めていると、
そばにいた女性とどちらともなく「来てよかった」「ほんと、来てよかったですね」と会話を交わした。
風景のあまりのすばらしさに下山したくない気持ちにさえなった。
できれば久住分かれから星生山に行ってみたいと思っていたのだが、西千里浜から向かうことに変更。
その途中、星生崎を見上げる。硫黄山のガスが流れる。
西千里浜より久住山を振り返る。
星生山に取り付く。ちょうどご夫婦が下山してきていた。
まるで鳥が青空に向かって飛び立とうとしているようだ。
尾根に近づくにつれて斜度がきつくなり、それに呼応するように雪の量も多くなった。
トレースがあるとは言え、斜度がきついと雪の壁を崩しながらよじ登るようになる。あえぎつつ登った。
ようやく尾根にたどり着いた。雪面に残る風紋と久住山。
山頂に到着し、三俣山と、噴煙を吹き上げる硫黄山を見下ろす。
雪をまとった九重連山。上空にあるのは雲ではなく、硫黄山の噴煙である。
山頂を後にし、西千里浜には降りずに尾根道を下る。トレースを慎重にたどっていく。
灌木林の中に入ると雪はさらに深い。こんなところをラッセルした方に感謝。
ようやく池塘まで下ってきてほっとする。純白の雪はあくまでも白く、青空に映える。
カラマツ林付近より三俣山を撮影。この撮影をする少し前、一人の男性とすれ違った。お互い顔を見合わせてびっくり。
九重連山の光と影」のオアシスさんだ。昨年の9月26日に大船山頂でお会いして以来だ。
今日は雪が積もり天気もいいので、星生山南面と肥前が城の絶壁のダブルアーベントをねらって扇ケ鼻に行くとのこと。
さてどうだったのだろう。ホームページの更新が待ち遠しい。
沓掛山の岩場を過ぎ、今日たどったルートを振り返った。
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