天狗が城・中岳・鳴子山・稲星山【朝駆け】

2020年7月2日


梅雨の晴れ間の1日、有給休暇を取得しての平日山行。

深夜2時に牧ノ戸を出発。
時間に余裕があるのでマイペースで歩いていく。
久住山避難小屋前で小休憩し行動食を食べる。
御池のほとりから一頑張りで天狗が城に到着。
山頂には黎明を撮影中の男性が1人。
その方と一緒に夜明けを撮影し、中岳に向かう。
朝食を食べながら楽しい時間を過ごした。
コーヒーを飲んだ後に腰を上げ、鳴子山へ向かう。
遅咲きの花をなんとか撮影し、鳴子山山頂で小休憩。
稲星越に戻って今度は稲星山へ。
残念ながらガスが上がってきて久住高原側の展望はない。
そこで御池のほとりで昼食を食べる。
予報通りのくもり空の下、のんびりと牧ノ戸へ下った。

1:50牧ノ戸→2:10沓掛展望台→3:00扇ガ鼻分岐→3:35久住分かれ→4:10~5:30天狗が城→5:50~7:25中岳(朝食)
→7:35中岳下→7:55稲星越→8:30~8:50鳴子山→9:15稲星越→9:40~10:05稲星山→10:25池の小屋
→10:30~11:45御池(昼食)→12:10久住分かれ→13:00扇ガ鼻分岐→13:55沓掛展望台→14:05牧ノ戸




先週の日曜日(6月28日)は散々だった。
その日は私の住む地域の地区掃除が予定されていた。
気象庁の天気分布予報では6時から9時までは雨ということだったので、
それなら登山はムリだとあきらめ、地区清掃に出ようと思っていた。

ところが当日の朝のこと。
いつものように味噌汁を作っていると妻が起きてきた。
「今日の地区清掃、何時からだっけ?」
妻の返答は「あれ?昨日の夕方、延期しますって放送が流れてたよ」
「そうなんだ~」と私。まあここまではよかった。
だが、何の気なしに「くじゅうの空」を開いてみて驚いた。
なんと青空が広がっているではないか!
9時まで雨の予報だったのに…
すでに時刻は7時半。今からでは間に合わない。
結局晴れの日曜日を自宅で過ごすはめになってしまった。
唯一の救いは藤井聡太七段の棋聖戦第2局を観戦できたことくらい。
伝説となる「3一銀」を生で見られたことでよしとしよう。


さて、梅雨時期の天気は雨、また雨…。
ところがそんな雨模様の日々が続く中、7月1日(水)と2日(木)は晴れ。
そこで2日(木)に有給休暇を取得して山行することにした。
幸い仕事のやりくりを同僚たちにお願いし、山行決定。
みなさん「今度の土日も雨みたいだからね~」と言ってくれた。


深夜1時半に牧ノ戸駐車場に到着。
広い駐車場には他に4台しか停まっていない。
晴れの予報とは言え平日なのだから(しかも深夜)、まあ当然だ。
だがその4台の中に見覚えのある車を見つけた。
私も毎週のように山に行かなければ具合が悪くなるビョウキなのだが、
この人も私に輪を掛けたビョウキのようだ(笑)。


2時前に牧ノ戸を出発。
今日は前回、寸前で夜明けに間に合わなかった朝駆け未遂の反省にたち、
時間に余裕を持って出発することにした。
めざすのは天狗が城。
夜明けは5時過ぎなので十分余裕がある。
焦らずマイペースで登っていく。


沓掛の岩場で尾根道を見てみたが、はるか向こうまでライトは見えない。


久住山避難小屋前で岩に腰掛け小休憩。
行動食を食べて糖分補給した。

御池のほとりに到着し周囲を眺めるが人の姿はない。
そこで天狗が城をめざすことにした。
御池のほとりから一頑張りで山頂に到着。
すると単独男性が黎明の撮影中だった。



撮影中の男性は牧ノ戸で見た車の持ち主。
マルワイさんだ。


「おはようございます」と声を掛けるとさすがにマルワイさんは驚いたようだ。
それはそうだろう、私は車を見てマルワイさんが山にいることはわかっているが、
マルワイさんにしてみれば私が今日山行していることなんて知らないのだから。
「どうしたんですか」と聞かれたので、先週の日曜日のことを話した。
今度は逆に私が質問する番だ。今日の予定を聞いてみた。すると…
「昨日寝ずに入山して星の撮影やらをして、
実は今日は午後から仕事があるので…」
ここまで聞いてほんとにびっくりした。
午後から仕事?ということは寝ずにそのまま?
確かに私はビョウキかもしれないが、
マルワイさんは相当の重症患者のようである(笑)。


さて、気を取り直して(笑)黎明の撮影をしよう。



山頂に到着したのは4時10分だったが、
マルワイさんと話をしていて撮影が遅くなってしまった。
これは4時21分に撮影した1枚目のもの。
すでに黎明が始まっている。
中央やや右に光っているのは金星だ。



東の空が曙色に染まってきた。



中岳上空の雲も染まっている。



こちらは由布岳上空。



夜明けが近づいてきた。



夜明け前の久住山を撮影。
裏焼けが美しい。



5時5分、雲の下から朝日が昇ってきた。



荘厳なくじゅうの夜明けを迎えた。



朝日が射す前の三俣山と遠く由布岳を望む。



星生山がわずかに染まっている。


朝日の撮影を終え、マルワイさんとどちらともなく「中岳に行きますか」となった。



先程までいた天狗が城を振り返る。



一頑張りで中岳山頂に到着した。


時刻はまだ6時前。普段なら味噌汁を作っている時間だ。
車中で朝食を食べているのだが(1時頃なので深夜食と言うべきか)、
お腹が空いているのでマルワイさんと一緒に朝食とする。



今日のメインの食事は昼食なので、とりあえずこれで済ませることにした。
ザックの下の方にいつも入れている非常食。


2人で話をしながら食べる食事はおいしい。
食後のコーヒーも話をしながら。こんな時間が実にうれしい。


そうそう、早朝の風景を撮影しておかなければ。



久住山方面の山々を望む。
手前には中岳の影が伸びている。



この風景をカメラに収めるマルワイさん。



三俣山と平治岳、遠く由布岳を望む。
坊がつるにテントはさすがに1つもない(当たり前か)。


そろそろ腰を上げる時間。
マルワイさんは下山して午後からの仕事に向かう。
私は中岳を下り、鳴子山へ。
マルワイさんは「もう終わっていると思いますよ」と言ってくれたのだが、
ダメ元でいいから行ってみよう。



「ではまた、どこかで会いましょう」と別れ、中岳から下っていく。



中岳下より中岳山頂を振り仰ぐ。
ここでマルワイさんの助言に従い、雨合羽のズボンをはく。
そうしないと朝露でぐっしょり濡れてしまうそうだ。



稲星越に到着。ここは5叉路になっている。
ここから斜め左方向に進むと鳴子山だ。


マルワイさんは「たぶん終わっていますよ」と言っていたが、せめて1輪でも咲いていないだろうか。
群生地に到着し、花を探す。だが見つからない。やはり遅かったか…
数日前に咲いたであろう枯れ花や花弁の傷んだ花はあるのだけれど…
それでも「もしかして」と思って探しつづけると…



一輪だけ遅咲きの花が咲いていた!
森の貴婦人ことオオヤマレンゲ。


わずか一輪だが、あるのとないのとでは雲泥の差。
咲いてくれていてありがとう。



オオヤマレンゲを撮影できたことに満足し、鳴子山の山頂に向かい、すぐに到着。
山頂に着いてみると久住高原側からガスが上がり始めていた。



中岳山頂からだと逆光で撮影できなかった大船山を望む。



山頂標識のそばにはシモツケが咲き始めていた。



小休憩を終え、稲星越へと戻る。
今度は中央の岩を越えて行こう。




その岩の上から片ガ池を見下ろす。



稲星越に戻り、こんどは稲星山へと登っていく。



稲星山の山頂に到着。



ここは久住山と同様に久住高原側の展望がすばらしいのだが、
残念ながらガスが上がってきたためそちら方面の展望はなし。



中岳方面の展望を楽しむ。
右から中岳、天狗が城、星生山、久住山。



そして稲星山に来たらやはりガメラ岩だ。
ガスの向こうにわずかに大船山の山頂が見えている。
(ちょうどガメラの鼻先?の下だが、わかるだろうか)


今日の予定では、この後久住山に向かい、山頂で昼食を食べるつもりだった。
ところが久住山にはここ稲星山同様、久住高原側からのガスがずっと上がり続けている。
しばらく眺めていたがその状況は変わりそうにない。
久住山の最大のポイントはその展望なのに、それがないとなると魅力は半減。
というわけで久住山をあっさりあきらめ、御池のほとりで昼食を食べることにした。



中岳下を再び通過。
左に見えている池の小屋に向かう。



池の小屋前より御池を見下ろす。


御池のほとりにはすぐに到着。
さて、どこで昼食を食べようかな。



池に突き出た岩の上で食べたいのだが、先客がいる。
もっとも、そこは人気スポットなので、1人だと気が引ける。
そこで、この写真の右手前に写っている草の上に腰を下ろすことにした。
実はこの場所、私にとっては思い出深い場所。
というのも、くじゅうにはまるきっかけとなった2004年6月13日に昼食を食べた場所だ。
それ以来数度はここで昼食を食べたことがあるが、最近はほぼ中岳山頂で食べている。
実に久しぶりだ。



今日の食材。
大根、豚肉、タマネギ・しめじ、青じそ。
たれ瓶の中身は薄口醤油とみりんを半々で混ぜたもの。


まずはアルファ米にお湯を注ぐ。
次に大根をおろして大根おろしをつくる。



豚肉とタマネギ、しめじを炒める。
下味にたれをかけておく。



アルファ米に炒めた具材をのせ、その上から大根おろしをかけ、
手でちぎって青じそを散らし、わさびをたっぷり絞り出す。
最後にたれを回しかければ豚おろし丼の完成だ。



思い出の場所で食べる食事はおいしかった。
ただ、最初はわさびを目で確認していたのでよかったのだが、
そのうちどこかに紛れてしまった。
時折わさびが効きすぎて…という刺激的でおいしい丼となった(笑)。



残念ながら曇ってきてしまったが、雨になる心配はない。
この風景を眺めながら今日2杯目のコーヒーを飲む。


さて、そろそろ下山することにしよう。



久住分かれ付近より星生崎を望む。
ガスが深くなってきた。



久住山避難小屋前に着くと、新しく作られる小屋の土台を測量中だった。



ケルン並ぶ西千里浜を下っていく。


花が咲いていないかと探しながら歩いていく。



ハギクソウ
去年初めて見て、名前がわからなかったのだが、
あきらさんに教えていただいた花である。



チダケサシはまだほぼ固いつぼみ。
1株だけやけに早咲きの株を見つけた。



イブキトラノオは普通、風に揺れていて撮影しづらいのだが、今日は無風。
まったく揺れていないイブキトラノオを撮影したのは初めてかもしれない。



そしてやはり咲いていたシライトソウ。
草の間にひっそりと咲くこの花を撮影し、満足して下山した。


マルワイさんの活動日記もぜひご覧下さい。


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